大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

波紋(はもん)

人生は紆余曲折 61

スンジョが部屋に戻ってきたのは、わずか数分経過したときだった。
薬で解熱しただけのハニは、時々眠っては目を覚ましていた。
しばらく自分を見ていたとは気が付かず、視線を感じて目を開けた。

「熱が完全に下がれば声が出るはずだ。ハニの部屋を勝手に探せないからオレの部屋に行って持ってきた。」
ペンとノートをハニの枕元に置くと、不思議そうに見ているハニの方を見た。
「どうして、オレがここにいるのか・・・って聞きたいのか?」
コクンとうなずくと、しばらくの間があって迷うように話した。
「ハニの部屋のドアが靴が挟まって開いていたんだ。すき間からのぞいたら、ハニが座り込んで壁にもたれていたから、一応声をかけてへやに入ったよ。」

そうなんだ・・・でもどうして・・・
思ったことがスンジョに伝わったのか、枕もとのペンとノートで話したいことを書いてと顎で指した。

『スンジョ君、この階に住んでいるの?一度も会ったことがないよ』
「会わないようにしていた。」
『ここに来たら、ヘラが嫌な思いをするよ』

スンジョが今の自分のことを話していないのだから、スンジョがヘラと結婚してこのマンションに住んでいると思っている。
隣に住む変人のままならそれでもいいが、今自分からこのマンションに住んでいることを認めて、ハニと会わないようにしていることを伝えたのなら、正直に今の自分のことを伝えなければいけない。
それに、ヘラだけじゃなくギョンス先輩もハニが誤解したままでは、ここにハニが住んでいるのならいつか再会したときに、また大騒ぎをすることになる。

「オレはフリーだよ。ヘラはギョンス先輩と結婚した。」
「・・・・・・」
久しぶりに見たハニの驚いた顔は、スンジョは愛おしくて抱きしめたくなった。
「それならどうしてオレがハニの部屋の前を通ったのか・・・・そう聞きたいのだろ?」
小さくハニがうなずくと、おそらく初めて見たスンジョのはにかんだ笑顔に、ハニは胸がキュンッとして懐かしい思いが沸き上がってきた。

「ハニがベランダ越しに話していた相手だよ。」
またハニの驚いた顔が見たくて、少しからかい気味にそう答えた。
ハニがノートに書いた言葉は、高校時代に見たいたずら書きをした教科書を思い出した。

『変人?』
「紙にそう書かれると怒りたくても怒れないな・・・・そうだよ、おふくろがハニに話した変人がオレだよ。ハニをストーカーのごとく追いかけていた変装にもなっていない妙な女性を知らないか?」

変装にもなっていない妙な女性・・・・
その言葉を聞いて思い出すのは、目立つサングラスに派手なスカーフや広いつばの帽子で『まったりクリニック』を頻繁に訪れていた女性。
あ~ぁ、と出ない声を出しながら歯にはうなずくとノートに書いた。

『全然気が付かなかった。赤い外車に乗ってどこも悪くないのに、私が勤めていたクリニックによく来ていた女性?』
「そうだよ。」
病院以外でハニと話していると、懐かしさよりも愛おしさが大きかった。
ハニが自分にとって、欠けている物を埋めてくれる大切な存在だと、スンジョは今更確信することができた。



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人生は紆余曲折 60

ポトン・・ポトン・・・
洗面ボウルの水面に数的雫が落ちて、波紋が広がった。
小さな音が静かな室内にはっきりと聞こえるが、その音がなぜか穏やかに眠りを起こしてくれる母の手の温もりのように、ハニの意識の中に聞こえて来た。

誰?

そう声を出して聞いてみたが、その人は何も応えずにハニの額のタオルと交換した。
ひんやりとしたタオルの冷たさが心地よく、それよりもその人の指先の温もりが心地よく感じたが、その感触は初めてのようなそうでないような気がした。

えっ!

その人の顔を見てハニはその言葉しか思い浮かばなかった。

「気が付いたか?」
スンジョ君・・どうしてここに・・・
「どうした?声を出せないのか?」
「あ・・・・・」
声が出ていないの?私は声を出しているよ。
「高い熱が出て、丸二日眠り続けていたから声が出にくいのだろう。無理に話そうとしなくてもいい。」
そうなんだ・・・
でも、どうしてスンジョ君がここにいるの?おばさんに頼まれたの?

ハニは出ない声でスンジョに聞いたが、スンジョの耳には聞こえるはずはない。
「待ってろ・・・部屋に行って紙とペンを持って来るから。」
部屋に行ってって・・・このマンションに住んでいるのは知っているけど、ヘラが行かないでって言ったらどうなるの?

ハニの心の声までスンジョには聞こえない。
何か伝えたい事がある事はその様子で分かるから、スンジョは安心するようにとハニにそう手で表現をして部屋から静かに出て行った。


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人生は紆余曲折 59

『ハニ?どうした?』
と遠い所から聞こえて来たあの声は、優しくて温かくて涙が出るほど幸せになる声。
スンジョ君・・・と言った気がするけど、それには応えてくれなかった。
きっと夢の中なのだと思う感覚で、フワッと身体が宙に浮くように自然な感じで抱き上げてくれた。
あ・・ぁ・・・やっぱり夢だ・・・・
そう思うと共に、私の身体と触れ合っている所は温かい温もりが伝わって来た。
私は熱に浮かされているように感じた。

スンジョ君がこの部屋に来るはずなんてないのに、おかしなことを考えるのは会いたくて仕方がないからなのだ。

夢の中ならこんなに素敵な事が起きるはずはない。
この身を任せるがままに、スンジョ君に抱かれてベッドの上に降ろされると、ヒンヤリとしたシーツの感触が現実の事のような気もする
そんなはずはないよね?

『ハニ・・・分かるか?』
夢じゃないと思うけどやっぱり夢だよね。
部屋の電気が点いてスンジョ君が私を心配そうに見ている瞳はとても優しくて、ずっと夢の中でしか見た事のないその表情が私に向くはずはない。

スンジョ君・・・ヘラはいいの?

そう聞いたと思うけど、スンジョ君は聞こえないのか答えないで部屋を出て行ってしまった。
詰めない飲料水を飲んだのは覚えているけど・・・私はまた意識が遠くに行く気がした。
どれくらい寝ているのか、それとも寝ていないのか分からないけど、おでこに乗せられた冷たいタオルが気持ちよくて、そばに誰かがいる事だけしか分からない。

スンジョ君の声と違う男性の声が聞こえる。
その声も聞いた事があるようなないようなよく覚えていない。

ハニは熱に浮かされて、部屋に来ていたスンジョとは別の人が帰ってからは、眠っている中でも夢も見る事無く意識がなくなっていた。
そのそばにいる人は、ハニの身体を時々乾いたタオルで拭き、生温かくなったタオルを冷たい水で冷やしてまた額に乗せていた。



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人生は紆余曲折 58

「悪いな呼び出して。」
「今から飲もうかと思っていたところだけど、お前とはある意味縁深いからな。」
スンジョと同じ位のその男性は、誰が見ても正反対の性格に見えた。

「お前の彼女か?」
「いや・・」
自分の部屋の隣に住んでいるのなら、そう思ってもおかしくはないだろう。
スンジョが誤魔化しているだけだと思っているその男性(ひと)はそれ以上を聞かなかった。
スンジョなら時間外でも病院に搬送する手配をするはずで、勤めている病院は違っても非番で寛いでいる同業の医師を自宅に呼ぶはずはない。

「この子・・・」
「ハニを知っているのか?」
「ハニと言うんだ。知っていると言うか、顔を見ただけだよ。親父の病院で受付をしていた看護師じゃないか?」
「数ヶ月前まではいたよ。それよりも診てくれないか?」
その男性(ひと)はスンジョがそう言うと表情は医師の顔に変わった。

「状況を話してくれないか?」
「勤め先はパラン大病院の外科。看護師長から数日前から様子がおかしいと聞いた。表情はなく、それでもいつもと変わらず仕事をして帰宅はできていた。オレが自分の部屋に向かって廊下を歩いていたら、この部屋のドアが少し開いていたから不思議に思って覗いたら・・・」
「疲労だな。なれない環境で、自分の限界を超えるまで仕事を頑張ったのだろう。彼女ってそう言う娘だろ?親父からはそう聞いていた。」

スンジョならそれくらいの事はわかるはずなのに、わからないと言うのなら特別な感情を持った相手だと気が付いた。
「しばらく休めば大丈夫だろう。解熱の薬と点滴の用意をしたから、あとはお前に任せるよ。」
ハニの診察を終えると、その男性は荷物を片付け始めた。
お互い独身で気ままな生活をしているが、心に深い傷を持っていることで全く違う性格の二人が、大学病院の若手医師の交流で知り合った。
それが『ペク・スンジョ』という名前が縁での知り合いでも、あまり『まったりクリニックのペク医師』の話を持ち出したことはほとんどなかった。

「お前でよかったよ・・・あのクリニックを買ってくれたのが。くそ親父とオレとは昔から馬が合わない。きっかけはどうであれ、オレは望まれて生まれた子供ではないからな。」
「そうかな・・・ペク先生が、このハニを自分のクリニックの看護師に雇ったのも、お前のお母さんを忘れていないからだと思う。先代の・・お前のおじいさんの医師は受け継ぎたいのだよ。」
「昔と今は違う。困った人や、心のよりどころのない人の話し相手になる病院じゃなく、儲かる仕事をしないといけない。」
「スヨン・・・」
ニコッと笑ったスヨンは、スンジョが言いたいことが何かを知っているが、それ以上はここで話したいとは思わなかった。

「この子もさ・・・かわいい顔しているよ。でも、美容整形をしたいと思ったこともあるだろうし、今よりもきれいになりたいはずさ。そういった女性が気安く訪れることのできる病院でも、じいさんから受け継いだ意志と変わらないのじゃないかな?」
ハニはそうではないと思っているが、ヘラと比べられるといつも悲観していた。
あのクリニックで受け入れてもらえたのは、ハニの純粋な気持ちからだ。

「スンジョの彼女じゃなかったら、この子に交際を申し込もうかな。そこは親父の血を受け継いでいるのか、結構この子はタイプなんだよ。」
いたずらな微笑みがスンジョは戸惑ったが、スヨンはハニに対しての思いは本気ではないと思っていた。



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人生は紆余曲折 57

ハニを静かにベッドに降ろすと、室内の電気を点けた。
「ハニ・・・分かるか?」
コクンと頷くが、声が出ないのか少し開いた唇が震えていた。
ハニの異変は明らかだった。
熱があるから瞳は潤んでいたが、その瞳は見えていないのかスンジョを通り越して遠くを見ていた。

「冷蔵庫の中を見て来るから、そのまま横になっていろよ。」
一人で起き上る事が出来る状況でないのは明白だった。
初めて入ったハニの部屋だが、冷蔵庫の中に何も入っていないとは思ってはいなかった。
「お袋・・・どれだけ実の息子よりもハニが可愛いんだよ。」
冷蔵庫の中にはグミが定期的に訪れては、食料や飲料水を補充されていた。
一本のペットボトルとグラスを持って、スンジョはまた寝室に向かった。

ハニはスンジョが部屋から出た時と一㎜も変わらず動いていなかった。
人形のようにと言うより、生きた屍と言った方がいいくらい、覇気がなく熱は高くても温かみのない生き物のように見えた。

「よく冷えているから、ゆっくりと飲めよ。起きられるか?」
こちらの問いにはわずかに反応はするが、熱の影響で体が動かない。
身体を支えるようにして起こすと、背中にいくつかのクッションを当ててもたれさせた。
ハニの目に映るのは自分の姿なのか、それとも何も見えていないのか見当もつかない。
専門外の症状に、自分の知識でも対応できないのは歯がゆい。
医師である自分にどうすることも出来ない。

「ハニ・・・待っていろよ。」
ハニの部屋を出て自分の部屋に行けば、専門知識のある医師仲間を呼ぶ事は出来るが、ハニの部屋を一度出てしまえばキーを持っていなければ部屋に入れない。
アイツは今日は非番だ。
非番でも治療に必要な薬を持って来る事は可能だ。

「非番の時に悪い・・・・今から話す事を聞いて、必要な物をオレの自宅に持って来てほしい・・・ちゃんと理由を言えばきっと協力してくれるはずだから、一緒に来てほしい・・・」
ハニの性格はよく知っていたが、こんな風になるとは予想もしていなかった。
明るく笑いながら仕事をしているハニを見て、パラン大病院を去るつもりだった。



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