パラン大病院に見学に来ている看護学生を横目で見ながら、ハニはその姿に何か想いを馳せていた。
ここで待っていればスンジョが迎えに来てくれる。
一緒に帰る時に待ち合わせをしているこの場所は二人だけの場所ではないけれど、自然とお互いに場所を決めなくてもここで座っていれば必ず会える。
「帰るか?」
「スンジョ君、終わったの?」
「終わったよ。看護学生を見ていたのか・・・」
この数年の間に色々な事があった。
スンジョはその間に一回りも大きな男になったと分かる表情に、少女らしさがまだ残っているハニ。
スンジョが腕を伸ばすと、ハニはその手を繋いだ。
「もうあれから7年になるのか・・・」
クスッとハニが笑うと、スンジョは驚いたような顔をして振り向いた。
「何がおかしい?」
「昔のスンジョ君と随分違うから、昔しか知らない人が見たら驚くね。」
そうだなと言うような顔をして、小さな門のインターフォンを押した。
「ペクです。迎えに来ました。」
インターフォンの向こう側から、返事が聞こえると門の鍵がロック解除する音が聞こえた。
扉を開けてハニと一緒に中に入ると、中庭で一人の女の子が遊んでいた。
「スンジョ君?」
何も言わないでその女の子を見ているスンジョに呼び掛けた。
「ハニにまだな言っていない事があるって、7年前に行ってたけど覚えているか?」
「うん・・・いつか言うって言って結局看護学科の勉強が忙しいのと、スンジョ君の勉強が忙しくてそのままになって、いつの間にか忘れていた。今頃どうして?」
スンジョは女の子の方に顎をクイッと上げると、ハニはその女の子の方を見た。
「ハニの夢は叶ったのか?」
「勿論!看護師になれたもの。スンジョ君と結婚が出来たのは嬉しいけど、夢じゃなくて・・・・今でも信じられないくらい。スンジョ君は、医者になったから夢が叶ったんだよね?」
「オレの夢は、医者になる事だと思っていたけど、そうじゃなかったと7年前に気が付いたんだ。」
「医者になって後悔しているの?」
「違うよ・・・」
女の子はスンジョとハニに気が付いて、ニコニコと笑いながら走って来ると、スンジョはかがんでその女の子を抱き上げた。
「オレの夢はこれだと気が付いたんだ。両親の愛情に恵まれて育ち、ハニにも無条件に愛されて、オレは人から愛されてばかりで愛する事をしていなかった。親になって初めて自分の家族を守ろう、愛想と言う思いがオレが探している夢なんだ。ハニとスンハとまた生まれてくる子供を愛する事で、医者として一人前になれる。今こうしてスンはとハニといると、仕事で疲れた時にまるで霞色の空が晴れてその向こうが見えるように澄んでいるんだ。」
自分の気持ちをまだすぐに口に出して言えないが、人を愛して守って行く事が自分が探していた夢だとはっきりともう声を出して言える。
掴んだ手をもう二度と離したりしないで、どんなに迷う事があってもずっと一緒にいたいと、そっとハニの耳元で囁いた。

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ここで待っていればスンジョが迎えに来てくれる。
一緒に帰る時に待ち合わせをしているこの場所は二人だけの場所ではないけれど、自然とお互いに場所を決めなくてもここで座っていれば必ず会える。
「帰るか?」
「スンジョ君、終わったの?」
「終わったよ。看護学生を見ていたのか・・・」
この数年の間に色々な事があった。
スンジョはその間に一回りも大きな男になったと分かる表情に、少女らしさがまだ残っているハニ。
スンジョが腕を伸ばすと、ハニはその手を繋いだ。
「もうあれから7年になるのか・・・」
クスッとハニが笑うと、スンジョは驚いたような顔をして振り向いた。
「何がおかしい?」
「昔のスンジョ君と随分違うから、昔しか知らない人が見たら驚くね。」
そうだなと言うような顔をして、小さな門のインターフォンを押した。
「ペクです。迎えに来ました。」
インターフォンの向こう側から、返事が聞こえると門の鍵がロック解除する音が聞こえた。
扉を開けてハニと一緒に中に入ると、中庭で一人の女の子が遊んでいた。
「スンジョ君?」
何も言わないでその女の子を見ているスンジョに呼び掛けた。
「ハニにまだな言っていない事があるって、7年前に行ってたけど覚えているか?」
「うん・・・いつか言うって言って結局看護学科の勉強が忙しいのと、スンジョ君の勉強が忙しくてそのままになって、いつの間にか忘れていた。今頃どうして?」
スンジョは女の子の方に顎をクイッと上げると、ハニはその女の子の方を見た。
「ハニの夢は叶ったのか?」
「勿論!看護師になれたもの。スンジョ君と結婚が出来たのは嬉しいけど、夢じゃなくて・・・・今でも信じられないくらい。スンジョ君は、医者になったから夢が叶ったんだよね?」
「オレの夢は、医者になる事だと思っていたけど、そうじゃなかったと7年前に気が付いたんだ。」
「医者になって後悔しているの?」
「違うよ・・・」
女の子はスンジョとハニに気が付いて、ニコニコと笑いながら走って来ると、スンジョはかがんでその女の子を抱き上げた。
「オレの夢はこれだと気が付いたんだ。両親の愛情に恵まれて育ち、ハニにも無条件に愛されて、オレは人から愛されてばかりで愛する事をしていなかった。親になって初めて自分の家族を守ろう、愛想と言う思いがオレが探している夢なんだ。ハニとスンハとまた生まれてくる子供を愛する事で、医者として一人前になれる。今こうしてスンはとハニといると、仕事で疲れた時にまるで霞色の空が晴れてその向こうが見えるように澄んでいるんだ。」
自分の気持ちをまだすぐに口に出して言えないが、人を愛して守って行く事が自分が探していた夢だとはっきりともう声を出して言える。
掴んだ手をもう二度と離したりしないで、どんなに迷う事があってもずっと一緒にいたいと、そっとハニの耳元で囁いた。

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