オレがこの手紙を見た事を知っているのに、内容を変えずにそのまま封筒に入れて置いて行った理由は何だろう。
オレへの気持ちが変わらないと伝えているのだろうか。
どのみち、この先ハニと会う事はない・・・・と思う。
ハニの成績で大学が同じになる可能性もゼロではないが、同じ学部になる事は恐らくないだろう。
「お兄ちゃん、ハニの手紙を読んだ?」
「チラッと見ただけ。」
「お兄ちゃんはチラッと見ただけでも、ぼくが読んだのと同じだもんね。」
ハニが出て行ったから数日後にはウンジョは元の自分の部屋に戻るだろう。
可愛い弟でも、この部屋で一緒にいると狭く感じる。
「ハニって、さすがに7クラスだよね。誤字をいくつも見つけたよ。」
「さすがにというのはおかしい。7クラスだからと言うのも・・・・間違いだな。」
「そうか!7クラスでも誤字がある文章をみんなが書くとは限らないからね。」
今までハニと何かにつけて言い争っていたウンジョも、相手がいなくて淋しいのかオレに何かきっかけを付けて話に来たのだろう。
「荷物、自分で持てる物は少しずつ運び出せよ。早く元の部屋に戻りたかったのだろ?」
「そうだった・・手紙をママから貰ってすぐに読んだから忘れる所だった。」
ハニの手紙をごみ箱に捨てるかと思ったら、意外にもウンジョはその手紙を部屋の移動の荷物と一緒に、隣の部屋に運んで行った。
他人に興味がなく、他人との同居にあまり賛成していなかったのに、こうしてハニとおじさんが家を出て行くとはなびらが散ったように華やかさがなくなった。
若葉色の新芽でもあればそれなりに鮮やかな感じはするが、その新芽が出る前の今は茶色い枝の色だけと思うのは、オレの晴れない気持ちのせいなのだろうか。
今さらハニがオレにとって自分が変わるために必要な人だったと、それを認める気持ちにはならないしどうにもならない事かもしれない。
机の引き出しにハニから貰った手紙を入れ、本の間から進路希望の用紙を取り出した。
受験予定の第一希望から第五希望まで記入する欄を埋めるのは、それほど難しくもなくほぼ決まっているが、それが自分の意思ではないから書き出せなかった。
元々自分の意思があるとか考えた事がないが、オレは何を悩んでいるのだろう。
オレへの気持ちが変わらないと伝えているのだろうか。
どのみち、この先ハニと会う事はない・・・・と思う。
ハニの成績で大学が同じになる可能性もゼロではないが、同じ学部になる事は恐らくないだろう。
「お兄ちゃん、ハニの手紙を読んだ?」
「チラッと見ただけ。」
「お兄ちゃんはチラッと見ただけでも、ぼくが読んだのと同じだもんね。」
ハニが出て行ったから数日後にはウンジョは元の自分の部屋に戻るだろう。
可愛い弟でも、この部屋で一緒にいると狭く感じる。
「ハニって、さすがに7クラスだよね。誤字をいくつも見つけたよ。」
「さすがにというのはおかしい。7クラスだからと言うのも・・・・間違いだな。」
「そうか!7クラスでも誤字がある文章をみんなが書くとは限らないからね。」
今までハニと何かにつけて言い争っていたウンジョも、相手がいなくて淋しいのかオレに何かきっかけを付けて話に来たのだろう。
「荷物、自分で持てる物は少しずつ運び出せよ。早く元の部屋に戻りたかったのだろ?」
「そうだった・・手紙をママから貰ってすぐに読んだから忘れる所だった。」
ハニの手紙をごみ箱に捨てるかと思ったら、意外にもウンジョはその手紙を部屋の移動の荷物と一緒に、隣の部屋に運んで行った。
他人に興味がなく、他人との同居にあまり賛成していなかったのに、こうしてハニとおじさんが家を出て行くとはなびらが散ったように華やかさがなくなった。
若葉色の新芽でもあればそれなりに鮮やかな感じはするが、その新芽が出る前の今は茶色い枝の色だけと思うのは、オレの晴れない気持ちのせいなのだろうか。
今さらハニがオレにとって自分が変わるために必要な人だったと、それを認める気持ちにはならないしどうにもならない事かもしれない。
机の引き出しにハニから貰った手紙を入れ、本の間から進路希望の用紙を取り出した。
受験予定の第一希望から第五希望まで記入する欄を埋めるのは、それほど難しくもなくほぼ決まっているが、それが自分の意思ではないから書き出せなかった。
元々自分の意思があるとか考えた事がないが、オレは何を悩んでいるのだろう。
