大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

短編

長い一週間 🈡

『一緒に帰ろう』特別な言葉でもなく、また特別な言葉でもあった。
ハニは通用口近くのベンチに座り、スンジョが来る方向を見て待っていた。
挨拶をしてハニの前を通りすぎる人を見送り、人の出入りが無くなってもイライラとしたり不安になったり不思議としなかった。
まだ誰の姿も見えない廊下の先を見てほほ笑むと、すくっと立ち上がった。
その方向に走り出したい気持ちを押さえて待っているのは、とても長く感じたがこの一週間の事を思うとどうって事ないと思った。

スンジョの姿が見えると、ハニは大きく手を振った。
いつもは嫌がるスンジョも、今日は小さく手を上げてそれに応えて小走りに近づいた。
「珍しい・・・」
「なにが?」
「スンジョ君が手を振ったのに応えてくれたから。初めてだよね?どうして?・・・ねぇ・・・・」
「行くぞ。」

子犬の用に纏わりつくハニがこんなに安心する存在だと思わなかった。
「家に帰る方じゃないよ。」
「よくわかったな。」
「だって、家に帰るのなら左に行くのに、右に廻ったじゃない。いくら方向音痴の私でも、家がどっちの方向かくらいわかるわよ。」
いつものハニの話し方に戻った。
少し黙れといつも冗談めかして言っていたが、今日はその話し方が聞いていたかった。

「グアムに行く。」
「グアムって・・・新しいカフェとか?」
「違う、空港から飛行機に乗ってグアムに行く。」
「だめだよ。明日は休みだけど、明後日から仕事だから。」
「ずっと当直だったから休暇を取った。ついでにお前の分も取ったから安心しろ。」
「安心しロッテ・・・パスポートも着替えも何も準備をしていないよ。」
右手でスンジョが後部座席を指すと、二人のスーツケースが置いてあった。
「全部用意してある。パスポートはオレの上着のポケットに入っている。」
助手席でブツブツと言っているハニを見ながら、スンジョはニヤッと笑った。

「ふたりだけの旅行も、新婚旅行以来だ。今回はお袋たちも来ないから、一週間ずっと二人で過ごせば
きっと何かが変わるよ。」
「何かって?」
「何か・・・だよ。」
何が変わるかなんて知らない。
この一週間が口を利かない顔を見ないで過ごしたから長く感じたのなら、これからの一週間はずっと一緒に過ごすからきっと長く感じるはず。
でもこの日から10ヶ月後にはきっと二人の関係が変わっているはずだった。



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長い一週間 14

寝付けなくて一度起きてから寝直したのは交代する2時間前。
はっきり言って『寝不足』なはずなのに、眠くないのはスンジョ君の気持ちを知ったからなのかもしれない。
なぜ話してくれなかったのかと聞くより、なぜ私は聞かなかったのだろう。
そう思うのは私の心にゆとりができたからなのだろう。

「う~ん清々しぃ~」
誰もいない仮眠室で大きくのびをすると、両頬をパンパンと叩いてステーションに向かった。
途中でスンジョに会うだろうかと思ったが、休憩時間が違っていたのか会うことはなかった。
日勤の看護師たちとの申し送りまでまだ時間はある。
スンジョの気持ちを知ったからと言って緊張感ない仕事をしていては、自分を信じてくれている気持ちを裏切ってしまう。
謝ろう・・どちらが悪いか言わないで、ただ私らしく『ごめんなさい』と一言だけ謝ろう。

スキップをしてしまいそうになるのを押さえて歩いていると、いきなり後ろから肩を掴まれた。
「キャッ!」
手の感触と温もりでスンジョだとすぐに分かったが、いきなり掴まられて意外と大きな声が出た。
「驚かせないでよ。」
「それはこっちだよ。オレの前を通り過ぎたのに、気が付かないでスキップをして行くから。」
「しそうになったけど、スキップはしていないわ。」
お互い喧嘩腰に言わないようにしようとしていた。

「久しぶりだな・・・」
「一週間ぶりだね・・・」
「夫婦なのに、仕事のシフトで合わない時は今まであったけど、喧嘩をしたあの日から今日まで長かったよ。」
スンジョの台詞になぜか照れくさい気持ちになった。
「スンジョ君らしくないよ・・・」
「そうかな・・・」
2人が話している横を看護師が数人、軽く挨拶をしながら通り過ぎる。

誰もスンジョとハニが喧嘩をしていたとは知らない。
いつもと変わらず仲がいい二人だとしか、他人からはそう見えているのだろう。
「今日、一緒に帰ろう。いつもの所で待っているから。」
じゃあ・・と言ってスンジョはハニの傍から離れて行くと、廊下の少し先を歩いていた医師に声を掛けて何かを話しながら先を進んで行った。




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長い一週間 13

ステーション内では基本的に私語は禁止だ。
夜間は当番で起きている看護師同士、眠気を感じないようにそれなりの工夫をしていた。
モニターを見ながらハニは、当番の看護師一言二言話をしただけでなんだか少しだけ眠れるような気がしてきた。
「ありがとう、眠くなって来たから時間まで寝て来るね。」
「どういたしまして。仮眠の時間はしっかりと身体を休めてね。特にハニは日勤からの続きだから、倒れたりしたらみんなが困るから。」

みんなが困るからと言われると、悪い気はしなかった。
最近は当たり前かもしれないけど、あまり失敗をする事は無くなった。
毎日失敗をしたらどうしようと不安で、看護師長に叱られるたびにもう看護師を辞めようと思った事は何度もあった。
最近仕事にやりがいを感じ始めていた矢先のスンジョとの喧嘩だった。

飲み終わった缶ジュースの缶を持って自販機スペースに向かうと、まだスンジョが誰かと話をしていた。
さっきのおばあさんだ・・・

「先生の話を聞いて、奥さんがどんな人かよくわかりましたよ。」
な・・何を言ったのよ!
声を絶対に出さないようにして、ハニはスンジョと高齢女性の二人の話が気になっていた。
「少しだけ、今日話をしたんですよ。子供みたいに純粋な瞳で、同性から見ても好感の持てる女性だと思いましたよ。先生が奥さんを選んだ理由も分かった気がします。」
「冷めた目で物事を見ていたつもりはないですけど、彼女が真っすぐに自分を見る瞳にいつ頃だったか独占したくなりましてね・・・・素直になれない性格の自分に、彼女は一途に想ってくれました。」
「先生の根負けですね。」
「まぁ・・・そうかもしれないですね。彼女の前でだけ、心から素直に休む事が出来るのです。だから、仕事が面白くなってきている彼女に、そろそろ子どもを考えようと言い出しにくくて。不器用だから育児と仕事と家事・・・・家事はほとんどしていないですが、一つの事に全力投球する彼女だから、両立させようと必死になって疲れてしまうのじゃないかって思うんですよ。」

スンジョ君がそんな風に考えていてくれたなんて、全然私は知らなかった。
誰でもできる事が私にはできないって、いつも思っていたからミナやジュリがお母さんになって子供の話を聞いているのがただ悔しくて・・・・・

「先生がそんな風に思っているのなら、育児と仕事を両立できるのじゃないかしら?人の人生は同じ事は二度と来ないし、来ないから誰もが育児に対して自信があるって言える人はいないと思うわよ。先生がそんなに心配な気持ちがあると、奥さんが誤解をしたままになるように思うわ。」
スンジョ君がこの患者さんとよく話をているのは噂に聞いていた。
お義母さんよりも少し年齢が上の人で、私達よりも色々な事を体験している。
性格も考え方も違うけど、お義母さんもきっとこんな風に私たちに話してくれる。

ハニは頬を伝う涙を拭いながら、スンジョたちに気が付かれないように仮眠室の方に歩いて行った。



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長い一週間 12

仮眠室にいればいるほど、スンジョの事が気になって身体を休めることはできなかった。
それならば、起きていた方が交代の時間が近づいたときに眠り込んでしまう心配はない。
ハニはカーディガンを羽織って、ステーション近くの自販機スペースまで欠伸をしながら歩いていた。
病棟の一角にある自販機スペースで冷えた飲み物を買って、ベンチを一人で独占するように使っていると、誰かが話しをしながら歩いてくるのが分かった。

スンジョ君?

一人の声はスンジョとすぐに分かったが、話している相手の声はあまり聞いたことのない女性の声だった。
自分以外の女性と話をしても、仕事上なら多少嫉妬もしないが、夜間の看護師も医師も数人を残して仮眠をしている。
入院患者にしても、消灯時間になればベッドの中にいるはず。

浮気・・不倫・・心許せる女性・・・

考えれば考えるほど、自分にとって辛い言葉しか頭に浮かなばない。
ハニはできるだけ音を立てないように、その場から離れてステーションに向かった。


「どうしたの?まだ交代の時間じゃないよ。」
ステーションにいた看護師にそう聞かれても、ハニは少し前に耳にした話し声が頭から離れない。
「なんだか、久しぶりの夜勤で寝つけられなくて、寝すぎるといけないから起きてきちゃった。」
「そうなんだ・・・・寝れないのなら、ペク先生と深夜デートをしてきても大丈夫だよ。」
もちろんそれは言った本人もハニも、冗談だと分かっているからそれに関しての返事はしなかった。
「医師と看護師が同じ病院の同じ診療科だと辛いよね。ペク先生とはすれ違いが多いでしょ?」
「まぁね・・・・・・」
少しでもスンジョの手伝いをしたくて、同じ病院で仕事をすることを決めたが、まさか診療科まで一緒になるとは思っていなかった。

「ペク先生の担当が、男性患者ばかりな理由・・・知っている?」
「さぁ・・・」
色々な噂はあった。
スンジョが女性患者を担当すると、妻であるハニが嫉妬をして患者に逆恨みをするとか、同性愛者で男性にしか性的な興奮をしない。
ハニはそのためのカモフラージュの妻・・・・・
と言ったつまらないうわさが多いが、後の方が一番多いうわさ話だった。

「女性患者を担当すると、そのパートナーが嫉妬するんだって。」
「そうなの・・・」
それは初めて聞いたが、話してくれている看護師は面白おかしく話すタイプではなく、事実しか人に話さない人だった。
「女性患者を担当しても、それは幼い子供か高齢の女性にしている理由・・・・ハニの為だったんだよ。」
「私の?」
「うん・・・いつだったがペク先生が夜勤の時に、担当している高齢のおばあちゃんに言ったんだって。」
高齢おばあちゃんって・・・・あの人だろうか・・・

「自分は気にしていないけど、どうしてだか知らないけど担当する患者が男性の事が多い。それはそれで仕方が無いことだけど、相手が女性だと妻がケガをした時、病気になった時のことを考えてしまう・・・そう言ったんだって。」
そんな風に思っていたことを今まで一度も言ってくれたことはなかった。
もちろん、患者を選んで担当になってはいないが、どんな時でもスンジョが自分の事を思っていてくれたと知って、嬉しいよりも何か別な思いが湧き上がってきた。



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長い一週間 11

なんだ・・・これは・・・

当直明けで自宅に戻ったスンジョは、寝室のベッドの中に形を作って入れられていた自分のパジャマに驚いていた。
スンジョの顔らしいところにはハニのお気に入りのハート形のクッションが置かれ、身体のふくらみを作るためにパジャマの中にタオルが入っていた。
「お前だけじゃないぞ・・・あの日は口喧嘩をしたから書斎で寝ていたわけじゃない。家に仕事は持ち帰らないようにしたいけど、そう言う訳にもいかない事もある。運が悪いのか、当直習慣だったから、お前とシフトがすれ違っていた・・・・お前がいないこの時間、オレはお前がいつも眠っている方で寝ていたのは知らないだろう・・・・」

コンコン・・・コンコン・・
「はい。」
「スンジョ・・まだ起きてる?」
「今から眠る所だ。」
夕方から当直のスンジョは、帰宅をした明るいこの時間に身体を休めようとしていた。

「ハニちゃん、当直になったからスンジョが行く時に、お弁当を持って行ってくれる?」
「今日は日勤だろ?」
「そうなんだけど、誰かから電話が掛かって来て当直を頼まれたみたいなの。」
「頼まれたって・・日勤と夜勤は無理だろう。体を休める時間はあると言っても、仮眠程度しか出来ない。」
大体どの看護師に頼まれたのか想像はついていた。

「まぁ・・仕方がないな、引き受けた後だしオレが口を出す必要はないから。それとお袋・・・明日夜勤明けからしばらく休暇を取った・・それで・・・」
一週間続いた当直で疲れた体を休めるためにスンジョは有給休暇を取った。
それと含めてハニには言わないようにとグミに予定している事を伝えた。



日勤の後に夜勤もあるハニは、数時間の仮眠のために仮眠室に向かう廊下を歩いていた。
小児外科の病棟を歩いて、スタッフオンリーのエレベーターに乗ろうとした時に、スンジョの姿を久しぶりに見かけた。
物陰でよく見えないが、しゃがんで低い位置のだかと話をしているのが分かった。
少し近づいてスンジョの姿をこっそりと見ようとすると、話している相手が見えた。
車椅子に乗っている5歳くらいの女の子に、ニッコリと心から優しいと分かる笑顔で話していた。

「お利口に車椅子に乗っていると、早く怪我が治るから。痛い手術も頑張ったから、絶対にすぐによくなるよ。」
「先生が優しくしてくれたから、私我慢できたの。」
スンジョは年齢性別によって話し方や表情を変えていたが、一番本当のスンジョに見えるのは幼い子供と話している所だった。

本当はスンジョ君・・・子供が欲しいんだよね・・・
分かっている
私が仕事と育児が療養できない事を心配しているから、子供を持とうという話をしたがらないんだよね
些細な事で精神的に不安定になる私が、もう少ししっかりとしないと無理だよね

ハニはスンジョのその笑顔を思いながら仮眠室に向かった。



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