大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

秋桜の丘で

秋桜の丘で 最終話

パルボクが亡くなり無人になった店は、月日の経過と雨風で所々が傷んでいた。
古い店内の古い木の机の上に載せられた幾つもの書類に目を通しているスンジョは、自分の父親とハ二の両親と祖母の思い出が残っているこの店を手放すことをしてもいいのかと思っていた。

「スンジョ君、私はこの古い店を手放すことに後悔はしないよ。思い出は胸の中にしまっても消えることはないのだから。」
「ここでの思い出は自分の人生を変えてくれた場所です。」
すべての書類に目を通し、スンジョはサインをすると、封筒にそれを入れて封印した。
「改装もお義父さんが貸してくださった写真を参考に、あの頃と変わらないようにします。」
「そんなに気にしなくていいよ。おばあさんは、自分が亡くなったら処分してもいいと言っていたのだから。」

封印をした封筒をギドンに渡すと、窓を開けて別荘の庭を見上げた。
庭ではハニが二人の子供と楽しそうに秋桜の花を摘んでいた。

「それじゃあ、あとは役所に届けて手続きをしてくるよ。スチャンもグミさんも君達や孫と離れて住むことになって寂しいと行っていたから、時々は帰ってきておくれよ。」
「改修が終わっても機材が揃うまではソウルに何度か行くことになるので、その時はハニと子供たちを連れていきます。」
急いで帰って役所に書類を届けるから、ハ二立ちに挨拶をしないで帰るよと言って、ギドンの車が走り去ると、ハニが子供たちと一緒に元祖母の店だった裏口から入ってきた。

「パパは?」
「急いで書類を届けると言って帰っていかれた。」
「そうなんだ・・・残念。これからはあまり会えないから、今夜は泊まっていってくれると思って、スンハとスンリが一生懸命泊まる部屋を整えてくれたのに・・・・」
うんうんと大きくうなずく二人の子供たちは、ハ二の性格をそのまま受け継いだくらいに素直な子供たちだ。

寂しそうな顔をしているハ二を見て、スンジョは母親になってもいつまでも変わらないハ二の表情が好きだった。
「パパが恋しいか?それとも、ここで暮らすよりソウルのほうが良かったか?」
「二人の子供の母親よ。それよりもスンジョくんの妻だから、スンジョくんの手伝いをしてここで暮らすことに何の迷いもないのだから。」
ぷぅっと膨れた顔も、スンジョの好きな顔だった。

子供たちと摘んできた秋桜を花瓶に生けている姿を見て、ハニがここで見た二人の子供はいつの日か自分たちのところに来る子供だったのだと思うと、このパルボクの店を処分することはできなかった。
あの夢を見た日から8年。
自分たちの子供は3歳とまだ幼く、自分たちもまだ人から教えを乞うこともあるが、秋桜の丘の小さな診療所で医師と看護師として、ハ二の母が叶えることのできなかったことを叶えたいと思ったのは、ここに来ると心が楽になり本来の自分に帰ることができるからだ。

ハニが夢で見た子供たちが双子で生まれたのは、子供たちにハ二の母の思いを受け継いでいくことを助けてくれるのだろう。
毎年咲く秋桜の花は、この数年白もピンクも紫も不思議と同じ数だけ咲いていた。


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秋桜の丘で 156

秋桜の丘は普通の別荘が立っている丘ではなく色々な思いが漂っている別荘。
別荘自体は特別ではないが、そこに咲く秋桜に思いが込められている。

『スチャンは頭が良くて落ち着いているから紫。自分が白なのは、先が見えないから白。』

そう言った私の娘は30歳にもならないうちに可愛い娘と最愛の夫を置いて逝ってしまった。
父さんが呼んだのだろうな・・・
父さんもお前と同じ病気で早くに私とお前を置いて逝ってしまった。

可愛い孫はお前に面差しがよく似ているから、寂しさも悲しさも忘れさせてくれたけど、いつまでもこんな小さな町に父親と離れて置いておくわけにも行かず、大学を目指す年令になって離れていったが寂しくはなかった。

もうすぐお前と父さんのいる所に行くから・・・
そう思っていたのに、私は行くこともできなかった。
父さんやお前の生きる力を、私が全部貰ってしまったからなのだろうか。

ハニと暮らし始めて十数年は、ハニと離れて暮らした数年よりも私の人生で一番幸せだった。
でも、それだからといってかわいい孫娘の人生を奪ってはいけないと思っていたから、父親のいる所に行くことになった時はお前の白い秋桜は一輪も咲かなかった。

白い秋桜は先が見えない自分だと例えていたけど、本当はお前が愛したギドンが一途に思っていたことを知っているのだろうか。
ギドンの一途さを受け継いだお前の大切な娘は、お前に助けを求めていたけど、お前以上にハ二を思い慈しんでいる伴侶を迎えたよ。
これで安心して、私はお前と父さんのいる所に逝ける。

パルボクは薄暗闇に映える白い秋桜と一緒に丘の別荘にいる孫娘夫婦の幸せを心の中で呟いていた。



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秋桜の丘で 155

夢は目を覚ませば思い出せないことが多いが、悪夢を見て魘されたのではない事だけはっきりとしていた。
「どんな夢だったのか思い出そうとすればするほど思い出せない・・・あの子達は誰だったのか。分かるようで分からなくて。こっちを向いたその子達の顔を知っているようで、誰だったかなぁ・・・と想い出すんだけど・・・思い出せない。ママはその子達に私に向けていたような優しい顔で何かを話して私に言ったの。『ハにはママと違うからいつまでも家族と幸せに暮らすのよ』と言った気がする。」
「ハニはお母さんのことが気になるのか、その子供たちが気になるのかどっちなんだ?」

ハ二の夢の話を馬鹿にすることなく、スンジョは真剣に聞いてくれた。
結婚してもハニが夢の話をするときに、こんなふうに優しく聞いてくれたことなどなかった。
流産をして心身ともに気持ちが落ち込んでいるハ二に、そんなふうに寄り添ってくれるとは思いもしなかったが、ただ黙って聞いてくれるだけでも気持ちが穏やかになっているようだった。
なぜ、夢の中のハ二の母は幼い子供二人に声をかけたのかは、スンジョにもわからないが何かを意味するのかもしれない。

「もしかしたらハ二のお母さんといっしょにいた子供は、一人はハ二のお母さんが生むことができなかった子供で、もうひとりの子供は・・・・・ハニが生むことができなかった子供を指すのじゃないかな。」
どちらかが母が生むことができなかった子供なら、もうひとりはハニが生むことができなかった子供というのも分かる気がする。
スンジョはずっと傍にいて何も言わないが優しく接してくれていた。
妊娠『かも』と言った時は冷たい態度だったが、スンジョの子供でもあるのだからハ二だけが傷ついているはずはない。

もう少し前向きに考えることはできれば、気になる夢の中のことも意味があるのか分かるはず。
「生めなかった子供かもしれないし、案外予知夢かもしれないぞ。」
ニヤッと笑ってハ二を抱きしめたスンジョは、いつもの意地悪なスンジョの顔になっていた。


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秋桜の丘で 154

祖母から母の話を聞いたからなのか、それとも秋桜の丘に来て白い秋桜が咲いている景色を見て母を思い出したのか、ハニは夢の中で母と対面した。

「ママ・・・ママ・・・・」
母は若くに亡くなったから自分より少し年齢が上でも、記憶の中にある母そのままだった。

[ハニ・・・・泣かないで・・・]
泣き虫なハニが転んだと言って泣いてハハに抱きつくといつもそう言って優しく抱いてくれた。
[転んでいないよ。ママに会いたいの。]
[ママはいつもハ二のことを見ているのよ。]
[もっと、そばに来てほしい・・・困った時は話を聞いてほしいの。]
[そばにいつもいるのに、ハニは気がついていないだけよ。全部知っているのよ、ハ二の悲しみも苦しみも喜びも・・・・・まだ、ハニは時間があるから、きっと赤ちゃんがやってくるわよ。]

その言葉が最後に母は何も言わなくなったが、夢の中にいる母に向かって小さな二人の子供が駆け寄って行った。
その幼い子供に両手で抱き寄せ、歳暮のような微笑みを向けていた。

その子供は誰?
どこの子供なの?

ハ二の母は、その子供たちになにか話しかけると、その子供たちはハニの方の顔を向けた。
男の子と女の子と言うことはわかったが、その子供の顔は分かるようで分からない。

誰なの?
一人はもしかしたらママが生むことができなかった子供で、もうひとりは私が生むことができなかった子供?
私が生むことができなかった子供は、性別もわからない時期だったよ。

ハニは知ろうとしている時に、遠いところからハ二を呼ぶ声が聞こえてきた。

「ハ二・・・ハ二・・・・」
肩をゆすられ目を開けると、隣で眠っているスンジョが心配そうに見下ろしていた。
「スンジョ君・・・・・」
「悪い夢でも見ていたのか?ずっと魘されていた。」
夢・・・・・
「そうだよね、夢だよね。ママが生きているはずはないのだから。」
この土地には母との思い出は殆ど無い。

夢の中の出来事は夢で終わらせられないほど、短い間だったがあまりにもリアルな光景だった。
あの二人の幼い子供たちが何を意味するのか分かるようで分からない、心の中がモヤモヤとしたままで眠れそうになかった。

「ここにいる間は何もすることがないから、寝坊したって構わない。ハニが眠れそうにないなら朝まで話を聞いてもいいぞ。」
ハニは夢の中での出来事をスンジョに話した。


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秋桜の丘で 153

ふたり寄り添うように歩いて行く姿を見て、二十数年前に丘を上っていくハナとギドンと重ねていた。

「ハナ・・・・お前が残したハニは、あの頃のお前とよく似ているが、お前よりも健康で心も強い娘に育ったよ。もうすぐ私もお前の側に行くから、父さんと一緒に待っていておくれ。」

店の灯りを消して、厨房の入り口の隣りにある扉に手をかけた。
まだハニが小さくて母の死を理解していない時に、覚えたての文字を使って書いた跡もいつしか薄くなっていた。
その文字を指でなぞり、パルボクは靴を脱いで部屋に上がった。


久しぶりに来た別荘は、事前に人を雇ってすぐに使えるようになっていた。
結婚する前に来たきり、スチャンやグミとウンジョは来ていたが、ハニとスンジョは結婚後初めて別荘にふたりで来た。
「私・・どこで寝たらいいの?」
「オレと一緒に寝るのは嫌なのか?」
首を横に振って、なぜスンジョはそう言ったのだろうと思った。
「オレの部屋はお袋が二人で使えるようにしてくれたけど、ハニが一人で眠りたいというのならウンジョの部屋を使えばいい。」
「そういうわけじゃ・・・前に来た時はおばあちゃんの家で眠ったから。」
「わかっているよ。風呂の用意をしてくるから、部屋に入って準備をしているといい。」

スンジョ君は高校生の時に再開した時は、意地悪で冷たい人だと思っていたのに随分と優しくなった。
私が落ち込んでいると思って、きっとすごく気を使っている気がする。
流産したことはショックだったけど、私はママに似ている。最初に授かった子供を生むことができなかったことを知った時、もしかしたらママと同じ病気になってスンジョくんを悲しませるのじゃないかと思った。
ここに来るとママを思い出してしまう。
病気でだんだん痩せていき、起きているときよりもベッドの中から私を見ている記憶がはっきりと思い出される。

ハニは窓の外の白い秋桜だけを見ていた。
未来のない自分の色といった白。
「ママ・・・・ママは最初に授かった子供を諦めた時、本当はどんな思いだったの?おばあちゃんは母親としてどんなふうに慰めてくれたの?ママ・・・・どうして死んでしまったの?」
暗がりに見える白いコスモスを見て泣いているハ二の姿を、スンジョは黙って見守っていた。



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