ハニの父親は父上ではなかった。
その事実が分かった事は自分のハニへの想いに悩む事は無くなったが、逆にハニに気持ちを受け止める事が出来るか不安になった。
その心の迷いを父は知ったのか、いつもの穏やかな声と笑顔で話しかけた。
「スンジョ、お前がハニを大切に思う気持ちは分かる。だが、スンジョと双子の妹だと思っているハニが、この事実を知ったらはどう思う?実の母親が自分の目の前で倒れ息絶えた。あの時以前の記憶がないのは幸いな事だ。ハニを大切に思うのなら、兄として妹を大切に思う気持ちでいた方がいいのじゃないか?」
「父上・・・」
「それに、ハニはスンジョの事をどう想っている?父や母の目から見ても、ハニはスンジョを兄と想っているように見えるよ。ペク家の双子として産まれた時からずっと一緒にいたのだから、大人になれば別の人生を歩む事になると思い、不安になるのはよくある事だ。今は成均館で一生懸命に勉学に励み、科拳で良い結果を出せるように精進しなさい。」
父の言葉は、ハニへの兄としてではない想いを封じるようにという事だった。
「明日は宮殿に行って、陛下に謁見するから早朝に家を出る。おばあ様を家までスンジョが送ってくれるか?」
「分かりました。」
父がなぜ宮殿に行くのか不思議だった。
休暇で家に帰ると伝えた時に、急ぐ用はないから家族で湯治場に行こうかと話していた。
それに、宮殿に行き陛下に謁見する時も早朝に家を出る事は今までなかった事だった。
「スンジョ、父も母も勿論おばあ様も、あなたとハニは大切な子供であり孫であると思っているから、大切に育てて来たわ。ハニにおばあ様が厳しくしたのも、ハニを思っての事なの。あなたの想いがどうあっても、二人は生涯兄妹として生きて行かなければいけないの。分かってね・・・」
母の悲しい表情は、スンジョとハニの報われない想いを悲しんでいるようだった。
グミは血縁関係がなくてもハニが可愛がり、ずっとペク家で一緒に暮らしたいと思っている。
二人の想いが叶う方法はあるが、それを叶えるためにはハニの忘れている悲しい思いを閉じ込めているふたを開けなければいけない。
そのために、苦しむハニを見るのも、そんなハニを見て苦しむスンジョを見るのも避けたい。
いつか二人の想いが叶う時が来るのなら、穏やかにその時を迎えたかった。

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その事実が分かった事は自分のハニへの想いに悩む事は無くなったが、逆にハニに気持ちを受け止める事が出来るか不安になった。
その心の迷いを父は知ったのか、いつもの穏やかな声と笑顔で話しかけた。
「スンジョ、お前がハニを大切に思う気持ちは分かる。だが、スンジョと双子の妹だと思っているハニが、この事実を知ったらはどう思う?実の母親が自分の目の前で倒れ息絶えた。あの時以前の記憶がないのは幸いな事だ。ハニを大切に思うのなら、兄として妹を大切に思う気持ちでいた方がいいのじゃないか?」
「父上・・・」
「それに、ハニはスンジョの事をどう想っている?父や母の目から見ても、ハニはスンジョを兄と想っているように見えるよ。ペク家の双子として産まれた時からずっと一緒にいたのだから、大人になれば別の人生を歩む事になると思い、不安になるのはよくある事だ。今は成均館で一生懸命に勉学に励み、科拳で良い結果を出せるように精進しなさい。」
父の言葉は、ハニへの兄としてではない想いを封じるようにという事だった。
「明日は宮殿に行って、陛下に謁見するから早朝に家を出る。おばあ様を家までスンジョが送ってくれるか?」
「分かりました。」
父がなぜ宮殿に行くのか不思議だった。
休暇で家に帰ると伝えた時に、急ぐ用はないから家族で湯治場に行こうかと話していた。
それに、宮殿に行き陛下に謁見する時も早朝に家を出る事は今までなかった事だった。
「スンジョ、父も母も勿論おばあ様も、あなたとハニは大切な子供であり孫であると思っているから、大切に育てて来たわ。ハニにおばあ様が厳しくしたのも、ハニを思っての事なの。あなたの想いがどうあっても、二人は生涯兄妹として生きて行かなければいけないの。分かってね・・・」
母の悲しい表情は、スンジョとハニの報われない想いを悲しんでいるようだった。
グミは血縁関係がなくてもハニが可愛がり、ずっとペク家で一緒に暮らしたいと思っている。
二人の想いが叶う方法はあるが、それを叶えるためにはハニの忘れている悲しい思いを閉じ込めているふたを開けなければいけない。
そのために、苦しむハニを見るのも、そんなハニを見て苦しむスンジョを見るのも避けたい。
いつか二人の想いが叶う時が来るのなら、穏やかにその時を迎えたかった。

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