大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

告白

はなびらが舞う頃 111

「心配するような事じゃないよスンハが好きというのは。」
「おじさん・・・」
離れからハニとスンジョが知らない間に戻って来ていたのに気が付かず、思わず驚いて飛び上がりそうになった。
「見かけは大人びて来ていても、スンハはまだ子供だ。初めて異性として意識した相手が、兄であるユシムとオレだったというだけだよ。」
「でも心配だわ。最近、服装が派手になったというのか、暑いからと言ってるけど肌を出しすぎ。胸も見えそうだし、スカート丈も・・」
「大丈夫だよ。ハニの娘なら親を困らせないし、生まれてからずっと見てきたから後悔するようなことはしないよ。」

数ヶ月前に入籍をしても、その前とふたりは何も変わっていない。
ユシムはそれでも、自分のためにずっとイム姓として過ごしていた母が、やっとその事から解放されたようでホッとしていた。

「おじさん・・」
「ん?」
「明日、車を借りてもいいですか?」
「いいよ。どこかに出かけるのか?」
「お父さんのお墓参りに行って来ます。」
「じゃあ、私も一緒に・・・・」
ユシムは首を静かに横に振った。
「今回は僕一人で行きます。いつまでもお母さんと一緒に行かないと迷子になる子供じゃないですから。」

それでも・・・と、ハニは一歩前に出たが、スンジョはそれを止めた。
「鍵はいつもの所にあるから気を付けて行ってらっしゃい。」
「ありがとうございます。お休みなさい。」
丁寧に頭を下げると、ユシムは自分の部屋がある2階への階段を上がって行った。

「いつも一緒にお墓参りに行っていたのに・・・」
「ユシムはもう大人だ。父親に報告がしたい事があるのだろう。」
「報告したい事?・・・・」
ハニはユシムが何を報告したいのか分からず、手を離れて行く息子の考えている事が何なのかと、必死になって考えていた。
そんなハニをスンジョは優しい眼差しで見ていた。
スンジョには分かっていた。
ユシムは自分のためにずっとイム姓のままでいた母が、やっと自由になったことが嬉しくて、それをスウォンに報告しに行きたいのだ。

「まさか!ユシムが好きな女の子が出来て、結婚するって言う報告をしに行くのじゃ・・・・」
「それこそ『まさか』だよ。もしユシムに好きな女の子が出来たのなら、さきに父親ではなくて母親であるハニに報告するんじゃないか?
「そうね・・でも、ユシムはおとなしいから、変な女の子に目を付けられたら・・・あ~心配・・」
「大丈夫だよ。ユシムはスウォンさんに考えも似ているから、間違いはしないから。」
それにはスンジョは絶対という自信があった。
真剣にハニを愛したから、自分の身体を使ってハニが生んだユシムを守ったスウォン。
自分もスウォンも女性を間違って選んでいないし、ユシムは小さい頃から実の息子のように近くで見て来たから、ユシムがどれだけハニを大切に思っているのか知っている。
だから、スンハの父親が自分と違うという事を知った時に、大好きな母の女としての気持ちを理解するのに悩んでいたのだ。
年の離れた弟を可愛がり、おそらく妹の初恋の相手がユシムだという事が、いちばん3人の子供たちのお互いの想いが、ハニから受け継いだものだろう。

「ユシムが手を離れたから、もう一人子供でも考えてみるか?」
「それは・・・」
赤い顔をして俯きながら、スンジョに身体を寄せるハニをとても愛おしく感じるのは、まだどこかで乙女な所が残っているからなのだろう。





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はなびらが舞う頃 110

僕はどんな結婚形態でも血の繋がらない親子関係でも、お母さんが幸せそうに笑っている顔を見ることが出来れば、それが一番嬉しいことだよ。
僕がおじさんを『お父さん』と呼ばないのは、お母さんがイム姓のままで再婚した後も、身体が丈夫ではない僕が大病もしないで大学に行くまで気を付けてくれたからだよ。
それも亡くなったお父さんが自分に課せた最後のお願いだと思っての事だって、おばさんから聞いたことがある。

スンハの前に、お母さんが流産した話もおばさんから聞いたよ。
その子の生まれ変わりがスンハなんだって。
もう僕は大人になり、自分の身体は自分で管理出きるから、これからはおじさんの妻として堂々と僕の前で甘えていいよ。

「お兄ちゃん!」
「スンハ。」
離れから母屋に戻ると、スンハが待っていたように飛び付いてきた。
「どうした?」
「待ったいたの・・?」
顔を赤くしてスンハの身体を離すと、いたずらっ子のような顔でユシムを見た。
「お兄ちゃんだからと言って、無防備に抱きついたらだめだよ。」
一年前までは普通に抱きついても気にしていなかったが、受験勉強をしていた間に妹は随分と変わっていた。

「欲情した?」
「よ・・」
「胸の発育が私はいいみたい!」
ソウルには、スンハが着ているよりももっと身体を露出している服を着ている女の子は多いが、まだ子供だった妹が胸が開いた短い丈のキャミソールを着ていると戸惑ってしまう。
「お母さんみたいにとは言わないけど、肌の露出の少ない服の方がいいよ。」
「エッチなことを考えているんだ!」
父親が違うだけなのに自分とは性格の違う妹が、時々自由でいいなと思うことがあった。

「ねぇねぇ、彼女はできた?お兄ちゃんは、ママ以外の人とは話さないでしょ?」
「そんなことは・・」
そんなことはないが、どちらかというと女性の扱いは苦手だ。
「スンハは、好きな男の子がいるの?」
兄の言葉にスンハは一瞬顔を強ばらせたが、またすぐにいつものいたずらっ子のような顔に戻った。
「いるよ!でも、どうかなぁ・・特別にっていうわけじゃないけど、好きだから付き合ってほしいと言われて付き合っているけど、高校に入ったらバイバイ。彼氏は地元の高校に行くからね。」
「そうなんだ。スンハもお年頃になったな。後悔しないような付き合いをするんだよ。」
半年前までなら、後悔しない付き合いって、どんな意味が含まれているの?と、聞いてきただろう。
しばらく考えてから答えることはしなかった。

「大丈夫だよ。私が好きなのはお兄ちゃんとパパだから、彼氏とはチューまでだから。」
何か兄に言われるのではと思ったのか、話すだけ話すとスンハはバタバタと廊下を走って行った。
可愛くて仕方がないスンハも、いつまでも小さな子供を扱うようにはできない時期になっていた。
「でも・・・気になるな・・・スンハが好きなのは『お兄ちゃんとパパ』って言う言い方が・・・」






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はなびらが舞う頃 109

僕にはわからない。
大人の話に子供が加わってはいけない事は、十分わかっていたいるし、おじさんはお父さんが亡くなってから、随分と僕とお母さんを助けてくれた。
舌足らずで、人前で話すのが苦手だった。
幼稚園の時に、うまく話す事が出来なくていじめられていた。
お父さんを亡くしてすぐというのもあったけど、お母さんは僕が大人になってお父さんと同じ医師になるまで、この診療所を残しておきたいとおじいちゃんに話していたのを知っている。
月替わりでお父さんの出身大学から医師が派遣されて、その間に常勤として来てくれる医師を探していたのもなんとなく知っていた。

おじさんが診療所に常勤として来てくれたのは、スンハが生まれた後から。
あの時は、大好きなおじさんが来てくれたことが嬉しかった。
いつも仲良く話をしていたお母さんとおじさんが、幼稚園の僕は単純に結婚するといいなと思っていた。
まだ小さかったから何とも思わなかった。
おかあさんとおじさんの寝室が、なぜ一緒になったのか。

『お母さんとおじさんは結婚したのよ』
おばさんがそう教えてくれたのは、僕がお父さんの事故の時の夢を見て夜中に起きた時だった。
寝室の前で泣いていたのに気が付いたのはおじさんだった。
「ユシム、一緒に寝ようか?」
おばさんは自分が傍に付いていると言ったような気がするけど、おじさんはおばさんは朝早く起きるから、自分たちと一緒に僕を寝かせると言った。

おかあさんは夜中に時々起きてスンハにミルクを飲ませているから、僕が入った時はぐっすりと眠っていた。
おじさんとお母さんの間に挟まって寝ると、お父さんが生きていた時も時々そうして眠っていたから、安心して朝まで眠れた。

お母さんもおじさんも、子供たちの前では仲が良くても、ベタベタとしているのを見せる事はない。
なのに、いつスンハはお母さんのおなかに出来たのか、僕は結局創造だけで分からなかった。
血液型の組み合わせや、生命についての授業を通じて僕は疑問だらけになった。
そんな時に、スンリが生まれて幸せそうにお母さんとおじさんが生まれたばかりのスンリを見ている姿を見て、スンハの時もこんな感じだったと思った。


ユシムの話を聞きながら、ハニは手で顔を覆って声を抑えて泣いていた。
スンジョがハニの肩に優しく手を添えた姿を見て、ユシムは気持ちが自分まで幸せになるような気がした。

「ごめんね・・ユシムが悩んでいたのを知っていたら、もっと早く・・・スンハが生まれた時・・ううん、スンハがお腹に出来た時に、おじさんとちゃんとした結婚をしていたら良かった。」
「気にしないで。お母さんが誰かの手を借りて、お父さんが亡くなってから僕を育ててくれても、人に恥じる事は何もしていない。お母さんがずっとおじさんと結婚しても籍がイムのままだったのだって理由が分かっているよ。僕は医師になってこのお父さんがおじいさんから受け継いだ診療所を、おじさんと一緒に続けて行くから。」

「おじさん。」
「ん?」
「春にこの家から出て行く時に、僕との約束を守ってくれてありがとうございます。」
「ユシムも、勉強を人の倍以上に頑張っていると、知っている講師から連絡があったよ。その頑張る所はお母さんとよくている。」
スンジョとは血の繋がりはないが、ユシムと似ていると思うのは、二人とも真面目過ぎるくらい真面目だからなのだろう。
ユシムと似ているスウォンが、どこかスンジョと似ていると思えるのも、真面目な性格と優しい目で人を見る所。

ユシムな実の父と過ごした時間よりも、スンジョと過ごした時間の方が長いが、きっとこの先もユシムにとっての父はイム・スウォンで、スンジョの事はずっとおじさんと呼ぶのだろう。
それでもハニはスンジョと事実婚をしてからずっと親を困らせないで、素直に成長してくれたユシムがこの先も妹や弟、そして自分も助けて行ってくれる子供だと知っていた。





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はなびらが舞う頃 108

「何から話した方がいいのかな・・・・」
「お母さんは何も話さなくていいですよ。僕は、お母さんがどうしておじさんと結婚したのに、籍を入れなかったか。スンハはおじさんの本当の娘なのに、僕と同じイム・スウォンの子供として育った理由・・・・お母さんが大好きだから、お母さんの考えている事は分かります。」
まだ生まれてから20年も経っていないのに、ハニにはユシムが心の支えだった。
幼い頃から子供なのに物静かで、困らせた事は一度もなかった。
「今考えてみれば、ユシムがスンハの父親がイム・スウォンじゃないと気が付いた時・・・あの時だったのかなって、今更だけど気が付いたの。ごめんね・・スンハの事を黙っていて。」
「いいですよ。おじさんは僕の父親代わりに、今までいろいろな事を教えてくれました。お母さんが知りたいのは、どうしてスンハの父親が自分と違うと気が付いたかですよね?」

スンハが産まれたばかりの頃にスンジョと話した事は、ユシムは知らないし知っていたにしても理解は出来ない年齢だったはずだ。
ギドンとスンジョとグミとスチャンとウンジョ以外は知らないはずの事だった。
「中学生の時に、血液型についての授業があった時に、僕はA型でスンハはB型・・お母さんに血液型を聞きましたよね?お父さんは血液型は何だったのか。」
ハニは『ハッ』とした。



「お帰りユシム・・・どうしたの?」
「お母さんの血液型はO型ですよね?」
「そうよ、どうして?」
中学生の子供なのに、物静かで口数が少なく、最近は思春期になり大人びて来たと思っていた。
「学校の授業で、今の単元が血液型の事で、家族の血液型を知りたくて。」
ハニはユシムの思っている事を察していなかった。
単純に家族の血液型を何も考えずに言っていた。
「ユシムのお父さんはA型、スンハとスンリとおじさんは同じB型。うちはAB型の人はいないの。」
ユシムは思っていた事が、まさか本当にそうなのかとこの時確信した。

ハニに血液型を聞く数日前、授業で血液型の組み合わせについて先生からの話を聞き、自分とスンハの血液型に疑問を持った。

スンハの血液型はB型だ。
お父さんは確か血液型はA型でお母さんはO型だから、生まれてくる子供の血液型はAかOになるはず。
家で血液型がBなのはスンハ以外で、スンリとおじさんだけだ。
考えてみれば、スンハの生まれた日もおかしい。
中学生の僕がお母さんに聞くことも出来ないけど、スンハがお母さんのお腹に出来た時は、お父さんはもう、亡くなっていた。
お父さんが亡くなってからお母さんが好きな人は、再婚したおじさんだけだ。
おじさんが僕たち子どもの血液型を調べてくれた。
スンリとスンハ・・・・母親が同じだから似ていてもおかしくないけど、性別が違うだけで顔が僕よりも似ている。

賑やかに話をしながら夕食を食べている妹と弟を見ながら、ユシムは静かに食事をしていた。
いつもと変わらない3人の子供たちの様子に、ハニもスンジョもユシムが悩んでいる事に気が付いていなかった。




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はなびらが舞う頃 107

静かなキッチンで、おばさんは翌朝の食事の下準備をしていた。
甘い香りと一緒に、スンハが勢いよく入って来た。
「お兄ちゃんは?」
シャワーから上がったばかりのスンハは、胸元が大きく開いた太ももがなんとか隠れるくらいの丈のキャミソールを着ていた。

「お母さんが、そのキャミソールを着ないようにと言ってませんでしたか?」
「言っていたけど、可愛いしクラスのみんなが持っているから・・」
白桃のような肌はハニ譲り、スラッとした身体はスンジョと似ていた。
春から夏にかけてグッと大人びた娘を、行動や考えている事はまだ子供だとハニはいつも気にしていた。
「ねぇ、お兄ちゃんは?」
「お父さんとお母さんとお話をされていますよ。」
「3人だけで?彼女が出来たと言う話かなぁ・・」
「ユシム君はお父さんと同じ医師になるために、ソウルで勉強に励んでいるのですよ。」
「ママから離れて、ナイスバディのイケイケな彼女ができたのかも!」

兄のユシムと父親が違うだけなのに、そういつもおばさんは思っていたが口には出さなかった。
スンハのこの発言は口ほどでもなく、彼女自信も勉強はよくしていたし、見かけの華やかなビジュアルとは違い、意外と真面目な少女だった。
「スンハちゃんは誰か好きな方が出来たのですか?」
「どうして?」
「最近、よく電話で話しているしお洒落をするようになったから。」
「いるよ。でも、ママたちには内緒ね!」

あっけらかんと話しているスンハの顔には笑みはなかった。
「お兄ちゃんのこと、本当はお父さんとパパの次に好きなの。お父さんは亡くなったし、パパの事は好きだけどパパが好きなのはママ。だから、一番はお兄ちゃんかな?」
冗談なのか真面目なのかわからないスンハの告白。
心配になって、なにかを言おうとした時、またいつもの無邪気なスンハの顔になっていた。

「特別な意味じゃないから安心してね!」
春に自分の出生について聞かされたときも、明るく受け止めていたけど、自分の心の中のことを人に話さない時がスンハにはあった。
おばさんは、この家族は自分の中に辛いことを閉じ込めてしまう傾向はあるが、それを乗り越えて行く力もある人たちだといつも思っていた。

「パパたちのいる所って、離れの部屋でしょ?私も行こうかなぁ・・・」
「今日は3人だけにして欲しいって言われて、お茶も奥さんが持って行ったのでスンハちゃんは明日ユシム君とお話をしたらどうです?夏の休暇はこちらにずっといらっしゃるそうですから。」
「はぁ~い。」
残念そうな顔をしていたが、スンハはこっそりと行って話を盗み聞きをするような子供ではない。
きっと部屋に帰って、パラン高校を受験するための勉強を遅くまでするのだろう。
遊んでいるように見えても、本当によく勉強をする娘だとおばさんはいつも我が事のように感心していた。





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