大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2025年01月

邂逅 101

王宮内の出来事は、吉事であれそうでない事でも伝わるのは早い。
スンジョのというより、王族に対して忠誠心が強いのか、王妃の懐妊は御医が安定しているとの診断が出るまで伏せられていた。
それよりも何年も伏せられたキョンの出生についての秘密は、誰の口からも語られることはなかった。

そして遂にキョンが王宮から平和寺に入る日が訪れた。
王の私室には王と王妃、そして世子と公主が無言で人が訪れるのを待っていた。
静かな空気の流れに乗るように、女官が訪れを伝えた。

「恵景妃様、キョン様がお見えになられました。」
部屋の扉が開くと、泣いていたのか目を赤くした恵景妃と、その後ろに続いてキョンが入って来た。

罪のない二人
罪を作ったのはキョンの実の父親だが、キョンはこの先も会うこともなければ知ることもない
恵景妃も成長するキョンを見るのは辛いだろう
一番罪を作ったのは、何も言わず自分の子供としてそばに置いたのは、恵景妃にあの騒動の時に助けてもらった気持ちがあるからだが、妃はそれ以上に側室として尽くしてくれた
真っ直ぐにこちらを見ているキョンの琥珀色の瞳は澄んでいて何の濁りもなく深い

「父上、母上(ハニ)・・・今日キョンは王宮を出ます。母上に作っていただいた衣類は大切にします。姉上、姉上が遊んでくださったことは忘れません。兄上、兄上のように強い皇子ではありませんが、とても健康になりました。ありがとうございました。」

まだ6歳になったばかり。
きっと、この日が来るまで何度も練習をしたのだろう。

緊張した空気が流れる中、明るい声が響いた。

「キョン、知っているか?兄の『スン』という名は父が付けた名だけど本当の名じゃない。」
それを聞いて驚いたのは、実母であるハニだった。

「スンリ(勝利)・・・これが兄の名前だ。父上から本当の名前を教えていただいた時は、今のキョンの年齢ですぐに理解できなかった。姉上はスンハ(純夏)・・・父上の名前の一文字を姉上は頂いたのに、兄は父の名前の一字も母の名前の一字も頂けなかったと拗ねたことがあった。キョンは恵景妃の名前の一字を頂いた。妹や弟も親の名前を一字頂いた。だから、王宮から離れて暮らすことになっても、心はいつも一緒だ。辛いことがあったら、王宮の方を見て姉や兄、妹や弟たちを思い出して、兄たちもキョンを忘れないから。」


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邂逅 100

「久しぶりに会うハニと、一晩中話をするつもりで来たのだけど、自分の寝所に戻るよ。」
「えっ?」
スンジョのが立ち上がろうとした時に、ハニは声が裏返り悲しそうな表情になった。
「大切な時期だ。話は昼間でも構わない内容だから改めてくるよ。」
ハニにしても、久しぶりに会うスンジョと一晩中話をしたかった。
静養に行くという話も、一緒に過ごす時間を作るためでもあるが、スンジョ自身も公務での疲労で限界が来ていたのだろう。

「公務をお休みすることはできますか?」
できるはずはないが、ふと一瞬気を緩めたのをハニは見逃さなかった。
「上奏も一段落付いているから、休むことはできるが・・・・」
ハニや子供たちと静養に行こうと思っていたのだから、数日公務から離れても問題ないが、ハニが公務のことで口を挟むのは珍しかった。

「子供たちと過ごしていただければ・・・・スンは武術も上達したので父に見てほしいと・・・公主も嫁ぐ年齢が近づいています。降嫁したら会う機会も減ると思いますので、会っていただけますか?それと・・・・」
少し言いにくそうに言葉を選んでいるハニを、スンジョは久しぶりに見た気がした。

「今、キョンは出家が近づき恵景妃と過ごしていますが、陛下も一緒に過ごしていただけますか?キョンは陛下を実の父親と思って憧れと尊敬の気持ちでいつも見ています。いずれは自分の出自を知ることになると思います。キョンもですが、恵景妃にも責任はありません。自分の出自を知った時に、自分を蔑むことがないよう、立派な父が付いていることを忘れないように、少ない宮殿での生活を一緒に過ごしてあげてほしいです。」
スンジョはハニのこういったものの考えが好きだった。
幼い頃はお転婆で、とても身分の高い人の娘とは思えないところはあっても、身分の低い人にも蔑むことをしないで尊重するところは尊敬もしていた。

本当はやっと授かった三人目の子どもが無事に誕生するまで不安で仕方がないはずだ。

抱きしめたい・・・・

無性にスンジョはハニを抱きしめたい気持ちが抑えられそうにない自分に戸惑っていた。
思いだけではなく、行動に移した自分に驚いたが、不思議とすまないという気持ちはなかった。

「ハニの温もりと香りを感じたいだけだ・・・そっと抱きしめるだけだから・・・・そっと唇に触れるだけ・・・・」
触れ合った唇が一度離れると、ふたつの小さなため息が聞こえた。

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邂逅 99

色白のハニの頬が、桃の実のように淡く赤味を挿した。
夏の暑さで熱があるのではなく、少女がはにかんだような赤い頬だった。

「お子を授かりました。」

その言葉をハニの口から聞くことは、正直考えていなかった。
「諦めていました。恵景妃がキョンを出産してヘミとヘスンから続けて解任した時はすごく悲しくて・・・こんなことを思ってはいけないのに悔しくて・・・行方不明だった間に、私の居場所はここではなくなったと思っていたの・・・・」
初めて聞くハニの心の中の思い。
いつも笑顔でスンハとスン、そして恵景妃のキョンを見守っていた様子からは気が付かなかった。
側室は一人だけと決めてよかった。
ハニとは政治的な婚姻ではないが、恵景妃とは政治的婚姻で情は深くないが、宮殿に戻ってきた時に側室を迎えていたと知った時は複雑だったろう。

「陛下・・・・スンジョ・・・?嬉しくないの?」
「嬉しいよ・・・ずっと治療をして来たのだから。諦めることなく御医の指示通り毎日欠かさず薬を飲んでいると聞いていた。」
苦いと言って、薬を飲んだあとに甘い菓子を食べているのも知っている。

スンジョは部屋の中に二人だけでいることよりも、部屋の外に控えている尚膳と女官たちに聞こえないように静かに動いてハニを抱き寄せた。
恵景妃よりも華奢で血の巡りが悪いから諦めていたが諦めきれなかったのは、スンジョ自身も同じだが、解任が難しいことを気にしているハニにはその気持を知られないようにしていた。

「それと・・・もう一つ嬉しいことがあるの。」
「嬉しいこととは?」
「恵景妃が御医と入れ替わるように挨拶に来て、私の懐妊を喜んでくれたの。普通なら庶子でも皇位継承の権利はあるのに、スンを支える・・・ヘスンと共にスンを支えると言ってくれたの。自分もキョンも実家にも宮殿にも居場所はないけれど、私が居場所をつくってくれた。恩を簡単に返すことはできなくても側室として正室と嫡子を支える。キョンが過ごすことになる平和堂は厳しいけれど住職は派閥に属さず入門できることは陛下と私の温かい心があってのことと・・・・」
尹家の娘が正室になっていたかもしれないのに、ハニはその不安な気持ちが晴れたのか、この数年の自身のない表情が消えていた。

スンジョにとっての居場所はどこなのか、やっとそれがわかったような気がした。




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