広い宮殿は、そこに仕えている人は多く、生活をしている王族は限られているが、仕えている人が1人増えたり減ったりしても気づかないが、幼いキョンが王宮から平和寺に移ると、淋しさが感じ取られる。
世子の住居の庭は特に静かで、世子もそこにいないように思えた。
ハニは女官達より、口達者な世子が無口な護衛のインと、会話をしないで武術の鍛錬をしていると聞かされると、ハニは心配でならなかった。
「そうか・・まぁ部屋に篭って塞いでいるわけでもないから心配ないだろう。あのくらいの年齢になると、男の子はあまり話をしなくなるから。ハニは身重なのだから、あまり考え込まないように。」
スンジョから返ってくる応えに、不満はあるが言い返す事はできない。
それなら、自分から世子を訪ねるしかない。
公務があるからと別れると、ハニはスンに会いに行くことにした。
王宮に来たばかりの頃は、馴染めない生活に不安定になった時があった。
最近は世子らしく落ち着いてきたが、スンは自分に似ているところもあり、居場所を探しているかもしれない。
スンは庭の椅子に座っていた。
そこはいつもキョンと座って話しをしていた椅子だ。
大人たちが隠している事実は知らないが、血は繋がっていなくても、二人は仲の良い兄弟だ。
「スン・・・・」
「キョンはまだ小さいのに・・・・母と離れて暮らすのは可哀想だ・・・・」
なぜ、王宮で生活する事が出来ないか教えられない。
キョンはスンにとって大切な弟であり、しきたりに囚われず話ができる相手でもある。
キョンにしても、スンは兄であり誰にも言えない事を話せる相手でもある。
「キョンから聞いた・・・・・」
「何を聞いたの?」
まさかその事を知っているとは思うはずもなかったことを、スンはポツンと言った。
「キョンは、ここに居てはいけないから王宮を出る。誰も自分が知っているという事を知らないけど、兄上だけには話す・・・・自分は父上の子供じゃない。本当の父は西欧の人だって・・・・」
スンはいつこの事を知ったのだろうか、そしてキョンも自分の出自をいつ知ったのだろうか・・・・

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世子の住居の庭は特に静かで、世子もそこにいないように思えた。
ハニは女官達より、口達者な世子が無口な護衛のインと、会話をしないで武術の鍛錬をしていると聞かされると、ハニは心配でならなかった。
「そうか・・まぁ部屋に篭って塞いでいるわけでもないから心配ないだろう。あのくらいの年齢になると、男の子はあまり話をしなくなるから。ハニは身重なのだから、あまり考え込まないように。」
スンジョから返ってくる応えに、不満はあるが言い返す事はできない。
それなら、自分から世子を訪ねるしかない。
公務があるからと別れると、ハニはスンに会いに行くことにした。
王宮に来たばかりの頃は、馴染めない生活に不安定になった時があった。
最近は世子らしく落ち着いてきたが、スンは自分に似ているところもあり、居場所を探しているかもしれない。
スンは庭の椅子に座っていた。
そこはいつもキョンと座って話しをしていた椅子だ。
大人たちが隠している事実は知らないが、血は繋がっていなくても、二人は仲の良い兄弟だ。
「スン・・・・」
「キョンはまだ小さいのに・・・・母と離れて暮らすのは可哀想だ・・・・」
なぜ、王宮で生活する事が出来ないか教えられない。
キョンはスンにとって大切な弟であり、しきたりに囚われず話ができる相手でもある。
キョンにしても、スンは兄であり誰にも言えない事を話せる相手でもある。
「キョンから聞いた・・・・・」
「何を聞いたの?」
まさかその事を知っているとは思うはずもなかったことを、スンはポツンと言った。
「キョンは、ここに居てはいけないから王宮を出る。誰も自分が知っているという事を知らないけど、兄上だけには話す・・・・自分は父上の子供じゃない。本当の父は西欧の人だって・・・・」
スンはいつこの事を知ったのだろうか、そしてキョンも自分の出自をいつ知ったのだろうか・・・・

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