大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

出会い

はなびらが舞う頃 31

オレがこの手紙を見た事を知っているのに、内容を変えずにそのまま封筒に入れて置いて行った理由は何だろう。
オレへの気持ちが変わらないと伝えているのだろうか。
どのみち、この先ハニと会う事はない・・・・と思う。
ハニの成績で大学が同じになる可能性もゼロではないが、同じ学部になる事は恐らくないだろう。

「お兄ちゃん、ハニの手紙を読んだ?」
「チラッと見ただけ。」
「お兄ちゃんはチラッと見ただけでも、ぼくが読んだのと同じだもんね。」
ハニが出て行ったから数日後にはウンジョは元の自分の部屋に戻るだろう。
可愛い弟でも、この部屋で一緒にいると狭く感じる。
「ハニって、さすがに7クラスだよね。誤字をいくつも見つけたよ。」
「さすがにというのはおかしい。7クラスだからと言うのも・・・・間違いだな。」
「そうか!7クラスでも誤字がある文章をみんなが書くとは限らないからね。」

今までハニと何かにつけて言い争っていたウンジョも、相手がいなくて淋しいのかオレに何かきっかけを付けて話に来たのだろう。
「荷物、自分で持てる物は少しずつ運び出せよ。早く元の部屋に戻りたかったのだろ?」
「そうだった・・手紙をママから貰ってすぐに読んだから忘れる所だった。」
ハニの手紙をごみ箱に捨てるかと思ったら、意外にもウンジョはその手紙を部屋の移動の荷物と一緒に、隣の部屋に運んで行った。

他人に興味がなく、他人との同居にあまり賛成していなかったのに、こうしてハニとおじさんが家を出て行くとはなびらが散ったように華やかさがなくなった。
若葉色の新芽でもあればそれなりに鮮やかな感じはするが、その新芽が出る前の今は茶色い枝の色だけと思うのは、オレの晴れない気持ちのせいなのだろうか。
今さらハニがオレにとって自分が変わるために必要な人だったと、それを認める気持ちにはならないしどうにもならない事かもしれない。

机の引き出しにハニから貰った手紙を入れ、本の間から進路希望の用紙を取り出した。
受験予定の第一希望から第五希望まで記入する欄を埋めるのは、それほど難しくもなくほぼ決まっているが、それが自分の意思ではないから書き出せなかった。
元々自分の意思があるとか考えた事がないが、オレは何を悩んでいるのだろう。




はなびらが舞う頃 30

ハニが出て行ったペク家は、まるで人気を感じさせない空間だった。
「ママ、ぼくは元の部屋に戻っていい?」
「しばらくはハニちゃんの思い出に浸らせて・・・・」
ハニが使っていた部屋に残っているのは、フリルがたっぷりと付いたベッドカバーと窓に掛けられているレースのカーテン。
机などの家具類も白に統一され、壁紙は小花柄のカントリー調の可愛らしい物。
夢に描いた娘との生活も、数か月で現実に引き戻された気分。

グミはハニがいたその部屋の一つ一つを、ハニの姿と合わせて眺めていた。
何も残っていないだろうと思って開けた引き出しに、四通の手紙が入っていた。
それを手にしてあてて書いた人の名前を確認した。

「ウンジョ!あなたにハニちゃんからの手紙があるわ。」
「何度ぼくにあるんだよ。」
「本当の弟みたいに遊んでもらったでしょ?」
「遊んでいないよ。ハニがバカだから、からかっただけだよ。」
ウンジョ宛の封筒でポンと頭を叩くと、それを手に持たせた。
「読んだら返事を書くのよ。パパにまとめて送ってもらうから。」
「面倒だよ。」
口では面倒と言っても、本当はハニと過ごした時間はウンジョにとって、とても楽しい時間だった。

「あと、これはお兄ちゃんにね・・・お兄ちゃんは部屋にいるのでしょ?持って行ってあげて。」
有無を言わせないでスンジョ宛の手紙をウンジョに渡した。
口で『面倒だ』とか『自分で持って行って』と言っても、持って行かないウンジョではない。

「お兄ちゃん?」
「ん?」
読んでいる本から顔を上げずに返事をしたスンジョのそばにウンジョは静かに近寄り、声を掛けて手紙を渡すタイミングを探っていた。
「これ・・・・」
「手紙?」
「ハニが使っていた机の引き出しに入っていたんだって。ママがお兄ちゃんに持って行ってって。」
それ以上ウンジョは何も言わないで、机の上に手紙を置いて本を読んでいるスンジョに邪魔をしないように部屋を出て行った。

ハニが置いて行った手紙の封筒は、あの日落ちていた自分あてに書いた便せんとおそろいの物だった。
貰った手紙なら読むか読まないかは本人の自由だ。
スンジョは、机のスタンド電気にその封筒の中を透かして覗いた。



はなびらが舞う頃 29

トントン拍子に話が進んで、ついに今日引っ越しをする事になった。
元々荷物は昼用最低限の物しか持って来なかったから、パパの店のバンの後部座席で治まる。
「もう行っちゃうのね・・・・」
レースのカーテンを閉めていたハニの後ろからグミが声を掛けた。
「おばさん、お世話になりました。」
「たった数か月一緒に暮らしただけなのに、ハニちゃんがずっとこの家にいてくれると思っていたわ。」
それはハニも同じだった。
大好き過ぎて顔も見られなかったスンジョと、最近になってようやく顔を見る事が出来るようになり、短い時間話せるようになった。
グミと並んで台所に立ったり、洗濯物を一緒に干して畳んでいると、憧れていた母親と過ごしているようで、このままでいたいと思っていた。

「おばさんとおじさんには本当によくしてもらって・・・パパの作る普通の食事しか食べた事がなかったけど、おばさんの作ったおしゃれな食事や、手作りのおやつ・・・私の気を使ってくださってありがとうございます。」
両手を広げてハニを包む様に抱きしめると、その温もりをお互いに忘れないようにしているようだった。
「私が買った洋服とか持って行ってくれないの?」
「居候をさせてもらったのに、買ってもらった洋服までは・・・・」
「誰も着る人がいないから持って行ってくれない?娘が欲しくて、主人の友人の娘でも買えることが嬉しくて・・・お願い私が嬉しかった想いを受けてくれない?」
こんな母親が欲しかった。
早くに母親を亡くして、母親と一緒に友達が買い物に行くというのを聞いたり見ていると、人を羨んではいけないと思っても羨ましかった。
可愛がってくれた人の想いを大切にしなければいけない。

「おばさん、大切にします。」
「ありがとう。」
ハニはグミと一緒にクローゼットに残っていた洋服を畳むと、それを丁寧にパッキングした。
「おじさんが、まだ来ないのかって呼んでる。」
複雑な表情でウンジョがグミとハニを見ながら声を掛けた。
ウンジョからは小生意気にからかわれたが、兄弟がいないハニには弟と過ごしているようで楽しかった。

「ウンジョ君・・・これあげる。欲しがっていたでしょ?」
「フンッ!もういらないよ、あの時はゲーセンでそのぬいぐるみが人気だったから欲しかっただけだ。」
ぬいぐるみの縫い目が一ヶ所だけ解れ、ハニが不器用な手で直した。
スチャンの会社でゲームセンターの景品の試作品のぬいぐるみをハニが貰った時に、それを羨ましがっていたウンジョが意地悪をして隠した時も、ハニにとってのこの家の思い出の一つだ。
「あげる・・・いやな事があったら、これを私だと思ってイライラを発散させて・・・」
少し強引な感じでハニはウンジョの手にぬいぐるみを乗せると、グミとまとめた荷物を持って部屋を出た。

「ハニ、忘れ物はないな。」
「うん。」
短い間でもこの家で過ごした日々は楽しかった。
玄関を出て門に行くと、スンジョがスチャンと一緒に待っていた。
この家を出れば学校で会う事ももうそれほどない。
スンジョの1クラスはハニの7クラスと違って、全員がトイレ以外は教室から出て来ない。
次に会えるのは運が良ければセンター試験の日か卒業式だけ。
会えないのならばと思い、ハニはこっそりとスンジョ宛の手紙を残して来た。
ただスンジョだけの特別な手紙だと思われないように、スチャンやグミとウンジョ宛にも残した。
いつの間にかペク家の庭に咲いていた花は散り、青葉だけの木々になっていた。
はなびらが舞うように短い期間の思い出を胸に、これからは切ない片想いを引きずって、いつか運命の人に出会うまでを楽しく過ごしていこうと思った。



はなびらが舞う頃 28

高級住宅ではないが、父と娘が暮らすには十分な大きさの家だった。
「築15年ですが、内装もリフォーム済みで外観は特に問題はないと思います。」
ギドンは住む家をここに決めていたが、愛娘が『NO!』と言えば第二希望第三希望といくつかの候補を考えていた。
「店からは車で15分くらいで、高校までは自転車で10分だからそんなに不便じゃないと思う。」
ギドンは娘の表情を見ながら、できるだけ明るい顔をしていた。
娘の気持ちを思うこその引っ越し。
辛い片想いで相手の視線を気にして暮らしている娘を見ていたから、一緒に暮らさなくなれば相手の視線を気にしなくなるだろうと考えていた。
引っ越しの話を決めてからいつ話そうと思い、話したら話したでその日からまた淋しそうにしている娘に『これでいいのだろうか』と問いたかった。

「ねぇパパ、私の部屋は二階のどの部屋になるの?」
「あ・・そうだな、階段に近い所がいいかと思ったけど、パパが夜遅く帰って来る時に起こしてしまうのもかわいそうだから、その奥の部屋にしようかと思うよ。」
不動産屋の人の案内で、ギドンがハニの部屋にと決めていた部屋に案内された。
南向きで大き目な窓から入る光は、室内が明るく家の周囲の景色がハニが好きそうな感じだった。

ちょっと、スンジョ君の家の窓から見た景色と似ている・・・

そんな風に感じた事は、ギドンに気が付かれてはいない。
「いい部屋だね。」
「パパはこの部屋をハニが使うのを思い浮かべて、この家を借りようと思ったんだよ。」
不動産屋が閉められているレースのカーテンを開けると、広くはないが手入れされた庭が見えた。
「季節の花が咲く木が植えられているので、前の住人様は花弁が散るのはとても自慢だと言っていましたよ。」
貸すために大袈裟と思うほどの笑顔でハニを見ていた。
この部屋ならスンジョ君の事を忘れられるかもしれない。
想いが伝わらないのなら、花弁が散るのを見ながら物思いにふけるのもいい。

「この家を借りてもいいよ。」
「そうか?」
ハニのその一言で、不動産屋は鞄の中から契約書類一式を取り出した。
それでは下で契約書に記入をしていただいてもいいですかと言われると、ギドンはハニをその場に残して階下に降りて行った。



はなびらが舞う頃 27

「どけっ!」
「キャッ!」
決して狭いわけじゃないが、家の中を両手に荷物を持って歩くと、すれ違うだけでぶつかる事はよくあった。
「せっかく畳んだのに・・・」
「ランドリーバスケットに入れて持ってこればいいだろう。」
「だって、またバスケットを場所に返すのが面倒だもの。」
わざとぶつかったわけじゃないが、そのままにして行くのはさすがのスンジョでもいい気はしない。
それにいつも自分と父親の二人分だけじゃなく、スンジョたちの家族の分も洗濯物を奇麗に畳んでくれていた。

ブツブツと言いながら辺りに散らばった洗濯物も拾い集めていると、スンジョの手が伸びて来た。
「悪かったよ。」
「いいよ、私が畳み直すから。」
スンジョが拾い上げた物を取り返そうとしたハニの腕が止まり、凍ったように体全体が固まった。

「熊さんのパンツに、イチゴ柄のパンツ・・・」
「返して・・・・」
「色気のないパンツだ。まぁ、オレはこんな物を見ても欲情しないし、前田か後ろだか分からない体色気も感じない。」
手にしていた物をハニの目の前でチラチラさせると、ポンと投げるようにハニの手元に落とした。
小バカにしたような笑いに、流れる涙をハニは両手で拭った。

スンジョのからかう姿と、涙を流した娘を見ていたギドンは、しばらく考えた後静かに歩いて娘のそばに近づいた。

「ハニ、随分散らかしたけど、全部畳むのは大変だろう。」
「大丈夫だよ。不器用で何もできない私でも、洗濯物を畳むのは結構得意かもしれないから。」
父に涙で潤んだ瞳を見られないように、ハニは下を向いて拾い集めた洗濯物を畳みながら、フリースペースにある机の上に一枚一枚丁寧に置いた。

「この家を出ようか?」
「パパ・・・・」
「知っているよ、ハニがスンジョ君に片想いをしている事は。一緒の家にいたら、その片想いも辛かろう。一時しのぎで世話になったけど、仕事が終わって遅い時間に帰って来るのは眠っている家人も気になると思ってな、いい物件がないか探していたら見つけたんだよ。今度の日曜日、夕方オープンの時間までの間に、その物件を見に行かないか?」
いくら親友の家でも、それだけの縁で年ごろの他人同士の娘と息子が住むのはいい事じゃないとずっとそう思っていた。
一週間くらい世話になるつもりでいたが、仕事で物件探しが進まなかったのは事実で、娘の青春の悩みに早く気が付いてあげればよかったとギドンは思っていた。



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