大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

15年前の出会い

あれから20年が過ぎて 47

「何を言うのよ。違うわよスンハ。」
「先生も違うの?」
オレは何も言えなかった。
この子は間違いなくオレの娘だと。
そして、間違いなくオレがたった一人だけ好きになった女性、オ・ハニの娘だ。
「スンハ知っているよ。先生の家にいるワンちゃん、『ハニ』って言うんだよね。スンハ、あの時おかあさんって呼ぼうって思って目を開けたの、ワンちゃんおかあさんに似ているって先生が言っていたの聞こえたよ。」

オレもそうだった。
子供の頃に高熱を出した時に、お袋が親父と話していた言葉を覚えていた。
普通の子供なら高熱を出して寝ている時に、そんな周囲の人の会話など聞こえていない。

「そうだよ、先生はスンハのおかあさんの事を好きだよ。大好きで大好きで、結婚したいほど好きだよ。」
「本当?」
「それとスンハは・・・」
「言わないで!スンハに言わないで!」
「どうして?」
スンジョがここに住んでいるのなら、いつかはここにいる人たちにもスンハにも知られてしまう事。
それと一緒に、忘れ去りたいあの事をスンジョに知られるのが一番辛い。
「もう隠すのはよそう。オレはハニとちゃんとした結婚がしたいし、スンハの父親になりたい。」
「スンジョ・・・・」
「先生、スンハのおとうさんになってくれるの?」
父親はいないと言われて育って来たスンハにとって、幼稚園で友達から父親との話をいつも羨ましく聞いていたが、ハニが悲しむから『お父さんの話』はしないようにしていた。

「言わないで・・何も言わないで。」
「いや、言うよ。昔は自分をいい人に見せたくて、結婚したい人がいてその女性が妊娠していると言わなかったからハニを悲しませたから。オレがここを選んだ理由は、ハニの言ったオレの進む道がここだから。」
「私、何もスンジョ君がここに来てほしいとは言っていない。」
スンハは不思議そうな顔をしていた。
スンジョの事を『先生』ではなく、『スンジョ君』と呼んでいるハニに。

「それに、おじさんが教えてくれたんだ。スンハが生まれた頃に、ハニは母親の田舎にいるって。どこかは教えられないと言われたから、ハニが望んでいたオレの夢を考えたら、きっといつかはハニを見つけられると思っていた。」
スンジョはハニの傍にいるスンハに視線を合わせるようにしゃがんだ。
「スンハ・・・先生はスンハのおとうさんだよ。ずっと会いたくて探していた。」
スンハのキラキラと輝く瞳が、ハニの瞳が輝いている瞳と似ていた。
やっと言えた。
自分をいい人に見せようとしないで、悪い人だと思われてもいいから本当の気持ちを言えた。





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あれから20年が過ぎて 46

「オレのせいか?」

スンジョ君はなんの薬か話さなくても知っている。
誤魔化したりしても無駄。
だからと言って言うこともできない。
ハニはスンハがいるから倒れずに立っていられるが、あの時の事が自分を責めるように頭の中で点滅した。

「違うの・・違うから・・」
「オレの目を見ないのか?」
スンジョの目を見ないのではなく、見ることが出来ないだけ。
あれ以来目を見て話せる人が限られている。
スンハとギドン以外の人の目を見ることが出来ない。
会いたくて仕方のなかったスンジョが、息もかかる距離にいるのに、どうして避けるのだろう。
スンジョの目を見れば、もしかしたらひとつ壁を越えられるかもしれない。

ハニはスンジョの目を見ようと決めた。
再会してから毎日のようにカフェに来てくれた。
自分の記憶に残っているスンジョの目は、スンハを妊娠した事を告げた時以来かもしれない。
「おかあさん、どうしたの?スンハがいるから大丈夫だよ。」
スンハの小さな手が冷たくなっているハニの手を握った。
ハニが不安そうにしていると、スンハがいつも『大丈夫だよ』と言って、手を握ってくれる。
何も知らないスンハは、ハニが暗い所が怖いのだと思っているだけ。
自分が生まれる前にハニに何があったのか、知るにはまだ幼過ぎる事もあるが、ここに住んでいる人たちがあの時の事を口にしないから。

「スンジョ君にはこの薬の事を、誤魔化してその場を逃げたりする事は出来ないってわかっている。でも、スンジョ君のせいじゃないから。」
「それなら、オレの目を見て話せよ。」

目が怖い・・・スンジョ君、顔を近づけないで・・・

「もう、オレを嫌いになった?ハニとスンハを捨てたから、オレの事を嫌いになって、ナムさんに援助をしてもらおうと思った?」
スンジョの声は淋しそうだった。
ハニの手を握っているのがスンハだという事を、一時忘れてしまっていた。
「おかあさん、先生の事好きだよね?先生もおかあさんのことを好きでしょ?」
スンハのその言葉は、ハニの心を代弁していたのか、まるで自分の心の中で押さえつけていた物が浮き上がったように、身体も心も軽くなった。





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あれから20年が過ぎて 45

ハニとの再会のあの夜から、スンジョは毎日のようにカフェに訪れた。
だからと言って、なぜスンジョが頻繁にカフェに来るのか噂にならないのは、殆どが常連客だから。
メニュー豊富ではないのに、客が来るのはこの場所が落ち着けるからなのだろう。

幼稚園からスンハが帰って来ると、スンハもハニの手伝いをしていた。
「はい、先生。」
「ありがとう。」
ハニと自分以外、誰もスンジョが父親だと知らない。
でも、いつかは知られてしまうのは明らかだ。
目鼻立ちがスンジョと似ていると、噂にする人が少なからずいる。
「お母さんは?」
「先生のサンドイッチを作るパンを奥に取りに行ってる。」
ドサドサっと物が落ちる音がして、ハニがなにか叫んでいるのが聞こえた。
スンハは店の奥に入ったと思うと、すぐに表に出て来た。

「先生、おかあさんが大変なの。」
「大変?」
スンジョの手をスンハの小さな手が掴んだ。
こっちに来てと引くが、店を無人にするわけにもいかない。
「一緒に行くけど、店の入り口のカギを掛けないといけないよ。」
そっとスンハの手を離すと、スンジョは店のドアに鍵をかけてからスンハと一緒に奥に入って行った。

倒れかけた棚から調味料類が落ちて散乱していた。
「大丈夫か?」
「うん、大丈夫・・・」
落ちた物を一つずつ拾いながら、ハニは床から立ち上がった。
「お店は・・・」
「入口に鍵をかけて来たよ。」
恐らく初めてオープンの時間帯に鍵をかけたのだろう。
ハニはお客さんが来るのに・・・と言って、慌てている様子だが、このままにしてはいけないから納得もしていた。

「補強で止めてあるネジが緩んでいたみたいだな。」
「ナムさんにまたお願いしないと・・・」
いつもナムにこういった簡単な修理を頼んでいたのか、無意識に口走った言葉にスンジョは複雑だった。
ハニの片付けを手伝おうと伸ばした手に触れたシートに目が行った。
そのシートを見て何も知らないのならそのままで済んだだろうが、スンジョにはその薬のシートが何かすぐに分かった。
「ハニ・・・これはお前の薬か?」
「あ・・・・・」
ハニにも分かっていた。
スンジョに適当な事を言って細かしても、医師であり恐らく薬の知識量も豊富なスンジョに隠し事など出来ない事も分かっていた。





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あれから20年が過ぎて 44

目の前で子犬と戯れているスンジョを見ていると、胸の奥深い所から力が抜けて行くような気がした。
「寝ないのか?」
「スンジョ君は?9時には寝たいから静かにしろとよく言っていたじゃない。」
「あれは高校生の時で、この仕事をするようになってからは、急患があると眠れない時があるから数時間眠れば大丈夫だ。」

何を話していいのか分からない。
どうしてここに来たのか、この5年間どうしていたのか、そんな事を聞いてもいいのだろうか。
そんな事を聞いたら、自分もこの5年の間にどうしていたのか話さなくてはいけなくなる。

「ハニが言っていただろ?」
「私が何を言っていたの?」
「オレがここに来た理由。」
スンジョはいつもハニが心の中で思っている事が聞こえているのか、その事に関して声に出して言うことがよくあった。
「オレがここに来た理由が知りたいのだろ?ハニが、病気で困っている人のためにオレが医者になるといいと言った事・・・忘れたのか?」
そう言った事を忘れていたわけじゃないが、軽い気持ちで話した事を実現するとは思ってもいなかった。

「ハニは、あの人と付き合っているのか?」
「あの人・・・」
「カフェにいた年配の人・・・ここにクリニックを開院するために下見に同僚と来た時に、何度かカフェに来た医師がハニと付き合っているみたいだとか言っていたから。」
「ナムさん・・・ナムさんは、私が家を探している時に・・・お世話になって、スンハもとても懐いていて・・・」
全部は話せない。
ナムと親しくなったのが、あの事件の後でと話したら・・・・

「幸せみたいだな・・・」
「うん・・・」
「ハニが幸せな結婚をしたら、オレは・・・」
「結婚しないよナムさんと。」
「どうして?」
「プロポーズを断ったから。私は誰とも結婚しない。スンハとふたりでずっといるの。ナムさんはいい人だけど、結婚は出来ないの。」
父と同じくらいの年齢の人だから結婚しないのではないが、どうしても超えられないものがあるから結婚は出来ない。
それに、毎日大量に飲んでいる薬の影響もあるが、それ以上に心の傷が深すぎて壁を越えられる事が出来ない。

「ハニ・・・」
フワッと肩におろした髪をスンジョがすくいあげると、ハニの顔に近づいて来た。
何度もスンジョとキスをしたのは随分前の事。
そのまま引き付けられるように、息がかかるほど顔が近づいた時に、ハニはスンジョの身体を強く押した。
「いや・・・・」
身体全身でハニがスンジョを拒んだ。
その理由をスンジョは知らない。
「ごめん・・ハニとこうしていると気持ちが抑えきれなくなった。眠れなかったら少し酒でも飲んだら眠れるかもしれない。」
ハニは横に首を振った。
「大丈夫。もう眠れるから。」
心はスンジョに触れて欲しいと思っていたが、身体がスンジョを拒んでいた。
大好きなスンジョの顔が近づいた時に、またあの時の男の顔がフラッシュバックしていた。





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あれから20年が過ぎて 43

点滴が終わる頃には、スンハの呼吸も落ち着き規則正しい寝息が聞こえていた。
「客間があるから、スンハと一緒に寝るといい。」
診察室を片付けると、生活スペースに通じるドアを開けた。
ハニはスンハを抱き、スンジョの後ろを付いて行った。
「こっちが客間だ。まだ誰も使った事がないけど、一応シーツ類は新品だよ。要るものがあったら、オレはリビングにいるから声を掛けてくれ・・・パジャマは・・着ているからいらないよな?」
スンジョが部屋を出て行く時に、無意識に部屋のドアに鍵が付いているのか目で確認をしたのを、スンジョに気が付かれていると母には気が付いていなかった。

ここの町が静かなのは知っているが、スンジョが住んでいるこの場所も物音ひとつしないくらいに静かだった。
耳を澄ませているわけではないが、スンジョが誰かと話している声が聞こえた。
何を話しているのか知らないが、床をカツカツと歩いている音に鼻を鳴らしている音も聞こえた。
何だろう・・・と不思議に思ったが、怖い物ではない事だけは確かだった。
ベッドから起き上がりスンハの様子を見て、ドアを見てスンジョがリビングのどこにいるのか探した。

スンジョはムクムクとした子犬と、今までに見たこともない顔で遊んでいた。
「ワン!」
と子犬が吠えると、子犬が見ている方を振り向いた。
「ごめん、煩かったか?」
「ううん・・・子犬を飼っているの?」
「迷い犬だよ。退屈だから飼ってもいいかなって思ってさ・・・おい、ハニどこに行くんだ。」
「ハニ?子犬の名前・・・ハニというの?」
そう聞いたハニの方を見て、スンジョは照れたように笑った。

「こいつ・・・お前と似ているんだ。よく餌を食べるし、四本も足がある犬なのによく転ぶんだよ。まさかお前がここに住んでいると思わなかったし、無意識に浮かんだ名前が『ハニ』だったんだ。」
本当はそれだけが『ハニ』という名前を付けた理由じゃなかった。
ハニと似ている子犬を飼う事で、ハニを幸せにしてあげられなかったという後悔で子犬を飼う事に決めたとはとてもいう事が出来なかった。
「ここの星空は奇麗だな。ソウルにいる時は、毎日が時間に追われていたのもあるけど、リラックスできる星空を見た事がなかった。」
「うん・・・」
話したい事や聞きたい事が沢山あるのに、5年ぶりに再会した二人なのに、お互いが微妙に緊張している空気が流れていた。




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