大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

別れ

今でも 222

この道を通るのは二度目だ。
最初にこの道を通る時は、ヘラに隠れて探し出したハニの場所を、ヘラと一緒に行く事に対して後ろめたさよりも、ヘラがハニの姿を見て何を言うのかを気にしていた。
あの時のヘラは、自分以外の人を見下し、土地の買収や開発でも細かいトラブルは幾つもあった。
あれもオレが原因の一つだったと思うし、女としての焦りもあったのだと思う。

のどかな田園風景の村から2時間も走っただろうか、道路は舗装がされていない道になり、雨が何日も降っていないからなのか、工事車両の往来が激しかったのか凸凹としている道は、土埃が立ち上がり綺麗に洗車されていたスンジョの車は、あっという間に土埃にまみれた。
辺りの風景と違和感を感じるオリエントコーポレーションのホテルは、建設がストップしたままだ。
あの頃の勢いも薄れ、ヘラの強引な契約条件に反発をした下請け会社との和解の話が進んでいないとギョンスから相談を持ちかけられた。

「なぁ・・・いったいどうしたらいいのだろうか・・・このままじゃ、ヘラもオレも先に進めない上に、何とか子供が産まれるたから式は挙げてやりたいのだけど・・・」
スンジョとの離婚話が出ていた頃からふたりの付き合いは親密になったものの、ヘラが関わった仕事のトラブルもあり、二人は一緒に暮らしてはいたが入籍は先延ばしになっていた。
「先輩、オレには何も言えません。ヘラも別れた夫のオレよりも、入籍はしていなくてもオリエントコーポレーションで仕事をしている先輩と話し合った方がいいでしょう。」
あれ程欲しがった子供が、オレと別れてすぐに妊娠をしたのは良かったと思う。
オレの子供じゃなくて、社員との間に出来た子供で会長は怒りよりも落胆の方が強かったと人伝に聞いたが、ヘラとよく似た女の子で今はとても可愛がっていると、ギョンス先輩の話でも分かった。

道のあちこちに掲げられている幟は、オリエントコーポレーションに対しての不満ばかりだった。
その道を過ぎてしばらく走ると、貧しい家が立ち並ぶ田舎道に変わった。
スンジョは長時間は知って来た疲れもあり、峠のあの場所に車を停めると、車外に出て澄んだ空気を吸った。
この崖から見下ろすところにあるバス停は、今もそのまま残り、4年前と変わらない風景が時間(とき)が止まっているような感覚になる。
ただ違うのは、もうそのバス停でハニの姿を二度と見る事がないという事。
この村に来ている事はハニは知らないし、思いもつかないだろう。
ハニが、自分の人生を新しく始める事にした村。
その村で、スンジョもまた新しい人生を始めるつもりで、医師として出直すことを決めたのだった。





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今でも 221

心配そうに見ているスチャンとグミ。
スンジョは車のトランクルームと後部座席に、自分の荷物を積み込んでいた。
10年間の結婚生活は、決して最悪ではなかったけど、物事に動じないスンジョでも自分を追いつめた結果精神的に辛い思いはした。
初めからヘラと冷めた生活をしていた訳ではなく、自分が理想としていたと思っていた通りの生活で、それなりに幸せだと思っていた。
思っていたのではなくて、思い込んでいただけなのかもしれないが、こんな風に一人でこの先人生を過ごす事も、もしかしたら決まっていた運命なのかもしれない。

ハニがペク家で生活をしていた形跡は薄れてしまったが、確かにスンジョの心の中にしっかりとハニがスンジョに教えてくれたことは残っている。
ハニが普通の男と結婚して幸せになる事が、ハニの幸せなのかもしれないし、そんなハニを思うのもまた自分の幸せな生活を過ごすことになるのもいいかもしれないと思った。

「スンジョ・・・・本当に行くのね。」
「大丈夫だよ。帰って来ない訳じゃないし・・・・・・おじさん・・・オ・ギドンさんに、挨拶に行けなくて申し訳ないと伝えてください。」
「判ったよ。身体に気を付けて・・・」
「兄貴・・・ミアが見送りに来れなくて、申し訳ないと言っていたよ。」
「みんな、心配性だな。オレも、30半ばのいい大人だよ。ウンジョ・・・ミアは、自分の気持ちを抑えてしまうところがあるから、その気持ちをくみ取ってやれよ。ウジョンも順調に育っているようだし・・・・」
「大丈夫だよ。ミアは・・・・頭はよくないけど、オレのいい妻でウジョンの良い母親だよ。」
ウンジョは『ハニと似ていて』と言いそうになったが、兄のハニへの想いが判るから、その名前を口にする事はしなかった。

「お袋、親父・・・病気をしないで、オレが帰って来るまで元気にいてくれよ。」
「もぅ・・・・スンジョらしくないわ。パパの健康は私がちゃんと管理するから。何年後には帰って来るの?」
「さぁ・・・・あとに続く医師が派遣できる状況になったら、戻れるかもしれないし・・・その後は・・・」
スンジョは、その続きの言葉を何も言わず、遅くなる前に着きたいからと言って、別れを惜しむ両親と弟に頭を下げて、車のドアを閉めると直ぐに発進して行った。

「ねぇ・・・・ハニちゃんは知っているのかしら・・スンジョが行ってしまった事を・・・」
「どうだろう。ハニさんは今妊娠中だから、兄貴が行く事を知っているかどうかは・・・ダニエルの手前、知っていてもハニはきっと・・・兄貴の事を忘れないと思う。」
ウンジョも辛かった。
スンジョに憧れて、その立ち居振る舞いを真似ていても、普通は好きになる人は人それぞれ違うが、兄よりも早くハニを好きになっていたような気がする。
ハニの一途に兄を思う姿に、自分の初恋は片想いのままで終わり、今は優秀な社員でもあるダニエルの妻になっている。
それでも、ハニはまだスンジョへの思いを断ち切れていない事は、自分が好きになったハニだから判っていた。

ハニは、人を不幸にしてまで自分が幸せになろうとする人間ではない。
だから、兄もダニエルも、そしてジュングも自分も好きになったのだ。

『幸せは人に分けて倍にして、哀しみは人に話して半分に』
兄から教えてもらったこの言葉は、スンジョはハニから教えてもらい自分の考えが変わったと言った。
今は二人は離れてしまっても、きっと時が経てばまた巡り合えるような気がしていた。





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今でも 220

早朝、まだ薄暗い時間に家を出て行く事にした。
家族が起きる前に行くつもりだったが、お袋がオレの為にそれよりも早い時間に起きて朝食を作ってくれた。
「スンジョの好きなものを作りたかったけど、あなたは朝からあまり食べない子だったから・・・・」
いつになくシンミリとしたお袋の声を聞くと、オレはこんな年になっても親を悲しませる出来の悪い息子だと思った。

「二度と返らない訳じゃない。休みが何日か取れる時があったら、帰って来るから。」
「そうね・・・ここがあなたの家だから。産まれてからずっと育った家だから。」
泣いているのだろうか?
背中を向けているお袋の方が震えている。
あの小さな背中を、こうしてしっかりと見たのはいつ以来だろう。

スンジョは、静かに立ち上がり、シンクに手を付いて肩を震わせている母の後ろに立った。
自分の肩までしかない母の背は、年齢を重ねてもっと小さく感じた。
いつも綺麗に結いあげている髪に白い髪が混じり、若々しいと思っていた頬も肉付きが薄くなり、それに合わせて自分もいつの間にか老けているのだと判っていた。
普通に歳を重ねていたら、今頃は長男の孫と一緒に空いている時間を過ごしていたのかもしれない。
ハニだけではなく、ヘラも傷付け母親を悲しませ、あまりにも人の気持ちを知らない、ひどい人間だったと反省をしてもしきれなかった。
スンジョはその大きな手を開いてそっとグミの肩越しに腕を巻き付けて抱いた。
細身の母が想った以上に細くて、力を入れたら折れてしまいそうだった。

「スンジョ?」
「・・・・お袋・・・ありがとう・・・」
「何を・・・」
「一度もお袋にありがとうという言葉を言う事がなかった。」
「そんなの・・親子だから、いいのよ。」
「オレが一番大切にしたいのは、お袋と親父と・・・・・・」
ハニ・・と言いたかったが、その名前を口に出す事が出来なかった。
怒ったり、笑ったりすることを、力を入れずに素直に出来たのはハニがそこにいたから。

「ねぇ・・・スンジョ・・・」
「ん?」
「もし・・・もしもよ・・・ハニちゃんが、あなたの元に行ったらどうする?もしもだからね・・私は何もしないわよ昔みたいに・・・・余計な事はしないから素直な気持ちを教えて。」
「どうするかな?・・・判らないけど、もしもと言う仮定で・・・もしもハニがオレの所に来たら・・・・・」
最後の言葉をグミが聞くと両手で顔を覆って泣き出した。
どこかで歯車を戻したいと思っているのはグミだけではなく、スンジョも同じかもしれない。
戻せるのなら、高校生のあの手紙を貰った時に戻りたい。

ヘラとの結婚生活の間に、心の涙がどれだけ流れたのか。
ハニの細い指先も忘れられない。
ハニが立ち去った心は、空席だらけでそれを誰も満たす事は出来ない。

他愛のない会話も行動も、忘れたくなくていつもそれを心の隅に置いている。
そんな事をするだけでもハニが自分の傍にいるように感じている。
もう、他人(ひと)の妻になってしまっても、忘れない・・・忘れられない・・・








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今でも 219

オレは逃げるのではない。
前に進むために、そこに行くのだ。
その場所がオレの目指す場所で、その場所がハニを救ってくれた場所だから。
散々泣かせて傷付けて、オレは何もしてあげられなかった。
ハニはどんな事があっても、オレだけを見ていると過信していた驕りなのだ。

スンジョは古い折り畳み式の携帯の電源を入れた。
その中には、ハニとやり取りした少ないメールが保存されている。
オレらしくなく、ハニを隠し撮りした写真も数枚。
それを一つのファイルに纏めていた。
ヘラとの結婚生活の間、いつ見つかるのか判らない状況で、そのメールや写真を何度も見ていた。

「いつまでも過去の思い出を大切にするのもいいが、前に一歩踏み出さなければ進んで行かない。ハニは、新しい人生を、自分を大切にしてくれる人と進んでいるのに、このオレはまだあの時のまま一歩も進んでいない。手離してしまってから後悔をしても、遅いことくらい判っていたのに、今になってオレがオレらしく過ごす事が出来るのはハニがいるからだと気が付いても・・・・」
ヘラと暮らしたあの部屋から引き上げる時に持って来た物は、まだ箱の中に詰めたままだった。
衣類はクローゼットに片付き、書物など医療関係や趣味の本は書庫に綺麗に並べられていたが、またこの部屋からいくつかを運び出さなければならない。
頑丈に梱包してある箱は、結婚の為にこの家を出る時に封印した物だった。
封印に使っているテープは色が変わり、その年数を表していた。

この箱はそのままクローゼットの奥に片付け置いて行ってもいいが、何もかも思い出の品を置いて行くのも寂しく感じた。
色の変わったテープは、接着が弱くなり、簡単に開けることが出来た。
貰った時と同じようにピンクの袋にリボンが結ばれた物を手にすると、そっとリボンを解いて中に入っている小さな箱を取り出した。
その中には女の子が使うキャラクターの絵が付いた便箋に、女の子らしい文字が書かれていた。

『スンジョ君なら大丈夫!試験頑張れ!!』
銀のフォークを手に取り、大学の入学試験の前日の夜にハニから贈られたお守り。
何を思って買ったのか、かえって肩が凝りそうなヘッドマッサージは、スンジョがハニに言った頭が痛いという言葉を間違えて受け取り、隠れてバイトをして貯めたお金で買った物だ。
ハニからは形のある品物も貰ったが、形のないものが一番人として大切な事を教えてもらった。

思い出の品物を、また箱に詰めて梱包用のテープで封印すると、また別の箱に最小限必要な医療書物を摘めて封印をした。
明日の午前中に車に運び入れ、昼ごろにはこの家を出発する。
次に戻るのはいつになるのか判らない。
明日の昼に出ても、向こうに着くのは夜になるだろう。
自分を必要としてくれる場所があるのなら、そこに行く事が自分で決めた道だ。
危険な場所ではないが、土地開発で建設会社と闘争している。
静かな村が、ある日突然変わってしまい、小さな診療所にいた医師はどこかに逃げて行ってしまったが、そこには人が生活をしている。
小さな子供から年老いて身体の弱った人がいる、その人たちの助けになるのなら・・・・・

スンジョは古い携帯の電源を落として、それをカバンの中に入れた。
それをスンジョのお守りとして持って行く事にしたのだった。







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今でも 218

「ウンジョ、お帰り・・お兄ちゃんが話があるって。」
「兄貴、帰って来たのか。」
「今は疲れたからって眠っているわ。」
「保養所の医務室に患者が来る事はないけど、この十数年兄貴は仕事漬けの毎日だったから、暇でも疲れるのかもしれないね。」
「でね・・・夕食の後に話があるって。パパもその頃には返って来ると思うけど、ハニちゃんと再婚する話でもなさそうよ。」
ウンジョは、ハニが結婚して子供がいる事を知っている母が、まだ兄と結婚させたがっている事にいい加減呆れて来ていた。

「お袋ぉ~兄貴は離婚したけど、ハニは可愛い子供と妻を愛する夫と幸せに暮らしているんだ。人が幸せに暮らしているのに、不幸にすることを望むものじゃない。」
「でも・・・・・・」
グミも判っていた。
ハニがスンハを産んでしばらく経ってからギドンに頼み込んで会いに行く時に、スチャンと一緒に付いて行った。
どこかスンジョと似ているダニエルと、夫によく似た可愛い赤ちゃんと迎えてくれたあの時、確かにハニは幸せそうに笑っていた。
幸せだと言っていたけど、それは自分でそう思おうとしているのだとグミには思えた。
スチャンにも、もうハニとスンジョを一緒にさせる事は諦めるようにも言われた。

自分が欲しかった娘は、ハニの様に明るい女の子。
自分の娘が嫁いで、幸せに暮らしているのならそれでいいと何度も自分に言い聞かせていたが、諦めきれなかった。
心の底から笑った事のなかったスンジョが、体育祭で見せたあの笑顔を、親の自分でもなくハニの純粋な心がそうしてくれた事で、スンジョの運命の人がハニだと思った。
「そうよね・・・・諦めないといけないのよね・・・・幸せな人を不幸にしてはいけない・・・・辛いけど・・・・」


久しぶりの兄弟そろっての夕食も、子供の頃の様に賑やかなものではないが、それなりにその空気が普通の様に、グミはもうすっかり大人の子供に食事を用意するのが仕事になっていた。
ウンジョが結婚をし、一児の父となりその嫁であるミアともいい嫁姑の関係でも、ハニの事を口に出すことも無いが、いつもハニの事を考えていた。
数年前に再会するまでは、スンジョがヘラと結婚生活を続けていたのもあるが、その名前を口にする事はなかったが、今は抑えていた名前を言うのを声に出して言う事を抑えられなかった。

ふたりの息子の前では、あまり言う事はなかったが、たった一人の同性のミアには『以前一緒に暮らしていたハニ』の事を、どんな女の子だったのかと教えていた。

「で・・・兄貴、話って?」
「親父にも話したいけど・・・・・・」
「ん?すまんな。」
スチャンは読んでいた新聞を脇に置くと、スンジョの方に顔を向けた。

「実は、昨日付でパラン大病院を辞めたんだ。」
「辞めた?」
「正確には保留されたけど。」
「医者を辞めてどうするんだ?お前のなりたかった医者だろ?」
グミは何も言わなかった。
体調も戻って、これからまた頑張って行く息子が、また何を考えているのかよく解らなかった。
解らないのは、グミばかりではない、スチャンもウンジョも解らない。
「また体調が良くないのか?」
「体調はもう問題ない。パラン大病院を辞めたと言っても、まだ医師と言う仕事は続けるし、病院側もそのまま席を置いて欲しいと、退職を受理されなかった。その代り、出向という形で無医村に行く事にした。」
「無医村・・・・どこに行くんだ?」

「それは言えない・・・・危険地帯ではない事は、確かだから何も心配はしなくてもいい。」
危険地帯ではないと聞いても、親として兄弟としてどうしてスンジョがそんな事を考えたのかが、ますます解らなくなった。








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