ついに朝になった。
いつもと違う朝は、普通にしていても家族全員がいつもと違っていた。
グミは同中に体調を崩さないようにいつもと同じ朝食メニューを用意し、いつもと同じ時間にスチャンが起きて来て、ギドンはいつもと同じ時間に朝食を食べ終わっていた。
ハニもいつもと同じようにしているが、今日は朝食の準備をしなくていいからスンジョのそばにいてと言われ、ずっと離れないようにしていた。
「お兄ちゃん、おはよう。」
「早いな。もう少し寝ていてもよかったのに。」
「みんなが起きているのに眠れなかった。何時に家を出て行くの?」
「もう、迎えのタクシーが来るはずだ。」
いつもと同じようにしていても、どこかいつもと違う朝の時間。
ハニもいつもと変わらず、ウンジョに世話を焼いては叱られ、それを見ているグミが二人をなだめる。
普段通りのはずなのに、それそれが普段通りとは違っていた。
「タクシーが来た。」
グミの言葉に、ハニは身体をピクンとさせてスンジョの顔を見た。
「2年は帰って来られないが、一週間に一度は休みがあるから電話で話が出来るよ。」
「本当?」
「ああ、長電話は出来ないが、簡単なあいさつ程度の会話なら出来ると思う。」
「どうしてそれをもっと前に教えてくれなかったの?手紙を書こうかどうしようか迷っていたのに・・・」
「昨日、取りまとめている団体に確認したばかりだから、ハニに言えなかったんだ。手紙は・・・・無理だな。郵便物の配達は危険が伴う。家族間の手紙でも、機密文章と間違われて大事になりかねないから、送らない方がいい。じゃ・・・行ってくるから。」
いつも仕事に行く時のように、スンジョは挨拶をして玄関を出て行った。
見送りはいらない、空港にも来なくていい。
そう言ったのも、ハニや家族を思っての事だ。
ハニや家族が悲しそうに見送られる、自分が一番辛かったのかもしれない。
大丈夫だ。
2年後の夏には、またこの玄関に絶対に帰って来るから。
自分で目指す方向を見つけるために行く転勤だから、どんな事をしてもこの家に帰って来るから。
早朝の夏の日は、少しでも外に出ていると汗ばんでくる。
この日の暑さは、ハニの自分への想いと思って、気持ちを切り替えて運転手に空港までと告げた。

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いつもと違う朝は、普通にしていても家族全員がいつもと違っていた。
グミは同中に体調を崩さないようにいつもと同じ朝食メニューを用意し、いつもと同じ時間にスチャンが起きて来て、ギドンはいつもと同じ時間に朝食を食べ終わっていた。
ハニもいつもと同じようにしているが、今日は朝食の準備をしなくていいからスンジョのそばにいてと言われ、ずっと離れないようにしていた。
「お兄ちゃん、おはよう。」
「早いな。もう少し寝ていてもよかったのに。」
「みんなが起きているのに眠れなかった。何時に家を出て行くの?」
「もう、迎えのタクシーが来るはずだ。」
いつもと同じようにしていても、どこかいつもと違う朝の時間。
ハニもいつもと変わらず、ウンジョに世話を焼いては叱られ、それを見ているグミが二人をなだめる。
普段通りのはずなのに、それそれが普段通りとは違っていた。
「タクシーが来た。」
グミの言葉に、ハニは身体をピクンとさせてスンジョの顔を見た。
「2年は帰って来られないが、一週間に一度は休みがあるから電話で話が出来るよ。」
「本当?」
「ああ、長電話は出来ないが、簡単なあいさつ程度の会話なら出来ると思う。」
「どうしてそれをもっと前に教えてくれなかったの?手紙を書こうかどうしようか迷っていたのに・・・」
「昨日、取りまとめている団体に確認したばかりだから、ハニに言えなかったんだ。手紙は・・・・無理だな。郵便物の配達は危険が伴う。家族間の手紙でも、機密文章と間違われて大事になりかねないから、送らない方がいい。じゃ・・・行ってくるから。」
いつも仕事に行く時のように、スンジョは挨拶をして玄関を出て行った。
見送りはいらない、空港にも来なくていい。
そう言ったのも、ハニや家族を思っての事だ。
ハニや家族が悲しそうに見送られる、自分が一番辛かったのかもしれない。
大丈夫だ。
2年後の夏には、またこの玄関に絶対に帰って来るから。
自分で目指す方向を見つけるために行く転勤だから、どんな事をしてもこの家に帰って来るから。
早朝の夏の日は、少しでも外に出ていると汗ばんでくる。
この日の暑さは、ハニの自分への想いと思って、気持ちを切り替えて運転手に空港までと告げた。

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