大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

春の訪れは遠く

春の訪れは遠く 最終話

壁を越えたハニは、無防備である意味危険だった。
毎朝予告なしに忍び寄る小悪魔に、容赦ない質問攻めに何度も降参しているのだから、いい加減に小悪魔のスンハより先に目を覚ませてほしいと思うのは・・・幸せな気持ちだった。

「ハニ・・・もう起きろよ。」
「ぅん・・・」
布団から腕を伸ばして大きく伸びをすると、ハニは勢いよく起き上った。
「まだスンハは来そうもないね。」
「よかったな。3歳の娘に起こされるのは、親として恥ずかしいからな。」
前日に用意していた洋服に着替えながら、ベッドの横のゆりかごをいつもハニは一瞬何か考えながら見ていた。

「ここに寝かせて、たくさん話しかけてあげたかった・・・もう必要がないから処分しようかな・・・」
ベビー用品を選ぶ時に、自分の夢を語っていたハニ。
ふたりで産まれた時から子供を育てる事を、どれだけ楽しみにしていたのか、身近で見ていたスンジョが一番分かっていた。
「スンハの兄妹を考えてみるか?記憶がなくなっただけで、身体のどこかに問題があるわけでもない。復職して身体のリズムも戻って来ているし、お袋はオレたち夫婦に協力を惜しまないはずだ。」
「大丈夫かな・・・すごく心配で・・・」
「なにが心配だ?」
「仕事をしているから家の事もお義母さんに任せている事が多いのに、スンハの世話もあるから両立が出来るか心配で。」

「大丈夫だよ。ハニは両立をしようと無理をしなくてもいい。人間は完璧じゃないから、周りの人がそれを補うから生きて行けるんだ。」
「だって・・スンジョ君は完璧じゃない・・・」
「オレは完璧な人間じゃない。ハニがいてくれるから、オレがオレらしくしていられる。ハニが完璧に育児や家の事を一人で負担する事をしなくてもいい。ハニと別居していた三年間は何も知らない人から見れば無駄な三年間かもしれないけど、オレはこの三年間で見守る事の大切からさを知った。」
まだ使われていないゆりかごは、ビニールが掛けられたままでも、スンハがこの部屋に来るたびに触っていた所だけが破れていた。

「スンジョ君の言う事はいまだによく理解できないけど、私はいつも自分に自信がないから色々な事を決めるのに誰かの意見を聞かないと決心が付かないけど・・・・・・スンハの兄妹・・・考えようかな?」
ハニの中の春はまだ遠かった。
自分に自信を持つために、スンジョがハニを温かく見守り自信をつけるしかなかった。
「春の訪れはまだ遠いな・・・」
「春が過ぎて夏になったばかりだよ・・・本当にスンジョ君の言う事は私にはよくわからない。」
「いいよ分らなくて。」
ハニの心の氷部分の自信がないという気持ちを溶かしていくには、まだ少し時間が掛かるが時間を掛けて春を待つしかなかった。
事故の時の心の傷が癒えれば、春がハニの中に本当に訪れるはずだ。




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春の訪れは遠く 55

「ハニらしいな・・・最後まで確認をしないで、オレが死んだと思うのだから。」
「だって・・・もしスンジョ君だったら、私が立っている方に車が向かっていくのなら、そう思わないと言うの?」
真っ赤な顔をして、頬を膨らませて起こるハニが戻って来た。
スンジョも、ハニの表情を見てもう大丈夫だと感じた。

「もしオレがハニの立場だったら・・・・同じかもしれない。」
「スンジョ君・・・」
「ハニが気が付いた時にの事を忘れていた時は、ショックで何もかもが終わった気がした。でも・・・オレは父親で夫だから、これからの事を判断しなければいけない状況でもあった。スンハの出生届や、ハニの産休届を休職届に変更して・・・とにかくハ。ニが重症じゃなかったから、記憶さえ戻ればすぐにいつもの生活になると信じていた。頭部を強く打っていないのにハニの記憶がオレと出会って結婚し妊娠が分かった時に二人で喜んだ事も忘れた理由が分からなかった。」
「私がいけないのだよね?」
「いや・・・オレはショックだったのは事実だ。同僚やハニと関わりのある看護師や医師たちが順番でお義父さんの店に客として行かせたのには気が付いていたか」
ハニは首を横に振った。
昔から場の空気が読めない鈍感と言うのか、それはそれでありがたい事もあったが、やっぱり気が付かなかったと思うと・・・ハニらしくもあった。

「うちはいつから病院関係者の人が来るようになったのか・・・と思った時もあったけど、医療書を見ても何か知っているようなそんな気がしたけど、自分が看護師だとはすぐに思い出せなかった。」
「お袋がスンハやお前に会いたいと言っていたから、知り合いの人のふりをしてもらってその都度写真や動画を撮って来てくれるのは嬉しいようで複雑な思いだったよ。同僚たちと一緒にお義父さんの店に行こうと何度も思ってはいたけど、店の前まで行って戻って来た。」
「どうして?」
「記憶を失くしているハニの笑顔が、暗くもなく明るくて、本当に毎日が楽しいみたいな笑顔だった。」

「それは違うよ・・・毎日不安だった。スンハは頭のいい子で聞きわけが良くて手のかからない子供で、こんなにい子供なのに父親がいなくて・・・私が助かっているのに父親を失くしてしまった。笑顔でいないとスンハが悲しそうな顔をするし、パパは涙を流していたから笑顔でいようと思っていた。笑っている口元と私の名前を言う時のスンジョ君の顔の一部は思い出していても、顔が思い出せなくてすごく辛かった。小さい頃のあの写真をパソコンで年齢加工をしても・・・・顔が分からなくて・・・」
ハニにはスンジョが生きて行くために必要な存在だった。
スン所しか見ていないハニが、家族のために笑顔でいようとしていたのはスンジョの事を思い出したかったからだろう。

「もう行こうか?お義父さんの店で、今日はスンハの入園のお祝いの食事会だ。」
公園の木々は春の花が咲き、ハニにとっての本当の春の訪れはもうすぐなのかもしれない。



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春の訪れは遠く 54

瞬間を思い出したのか、ハニはガクガクとひざが震えて立っていることができなくなった。
ふらつき膝折れした瞬間、スンジョは咄嗟に両腕で支えた。

「思い出したのか?」
「思い出した・・・思い出した・・・最初は私のいた公園の方に車が来て・・・何かにぶつかったらスンジョ君がいる方に車が・・・・」
よく考えて・・そう・・あの時、車はすごいスピードで走って来て『逃げて!』と横断歩道を渡るのを待っていた時に隣にいた人が叫んだ。
怖くてスンジョ君の方を見ようとした時、スンジョ君は私の方を見て何か叫んで走りかけていた。

「逃げろって・・・言ったよね?」
「言った。だけど、あの距離だったらオレの声は聞こえない。座って話そうか?」
スンジョに身体を支えられていても、ハニの身体の震えは治まらなかった。
すぐ近くに座れる場所は、いつもスンジョと待ち合わせをする時に座っていたベンチだった。
このベンチを好んで座ったのは、通用口から出て来るスンジョがよく見えるから。

「オレは怪我をしなかった。あの暴走車も、オレの方には来なかったよ。」
「でも・・・あんなにスピードがあって・・・・」
「塀にぶつかって向きを変えただけだ。」
「そうだったんだ・・・」
胸に手を当てて、ハァーっと息を吐いたハニは、体中の力がすべて吐き出しているようだった。

「私・・・スンジョ君の方に車が向きを変えた後見えなくなったから・・・・・そう思った瞬間に記憶が途切れて・・・・」
「オレはかすり傷ひとつなく無事だったよ。あの事故でオレの方こそハニが大怪我をしたと思ってどれほど驚いたか。倒れているハニは何度呼んでも目を開けないし。意識がないままスンハを産む事になって。産まれてもすぐに意識が戻らないから、このままだったらどうしようかと不安で仕方がなかった。」
「ごめんなさい・・」
「どうして謝るんだよ。ハニは何も悪くないよ。」
「記憶が失っていて、大好きなスンジョ君の事も覚えていなくて。」
「もういいよ。」
「奥さんなのに、旦那様を家に一人残して私は実家で何も知らずにパパの店の手伝いを子供と一緒に・・・・スンジョ君はスンハの成長も知らず・・・・」

ハニはただ謝るばかりだった。
誰が悪くて誰が間違っていないという事は何もないが、スンジョは自分の事でまだ伝えていなことがあった。




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春の訪れは遠く 53

コンコン・・・
閉められている守衛室の小窓を数回叩くと、すぐに守衛がカギを開けて小窓からこちらの方を見た。
「ペク先生、お帰りですか?あ・・・オ看護師・・・・」
「明日から少しずつ復帰します。ハニ・・・・守衛さんもあの事故の時に、世話になったから・・」
「あ・・・明日からまたよろしくお願いします。事故の後、すぐにお礼に来る事が出来ず・・・・」
「いいですよ。あれほど大きな事故なのに、皆さん重傷、軽傷と違いはありましたが亡くなられる方が見えなくて良かったです。オ看護師も無傷で無事にお子様も産まれて、あの時のペク先生の涙は忘れられませんよ。」

スンジョ君が泣いた?

チラッと顔を向けると、スンジョは少し照れていた。
人前は勿論、ハニや家族たちの前でも一度も涙を見せた事などなかった。
あの事故の時はどんな状況で、どんな風だったかは誰にも聞いた事はなかった。

簡単に挨拶をして外に出ると、あの頃と同じ景色に見えたが、何かが変わっていた。
「あの時も今と同じくらいの時間だったな・・・・」
「そうだね。私は特別枠の診察だったから、いつも遅い時間の予約だった。」
何が変わっているのか、必死に思い出そうとするが、ブレーキがかかるように思い出す事が出来ない。
両方のコメカミを押さえていると、スンジョが心配そうにのぞき込んだ。

「具合が悪いのか?」
「思い出しそうで、思い出そうとしても思い出せなくて・・・」
「無理に思い出さなくてもいいけど、ハニが気になっているのは公園の入り口が無くなっているからだろ?」
あぁ・・そうか。
公園の入り口がなくて、病院の敷地内に来る横断歩道もない・・・信号も・・・

「公園の方に行きたい・・あのベンチはあるのかな?」
「ベンチは残っているよ。」
あの暴走車が走って来た方を見ると、急に得体のしれない黒い物が頭の中でグルグルと回っていた。
「この道には一般車は来ないよ。前から問題だった・・・通り抜ける車がスピードを出して行くから、もう二度とあの事故のような事があってはいけないと、病職員の車しか通れなくなっている。」
横断歩道はないが、道路を渡ると開閉が出来る扉が付いていた。
公園の敷地に入るとハニは病院の方を振り向いた。

「スンジョ君の傷は酷かったの?」
「え?」
「だって、あの時車がスンジョ君の方に向かって走って・・その後はショックで意識が無くなったの。」
ハニは思い出した。
あの時、自分が倒れる数秒前のことを。




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春の訪れは遠く 52

首から下がっているIDカードをハニは嬉しそうに眺めていた。
「不安かもしれないけど、きっとハニなら大丈夫だ。」
スンジョが大丈夫と言えば、本当にいつも大丈夫だった。
「守衛さんに挨拶をして行こうかな?」
「そうだな。ハニの事をいつも心配していたから、仕事復帰をする事を伝えると喜んでくれると思うよ。」
仕事中にこうしてスンジョと歩いた事はなかった。
いつも柱の陰から、仕事中でもスンジョを見ていてよく看護師長から注意を受けていた。
どこの柱から見ていたのか、どこに隠れて見ていたのか、そんな些細な事まで覚えていた。

「着替えて来るから、ここのベンチで待っていて。」
「まだ仕事があるのじゃないの?」
「今日はもう終わった。」
会議室にそれほど長く話していたとは思わなかったが、病院受付の壁にある時計は5時を過ぎていた。

「こんな時間だったんだ。」
書類に書き込むのも間違えないように一文字ずつ丁寧に書いていた。
外科部長たちに見られているのも緊張したが、隣にスンジョがいるの緊張した。


「勝手に歩いてどこかに行くなよ。お義父さんの店に行く時間が遅くなるし、スンハもお腹を空かせることになるから。」
「うん・・・・早く来てね。」
ニコッと笑ってハニはベンチに腰掛けた。
病院前の公園が気になるのか、座るとそちらの方を見ていた。
あの頃までハニは何度言っても院内で待たないで、勝手に公園に出て行ってよく探していた。
あの時の記憶があるのは、スンジョだけじゃなくハニにも記憶としてほんの少し残っているのなら、事故の恐怖を思い出してパニックになる可能性もあった。

スンジョは急いで更衣室に行き着替えて、ハニが待っているロビーのベンチの所に戻って来た。
「行こうか。」
「うん・・・」
スッと立ち上がったハニは、顔色が悪くなっていた。
微妙な変化も今は見逃すわけにはいかない。
スンジョは、ハニの様子を横目で見ながら職員通用口の方に向かって歩いた。




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