「驚かなくていい。ずっと前から気付いていたから・・・・・ハニの身に付けているノリゲ・・・・見えない所に付けなくてもいいのに付けているのに気づいて確信した。ハニの年齢なら地味すぎる鶯色・・・スンジョが時折懐から出して見ている手巾。手巾を見ている時のスンジョの顔は、いつも厳しく研ぎ澄まされた表情とは違って、穏やかで何とも言えないくらいに温かで・・・」
ジュングの話し方は、いつもの快活な話し方とは違い少し寂しそうで悲しそうな話し方だった。
それは、ハニの気持ちを知り、スンジョの気持ちも知り、家同士の縁談で行儀見習いという形でポン家の家族として迎え入れられたハニを、本当に一途に想いを寄せている証拠だ。
「あの手巾は、ハニがスンジョに作って渡したのじゃないか?」
俯き加減のハニが、一瞬身体をピクンとさせた。
「男が持つ物とは違うからな・・・桜の花が刺繍をされていてどう見ても女の持つ物だ。桜の花と鶯色のノリゲ・・・・ふたつは一つを意味する。」
ジュングは二人の想いを認めたくはないが、同年齢の二人の気持ちを一番理解できる人間だ。
「今は何もなだ話せないが、希望を持って待っていて。そのためには、ちゃんと食事をしてよく寝てよく笑う・・・・スンジョから聞いていたハニは、よく食べて、よく寝てよく笑う。泣くと大きな瞳から真珠のような涙が流れると聞いて、成均館に入って最初の休暇の時に、スンジョに付いて実家ではなくペク家に行った。
そうだったんだ。
私はポン家に来る事を辛くておばあ様に屋敷を出る日に我が儘を言った。
その前に、お兄様がポン家に行かないで待っているように言ったのに、お兄様の言葉にも従わなかった。
ジュング様の隠している事が何かは分からないけれど・・・・・私は何を考えているのだろう。
身体に力が入らない・・・・寒い・・・・寒くて・・・・目の前が真っ暗・・・・
「ハニ!」
「お嬢様!」
ハニは急にその場に倒れた。
ポン家に来てから自分の気持ちを押さえ込み、慣れない環境で慣れない生活。
行儀見習いという名目で来て、厳しく躾けられていたわけではないが食も細くなっていた。
スンジョへの想いを隠していても、ジュングに知られてしまった事が、なんとか気持ちを押さえて耐えて来たハニの緊張の糸がㇷ゚ツリと切れてしまったのだ。

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ジュングの話し方は、いつもの快活な話し方とは違い少し寂しそうで悲しそうな話し方だった。
それは、ハニの気持ちを知り、スンジョの気持ちも知り、家同士の縁談で行儀見習いという形でポン家の家族として迎え入れられたハニを、本当に一途に想いを寄せている証拠だ。
「あの手巾は、ハニがスンジョに作って渡したのじゃないか?」
俯き加減のハニが、一瞬身体をピクンとさせた。
「男が持つ物とは違うからな・・・桜の花が刺繍をされていてどう見ても女の持つ物だ。桜の花と鶯色のノリゲ・・・・ふたつは一つを意味する。」
ジュングは二人の想いを認めたくはないが、同年齢の二人の気持ちを一番理解できる人間だ。
「今は何もなだ話せないが、希望を持って待っていて。そのためには、ちゃんと食事をしてよく寝てよく笑う・・・・スンジョから聞いていたハニは、よく食べて、よく寝てよく笑う。泣くと大きな瞳から真珠のような涙が流れると聞いて、成均館に入って最初の休暇の時に、スンジョに付いて実家ではなくペク家に行った。
そうだったんだ。
私はポン家に来る事を辛くておばあ様に屋敷を出る日に我が儘を言った。
その前に、お兄様がポン家に行かないで待っているように言ったのに、お兄様の言葉にも従わなかった。
ジュング様の隠している事が何かは分からないけれど・・・・・私は何を考えているのだろう。
身体に力が入らない・・・・寒い・・・・寒くて・・・・目の前が真っ暗・・・・
「ハニ!」
「お嬢様!」
ハニは急にその場に倒れた。
ポン家に来てから自分の気持ちを押さえ込み、慣れない環境で慣れない生活。
行儀見習いという名目で来て、厳しく躾けられていたわけではないが食も細くなっていた。
スンジョへの想いを隠していても、ジュングに知られてしまった事が、なんとか気持ちを押さえて耐えて来たハニの緊張の糸がㇷ゚ツリと切れてしまったのだ。

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