ろうそくの揺らぎがハニの大きな瞳のように、スンジョが読んでいる本を照らしていた。
もう数分以上同じ個所を開いている。
先に進まないのは、自分の想いが抑え切れるか切れないかのギリギリの所だった。
妹のハニが苦しんでいるように、スンジョも兄として苦しんでいた。
「若様・・・旦那様がお呼びです。すぐにお出でいただけないでしょうか。」
「分かりました。」
本を閉じてろうそくの灯を消した。
父に呼ばれたのなら、その場に祖母もいて母もいる。
何を話すのかは想像がつかないが、三人が揃っているのなら知りたい事をこの機会に聞こうと思った。
自分の部屋から大人たちが過ごす部屋までを通るこの廊下から庭を見ると、夜空に溶け込みそうな桜から花弁がひらひらと舞っていた。
あの日と同じだ。
ハニが泣いていたあの日、桜の木の下でハニと離れで暮らしていた人が倒れていた。
「お兄様・・・・お母様が動かないの・・・呼んでも起きてくださらないの・・・・」
ハニの小さな手が血で汚れていた。
チマの裾にも、チョゴリの袖口やいたる所に血が付いていた。
「お母様・・・お母様・・・・おぁ・・・・」
泣き過ぎたハニは最後には声も出す事の出来ず、スンジョにすがって泣くだけだった。
スンジョの袖にも、ハニが掴んでいた所だけ血が付いていた。
「スンジョです・・・」
「入りなさい。」
思った通り父と母だけじゃなく、その場に祖母もいた。
戸を開けるといつもの笑顔の両親ではなかった。
祖母がいても父と母は今のように厳しい表情ではなかった。
「そこに座りなさい。」
祖母に向かい合って座る事は今までもあったが、厳しい表情の祖母は初めて見た。
「ポン家の息子がいたから昨日は尋ねる事は出来なかったが・・・・・」
人払いをして、ここにいるのは自分と両親とおばあ様の四人だけだ。
「ハニの・・・・・ハニの事を、お前はどういう想いで見ているのだ?」
自分が聞く前に聞いたのは、祖母ではなく父の方だった。

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もう数分以上同じ個所を開いている。
先に進まないのは、自分の想いが抑え切れるか切れないかのギリギリの所だった。
妹のハニが苦しんでいるように、スンジョも兄として苦しんでいた。
「若様・・・旦那様がお呼びです。すぐにお出でいただけないでしょうか。」
「分かりました。」
本を閉じてろうそくの灯を消した。
父に呼ばれたのなら、その場に祖母もいて母もいる。
何を話すのかは想像がつかないが、三人が揃っているのなら知りたい事をこの機会に聞こうと思った。
自分の部屋から大人たちが過ごす部屋までを通るこの廊下から庭を見ると、夜空に溶け込みそうな桜から花弁がひらひらと舞っていた。
あの日と同じだ。
ハニが泣いていたあの日、桜の木の下でハニと離れで暮らしていた人が倒れていた。
「お兄様・・・・お母様が動かないの・・・呼んでも起きてくださらないの・・・・」
ハニの小さな手が血で汚れていた。
チマの裾にも、チョゴリの袖口やいたる所に血が付いていた。
「お母様・・・お母様・・・・おぁ・・・・」
泣き過ぎたハニは最後には声も出す事の出来ず、スンジョにすがって泣くだけだった。
スンジョの袖にも、ハニが掴んでいた所だけ血が付いていた。
「スンジョです・・・」
「入りなさい。」
思った通り父と母だけじゃなく、その場に祖母もいた。
戸を開けるといつもの笑顔の両親ではなかった。
祖母がいても父と母は今のように厳しい表情ではなかった。
「そこに座りなさい。」
祖母に向かい合って座る事は今までもあったが、厳しい表情の祖母は初めて見た。
「ポン家の息子がいたから昨日は尋ねる事は出来なかったが・・・・・」
人払いをして、ここにいるのは自分と両親とおばあ様の四人だけだ。
「ハニの・・・・・ハニの事を、お前はどういう想いで見ているのだ?」
自分が聞く前に聞いたのは、祖母ではなく父の方だった。

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