大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

紫陽花の花

紫陽花の花 最終話

早朝に駅に着いたスンジョは急いでタクシーに乗ろうと急いだ。
運よく一台のタクシーを見つけると、運転席のドアをコンコンと叩いた。
「パラン大病院まで・・・・」
タクシーに乗るとまた新しいメールが来ていた。

まだなの?

スンジョは返信する事なく、携帯を上着のポケットに入れた。


「生まれましたよ。とっても可愛い女の子です。」
それを聞いたグミもスチャンもギドンもウンジョも喜んでいた。
早朝の病院の中で大きな声で喜ぶ事は出来ないが、精一杯の喜びを表していた。
分娩室から出て来たハニに、家族は労わりの声を掛けた。
「頑張ったわね。スンジョが間に合わなかったけど、無事に生まれてよかったわ。」
「ありがとう・・・・大丈夫です。スンジョ君は付いていてくれていますから。」
ハニは手に握りしめていたお守りをみんなの前に出した。

「出張の時に生まれても安心できるように色違いの暗算のお守りを持って行ってもらいました。」
「まぁ・・・ハニちゃんたら・・・」
ハニらしいと言えばハニらしい考えだった。
「病室に行ったらゆっくりと休むといいわ。」
難産で体は疲れていたが、母になった喜びでとても眠れそうになかった。
病室に着いてから、スンジョにメールを入れようとした時に病室のドアが開いた。

「スンジョ君!」
スンジョは何か照れたような表情をしていた。
「どうしたの?入って来たら?」
病室に一歩足を入れると同時に、後ろに持っていた紫陽花の花を差し出した。
「来る途中の花屋で買って来た。お祝いだ。」
こう言った時はバラの花でしょと言いたかったが、照れ屋のスンジョがどんな顔をしてかったのか想像すると、その気持ちが嬉しかった。
「女の子だってな。」
「知っていたの?」
「病室に来る時にお袋と一緒に見て来た。お前に似てかわいい女の子だった。」
「やだな・・・私に似たら頭が悪い子になる。」
大丈夫だ、ハニに似れば性格の良い頑張る子供に育つから・・・・・と心の中で呟いた。

「親子三人、この先辛い事もあるかもしれないけど、きっと乗り越えられると思うよ。紫陽花の花は強い花だから。」
「親子三人?私はまだ生むつもりだったのに・・・・」
何人だって構わない。
ハニといればきっとどんな事も乗り越えられるから。

「間に合わなくてごめん・・・・大変だったと聞いているよ。」
「大丈夫、スンジョ君は傍に付いていてくれたから。」
ハニは枕元のお守りをスンジョの顔の前に出した。



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紫陽花の花 52

まだかしら・・・・・
明け方が近くなった病院の廊下に、付き添ってきたグミをはじめスチャンとギドン、そしてウンジョが心配そうにベンチに腰かけていた。

「ワシらに初孫か・・・・・」
ポツリとつぶやくギドンに、スチャンは思い出したように返した。
「ギドン、お前も随分慌てていたんだな・・・エプロンをはずしていない・・・」
「本当だ。もうすぐだと分かっていたけど、その時になると気持ちが落ち着かない。それに・・・スチャンお前のそのシャツは・・・・」
「シャツ?」
「パパのは、パジャマだね。そういう僕は左右違う靴を履いてきた。ママなんて後頭部にカーラーを巻いたまま。」
三人の話にグミは手を後頭部に当てて、カーラーをはずした。

「仕方がないわよ・・・明日のための準備をしていた時だから。きっとスンジョはこういう時でも冷静なのよね。」
この時ばかりはグミもスンジョの冷静さをうらやましく思った。
分娩室から一人の看護師が出てくると、4人の目はそちらに注がれた。
それに気が付いた看護師は4人に近づいた。

「ハニさんは頑張っていますが、まだ生まれそうにないので病室の方で休まれても大丈夫ですよ。」
「まだですか・・・このまま無事に生まれるのかしら・・」
「お腹の赤ちゃんもハニさんもまだ元気ですが、場合によっては・・・手術になるかもしれません。」
お産経験者のグミでも『手術』と聞いただけで、さっと血の気が引いてきた。
「その時の状況でペク先生がお戻りになっていらっしゃらなかったら、どなたか手術の同意書に署名をお願いいたします。」
分かりましたというしかなかった。
妊娠がわかった時は『女の子がいい』『男の子がいい』と家族で話していたが、今となっては母子とも無事ならどちらでもよかった。
「スンジョは何時くらいにこちらに来られるのだろう。」
「6時にはソウル駅に着くとは言っていたわ・・・・」
「あと2時間か・・・・」
2時間を今の状況で待つのはきっとハニも大変だろうと思っていても、誰もどうすることもできない。

「僕・・ハニと最初に会った時のお兄ちゃんと同じ年齢になったから、代わりに立ち会ってあげようか。」
「ダメ!」
当然ダメだと言われると思ったが、まさか3人に言われるとは思わなかった。
「いくらスンジョと似てきても、高校生の男の子が分娩室に入るなんて・・・大体彼女とそういった経験もないじゃない。」
「そんなことない!」
「そんなことない?」
3人の視線にウンジョの顔は真っ赤になった。
「いや・・・その・・・・ミアとは・・・・」
「その子は、またうちの嫁になる子なのね。ちゃんとお式を挙げるまではパパにならないでね。」
言い返さないウンジョに、微妙な空気が流れていたが、その間だけでも不安に空気を忘れることができたのだった。


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紫陽花の花 51

結婚を決めてから幾つ紫陽花の季節を過ごしたのだろう。
毎年紫陽花の花が咲く時に、ハニは庭から一枝切ってリビングに飾っていた。
花が終わると翌年にまた裂くようにと剪定をするのもハニで、挿し木をして株があちこちに増えて、紫陽花の中で笑ってオレを見ているハニの笑顔にどれだけ疲れた心と身体を癒してくれたのだろうか。

「奥さんはいつ出産予定だ?」
「明後日が予定日ですけど、昨日家を出た時は兆候もありませんでした。」
「それなら、今夜の打ち上げには飲ませても大丈夫だな。」
「ほどほどにお願いします。」
出産予定日が近いこの時期の出張は避けたかったが、個人的な理由でそれを断るわけにはいかなかった。
ハニも同じ大学病院で仕事をする看護師だから、その点は理解があって助かるしグミが付きっ切りでいるから安心はしているが・・・・・

「すみません・・・携帯に着信がありましたので少し席を外します。」
予定が終わり鞄の中に入れてあった携帯を取り出すと、着信を知らせる点滅があった。
ハニからではなくグミからの着信に、ハニに何かあったのかと思った。

「お袋?何かあったのか?」
<ハニちゃんね、お昼頃はよかったのだけど夕方から急にお腹が痛いと言って病院に連れて来たの。初めてのお産なのに難産になりそうなの。スンジョがそばにいてくれればハニちゃんも安心すると思うのだけど、帰って来る事は出来る?>
「電車の最終には間に合わない・・・・座席に空きがあれば夜行バスで帰れば早朝には着くはずだ。他の先生に頼んで今夜発つようにするよ。」
ある程度覚悟はしていたが、まさか終電が無くなるまでお袋から電話に気が付かなかったのは自分のミスだ。
昼にも一度携帯を見たが、あの時にもし電話をかけていればハニに様子を聞く事は出来た。
きっとハニだから口に出さなかっただけで、兆候はあっただろう。

「すみません・・・・妻に出産の兆候があって病院にいると連絡があったので先にソウルに帰ります。」
「駅まで送ろうか?電車はもうないだろうけど、バスの最終にまだ間に合うはずだから。」
打ち上げの予定があるのに申し訳なく思い、スンジョはタクシーで駅まで向った。
不安な気持ちでいるハニを想い、家を出る時に渡されたお守りを上着のポケットから取り出した。
待っていろ、オレが帰るまで生まれるなよ。



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紫陽花の花 50

慌ただしく結婚をして、2泊3日の済州島の新婚旅行。
ハニは新婚旅行を海外旅行と夢見ていたけど、行き先なんてどこでも良かった。
初めて二人だけで過ごした時間は、一生忘れる頃はないだろう。
季節が変わって、紫陽花の花は剪定されて葉だけになっていたが、新しい葉が出始めていた季節だった。
あの日から季節は幾つか変わったが、ハニはその時その時の変化に戸惑う事はあっても紫陽花のように新芽を出して乗り越えてくれた。

結婚してしばらくした時に、親父から医学部に戻って医学を志しなさいと言われた時は、ハニがいてくれるだけで諦めようと思っていた深い所での憧れの小さな芽が開いたように、パッと周囲が明るくなったように思えた。
ハニがいてくれればどんな困難な出来事でも乗り越えられると思ったから、遅れた勉強もすぐに追いついた。
それ以上に頑張ったハニには、脱帽しかなかった。
ハニは想像以上に、強かった。
突然看護学科に変わりたいと言って、高校時代に成績が50位に入った時以上の頑張りで看護学科に転科試験に受かった。

看護学科の学生になってからも、ハニは予想以上の頑張りで単位を落とさず、看護師の国家試験にも信じられないが合格をした。
その頑張りを見れば、オレもそれに応えるように医師になるために必死に勉強をした。
どんなに困難な事があっても、乗り越えるハニは幾つもの季節を乗り越えて、彼女自身も信じられないほど素晴らしい人になった。

「スンジョ君、出張の荷物の用意は完璧よ!はい、キャリーケースの鍵・・・・」
机の上にお守りが付いた鍵を置くと、スンジョはその鍵を見て眉間に皺を寄せた。
「おい、オレに安産のお守りを付けてどうするんだ。」
「いいの。もう一つ色違いでお守りを買ったから。これを持っていれば万が一陣痛が起きてもスンジョ君からのパワーで乗り越えるから。」
ハニはもうすぐ母親になる。
そしてオレは父親になる。
季節は紫陽花の花が咲き始めていた。
「オレが帰って来るまで生まれるなよ。」
スンジョは手をハニのお腹に当てて、もうすぐ生れる我が子にそう伝えた。



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紫陽花の花 49

スンジョが大きく見えた。
母の墓に手を合わせて結婚することを報告しているその後姿は大きく、広い背中が眩しく見えた。

「優しい言葉を掛ける事は苦手ですが、ハニを大切にします。」
優秀なスンジョにどんなに頑張っても追いつかないが、自分に精一杯できる事はずっと好きでいるという想いだけだった。
「ママ、私幸せになるね。ママが叶える事が出来なかった事を私が叶える。紫陽花の花・・・・・紫陽花の花のようにきっとどんな困難な事に遭っても枯れる事無く乗り越えて次の年には花を咲かせる事が出来ると思う。」
ハニは紫陽花の花が好きだった。
母親が好きだったからじゃなく、強い日差しの中でも枯れる事無く、しっかりとした葉を付けて寒い冬を越して春には大きくなり初夏に花を咲かせてくれた。
そんな強い花に母が病を乗り越えようと願っていたのは、幼心にも意味は分からなくても気持ちは伝わっていた。

ハニの母の墓参りが終わると、スンジョは心の中に残っていたモヤモヤした気持ちが薄れていた。
行きは後部座席に座り、スンジョに対しての不満を呟いていたが、帰りには助手席に座り鼻歌を歌いながら楽しそうにしていた。
そんなハニを見るのも楽しいが、拗ねたり怒ったり笑ったり泣いたハニを見るのが好きだった。

小さな店で軽食を摂り、見知らぬ公園で車を降りて歩いた。
思わぬ出来事で出会い、人と関わり合うのが苦手だったのに、気が付いたら知らないうちにハニがいる生活が普通の事のようになっていた。
結婚を考えた相手でも、その気持ちを伝える事に迷いがあっても、そばにいる事が当たり前だと思っていた。
デートらしでーともする事も無く、結婚したいと思ってそれ程経たない間に本当に結婚する事になった。
結婚を控えた女の子が喜ぶ事が、どんな事か考えた事も無かった。

「新婚旅行の行き先も考えないといけないな。」
「新婚旅行に行ってもいいの?」
「行きたいのだろ?」
「どこにしようか・・・海外に行きたいけど・・・無理だよね?」
「今からじゃ難しいな。近場で2泊3日じゃないと無理だ。」
行き先がどこでもお前が笑っていればオレはどこでもいいよ。



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