大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

四季 68

自分の人生で親しくした人間は、数え切れるほど少なかった。
ギョンス先輩とは高校の頃からの付き合いで、ヘラとは大学で知り合ったがギョンス先輩と内縁関係だったころからお互いのパートナーと一緒に食事をしたりすることが時々あった。
病院で仕事をしていても、ただの同僚と言う割り切った考えでの付き合いで、何かを一緒に行動してお互いの家族の話をする事は今までなかった。
同じ国の人間が一人もいない多国籍の石段の仕事で、平和な時間が流れている生活とは違う環境がスンジョの気持ちを変えたのか、とにかく自分で何が人として不足しているのか知りたくて希望した転勤だった。

「どう思いますか?」
「難しいですね。」
「ですよね。ここ数日、負傷した人が運ばれてくる数が多過ぎで、精神的疲労と栄養状態の悪い人との数が同じくらいですよね。電話も盗聴されているようですし・・・・早目に治療ができる場所を移動するしかないですよね。」
「そうですね。」
「赴任期間があと一年ちょっとで終わるでしょうかね・・・・」
田中医師のその話に、スンジョは何も答えなかった。
彼もスンジョも、予定通りの期間で帰国できないという事は薄々気がついていた。

「日本の田中先生と韓国のペク先生は、一号車に乗ってください。荷物は一号車に薬や医療器材が乗っているので二号車で持って行きます。アメリカのジョンソン先生、ワトソン先生は・・・・」
スンジョと田中医師は、事務処理をしている職員の指示で移動するために使う車のステップに足を掛けた。
電話が使えなくなる少し前から情勢は悪くなっているが、ここ数日は特に不安定な日が続いていた。
場所の移動は今朝急遽決まって、荷物をまとめたのだが、最初にここに来た時から生活に必要な物しか持って来ていないから、それほど時間が掛かる事はなかった。

「どれくらいの移動距離ですか?」
「一日車を走らせたところで、国境を越えます。中立の立場の医療団の入国と怪我や病気の人の入国は許可をもらっています。」
国境を越えた所で、通信手段は恐らく自由に使えない。
相手を刺激しないために報道規制は出されているから、この事情が伝わるのは外務省までだろう。
何か一度も聞いた事のない音が遠くで聞こえてしばらくすると、初めて体験するくらいの強い力と衝撃がスンジョたちの乗った車に伝わった。


「スンジョ君!!」
出そうと思っても夢の中では声も出せなかった。
スンジョの名前を呼んだのは確かだけれど、きっとスンジョの名前を言えていなかったはずだ。
「嫌な夢・・・」
心臓がドキドキといつもよりも強く打っていた。
「ハニ・・・ハニ・・・大丈夫か?」
「あ・・・大丈夫・・なんでもない。」
隣の部屋で勉強をしていたのだろう。
ウンジョがハニの声に気がついて、心配して様子を聞きに来たのだ。

大丈夫。
スンジョ君は、絶対に大丈夫だから。
ベッドヘッドの時計は深夜を過ぎたから気温が下がっているのだろう。
薄手のカーテンで、外の冷気が伝わって来たのか、それともぐっしょりと書いている冷や汗で体が冷えたのか、ブルっとして寒気を感じた。
「着替えなきゃ・・・」
ゆっくりとベッドから出て引き出しから着替えを出すと、窓際に近づいて厚手のカーンを閉めようと手をかけた。
ハニたちの部屋から見えるウッドテラスのイチョウの木にあった黄色く色づいていた葉は、いつの間にか一枚も残っていなかった。
イチョウの木から葉が落ちると、冬が訪れたといつもグミは言っていた。






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四季 67

スンジョ君が無事だと知らせてくれた日以来、私の気持ちも家族も病院関係者も何事もなく過ごしていた。
日に日に大きくなって行くお腹と、よく動く子供たちに毎日が幸せだった。
スンジョ君からの報告書は、予定していた通りに送られてくる事は、何らかの事情で難しいのか一応送られてきていると聞いた。
残念だと思うけど、個人的な事で使用してはいけないのだから仕方がない。

「事務局長・・・いつになったら電話が使えるようになるんでしょうね。」
ハニ、もうふた月近くスンジョの声を聞いていなかった。
「電話は難しいかもしれない。報告書もいつまで送る事が出来るのか保証されていないから。」
「そうなんですか・・・」

大きく報道はされていないけど、スンジョ君のいる辺りよりも紛争地域に近い所は、かなり危ない状態だと時々報道される。
仕方がない。
私達の国が危ないのではなく、スンジョ君は医師として、多国籍医師団として赴任しているのだから。
「何か伝言があるのか?」
「伝言って言うのか・・・・双子なので、もしかしたら早く生まれそうになるかも・・・・」
まだ出産日までは日があるが、準備をして行かなければグミに負担をかけてしまうから、少しずつ準備をして行こうと思っていた。

「いいよ、短い文面ならメールで送ってあげるよ。」
「本当ですか?エッと・・・・・・」
ハニはスンジョと電話で話が出来た時に、しっかりと聞いておけばよかったと思った。
事務局長に短い文を書いたメモを手渡すと、そのまま帰宅するために通用口に向かって歩いて行った。

外はもう秋の終わりを感じる冷たい風が吹いていた。
明日からは11月。
スンジョ君が帰るのはまだ先の事だけど、季節が変わるのを感じると確実に帰る日が近づいてくるのだと考えるようになった。


「ペク先生、移動の準備は進んでいますか?」
「ほぼ・・・」
「選んだ仕事でも、さすがにここ数日の状況は不安になって来ますよね。出来れば家族に連絡を入れさせてもらうと、家族も不安にならないと思うんですけどね・・・・・」
「仕方がないですよ。医師と言ってもスパイ容疑で尋問を受ける事になりかねないですから。」
スンジョたち医師団は、紛争範囲が大きくなり危険が迫ってくる可能性があるため、今活動している地域から他に移る準備をしていた。
ここに赴任してきた医師たちは、みな若手医師ばかりで幼い子供を夫の帰りを待ちながら育てている家族に連絡を入れたい人は多かった。

「荷物がまとまっていますか?」
「はい・・田中先生もいいですか?」
「お願いします。」
スンジョはここに来てから親しくしている、日本人医師の田中と一緒にまとめた荷物を集めに来た職員に渡した。




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四季 66

スンジョが家に帰って来るのではないのに、長い旅から戻る家族を出迎える気分で、グミと一緒に夕食の準備をしていた。
「ただいま・・・おっ!今日はごちそうを作っているのか?」
「パパ!お帰りなさい。今日はいい事があったのよ・・・・スンジョの好きなおかずを作って、私達だけでお祝いをしようと思っているの。」
ハニと顔を見合わせて笑っている久しぶりに見る妻の笑顔は、ペク家の幸せの象徴でもある。
「スンジョからね、連絡があったの。」
「無事だったのか!何か言っていたのか?」
グミはハニの腕を引いて、少し前に出して話すようにと顎を動かした。

「電話じゃなくて、不定期に病院に届く報告書が・・・スンジョ君が書く報告書が届いて、使用の言葉はかけないのですけど、無事だと・・・・・」
誰宛とは書かれていなかったが、病院に送った報告書に無事を記せばハニに伝わるときっとスンジョは思っていたはずだ。
「お祝いならギドンにも連絡取らなきゃいかんな。」
「パパ、ギドンさんはお店が・・・」
「大丈夫だよ。きっと、ジュング君に任せて帰って来るだろうから。アイツもスンジョと連絡が取れなくなった時、心配で眠れていないみたいだったから。」
一緒に暮らしている家族だから、誰か一人でも辛い事があれば全員が心配をする。

何も知らない人から見たら、きっと何もなくずっとここまでこれたと思うだろう。
普通の恋愛をして結婚したのではないが、普通に恋愛をして結婚をした人よりも心で繋がっていると、嫁の桜色に輝く顔を見ながら、グミは心で繋がっている二人をいつまでも見守りたいと思った。



「ギドン、もう一杯飲むか?」
「今日は、嬉しい日だから酔いも早いよ。」
スチャンから勧められる酒を、嬉しそうに受けていると父をハニは自分が悲しんでいると同じように悲しむのを見るのは辛くて、スンジョと連絡がつけられなくなった時も、平気でいようと心にしっかりと念じていた。
スンジョは絶対に死なない。
そう思う事で、ハニ自信もこの数日の間心を平静で保つ事が出来ていた。
以前のハニなら、何日も泣いて食事も摂らないで床に臥せていたが、まだお腹にいる子供が心を強くしてくれていた。

今日の夕食は、スチャンとギドンが楽しそうに話をしながら酒を飲み、ウンジョがお変わりが欲しいからとグミに言って、食べ過ぎだと止められる。
みんな口には出さなかったが、スンジョからの連絡が途切れてから、何も考えが浮かばなかった。
この先に何もなくあと一年以上待つことは、長い時間と思うかもしれないが、この家族がいるからスンジョがいない間に母親になる事の不安はきっと和らぐだろうとハニは心の中でつぶやいた。





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四季 65

【電話で連絡が出来ない状況になっているが、無事でいるから安心して赴任期間が終わるまで待っていて欲しい】

短い文面でも、全文を記憶が出来た事は今まで一度もなかった。 
そんな事が出来れば勉強に苦労をする事もなく、また違った自分になっていたかもしれない。
ハニは一文字も漏らさず覚えていられるように、スマホにその文面をすぐに入力をして記録をした。
スンジョからのメールが来たと知らせを受けて確認をしてから、ハニは重苦しく感じていた胸の痞えが取れて、帰宅する足取りは軽かった。
仕事の報告書に添付されていたメッセージで、まだ一年以上は帰って来ない事も分かっていても、そんな事はどうでもよかった。

「ただいま帰りました。」
「お帰り・・・なんだかいい事でもあったように、声のトーンが高くなっているわね。」
ここ数日、ハニだけじゃなくペク家の人から明るい笑顔も声も消えていた。
「サンジョンのケーキを買って来ました。」
「まぁ!サンジョンのケーキ?」
ペク家でお祝い事の時に買って来る『サンジョンのケーキ』。
『サンジョンのケーキ』は、気軽に食べるケーキではなく、少し価格の高い特別な時に好んで買う人が多かった。

ケーキの箱をダイニングテーブルの受けに置き、グミに嬉しそうに微笑みながら見せると、ハニは胎動を感じているお腹に手を当てた。
「病院のパソコンに、スンジョ君からのメールが来たんです。」
「家のパソコンとかハニちゃんの携帯に来ないで、病院のパソコンに、メールをするなんて・・・自分の子供をお腹に宿している妻を愛していないのかしら・・・」
ハニは何から話していいのかと思ったが、余計な事を言わないでそのままを言う方がいいと思った。

「報告書・・・に添付されていたんです。個人的な事を書けない報告書に【電話で連絡が出来ない状況になっているが、無事でいるから安心して赴任期間が終わるまで待っていて欲しい】そう書いているのは病院に向けてなのか、家族に向けてなのか分からないけど、無事でいた事を知らせてくれたのは、私もお腹の子供たちもお父さんやお母さん・・・ウンジョ君に父に対して、愛しているからだと思います。あと一年以上は帰って来ないけど、暗くて先が見えない道に灯りが宿ったと思えるようになりました。」
本当の気持ちは誰にも言えなかったし、これからも言うつもりはない。
スンジョの顔を見られないだけでも淋しくて辛かったのに、電話が掛からなくなり情勢が不安定になったと知った時は、家族が助けてくれるかもしれないが、この先産まれてくる双子とどう過ごしていいのかと考えるだけでも不安だった。





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四季 64

突然の出来事に、私は意外なほど冷静でいることが出来た。
仕事に行けばみんなが『大丈夫?』『元気出して』『妊娠中だから無理しないで』と労ってくれるけど、本当に私は心が麻痺したように平気でいられた。

「双子だから少し小さいけど、順調に育っているわ。」
「画像だと、私に似てるみたいですね。」
丸顔で小さな鼻にプックリした唇に見えるから、そう見えるのかもしれない。
「どちらかと言うと、ペク先生に似ているわね。」
「えーそうですか?主人はもっと鼻筋が通っていて面長ですよ。」
パク先生の優しい手が、ハニのお腹のジェルを拭き取った時に診察室のドアがノックされた。

「はい。」
「今、オ看護師の診察中ですか?」
何か慌てた感じがする声だった。
「もう終わりですけど、服を整えてもらうわね。」
ハニは急いで服を整えると、診察室のドアを開けた。
そこには、事務の職員がハァハァと荒い息をして立っていた。

「事務所に・・・事務所に来てください。ペク先生からメールが来ています。
「えっ?」
「報告書なので、プリントアップ出来ないですが、オ看護師へのメッセージもありました。」
ハニは例え報告のメールでも、スンジョからの連絡が来たという文面を見たかった。
「オ看護師、慌てないように。お腹に小さな命がふたつあるのですから。」
パク医師は、診察室まで来た事務員にハニを安全に連れて行くようにとそう伝えると、同じパラン大の医師として安心したような顔をして、机の上のカルテを整理し始めた。


「ど・・どんな内容でしたか?」
「オ看護師へのメッセージは短い物でしたが、事務局長がお知らせするようにとの事で・・」
今まで泣く事もなかったのに、涙が止まらなく流れていた。
「大丈夫ですか?」
事務員はそっと自分のジャケットのポケットからハンカチを取り出して、それでハニの頬を伝っている涙を拭いた。
事務所に近づくと、慌ただしく人が行き来していた。
ハニの気持ちを知らない患者や業者は、笑いながら忙しく歩き、今いるこの場所が平和だと証明していた。

事務所のドアを開けると、事務局長が身体を開いたドアの方を向いた。
「オ看護師、こっちです。」
その声にパソコンを操作していた人は、立ち上がってハニが座れるように席を譲った。
報告書のほとんどは、仕事の内容でハニには理解できなかったが、スクロールを下に持って行くと断りの文面の下に、ハニと家族にあてたメッセージが書かれていた。

【電話で連絡が出来ない状況になっているが、無事でいるから安心して赴任期間が終わるまで待っていて欲しい】
普通の人なら短い文面でも、ハニにはその文面が長いラブレターのように嬉しかった。
声が聴く事が出来ないのが、これほどまで不安になるとは思いもよらなかった。






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