久しぶりにスンハがクリスマスに帰省し、妊娠報告と交際していた男性の訪問から、年が明けたらすぐに結婚式と慌ただしく年の瀬から新年明けてスンジョとハニは・・・どちらかというとハニは忙しかった。
自分が叶える事が出来なかった母親と一緒に結婚準備を、スンハと楽しそうにしているのをスンジョは見ているだけでその幸せが伝わって来た。
大学の春休み休暇で新婚旅行に行く事になり、旅先で撮った画像をその都度送って来ると、ハニは楽しそうにデータを保存していた。
「お腹が大きいのに水着を着て・・・」
「産まれてくる子供に記念のために買ったと言っていたな。」
「うん・・・インスン君のご両親も許してくれたのに、インスン君は小さなアパートで生活するって・・意外と頑固なんだね。」
そんな男が好きになったスンハはハニと似ていると、心の中でスンジョはそう思っていたが、幸せそうにしているハニの顔を見ているのが好きだから声には出さなかった。
「新婚旅行から帰ってからも、毎日二人で一緒に勉強をしているんだって。大学は違うけど同じ医学部同士で、共通の勉強だからお産で学校を休むことになっても心配ないね。」
「そうだな。」
膝上で図鑑を見ているスンリが居眠りを始めると、スンジョは息子の手から図鑑を取って立ち上がった。
「スンリを寝かせて来るから先に寝室に行って待ってて。」
活発で幼稚園から帰って来ても外で遊んでいるスンリは、クリニックからスンジョが帰宅すると図鑑持って来て『これは何だ、あれはどういう意味だ』とスンジョに何でも聞く息子だった。
色々な事に興味があって頭の良い息子を、ハニはこの子もスンジョの頭脳を受け継いだ子供でよかったといつも思っていた。
運動量もあるスンリが速い時間に眠ると、スンジョがハニとの時間を長く楽しむことになる。
寝室の鏡を見ながら、長い髪を三つ編みに編んでいるとスンジョが入って来た。
「スンリが眠る時に言っていたよ。」
「なんて?」
「『僕もインスンお義兄さんみたいな医者になる』って。パパみたいなって言わないのは、なんだか寂しい気がするな。」
「本当はパパが好きと言っていたスンハが、知らない間に好きな人が出来て妊娠して結婚したから少しインスン君に嫉妬しているんでしょう。」
「していないよ。娘は娘で、オレが好きなのはハニだけだから。」
甘い恋人期間と言える時はなかったが、今が一番幸せに思えるのは色々な意味でお互いの気持ちがわかるからなのかもしれない。
「スンジョ君にずっと聞きたかったことがあるの。」
「ん?」
「私が悪い人たちに身体を汚されている事を知って、本当は私の事を許せなかったのじゃない?」
「いや・・・許せなかったのはオレ自身だ。オレの自己保身が、ハニの身体も心も傷つけたのだから、一生かかってでもハニの心を治すつもりだった。ハニがどれほど怖い思いをしたのか、ハニ以外の人は知らない。スンリが産まれるまで辛い思いをした事も、その時のことが原因だと医師からも聞いた。ハニは辛いはずなのに、そんな素振りを見せないでオレのためにもう一人子供が欲しいと言っていた事も知っていた。スンハが大きくなってからスンリを妊娠したと聞いた時は、オレはハニ以上に嬉しかったよ。スンハがママと同じになったと言った時は、自分を責められている気分だったが、あの子は本当にいい男性と巡り会ったと思う。スンリが昼間の疲れもあって早く眠る最近は、オレはあの辛い時期のハニを助ける事の出来なかった償いの時間にしたい。」
知らない間にハニは涙を流していた。
自分以上にスンジョも辛い思いをしていた事を、結婚してから15年経って初めて知った。
20年前のあの時は絶望的な気持ちで、自分の人生を諦めていた。
シルクのパジャマ越しに伝わるスンジョの体温が、すごく心地よくて温かで幸せだと実感する。
電気を消してスンジョに身体を触れられても、今は恐怖を全く感じないどころか、極上の幸せしか感じなかった。

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自分が叶える事が出来なかった母親と一緒に結婚準備を、スンハと楽しそうにしているのをスンジョは見ているだけでその幸せが伝わって来た。
大学の春休み休暇で新婚旅行に行く事になり、旅先で撮った画像をその都度送って来ると、ハニは楽しそうにデータを保存していた。
「お腹が大きいのに水着を着て・・・」
「産まれてくる子供に記念のために買ったと言っていたな。」
「うん・・・インスン君のご両親も許してくれたのに、インスン君は小さなアパートで生活するって・・意外と頑固なんだね。」
そんな男が好きになったスンハはハニと似ていると、心の中でスンジョはそう思っていたが、幸せそうにしているハニの顔を見ているのが好きだから声には出さなかった。
「新婚旅行から帰ってからも、毎日二人で一緒に勉強をしているんだって。大学は違うけど同じ医学部同士で、共通の勉強だからお産で学校を休むことになっても心配ないね。」
「そうだな。」
膝上で図鑑を見ているスンリが居眠りを始めると、スンジョは息子の手から図鑑を取って立ち上がった。
「スンリを寝かせて来るから先に寝室に行って待ってて。」
活発で幼稚園から帰って来ても外で遊んでいるスンリは、クリニックからスンジョが帰宅すると図鑑持って来て『これは何だ、あれはどういう意味だ』とスンジョに何でも聞く息子だった。
色々な事に興味があって頭の良い息子を、ハニはこの子もスンジョの頭脳を受け継いだ子供でよかったといつも思っていた。
運動量もあるスンリが速い時間に眠ると、スンジョがハニとの時間を長く楽しむことになる。
寝室の鏡を見ながら、長い髪を三つ編みに編んでいるとスンジョが入って来た。
「スンリが眠る時に言っていたよ。」
「なんて?」
「『僕もインスンお義兄さんみたいな医者になる』って。パパみたいなって言わないのは、なんだか寂しい気がするな。」
「本当はパパが好きと言っていたスンハが、知らない間に好きな人が出来て妊娠して結婚したから少しインスン君に嫉妬しているんでしょう。」
「していないよ。娘は娘で、オレが好きなのはハニだけだから。」
甘い恋人期間と言える時はなかったが、今が一番幸せに思えるのは色々な意味でお互いの気持ちがわかるからなのかもしれない。
「スンジョ君にずっと聞きたかったことがあるの。」
「ん?」
「私が悪い人たちに身体を汚されている事を知って、本当は私の事を許せなかったのじゃない?」
「いや・・・許せなかったのはオレ自身だ。オレの自己保身が、ハニの身体も心も傷つけたのだから、一生かかってでもハニの心を治すつもりだった。ハニがどれほど怖い思いをしたのか、ハニ以外の人は知らない。スンリが産まれるまで辛い思いをした事も、その時のことが原因だと医師からも聞いた。ハニは辛いはずなのに、そんな素振りを見せないでオレのためにもう一人子供が欲しいと言っていた事も知っていた。スンハが大きくなってからスンリを妊娠したと聞いた時は、オレはハニ以上に嬉しかったよ。スンハがママと同じになったと言った時は、自分を責められている気分だったが、あの子は本当にいい男性と巡り会ったと思う。スンリが昼間の疲れもあって早く眠る最近は、オレはあの辛い時期のハニを助ける事の出来なかった償いの時間にしたい。」
知らない間にハニは涙を流していた。
自分以上にスンジョも辛い思いをしていた事を、結婚してから15年経って初めて知った。
20年前のあの時は絶望的な気持ちで、自分の人生を諦めていた。
シルクのパジャマ越しに伝わるスンジョの体温が、すごく心地よくて温かで幸せだと実感する。
電気を消してスンジョに身体を触れられても、今は恐怖を全く感じないどころか、極上の幸せしか感じなかった。

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