大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

叶った夢

あれから20年が過ぎて ~夢が叶って~②

夕食の時間も、夕食後の時間もいつも通りではなかった。
無口なスンジョとは対照的にスンリはよく話をする男の子だった。
黙って食べているスンジョに、『静かにしろ』と言われた事もなかったから、ハニとスンリの話し声と笑い声でいつも賑やかだった。
15歳にこの家を出て行ったスンハが、ごくたまに帰省した時は外まで声が聞こえていた。

「明日の夕食はどうする?」
「さっきも聞いた。スンリがいないのにスンリの分まで作ったから、それを食べないといけないと言っていただろ。」
「そうだった・・・」
着席する人のいない場所の手つかずの食事を、ハニは黙って見ていた。
「料理の腕もさすがにオ・ギドンの娘らしく、随分と上達したな。」
「でも食事を作るのはやっぱり好きじゃない。」
スンジョと話をしたくないわけではないが、話が続かない。
なにかを話さなければと思えば思うほど、話す言葉を思いつかず間が持たなかった。

「私達、ちゃんと話をしたのはいつだったのかな・・・」
「そうだな、オレ達二人だけでいた時間がなかったから、二人だけの時間を過ごすのに結構緊張するな。二人だけの時間を作って二人だけで過ごすのは難しい事だけど、スンハやスンリがいる頃はハニの考えている事は分かっていたし、ハニもオレが言おうとしている事は知っていたと思う。」
「そうかも・・・」
「間が持たないかもしれないけど、無理に話をする必要もないと思わないか?性格も考えている事も正反対だけど、20年以上一緒に暮らしているから心の中で繋がっていると思わないか?」
「それもそうだね。スンジョ君が何をして欲しいのか、手を伸ばしたら何を取ってほしいのか、言わなくても分かっているし・・・・・・」

スンジョが立ちあがってウッドテラスが見える場所にある二人掛けのソファーに行くと、ハニは小走りに付いて行き並んで座った。
背もたれに掛けてある一枚のブランケットをスンジョは自分とハニの膝に掛けると、ハニはもう一枚のブランケットをスンジョと自分の頭から掛けた。


「こうして隠れてキスをしていた時に、スンハが見つけて自分にもキスをして欲しいと言ったね。」
「あれは結婚してしばらく経った頃だったな。スンハが物心ついてから再開して結婚したのに、スンハとお前でオレの取り合いをよくしていた・・・・・・」
暗い時間の振る雪は、二人の思い出が写りだしているように、小さな事も懐かしく思い出していた。
「いつかはここを離れないといけないね。」
「・・・・・」
スンジョはこのタイミングで話す事を考えていなかったが、ハニは何を考えているのかよく分かっていた。

「ここはそのまま残して、クリニックは閉めようと思う。」
「い・・廃業するにはまだ早いよ。」
「パラン大病院の方から戻って来てほしいと言われているんだ。お袋もそれなりの年齢になっているから、会社を継がなかったけどオレはペク家の長男だから親の面倒は見ないといけない。この家はハニのお母さんが好きだった星空が綺麗に見える場所だから残しておきたい。春夏秋冬が楽しめるこの土地がオレは好きだ。スンハもスンリもここで産まれて育ったから、この家も処分をしたら可哀想だろう。」
「そうだね。私はパパの店を継がなかったけど、家は子供たちが巣立っても帰ってくる場所で、傷ついた子供が変える場所がお母さんだと思う。」

「辛い思いをしたからハニはここに帰って来たんだな・・・・オレもそうかもしれない。ハニが見つけてくれた夢を叶える事が出来たのに、心が満たされなくて何かを探しにここに来たけど、オレの居場所がハニの所だったようにきっとハニのお母さんが導いてくれたんだな。」
肩に廻されていたスンジョの腕に力が入ると、ハニはスンジョの胸の中に倒れ込んだ。

「愛しているよ・・・これからもずっと・・・」
「夢が叶っちゃった・・・スンジョ君の口からそんな言葉は聞けないと思ったけど、お義母さんの好きな星空は見えなくても夢を叶えてくれた・・・・」
静かな雪の降る外と同じように、ハニとスンジョのいるリビングも息遣いだけの静かな空間になった。




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あれから20年が過ぎて ~夢が叶って~①

静かなリビングでハニはマグカップを両手で持って、窓の外に積もる雪を眺めていた。
一人でいるのが怖くて何かに怯えていたのは随分と前の事。
小さなスンハを膝にのせて、壁際のソファーに座っていたのは今から20年以上前の事。
ふとサイドボードの上のフォトスタンドを眺めると、近づいて最近写したと思われる写真の入ったフォトスタンドを手にした。

「初めて会った時のウンジョ君とよく似て・・・・・」
人のよさそうなインスンに寄り添うようにこちらを見て幸せな笑みを浮かべているスンハと、二人の前に立っているスンジョとハニの孫のインハ。
傷ついた顔で帰って来た時から慌ただしく結婚をして、二人で本当に努力していた。
「もうすぐスンハも二人目の赤ちゃんが産まれるし・・・・春にはスンリはパラン高校生。この家にスンジョ君と二人だけになっちゃう。」
スンジョと二人だけで生活をした事もなければ、二人だけで外出もした事がなかった。
高校生の時に片想いをした時は、ずっと『ペク・スンジョの彼女』と言われたらどんなに嬉しいかと、叶わない思いをいつも抱いていた。

付き合うとか付き合わない、好きだとも言われた事もなかったが、こっそりと家族に分からないようにハニの部屋で過ごすようになった時は、何も言わなかったがこうして過ごす事が自然な事だと思うようになっていた。
お互いに何も言わなかったが、いつか結婚をすると自然とそう思っていた。

ハニにとって予想外の妊娠だったかもしれないが、スンジョにとってはもしかしたら計画的だったのかもしれない。

「あ・・・帰って来た。」
両手に持っていたマグカップをテーブルに置くと、ハニは家族が出入りする入り口のドアを開けた。
「お帰り・・遅いから心配しちゃった。」
「これ、お袋から・・それとこれがスンハとインスン君からハニへ渡してくれって。」
ペーパーバックを二つ受け取ると、その中を少し見てスンジョの上着を受け取った。
「スンリは、オレが使っていた部屋を気に入ってくれたよ。」
「お義母さんが、いつでも私たちが帰って来られるようにしていてくれたんだよね。なんだか申し訳ないな。」
スンジョの部屋を二人が帰って来る事になったら使えるようにリフォームをしてくれていた。

「気にする事はないさ。スンリだけをソウルに行かせると最初から話していたのに、勝手にお袋がオレ達もかえるとおもっていただけだから。」
今夜からはこの決して広くはない家にスンジョとハニの二人だけになる。
いつかは子供たちも親元を離れて行く事は分かっていたが、実際にスンジョと二人だけになると家の中が緊張するくらいに静かだった。

「お義父さんが亡くなってから、お義母さんはスンハも結婚して淋しかったんだよね・・・」
「それは分かっているけど、まだお袋は活動的だから数年はオレたちは二人だけの生活を楽しめばいいさ。いずれはここを一度は離れるけど、ここは都会とは違って時間の流れがゆっくりでいい所だから、ハニのお母さんが好きだった星空を見て昔の話をするのもいいのじゃないかな・・・」
「そうだね。」
雪空で今日は星を見る事は出来ないが、母が好きだった星空を見て越える事が出来そうにもなかった山を越える事が出来、ハニも母が好きだった星空が最近は好きだった。




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あれから20年が過ぎて 111

「よかったね・・みんな幸せになれるね。」
「そうだな。」
憧れていた光景を見られたことは、ハニにとって一番の幸せな気分になった。
両親に結婚を反対されていたインスンは、それが切っ掛けで和解が出来た。
それは切っ掛けかもしれないが、二人はこの先の事を考えて自分たちでできる限りの努力をして、何不自由なく育った若い二人が金銭的にも節約しながら努力した結果だった。
若い二人の努力は、スンジョは自分の子供夫婦だと思うと誇らしくもあった。

「ママ・・・赤ちゃんかわいかったね。僕もあんなに小さかったの?」
スマホに保存されている小さな甥の何枚もの写真と動画を見ながら、スンリは少し誇らしそうな表情をしていた。
「スンリもお姉ちゃんも、最初はとっても小さくて抱っこをするのも怖かったのよ。」
ハニは初めてスンハを抱いた時は、先の生活の事も不安だったが、この子と一緒ならきっと乗り越えられると思い、スンジョは初めてスンリを抱いた時に、小さくて軽い息子にこの先の生活は体感する重さよりもずっしりとした責任感という重さを感じた。

「もっと赤ちゃんを見ていたかったな・・・・」
スンリの言葉はそのままスンジョとハニも思っていた。
みんなに祝福をされた結婚式ではなかったが、みんなが祝福した新しい命の誕生でそれを補ったのかもしれない。
スンハが産まれた時とスンリが産まれた時とは違った祝福ではあっても、人の命の誕生はいつも心の底から温かく明るい物なのかもしれない。

「スンハを妊娠した時からもう20年だね・・・」
「そうだな、あれから20年が過ぎて、やっとオレたちは本当の幸せをつかんだのかもしれない。」
いつの間にか後部座席のスンリは慌しく家を出て、姉が産んだばかりの甥との対面で疲れたのか眠っていた。
20年前の自分は色々な意味で子供だった。
言葉にはしていないが、スンジョもハニも同じ事を思っていた。
初めてのいたずらにしたキスは本当に子供っぽくて、片想いだったハニの一方的な想いから知らない間に心が通じて、引き寄せられるようにしたキスもいつの間にか深い想いのキスに変わり、お互いの肌の触れ合いに最初は緊張をしていたが、それがいつの間にかお互いの愛に変わる物に変わっていた。
言葉にしなくても通じ合っていたと思っていた時から、ほんの少し歯車が狂った時から心も離れて行った。
離れて初めて知ったお互いの必要性。

「スンジョ君の夢を叶えたいな・・・・」
「お前の夢でもあるだろ?」
「まぁ、そうだけど。」
「もう15年待ったら叶えられるよ。」
路肩に車を停めると、バックミラー越しに息子の様子を見て、スンジョはハニの頭を片手で引き寄せてキスをした。




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あれから20年が過ぎて 110

スンジョもハニもドキドキとしていた。
ハニはスンハとスンリを産む時に、その時のことを思い出して不安になっていないだろうかとずっと思っていた。
「大丈夫だ、お袋が付いている。」
助手席で心配そうに前方を見ているハニに、スンジョは膝の上でこぶしを握っているハニの手を包み込むように手を乗せた。
「大丈夫だよね・・・でも初めてのお産って、すごく不安で怖いの。」
そのお産に自分は付いている事が出来なかった。
その時のことは自分の中ではいつまで経っても消える事のない後悔という記憶の一つだった。

「スンハが産まれる時は本当に不安だったよな・・・・」
「そんなつもりで言ったのじゃないよ。初めてのことって本当に不安になるから、ただそう思っただけ。」
あの頃のハニにはスンハが産まれる事の不安もあっただろうが、これからの生活と自分の身に起きた事の方が重かった。
「オレがそう思っているのと同じくらいに、お袋も可愛がっていたお前が家を出てから、ずっと塞ぎ込んでいたし、スンハが産まれた時に何もしてあげられなかったといつも言っていた。スンハが妊娠している事を伝えた時は、歓声を上げるどころか大きな声で泣いていたからな・・『やっとあの時の償いが出来る』って。だからバイトが忙しいインスンに変わって定期健診に付き添う事や、ひ孫の誕生のための準備を楽しんでいたんだと思うよ。」

グミにとっては初めてのひ孫でハニとスンジョにとっては初めて孫。
親友だったミナやジュリとジュングの子供たちはまだ子供が結婚をしていないから、知っている人たちの中でも早くに孫の誕生を祝う立場になった。

「スンリ、病院に着いたから起きろよ。」
長時間の移動で後部座席のスンリは眠っていた。
声を掛けても起きれ層のないスンリをスンジョが抱くと、ハニは先に病院の中に入った。

「ハニちゃん・・・産まれたの・・・ついさっき産まれたの。元気な男の子だって・・・インスン君とご両親も産まれる時に間に合ったのよ。」
「インスン君のご両親来てくださったの?」
「さすがにね、孫が産まれそうだというのに来ないのも気が引けたみたいよ。」
結婚式には参列してくれなかった。
ペク家は全員参列したが、ファン家のインスンの身内はインスンの妹と弟だけの寂しい物だった。

「インスン君、本当に頑張っていたの。大学内のテストでも学外のテストでも成績は落ちないし、バイトも本当に頑張ってスンハも頑張っていたから分かってくれたみたい。」
「よかった・・・よかった・・・」
本当によかった。
スンハはハニの頑張るという性格を受け継いだ。
だから、どんなに辛くても明るい笑顔で頑張っている姿を見て、インスンの両親が許してくれたのだと思う。
スンハの成績も、生活に追われて落ちる事もなく、むしろ人に負けたくないと言う思いが成績が上がったのだろう。

分娩室近くの廊下で、インスンとインスンの両親は改めてハニとスンジョに挨拶をして、お互いに初めての孫の誕生を喜び合っていた。




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あれから20年が過ぎて 109

窓の外は新緑が映える季節になっていた。
夢に見た花嫁の母として、娘の結婚の準備をしたのはまだ肌寒い時期だった。
毎日のようにハニが店を閉めた後に電話をかけて、スンハは体調の報告をしていた。

『明日は定期健診だから、おばあちゃんと病院に行ってくるね。』

小さなアパートでインスンとスンハは新婚生活を始めた。
出来るだけ親の援助を受けないで、お互いに協力し合って生活をすると自分の両親に宣言をしたインスンに改めて好きになってよかったと、結婚する前日にハニにそう言った。
インスンはテハン大病院で医師たちに就いて雑務を行い、時間が空いた時には家庭教師のアルバイトをし、スンハは大学講師の助手としてアルバイトをしていた。
苦労をしているのじゃないかと心配をする事もなく、毎日のようにかかってくる電話の向こうの声は、二人が楽しく暮らしている事が伝わってくるくらい明るい声だった。

「ハニちゃん、スンハちゃんはもうすぐ産まれる時期かい?」
「昨日の夜はまだ大丈夫だと言っていたけど・・・・」
定期健診が終わった頃に、いつも電話をかけて来る時間は過ぎていた。
クリニックにいるスンジョの方にもまだ連絡がなく気にはなっていたが、グミが付いていてくれるから心配はないと思うようにしていた。

カフェの店内は、客が帰るとスンリと二人だけで、何も話さなければ物音ひとつしなかった。
「パパが帰って来た!今日は早いね。」
スンリがそう言うとすぐにカフェのドアが開いた。
いつもはカフェのドアから入って来ないスンジョが、何か慌てた様子で息を切らしていた。
「どうしたの?」
「スンハが、定期健診に行ってそのまま入院した。」
「産まれるの?」
「みたいだ。明け方に産まれるとお袋から連絡があったから、今から家を出れば十分に間に合う。」
「荷物を用意しなきゃ・・・」
「そのままでいいから、すぐに行くぞ。」

ハニは心の中でなぜか笑いたかった。
理由を聞かれればはっきりと言えるが、今のスンジョに言わない方がいいような気がした。
「お姉ちゃん、赤ちゃんが産まれるって。スンリも一緒に行こうね。」
テーブルの上に広げていた図鑑を閉じて手に持つと、スンリの手を引いて椅子から降ろした。
どんな時もあわてないスンジョの、いつもと違う雰囲気の背中を見ながら、ハニは黙ってその後ろを付いてカフェのドアから外に出た。




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