EP.2 注射が怖い
皆より2年遅れての看護学部に転入。
その年齢差が気にならないわけではないけど、気にならないのは私だけで他の人たちは私に話をする時は敬語で話してくる。
「そりゃぁ仕方がないだろう、一応年上なんだから。」
「スンジョ君は途中から医学部に入っても、困ったりしなかったから判らないんだよ。」
最近はベッドに入ってから、ハニとはこんな会話で一日の出来事を話していた。
「スンジョ君は私より先に卒業して働くんだね。」
「お前・・・・・・・知らないのか?」
「何が?」
まさか本当にハニは知らないのか?ここまで無知だと・・・・・・・
「医学部は6年だ。ハニが今年、看護学部の2年でオレが医学部の4年。一緒に卒業できるだろ?」
眉間に皺を寄せて計算でもしているのか、唸るように数えている。
それでもパッと明るい表情になって、嬉しそうに笑ったかと思うとオレの方に向きを変えて抱きついてきた。
「一緒に大学生活を過ごせるんだね。」
「そうだな。でも、今度は単位を落とすんじゃないぞ。」
「うん!がんばる。」
ハニとこんな風に話せる自分はどんな顔をしているのか・・・・・、自分の顔の表情までは判らないが、ハニからキスをして来たということは隙だらけの顔なんだろうな。
甘えてすり寄ってくるハニに応えるように、目を見つめ合って小鳥のように啄むキスを何度も繰り返していた。
明日の実習が何をやるかを知らないはずがないのに、ハニは看護師なら出来なければいけないことに悩むとは思わなかった。
「一通り説明をしましたので、向かい側の席の人と実際に練習をしてください。」
忘れていた・・・・・。
今日が注射の練習の日だと。
昨日の夜、スンジョ君とキスをしないで注射の打ち方を教えてもらえばよかった。
「ハニ?何をボケッとしてんだ、サッサと腕を出せ。」
同じグループのギョルと何かと実習のコンビになることが多い。無愛想で言葉が冷たく怒っているみたいで少し苦手。
無愛想で冷たい言い方をするのはスンジョ君で慣れているはずなんだけど、スンジョ君みたいじゃなくていつも私をバカにして怒っている。
「痛くしないで・・・・・・・・・。」
顔をしかめて、ギュッと目を瞑って腕をギョルに差し出した。
「バカかお前。注射をされる患者の気持ちを知らないとダメだろう。目を瞑ってないでしっかり見ろ!」
気持ちは見ていようと思っているけど、怖いんだもの・・・・・注射が・・・・・。
ギョルが射した栄養剤の入った注射は痛みもなく刺さった。
なぁ~んだ。今の注射は痛くないんだ。
私は、そう思った。
皆より2年遅れての看護学部に転入。
その年齢差が気にならないわけではないけど、気にならないのは私だけで他の人たちは私に話をする時は敬語で話してくる。
「そりゃぁ仕方がないだろう、一応年上なんだから。」
「スンジョ君は途中から医学部に入っても、困ったりしなかったから判らないんだよ。」
最近はベッドに入ってから、ハニとはこんな会話で一日の出来事を話していた。
「スンジョ君は私より先に卒業して働くんだね。」
「お前・・・・・・・知らないのか?」
「何が?」
まさか本当にハニは知らないのか?ここまで無知だと・・・・・・・
「医学部は6年だ。ハニが今年、看護学部の2年でオレが医学部の4年。一緒に卒業できるだろ?」
眉間に皺を寄せて計算でもしているのか、唸るように数えている。
それでもパッと明るい表情になって、嬉しそうに笑ったかと思うとオレの方に向きを変えて抱きついてきた。
「一緒に大学生活を過ごせるんだね。」
「そうだな。でも、今度は単位を落とすんじゃないぞ。」
「うん!がんばる。」
ハニとこんな風に話せる自分はどんな顔をしているのか・・・・・、自分の顔の表情までは判らないが、ハニからキスをして来たということは隙だらけの顔なんだろうな。
甘えてすり寄ってくるハニに応えるように、目を見つめ合って小鳥のように啄むキスを何度も繰り返していた。
明日の実習が何をやるかを知らないはずがないのに、ハニは看護師なら出来なければいけないことに悩むとは思わなかった。
「一通り説明をしましたので、向かい側の席の人と実際に練習をしてください。」
忘れていた・・・・・。
今日が注射の練習の日だと。
昨日の夜、スンジョ君とキスをしないで注射の打ち方を教えてもらえばよかった。
「ハニ?何をボケッとしてんだ、サッサと腕を出せ。」
同じグループのギョルと何かと実習のコンビになることが多い。無愛想で言葉が冷たく怒っているみたいで少し苦手。
無愛想で冷たい言い方をするのはスンジョ君で慣れているはずなんだけど、スンジョ君みたいじゃなくていつも私をバカにして怒っている。
「痛くしないで・・・・・・・・・。」
顔をしかめて、ギュッと目を瞑って腕をギョルに差し出した。
「バカかお前。注射をされる患者の気持ちを知らないとダメだろう。目を瞑ってないでしっかり見ろ!」
気持ちは見ていようと思っているけど、怖いんだもの・・・・・注射が・・・・・。
ギョルが射した栄養剤の入った注射は痛みもなく刺さった。
なぁ~んだ。今の注射は痛くないんだ。
私は、そう思った。