大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

綻ぶ蕾

桜色の想い 78

「驚かなくていい。ずっと前から気付いていたから・・・・・ハニの身に付けているノリゲ・・・・見えない所に付けなくてもいいのに付けているのに気づいて確信した。ハニの年齢なら地味すぎる鶯色・・・スンジョが時折懐から出して見ている手巾。手巾を見ている時のスンジョの顔は、いつも厳しく研ぎ澄まされた表情とは違って、穏やかで何とも言えないくらいに温かで・・・」
ジュングの話し方は、いつもの快活な話し方とは違い少し寂しそうで悲しそうな話し方だった。
それは、ハニの気持ちを知り、スンジョの気持ちも知り、家同士の縁談で行儀見習いという形でポン家の家族として迎え入れられたハニを、本当に一途に想いを寄せている証拠だ。

「あの手巾は、ハニがスンジョに作って渡したのじゃないか?」
俯き加減のハニが、一瞬身体をピクンとさせた。
「男が持つ物とは違うからな・・・桜の花が刺繍をされていてどう見ても女の持つ物だ。桜の花と鶯色のノリゲ・・・・ふたつは一つを意味する。」
ジュングは二人の想いを認めたくはないが、同年齢の二人の気持ちを一番理解できる人間だ。

「今は何もなだ話せないが、希望を持って待っていて。そのためには、ちゃんと食事をしてよく寝てよく笑う・・・・スンジョから聞いていたハニは、よく食べて、よく寝てよく笑う。泣くと大きな瞳から真珠のような涙が流れると聞いて、成均館に入って最初の休暇の時に、スンジョに付いて実家ではなくペク家に行った。

そうだったんだ。
私はポン家に来る事を辛くておばあ様に屋敷を出る日に我が儘を言った。
その前に、お兄様がポン家に行かないで待っているように言ったのに、お兄様の言葉にも従わなかった。
ジュング様の隠している事が何かは分からないけれど・・・・・私は何を考えているのだろう。
身体に力が入らない・・・・寒い・・・・寒くて・・・・目の前が真っ暗・・・・

「ハニ!」
「お嬢様!」
ハニは急にその場に倒れた。
ポン家に来てから自分の気持ちを押さえ込み、慣れない環境で慣れない生活。
行儀見習いという名目で来て、厳しく躾けられていたわけではないが食も細くなっていた。
スンジョへの想いを隠していても、ジュングに知られてしまった事が、なんとか気持ちを押さえて耐えて来たハニの緊張の糸がㇷ゚ツリと切れてしまったのだ。



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桜色の想い 77

お兄様に会いたい・・・・

「この屋敷には桜の木がないのですね・・・・」
空を見上げていたハニを見て、ミナはそっと囁いた。
一人の世界に入っていた事にハニは気が付かなかった。
「ペク家には立派な桜の木があったのに、ポン家は都の中心に近いのでないのですね。」
「ふふ・・・ペク家の周囲は木があり川もあるし池もあって子供の時によく遊んだわね。」
桜の木は顔も思い出せない母との思い出と、それ以上に兄との思い出がたくさんあった。
小さい頃からよく祖母に厳しく躾けられ、その厳しさに泣いている時に流した涙をスンジョが拭いてくれた。
泣き止まないハニをスンジョはそっと唇を触れると、ハニはすぐに泣き止んだが、あの時はその意味が分からずただ嬉しい気持ちがしていたが、今思うとそれが兄の自分への思いだったのだと知った。

だが、いくら血の繋がりがなくても兄とは結婚できない。
「桜の木は私なの・・・」
「それなら庭の一角に桜の木を植えさせよう。」
行き成り聞こえた声に驚いて振り返るとそこにはジュングが立っていた。
「今植えれば春には花を咲かせる。すぐに手配する。」
「あっ・・・」
ハニは耳にしただけで、すぐに行動に移すジュングに驚いたが、その気持ちだけでこの人が純粋な人だと思った。

「どうかしたのか?」

「苗木を今植えても、次の春には花は咲きません。」
「それなら、ハニの実家から貰い受けて・・・・」
「土が変われば木は弱り、場合によっては枯れてしまいます・・・・苗木からゆっくり育てなければいい花が咲きません。」
きっぱりとハニは初めてポン家に来てから自分の言葉で話した。
なぜそんなにきっぱりという事が出来たのか、ハニは言葉にしてから自分でも驚いた。
「そんなにハニはペク家・・・・兄のスンジョが好きなのか?」
ジュングのその言葉に、ハニは心臓が止まるほど驚いた。



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桜色の想い 76

父と母は何かを隠している。
おばあ様も何かを隠している。
ポン家の長男と自分とハニの出会いは偶然なのか、それとも意図的なものなのか・・・・
今それを父上に聞きだすのはよくない。
聞き出せないのなら、ポン・ジュングとの接し方を今までと違う方法にして、それとなく聞き出せばいい。
あの男は、本心からハニを好きだ。
好きだからハニに嫌われるようなことはしないはずだ。

「誰かそこにいるのか?」
戸の向こうからスチャンの声が聞こえると、部屋の中にいたグミが戸を開けた。
「あら・・スンジョ、来ていたら部屋に入ればよかったのに。」
母の表情を見れば父の具合も分かり、父の声も思ったよりも力のある声だった。
「父上の具合は・・・・」
「過労だそうよ。驚いたわよね、あなたが休暇で帰って来て倒れたのだから。」
床に横たわっている父と、スンジョを部屋に招いた。

「心配かけたな。少し前から医師に気を付けるようにしていたのだけど、薬を飲むのを忘れてた天罰だ。」
ハニへの変わらない気持ちでポン家に行くと言った事を忘れているはずはない。
それなのに、なぜ何も言わないのだろう。
「そこに座りなさい。」
スチャンの顔が変わった。

「ポン家に行きハニを連れて来るのは止めなさい。」
「父上!」
この部屋に父と母とそして自分しかいないのは、誰にも話を聞かせたくないのだろう。
「ハニの事を好きなのなら、ハニを困らせたくはないだろ?お前がポン家にいきなり行ったらハニはこっまるだろうし、ハニをポン家に行かせたおばあ様も恥をかく事になる。今はハニがポン家になれるように静かに見守りなさい。」
父の言う通り確かに今ポン家に行きハニを連れ帰ったら、事情を知らない人はハニを兄と抱いてはいない想いを持ったよくない娘と言うだろう。
ハニの実の父親のギドンさんが、ハニに苦労をさせたくないと言って一緒に暮らす事を拒んでいる。
「考えが浅はかでした・・・・・」
「分かったのなら、勉学に今は励みなさい。」



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桜色の想い 75

スチャンが倒れ、ペク家にいる人たちは下働きの人間まで静かに過ごしていた。
家長が倒れたとなれば、ペク家の一大事。
優秀な長男で、いずれはペク家を継ぐ息子がいても、まだ学生で何の地位も無ければ今まで築き上げて来たものが途絶えてしまう。
何事も無ければ・・・・とスンジョは震えている幼いウンジョの手をギュッと握りながら、医師の診断を待つだけしか出来なかった。

「お兄様・・・・・お姉様を呼びに行かないの?」
「ポン家の人間になるのだから、父上の事を急いで伝えなくてもいい。」
心の中ではハニを連れ戻したいと思っていても、今の状況では家は無くなるかもしれない。

スンジョは生まれてからの人生で今が一番先の事が見えなく不安だった。
この状況ではハニを連れ戻したら、スンジョの言葉で倒れたと知っても、その原因が自分にあると思い深く傷つく。
あの幼い日に、スンジョにすがって泣いていたハニは、母親が目を開けないのは自分のせいだと言っていた。
何をハニが言ったのかは知らないが、自分自身が母に言った言葉で息を引き取ったと思っているが、本当はあの日まで生きていられたのが不思議なくらいに身体が弱っていたと、大人たちが話していたのをスンジョは聞いていた。
だから、ハニには実の父親ではなくても育ててもらった父親が倒れた原因は、スンジョが身勝手な言葉でハニを連れ戻すと言った事だと知ればきっともっと傷付く。

「若様・・・・」
部屋の外から声を掛けられると、急いで立ち上がった。
「ウンジョも一緒に・・・・」
「ここにいるんだ。ウンジョが心配している顔を父上が見たら悲しむから。いいな?」
「ぅ・・・・ん・・・」
残念そうにスンジョを見ているその瞳は、ハニの瞳と似ていた。
「大丈夫だよ父上は・・・・・・」
そう言うとスンジョは急いで父の寝所の方に向かった。

「心配かけたな・・・」
「いいのよ、日ごろの疲れのせいで良かったわ。スンジョが科挙の試験に受かり官職に就けば少しは休む事が出来るわ。ハニの事はポン家も引き受けてくださったし・・・あとは義母様に話してくださるそうだから・・・・ポン家の当主も私たちと同じ考えで良かったわ。」
スンジョは両親の会話を盗み聞き、自分とハニの知らない所で大切な事が動いている事を知った。
ただ、どんなにハニとの事が認められなくても、自分の生涯はハニと一緒にいる事だという気持ちには変わりはなかった。



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桜色の想い 74

「若様がお帰りになられました。」
今でスチャンとグミがウンジョと共に寛いでいると、スンジョが帰って来た事を告げる声が聞こえた。
「お兄様が帰っていらした。」
「ウンジョは、ハニがいなくなって寂しかったから、スンジョが帰って来るのを待っていたのよね。」
まだ幼いこの子も、いつかは親の私たちの元から去って行く・・・
スチャンは兄を出迎えに走って行く幼いウンジョを、穏やかな笑みを浮かべて見送っていた。
グミもまた夫のスチャンと同じように思っていた。

「お兄様!」
ウンジョが飛びつくようにスンジョに抱き付くと、スンジョは弟の頭をなぜたが、その表情は硬かった。
「お姉様がいなくなって寂しい・・・一緒に遊んで。」
せがむ弟にスンジョはしゃがんで、幼い弟にも分かるように優しい声で話した。

「あとで遊んであげるから、部屋で待っていて。」
少し遅れて付いて来たウンジョの乳母が到着すると、スンジョは乳母に弟を預けた。
可愛い弟よりも、今は妹として育ったハニの事が優先だった。
冷静さが無いのかもしれないが、一生ハニを守りたいと幼いあの日より思い続けていた。

両親がいる部屋の戸を開けると、帰って来た自慢の息子の顔を笑顔で迎えた。
「お帰り・・・そんなに厳しい顔をしないで、さあ速く入りなさい。」
スンジョは軽く頭を下げて両親の前に来た。
「どうだ?無理はしていないか?お前は勉強を始めると食事をするのも忘れると気があるから無理をしていないか?」
いつもの穏やかな表情ではない息子に対して、何も気が付かないでいる父の顔をスンジョは見ていたが、茶菓を運んで来た侍女が去ると気持ちを抑える低い声で話した。

「父上・・ハニをポン家に行かせたのですか?」
「そうだよ。おばあ様にハニが挨拶をして、少し緊張をしていたが無事に着いたと聞いたよ。」
「嘘です。」
「嘘?」
短く父の言った言葉に否定する言葉でスンジョyは応えた。
「お父様に向かって何という言葉を言うの?ハニは快く引き受けたのよ。」
「だから、それは嘘だというのです。ハニは行きたくなかった。おばあ様が私とハニを引き離した。」
「お前・・・・ハニを妹として見ていないのか?」
「見ていません。私はあの日から一度もハニを妹としては見た事はありません。ずっと守ると決めたのは、大人になったらハニを娶るという気持ちで父上に誓ったのです。」
スチャンの握りしめている手が震えていた。
「ハニは幼い頃から、おばあ様に押さえつけられていたから嫌でも従うしかなかった。父上と母上、そしておばあ様がどう思うかも分かっていますが、私はハニ以外とは婚姻は結びません。今からポン家に行き、ハニを連れて来ます。」
「待ちなさい!」
スチャンは立ち上がったスンジョの腕を引いた。
だが、その手をスンジョは振り払って、入って来た時よりも厳しい顔を両親に向けた。
「ハニと兄妹でいる限り婚姻を結べない事は分かっています。だから、ハニを実の父親の元に行かせて・・・・」
スチャンは握りしめていた拳を振り上げると、掌を広げてスンジョの頬を叩いた。
だが、その後スチャンは自分の胸をわしづかみにして苦しそうにその場に倒れ込んだ。


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