無言で星空を眺めているハニを、冷静な気持ちで見ている事が出来なかった。
何かを話そうと思って話した事は今までなかったが、今は何を話していいのか分からなかった。
思ったまま話しても今のハニはきっと素直に聞いてくれるという考えだけは確信できた。
「春は・・・・」
「春は?」
「出会いと思うか別れと思うか・・・ハニはどっちだ?」
スンジョが何を考えて聞いているのか、その言葉の意味を探ろうと考えていたがハニの頭では考えても答えは見つからなかった。
「出会い・・・かな?スンジョ君と初めて会った日・・・違った・・見た日に一目ぼれをしたから、春は出会いだと思う。スンジョ君は?」
そう言って横にいるスンジョの顔を見ると、自分を熱い瞳で見つめていた。
初めて見るようなスンジョのその瞳に、胸がときめいて恥ずかしくてすぐにそらしてしまった。
「オレはどっちかな?ハニがオレを見た時が出会いなら・・・・オレは、その時は別れだったかも。」
「わ・・別れ?」
驚きすぎて大きな声が出ても、ここに誰もいなくて誰かに聞かれることもない。
「別れは人との別ればかりじゃない、オレの場合は自分との別れだったかもしれない。それまでの自分と別れて、新しい自分と出会えたのがハニとの出会いだと思う。さっき、ハニがパク先生に異動届を出さないと決めたのも、パク先生と出会ってそれまでの自分との別れた。」
ん~~とうなり声を上げて考えているハニを見て、スンジョはいきなり腕を引いてハニを抱きよせた。
「あったかぁ~い!」
「寒くなったか?」
「まだ少しアルコールが残っているから、眠くなっってきちゃった。」
ハ人言葉でさらにスンジョは抱きしめている腕に力を入れ、ハニの耳もとで囁いた。
「部屋に戻ろう」
「もう少しここにいたいな・・・」
「ダメだ。ハニがオレから自立を始めた記念の出会いにしたいから。」
心が震えるように甘いスンジョの声に、ハニは頭がくらくらとして来たが、それはアルコールがまだ残っている事だけじゃなかった。
新しい自分との出会いが、スンジョとのまた違う生活の歩みの時間の始まりになるような気がした。
出会いの春と別れの春は、それが一つの季節なのかもしれない。
春が過ぎれば、暑い夏が来る。
冬から変わったばかりの春ではない、夏に近い春でも夜間のビルの屋上は肌寒い風が吹いていた。

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何かを話そうと思って話した事は今までなかったが、今は何を話していいのか分からなかった。
思ったまま話しても今のハニはきっと素直に聞いてくれるという考えだけは確信できた。
「春は・・・・」
「春は?」
「出会いと思うか別れと思うか・・・ハニはどっちだ?」
スンジョが何を考えて聞いているのか、その言葉の意味を探ろうと考えていたがハニの頭では考えても答えは見つからなかった。
「出会い・・・かな?スンジョ君と初めて会った日・・・違った・・見た日に一目ぼれをしたから、春は出会いだと思う。スンジョ君は?」
そう言って横にいるスンジョの顔を見ると、自分を熱い瞳で見つめていた。
初めて見るようなスンジョのその瞳に、胸がときめいて恥ずかしくてすぐにそらしてしまった。
「オレはどっちかな?ハニがオレを見た時が出会いなら・・・・オレは、その時は別れだったかも。」
「わ・・別れ?」
驚きすぎて大きな声が出ても、ここに誰もいなくて誰かに聞かれることもない。
「別れは人との別ればかりじゃない、オレの場合は自分との別れだったかもしれない。それまでの自分と別れて、新しい自分と出会えたのがハニとの出会いだと思う。さっき、ハニがパク先生に異動届を出さないと決めたのも、パク先生と出会ってそれまでの自分との別れた。」
ん~~とうなり声を上げて考えているハニを見て、スンジョはいきなり腕を引いてハニを抱きよせた。
「あったかぁ~い!」
「寒くなったか?」
「まだ少しアルコールが残っているから、眠くなっってきちゃった。」
ハ人言葉でさらにスンジョは抱きしめている腕に力を入れ、ハニの耳もとで囁いた。
「部屋に戻ろう」
「もう少しここにいたいな・・・」
「ダメだ。ハニがオレから自立を始めた記念の出会いにしたいから。」
心が震えるように甘いスンジョの声に、ハニは頭がくらくらとして来たが、それはアルコールがまだ残っている事だけじゃなかった。
新しい自分との出会いが、スンジョとのまた違う生活の歩みの時間の始まりになるような気がした。
出会いの春と別れの春は、それが一つの季節なのかもしれない。
春が過ぎれば、暑い夏が来る。
冬から変わったばかりの春ではない、夏に近い春でも夜間のビルの屋上は肌寒い風が吹いていた。

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