大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

硬い蕾

桜色の想い 30

ハニの父親は父上ではなかった。
その事実が分かった事は自分のハニへの想いに悩む事は無くなったが、逆にハニに気持ちを受け止める事が出来るか不安になった。
その心の迷いを父は知ったのか、いつもの穏やかな声と笑顔で話しかけた。

「スンジョ、お前がハニを大切に思う気持ちは分かる。だが、スンジョと双子の妹だと思っているハニが、この事実を知ったらはどう思う?実の母親が自分の目の前で倒れ息絶えた。あの時以前の記憶がないのは幸いな事だ。ハニを大切に思うのなら、兄として妹を大切に思う気持ちでいた方がいいのじゃないか?」
「父上・・・」
「それに、ハニはスンジョの事をどう想っている?父や母の目から見ても、ハニはスンジョを兄と想っているように見えるよ。ペク家の双子として産まれた時からずっと一緒にいたのだから、大人になれば別の人生を歩む事になると思い、不安になるのはよくある事だ。今は成均館で一生懸命に勉学に励み、科拳で良い結果を出せるように精進しなさい。」

父の言葉は、ハニへの兄としてではない想いを封じるようにという事だった。
「明日は宮殿に行って、陛下に謁見するから早朝に家を出る。おばあ様を家までスンジョが送ってくれるか?」
「分かりました。」
父がなぜ宮殿に行くのか不思議だった。
休暇で家に帰ると伝えた時に、急ぐ用はないから家族で湯治場に行こうかと話していた。
それに、宮殿に行き陛下に謁見する時も早朝に家を出る事は今までなかった事だった。

「スンジョ、父も母も勿論おばあ様も、あなたとハニは大切な子供であり孫であると思っているから、大切に育てて来たわ。ハニにおばあ様が厳しくしたのも、ハニを思っての事なの。あなたの想いがどうあっても、二人は生涯兄妹として生きて行かなければいけないの。分かってね・・・」
母の悲しい表情は、スンジョとハニの報われない想いを悲しんでいるようだった。

グミは血縁関係がなくてもハニが可愛がり、ずっとペク家で一緒に暮らしたいと思っている。
二人の想いが叶う方法はあるが、それを叶えるためにはハニの忘れている悲しい思いを閉じ込めているふたを開けなければいけない。
そのために、苦しむハニを見るのも、そんなハニを見て苦しむスンジョを見るのも避けたい。
いつか二人の想いが叶う時が来るのなら、穏やかにその時を迎えたかった。




人気ブログランキング

桜色の想い 29

「だが・・・・」
スンジョはハニへの想いを三人に伝えようとした時に、パルボクが何かを気が付いたように言葉を続けた。
「私の目の黒いうちは、ハニはペク家の一人娘だ。それだけは忘れるな。」
それ以上は何も言うなとパルボクは視線を落として、お茶を静かに飲み始めた。
スチャンもグミも、パルボクがそう言ってお茶を飲んだらそれ以上は何もこちらから言う事が出来ない事は分かっていた。
パルボクと同じように、何事も同じようにお茶を飲んでいた。

「おばあ様、ハニはペク家の一人娘でも構いませんが、私のハニへの想いに変わりはありません。」
「スンジョ・・・おばあ様に、そんなに強い口調で話しては・・・」
グミは反抗的な発言をするスンジョをなだめるように、身体をパルボクの方からスンジョの方に向きを変えた。
「どう言う意味で私に話しているのだ?」
「ずっと自分の妹としてハニと一緒に暮らしていました。」
「変わらないのならそれでいい。ハニは本当にスンジョと同じ日に産まれたのだから、ペク家以外の人間は本当の双子だと思っているはずだから。」

スンジョの本心を言わせないようにパルボクが話を途切れるように持って行くが、スンジョはわずかなスキを見て自分のハニをどう思っているのか伝えたかった。
だが、休暇で帰って来て行き成り本心を言うのは、ハニを早く嫁ぐように予定を変えてしまう可能性もある。
どのみち、祖母は気位の高い女性。
ハニの婿にと考えているポン・ジュングとの結婚は、科拳の試験が受からなければ今以上に進む事はない。
それまでの間は、ハニが嫁ぐ事はないから今の言葉がそう言っているように聞こえた。

「休暇で帰って来ているのだから、おばあ様が話したいことはすべて理解できているだろう。スンジョはユン家の娘と・・・」
「ユン家と縁戚になる事がペク家にとって、理に適う事ですか?」
「スンジョ!成均館に入ってそれ程経たないのに、目上の者にそういう口を利くのですか?」
パルボクの顔が厳しくなったのを見て、グミはスンジョに言葉を慎めと遠回しに伝えた。
「家と人とどちらが大切なのか・・・それをおばあ様の意見を聞かせてください。」




人気ブログランキング

桜色の想い 28

「ハナは勝気で元気そうに見えるが、幼い頃より体が弱かった。預かっている娘だから、大変な事になってはいけないとギドンと引き離そうと、あの手この手を尽くしたが、一度こうと決めたらどんな手を使ってもハナのギドンへの想いは強くなるばかり・・・・両班の娘という地位を捨ててもギドンと一緒になると食事も摂らず・・・」
いつも毅然としているパルボクの瞳に涙が滲んでいた。
パルボクにとってハナは兄の娘というだけの存在ではなかったのかもしれない。

「日に日にやつれて弱って行くハナの為に、ギドンを両班の養子にしてハナと一緒にさせる事にした。だが、ギドンは自分に学はなく両班としての振る舞いが出来ないからと身を引くと言って生まれ育った故郷に帰って行った。後々、ハナに負担がかかると考えての事だと思うが、ハナはもう立ち直れないくらいに気力を失くして歩くことも出来ないくらいに弱ってしまった。だが・・・別れ離れになってしまったが、ハナが子を宿している事がわかり・・・実家に帰そうにも身重の体ではかえって命を縮めてしまうと思い、ペク家の離れに住まわせた。同じ頃にスチャンとグミにも子供が産まれるから、産まれたら双子として世間に思わせようとした。運がよかったのか悪かったのかは分からないが、お前たちは同じ日に産まれてくれたよ。」

自分達がこの世に生を受けてから一緒にいたのは事実だった。
ハニは実の父親に母と一緒に忘れ去られているのなら、スチャンが父親だと信じていた方が幸せなのかもしれない。
だがスンジョはハニをどこかの両班に嫁ぐ事はさせたくなかった。
血縁関係はないのなら、親の時代にどこかの両班に養子にさせよとしたハニの父親と同じようにすれば。

スンジョの考えている事が大人たちに分かるはずはないかもしれないが、スンジョのハニへの想いは姉弟としての想いとは違うと気が付いていた。
ハニの出生の秘密をスンジョに話したのは、過去の過ちを繰り返さない為でもあった。
ハニの父が漢陽に来ているかもしれない事は、パルボクやスチャンたちが予想もしていない事で、ハナを探しにペク家を訪れたらハニの存在も知られる可能性があった。

ギドンがハナの前から立ち去る時に、子供を宿している事を知っていたなら、ハニを連れて行くかもしれない。
だが、スンジョの母グミは、ハニを溺愛しているし、ハニは自分はペク家の娘だと思っている。
幼い頃は明るくてお転婆だったハニが、成長するにつれて俯いている事が多くなっている。
また昔のように明るく笑うハニの顔を見たかった。



人気ブログランキング

桜色の想い 27

「答えてください。あの日、父上に一生ハニを守ると伝えた時は、幼くて大人の事情までは知りませんでしたが、私は勉学をしなければいけない年齢でも大人たちの事情を理解できる年齢です。ハニの両親の事を聞いても、私のハニへの想いは変わる事はありません。」
無口で自分の方から意見を求める事をしないスンジョの初めての発言だった。

「母上、スンジョに話してもよろしいでしょうか?」

「ハニの父親はペク・スチャンではない。今から15年ほど前に、ソ家に仕えていた料理人だ。」
「ソ家に仕えていたというのは・・・・」
ソ家は祖母のパルボクの実家だ。
「当時、ハニの母親のハナはソ家に行儀見習いに来ていた。ハナは・・・ハニによく似ている。産まれて初めて顔を見た時に、あまりにもハニがハナに似ていたから、同じような苦しみ悲しみもあるのだろうかと思い、ハナが育ったように甘やかしたりしないで厳しく育てた。ハニの父親は・・・ハナより5歳年齢が上だが、地方から出て来たからか邪心のない笑顔ですぐにハナと親しくなった。」
当時の事を詳しく知っているパルボクとスチャンは、15年前の事がまだ昨日のことのようにはっきりと覚えていた。



「ねぇギドンさん。何かお菓子を作ってくれない?」
「まだ使い走りで、勝手に材料を作ったりしたらパルボクさんに叱られます。」
「お願い・・・」
上目遣いで頼まれるとギドンだけではなく他の者まで断り切れなくなるほど、ハナの大きな瞳は純粋だった。
コムンゴの演奏が好きで、昼食を忘れる事はよくあった。
コッソリ何か食べる物がないかと、厨房に探しに来ているうちにギドンと親しくなった。
ハナは両班の娘でいる事が退屈だとよくギドンに話をし、ギドンは貧しい家に育ち日々の食事も摂れない生活だったから、両班の娘の話はただ聞くだけで何かを言う事はなかった。
あまりにも二人が良く一緒にいるのを見かけたパルボクは、身分を超えたと食う別な関係になってはいけないと、ハナに縁談話をいくつも持って来ていた。

時々、両班の屋敷で行うハナのコムンゴの演奏を聞きに来る両班の息子たちに混ざって、当時の世子・・・今の陛下が来ていてハナを見染めた。
そうなればその話を断ることも出来ず、ハナとギドンを引き離そうとした時に、ハナが体調を悪くして伏せる日が続いた。

その話を聞いた時に、スンジョは記憶の中にある花の青白い顔を思い出した。
ハニを見ている時の、悲しいが幸せな微笑みにどんな意味があるのか分かる気がした。



人気ブログランキング

桜色の想い 26

父に言われてスンジョは迷った。
ここで本当の事を言うべきか、それともハニを守るために心を隠すか。
「ハニは、自分にとってずっと傍にいて欲しい大切な妹と思っています。」
「そうか・・・そうか・・・」
妹と言った言葉にスチャンは安心したように頷いたが、祖母と母に心をごまかしても通用する事はない。

「随分と前になりますが・・・・・」 
スンジョは祖母にハニと離れで一緒に暮らしていた人の事を聞く事にした。
「離れで・・・離れで暮していた人は誰ですか?」
心の内を見せない祖母がビクッとし、母もあわてたような表情に変わった。
「一時期、間借りをさせていた人がいたわ。その人の事かしら・・・」
スンジョが物心ついてから間借りしていた人は、ハニと一緒に暮らしていた女性。
幼い時のハニは、いつもその人を「お母様」と呼んでいた。

「ハニと一緒に暮らしていた人です。」
スチャンがスンジョから顔を逸らし、パルボクは拳を固く握っていた。
「ハニはその人を『お母様』といつも呼んでいました。父上に『ハニは一生ぼくが守ります』と言った日を憶えていますか?ハニは幼い頃から私の事を『お兄様』と呼んでいましたが、妹ではない事は幼くても認識していました。あの日、離れで暮していたあの女性が亡くなった日までの、ハニの記憶はありませんがハニのあの時の泣いている顔を一生忘れる事は出来ません。あの女性はハニのお母様・・・ですか?」

沈黙が続いた。
両親はきっと話さない。
ペク家は、パルボクが健在なうちは家長がスチャンでも、スンジョが聞いたことに答える権限はない。
祖母が離れに住んでいた人の事を、今まで一言も話さなかったのだから話すはずはない。
だが、パルボクは意を決したようにポツリと話し出した。

「離れに住んでいた女性は、私の実家の遠縁の兄の娘だ。ハニに厳しくしたのは苦しめるためではない。あの子はあまりにもハナに似ていたから、ハナのように悲しみ苦しみ病に罹ってしまわないようにしたかっただけ。時期が来たら私が認めた家に嫁がせたいと思っていた。」
ハニをどこかの家に嫁がせるため厳しくしていた。
ポン・ジュングは何も考えていないようでも、スンジョから聞いた妹のハニの話で、休暇に家に戻る日の一日をスンジョと一緒にペク家に来てハニと会った。
友達という人を持たないスンジョにとって、ジュングや唯一ハニ以外気を使わなくて話せる相手だった。

「ハニのお父様は、どんな方ですか?それとも父上がハニのお父様でですか?」
スンジョがハニの父親の事を聞いたのは、スンジョにある決意があったからだった。


人気ブログランキング
ギャラリー
  • お知らせ
アーカイブ
美容室美容院レーシックfx 口座開設美容整形キャッシング
デリヘルデリヘル 求人里親 募集求人情報美容室裏dvd保険出会い出会いエステ美容整形クレジットカード消費者金融
アクセスカウンター
キャッシング社長ブログseothink tank医薬品 買取ブログパーツお見合い結婚相談住宅ローン
アルバイト情報海外サーバー海外サーバーアクセスカウンター無料ブログカウンターオンラインカウンター借金時計ページランクアダルト動画
アダルト動画 比較裏dvd裏dvddvdレンタル 比較有料アダルト動画 比較月額アダルト動画 比較出会い系サイト 比較ライブチャット 比較裏dvd
ブログカウンター無修正dvdフェラチオキャバクラデリヘル風俗
無料カウンターデリヘル 求人高級 デリヘルキャバクラ 求人借金時計プロバイダ 比較ウォーターサーバー 比較レンタルサーバー 比較クレジットカード 比較生命保険 比較
etcカードエステ脱毛インプラントホームページ製作ドメイン取得化粧品 サンプル自動車保険 比較学資保険 比較おまとめローン 比較キャッシング 比較証券会社 比較fx 比較fx口座開設 比較
無料アクセスカウンターフレッツ光 auひかり 比較fx 初心者誕生日 プレゼント
東京 デートスポット消費者金融 一覧銀行 口座開設アクセスカウンター無料カウンターページランククレジットカード ランキング生命保険 ランキング自動車保険 ランキング学資保険 ランキング育毛剤 ランキング証券会社 ランキングプレゼント ランキングクレジットカード おすすめ
bto パソコンエアコン 工事エアコン クリーニング給湯器 交換犬 里親猫 里親エアコン 取り付けエアコン 取り外しガス給湯器 交換ホストクラブ新宿 デリヘル新宿 デリヘル歌舞伎町 キャバクラ渋谷 デリヘル


バラが降るオルゴール


  • ライブドアブログ