スンジョとスンはと並んでガラス越しに見る光景にハニは感慨深かった。
数か月も経っていないのに、こうしてみる景色が幸せと感じるのは、自分の心の中にいつまでもあった蟠りが消えたからだろう。
「ママ、赤ちゃんが生まれるのは大変なことなのね。」
「ごめんね・・・スンハを驚かせて・・・」
少し血色のないハニの顔は、具合が悪いようにも見えずむしろ幸せにあふれていた。
そっと肩に手を当てられたスンジョの手が温かく頼もしくもあった。
「まさか病院に行くまでの道で事故があって、あんなに時間がかかるとは思わなかったな。」
「ごめんね、車の中を汚しちゃった・・・」
「いいさ、無事に生まれたのだから。」
それは昨日のことだった。
予定日にはまだ日はあったが、いつ生まれてもいい時期だったから、家族としてやり直す旅行を、ハニが生まれ育った町を見ることにした。
途中、体の異変を感じて検診もしていなかった不安もあり、病院に行くことにした。
だが、途中で大型トラックが転倒した事故に遭遇して、田舎町の道路がふさがれた状況で破水してしまったのだ。
事故処理をしている警察官に事情を伝えて、何とか病院の駐車場に着いた時には生まれてしまったのだった。
「スンハもびっくりしたでしょ?」
「びっくりした。でも、赤ちゃんはママとつながっていることを知って、スンハもそうだったと思ったら弟が可愛くなったよ。」
保育器の中の生まれたばかりの息子は、他の赤ちゃんよりも小さいが整った顔をしていた。
「お袋も親父も今日の夜には到着すると言っていた。ウンジョは試験中だから、家で待機しているらしい。」
病院で仕事をしていたから見慣れているのに、自分の子供が保育器に入っていると母親の気持ちがわかるなんて不思議だけど、予定日近くまでお腹にいたらもう少し大きくなっていたのに、私のわがままで責任を感じる。」
「気にするな。スンリもわかるさ。ハニに責任はないって。」
「スンリって言う名前にしたの?パパ!」
スンジョはスンハの言葉に何も答えなかったが、ハニにはスンジョの気持ちが伝わっていた。
生まれたときは体が小さくても、これから進む人生に困難があってもそれに勝ってほしい。
それは、スンハが生まれたときにもスンジョが生まれたばかりのスンハにそう声をかけていたのだから。

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数か月も経っていないのに、こうしてみる景色が幸せと感じるのは、自分の心の中にいつまでもあった蟠りが消えたからだろう。
「ママ、赤ちゃんが生まれるのは大変なことなのね。」
「ごめんね・・・スンハを驚かせて・・・」
少し血色のないハニの顔は、具合が悪いようにも見えずむしろ幸せにあふれていた。
そっと肩に手を当てられたスンジョの手が温かく頼もしくもあった。
「まさか病院に行くまでの道で事故があって、あんなに時間がかかるとは思わなかったな。」
「ごめんね、車の中を汚しちゃった・・・」
「いいさ、無事に生まれたのだから。」
それは昨日のことだった。
予定日にはまだ日はあったが、いつ生まれてもいい時期だったから、家族としてやり直す旅行を、ハニが生まれ育った町を見ることにした。
途中、体の異変を感じて検診もしていなかった不安もあり、病院に行くことにした。
だが、途中で大型トラックが転倒した事故に遭遇して、田舎町の道路がふさがれた状況で破水してしまったのだ。
事故処理をしている警察官に事情を伝えて、何とか病院の駐車場に着いた時には生まれてしまったのだった。
「スンハもびっくりしたでしょ?」
「びっくりした。でも、赤ちゃんはママとつながっていることを知って、スンハもそうだったと思ったら弟が可愛くなったよ。」
保育器の中の生まれたばかりの息子は、他の赤ちゃんよりも小さいが整った顔をしていた。
「お袋も親父も今日の夜には到着すると言っていた。ウンジョは試験中だから、家で待機しているらしい。」
病院で仕事をしていたから見慣れているのに、自分の子供が保育器に入っていると母親の気持ちがわかるなんて不思議だけど、予定日近くまでお腹にいたらもう少し大きくなっていたのに、私のわがままで責任を感じる。」
「気にするな。スンリもわかるさ。ハニに責任はないって。」
「スンリって言う名前にしたの?パパ!」
スンジョはスンハの言葉に何も答えなかったが、ハニにはスンジョの気持ちが伝わっていた。
生まれたときは体が小さくても、これから進む人生に困難があってもそれに勝ってほしい。
それは、スンハが生まれたときにもスンジョが生まれたばかりのスンハにそう声をかけていたのだから。

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