大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

邂逅

邂逅 111

「責任がある役目だけど・・・・王命だからなぁ・・・」
ジュングは内密に渡された書簡と馬牌を夢でも見ているような目で眺めた。
馬牌の馬の数は2つでも、力のない行商人が持つには余りあるものだった。
「無理なら無理と言って返したら?」
「そんなことできるか!王命に逆らったら、オレだけでなくお前や年老いたお袋に、やっと授かったジュンユンの命もない。この国の民として、なんの力もない人間でも役に立つのなら・・・・王様はそれ以上に与えてくれたその役目は、世子様と会える機会を作ってくださったのかもしれない。」

ジュリは何も言わなかった。
王命を断ることはできないこともわかっていたし、夫であるジュングの心の中に消えない思い出があるから。
夫婦になって子宝に恵まれても、数年一緒に生活した王妃と世子との生活を忘れないようにしているから。

「わかったよ。私は旦那であるあんたを応援するよ。」
「ジュリ・・・・」
「国中を回る行商人なんだから、きっとあんたはちゃんと役目を果たせるよ。行商人として国中を回って色々な人とのつながりを持っているのだから、大人しく農作業や薬草摘みをするよりも、そこがあんたの居場所なんだよ。」

二人に付いている女官が、宴をしている方に向かっていた。

「ジュリ・・・・帰ろうか・・・」
「私はあんたに従うよ。」
言葉を交わさなくてもお互いにわかっていた。
送られた綺麗な服を着ていても、着慣れないせいもあるが落ち着かず場違いな気分だった。
世子に会って帰るより、言葉も交わさず会わないでこのまま宮殿を出た方がいい。
もう、泥だらけになって木に登り、坂道を走っていたスンではないのだから。
美しい嬪と並んで座っている姿を見ただけで十分だった。
あの小さいときから賢い子どもだったスンの居場所は、貧しい島の隙間風の入るあの家ではなく、広くて裸足で歩いても床のトゲが刺さることのないこの宮殿なのだから。

「あの・・・女官さん。出口の方に案内してくれないだろうか。」


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邂逅 110

宴の席から離れ内官の後を緊張しながら歩く二人は、何か間違いでも犯したのかと不安になってきた。
内官の衣擦れの音と、宮殿内の警備をしている官吏が歩く足音以外何も音がなかった。

足が宙に浮くとはこのことだろうかと感じた時に、また違った雰囲気の部屋の前に着いた。
何人かの女官が立っている部屋に来ると、案内して来た内官が一人の女官に会釈した。

「決して失礼の無いように。」
「はい。」
短くそう返事をするしかなかった。
部屋の戸が静かに開いて中に入るよう促すと、部屋の正面に王のみが着ることができる真紅の龍袍は、実際に見たことはないが、ジュングとジュリにはどんな身分の人物かわかった。

「ジュング・・」
その声は王の横に座っている女性で王妃から聞こえた。
もう十何年も経っているが、あの頃から変わらない、むしろ綺麗になったハニが笑顔でこちらを見ていた。
色白の肌は透き通り、黒い瞳は大きく潤んで輝いていた。

「父ちゃん・・・顔を上げたら・・」
隣に座るジュリが膝を数回当てて、ジュングは慌てて下を向いた。
その様子を見たハニは、小さく笑うと人払いをした。

「ここには私達だけしかいないから気を楽にして・・・・」
気を楽にしてと言われても、着慣れない絹の服を来ただけでも緊張しているのに、身分の低い自分たちが入ることのできない宮殿の、それも王と王妃の私室にいるのだから身体が宙に浮いている気分でもある。

「ジュングもジュリも送った服がよく似合っているわ。王様と背格好が同じくらいだと思って作らせたのだけど、本当に同じ体格だったのね。」
ジュングもジュリもまだ王の顔を直視していないが、自分と王様の体格が同じだと聞くと盗み見たくなった。

「ハニ、これをジュングに・・・」
狭い私室とはいえ、王宮の王と王妃の私室は広い。
離れた場所でも、王の声は心に響く優しくて包み込むような声だ。
「ジュング・・・スンの父親として王宮では誰も教えることができないことを教えてくれた。これからはこの牌を使って、民の様子を知らせるように。」
書簡と牌が差し出された。
「勿体ない・・・」
「スンと私を助けてくれなければ、今がなかったの。命の恩人に感謝の気持と思って受けてほしいの。」
ジュングとジュリは言葉を返すことの代わりに、ただ床に額を何度もつけていた。
離れて暮らすようになってから、ハニはジュングたちの島に行くことはできなかったが、スンは数回視察
として訪れていた。
そのたびに成長している姿を見ることはできても、話す機会はあまりなかった。
ジュリと夫婦になり、自分の子供が生まれても、スンのことは忘れたことがなかったから、この王命に驚きと嬉しさが入り混じっていた。


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邂逅 109

若い世子との世子嬪の姿を遠く離れた場所から見ている、両班ではないと一目でわかる夫婦がいた。
夫の方は目に涙を浮かべ、妻の方はニコニコと笑みを浮かべていた。

「父さんが来ている事を知っているのかしら。」
「こら『父さん』などと言っては・・」
夫は、王妃がまだ世子嬪だった頃、記憶がなくどこの誰かもわからない時に、一緒に過ごしていた行商のジュングだった。

「立派になられて、可愛い世子嬪と末永く幸せになって欲しい。この先の人生は、我々が知ることもない困難な事が起きるのだろうが、我々は王室があって生きている。」
ジュングは、生まれてからの数年のスンと、時々数名の御付きの人を伴って静養に島に来てくれていた。
その王様の気遣いに、ジュングはこの先も安定した世の中が続くことだろうと信じた。

「ポン様、こちらに来ていただけませんか?奥様も。」
着慣れない韓服が場違いで怪しい人物と思われたのだろうか。
「私たちは招待されて・・」
ジュングの妻のジュリは、王宮から届いた書状を見せようとしたが、ふたりに声を掛けた内官は慌てることなく軽く頭を下げた。
「別室でお待ちの方がいらっしゃいます。」
どうぞこちらにと、案内される方に2人は着いて行くしかなかった。



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邂逅 108

初めての宴
身分の高い人との顔も知らないままの婚儀
両班の娘として自由に生きて来たのに、これからは何もかも規則で縛られた生活
私にとって世子嬪の意味などどうでもいい
未婚の両班の娘の憧れでもある世子の妃になるより、目の前の料理を食べたい
昨日の夜より食べる物は今日の日に差し障るからと制限されていて、良き日なのにお腹が空いて我慢できない

「お腹が空いた。」
小さな声で呟いたはずだった。
だが、一瞬静まり返った時に、その呟いた言葉が隣に座る世子に聞こえた。
「ほら、口を開けて・・・」
少しだけ声の方を見ると、世子が箸に食べやすそうな料理を挟んで差し出していた。
初めて見る世子の顔は、あまりにも美しく目が離せなかった。

「ほら、 臣下に見えない様にこっちを向いて口を開けろ。」
「えっ!」
挟んだ料理を婚儀の最中に世子嬪に食べさせるのは前代未聞だ。

『早く』と急かす瞳に応えるように口を開けると、側にいた女官が息を呑むのが伝わった。
それと同時に、宴に参列している人たちの視線がふたりに注がれたが、空腹には勝てなかった。

決まりではないが、世子嬪が人前で夫になったばかりの世子に食べさせて貰う事は考えられなかった。

その様子に気づいた内官や尚宮初め女官が慌てたが、臣下達は思わず『おー』と声を漏らしていた。
実家から連れてきた乳母なのか、世子嬪を嗜めていた。

「嬪宮、私にも食べさせてくれないか?」
それは世子が、実家から連れてきた乳母に嗜めてられ悲しそうにした世子嬪を庇っての言葉だった。


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邂逅 107

顔も知らない女人との婚儀
祖父母や両親のように幼い頃から知っている相手でもない

『世子、そんな顔をしないで・・せめて口角を上げるだけでも・・・』
母さんは王宮ではなく、小さな島で幼少を過ごすことになったのを気にしている。
そうじゃない、どうせ政略結婚で皇室に取り入りたい派閥の両班の家柄の娘なら、せめて見た目だけでも自分の好みの女人がいい。
頭は悪くてもいい、純粋でいつまでも乙女な女人・・そう、母さんの様な娘が良い。

スンリ世子としての公の場が、自分の婚儀の日だった。
参列している臣下達からは背中しか見えない。
スンいやスンリは、そっと横目で隣に並んでいる世子嬪の顔を見た。
横顔には不満はない。
ゆっくりと視線を下に向けると、僅かに体が震えていた。

内官より聞いた年齢は13歳になったばかりと聞いたばかりだから、自分よりも3歳年齢が下だ。

「世子様、移動してくださいませ。」
尚宮が囁き移動をしようと顔を上げた時、先に動いていた世子嬪と視線が合った。
ポッと顔が赤くなった表情に、スンリはドキンとした。

まだ幼児みたいな顔だ

化粧をしているが、表情は幼い子供の様だった。
なぜか、初めて会う世子嬪に身体全体に雷が落ちた様にピリピリとした。

宴は、好きではないしつまらない。
自分は慣れているが、こんな時にこの世子嬪は、何を考えているのだろう。

楽器の演奏が途切れた瞬間に、聞こえてきた小さな声。
「お腹が空いた・・」
その言葉にスンリは笑い声を上げたいほどだった。
早朝から着付けで何も口にしていないのだろう。
食べたくても、衣装などの装飾品があっては手が届かない。
スンリは、自分の前の食べやすそうな物を見つけて箸でそれを挟んだ。

「ほら、 臣下に見えない様にこっちを向いて口を開けろ。」
「えっ!」
挟んだ料理を婚儀の最中に世子嬪に食べさせるのは前代未聞だ。
決まりではないが、世子嬪が人前で夫になったばかりの世子に食べさせて貰う事は考えられなかった。

その様子に気づいた内官や尚宮初め女官が慌てたが、臣下達は思わず『おー』と声を漏らしていた。
恐らく実家から連れてきた乳母なのか、世子嬪を嗜めていた。

「嬪宮、私にも食べさせてくれないか?」
それはスンリが、実家から連れてきた乳母に嗜めてられ悲しそうにした世子嬪を庇っての言葉だった。
その行いが、この先の世子の婚儀での恒例となる事は誰も考えられないだろう。


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