スンジョは話す言葉を考えていた
久しぶりにハニと庭を散歩する時間を楽しもうと思っていたのに、なぜこうも緊張するのか
少し離れた隣を歩いているハニは、ゆったりとした笑顔で楽しんでいる
「王妃と二人だけになりたい。」
慌てたのは王妃付きの尚宮だ。
臨月に入った王妃に何かあれば、王と一緒でも責任を取れない。
「何かあれば直ぐに呼ぶから。」
二人だけになれば、ハニの手を取り身体を支えて歩くこともできる。
繋いだ手にハニの力が加わり、幸せな気分になるのは同じだった。
「覚えているか?幼い頃の事を・・」
「まだ元子で、周りの人たちの心配など気にもしないで走り回っていました。」
遠くを見ているハニの顔を、スンジョは愛おしそうに見つめていた。
まだ、少し離れたところに尚膳や女官達がいるのを知っていたが、王のする事に声を出すことはない。
ゆっくりと前屈みになると、ハニの唇に触れた。
驚いてハニはその位置から離れると、春の花のように顔が赤くなっていた。
「人がいるのに・・・」
「大丈夫。皆、顔を逸らしているから。」
いたずらな子供のように、スンジョの顔は笑顔だった。
「あの時も、ここでハニの唇に触れたのは覚えている?」
怒った顔をしているが、それは覚えているからだ。
「『唇を奪われたから私と結婚をしないといけないのよ』そう言ったなぁ。」
意地悪く笑うその顔は、王であるよりも普通の人の表情だった。
「父も母も仲が良かったけど、子供の前ではそんなことしなかったわ。」
「子供の前ではと言うのは、前じゃない時にご両親のそう言う場面を見たから、『唇を奪われたから私としないと』と言ったのだろう。」
離れているお付きの人達には顔が赤くなっているのは見えないが、女官がハニを心配してチラチラと見ているのがわかった。
スンジョがハニと二人だけになって話したかったのは、そんな子供の時の思い出ではない。
意地悪な顔から、いつもの王の顔に変わると、王妃の肩をそっと抱き寄せた。
「世子に譲位しようと思う。」
その言葉に驚き、身体を離そうとハニは動いたが、スンジョは顔を見られないよう手に力を入れた。

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久しぶりにハニと庭を散歩する時間を楽しもうと思っていたのに、なぜこうも緊張するのか
少し離れた隣を歩いているハニは、ゆったりとした笑顔で楽しんでいる
「王妃と二人だけになりたい。」
慌てたのは王妃付きの尚宮だ。
臨月に入った王妃に何かあれば、王と一緒でも責任を取れない。
「何かあれば直ぐに呼ぶから。」
二人だけになれば、ハニの手を取り身体を支えて歩くこともできる。
繋いだ手にハニの力が加わり、幸せな気分になるのは同じだった。
「覚えているか?幼い頃の事を・・」
「まだ元子で、周りの人たちの心配など気にもしないで走り回っていました。」
遠くを見ているハニの顔を、スンジョは愛おしそうに見つめていた。
まだ、少し離れたところに尚膳や女官達がいるのを知っていたが、王のする事に声を出すことはない。
ゆっくりと前屈みになると、ハニの唇に触れた。
驚いてハニはその位置から離れると、春の花のように顔が赤くなっていた。
「人がいるのに・・・」
「大丈夫。皆、顔を逸らしているから。」
いたずらな子供のように、スンジョの顔は笑顔だった。
「あの時も、ここでハニの唇に触れたのは覚えている?」
怒った顔をしているが、それは覚えているからだ。
「『唇を奪われたから私と結婚をしないといけないのよ』そう言ったなぁ。」
意地悪く笑うその顔は、王であるよりも普通の人の表情だった。
「父も母も仲が良かったけど、子供の前ではそんなことしなかったわ。」
「子供の前ではと言うのは、前じゃない時にご両親のそう言う場面を見たから、『唇を奪われたから私としないと』と言ったのだろう。」
離れているお付きの人達には顔が赤くなっているのは見えないが、女官がハニを心配してチラチラと見ているのがわかった。
スンジョがハニと二人だけになって話したかったのは、そんな子供の時の思い出ではない。
意地悪な顔から、いつもの王の顔に変わると、王妃の肩をそっと抱き寄せた。
「世子に譲位しようと思う。」
その言葉に驚き、身体を離そうとハニは動いたが、スンジョは顔を見られないよう手に力を入れた。

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