月日は流れ、ハニとスンが本来の居場所である宮殿に戻ってから5度目の夏を過ごしていた。
スンは9歳になり、弟のキョンの面倒を見て遊ぶのが、勉学や武術の合間の時間を過ごすことが好きだった。
スンの傍にいつも付いていたインは、背がすらっと高く、隙のない身のこなしに、若い女官たちの視線を集めていた。
インに思いを寄せていたスンハは、美しい娘に成長していた。
物事をはっきりとさせたがるスンハでも、インの前では恥ずかしそうに今でも俯いてしまい話もできなかった。
子供たちはそれぞれ成長したが、変わったのはそれだけではなく身分も変わった。
世子は譲位されて王になり、王は世子に譲位して上皇になった。
ハニは王妃になったが、今までと変わらずの生活を続けていた。
貧血も手足の冷たさも改善されてきたが、スンを出産した後懐妊する兆候はなかったが、恵景妃はスンエ翁主を出産した後一年おいて皇子と皇女を出産した。
子を授かることは難しい事はわかっていても、側室が懐妊することを羨ましく思うが,それを表に出すことはしないようにしていた。
可愛そうな運命のキョンは、成長するにつれて王の子供ではないとわかる顔になっていた。
だが、誰もそれを口にすることはない。
スンが弟をとても可愛がっている姿を見れば、大人が憶測や勝手な考えを言うわけにはいけない。
「今年の夏は暑いわね・・・・」
「農村では、日照りで作物が育たないと言われています。」
暑い夏になると、島にいた頃の生活を思い出す。
下着を着てスンが川の中で遊び、ハニは川辺の木の陰でぼんやりとし、ジュングが川底を泳いでいる魚を獲っていた。
「キョンは後数週間でヘイウォン寺に行くのね・・・・淋しくなるわ。」
「世子様もお淋しくなると思います・・・が仕方がありません。」
「そうね・・・仕方がないわね・・・」
明るい色の髪は撲巾で隠れているが、薄い色の瞳は隠しようがなかった。
スンはキョンの秘密を知っているのか知らないのか、スンジョもハニも聞くことはなかった。
「王妃様、そろそろお部屋に戻られたほうが・・・」
「そうね、長く外にいたら貧血気味の私には危険ね。」
危険なことはわかっていた。
確かに自分はあのとき、部屋に戻ろうとして動いたはずだった。

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スンは9歳になり、弟のキョンの面倒を見て遊ぶのが、勉学や武術の合間の時間を過ごすことが好きだった。
スンの傍にいつも付いていたインは、背がすらっと高く、隙のない身のこなしに、若い女官たちの視線を集めていた。
インに思いを寄せていたスンハは、美しい娘に成長していた。
物事をはっきりとさせたがるスンハでも、インの前では恥ずかしそうに今でも俯いてしまい話もできなかった。
子供たちはそれぞれ成長したが、変わったのはそれだけではなく身分も変わった。
世子は譲位されて王になり、王は世子に譲位して上皇になった。
ハニは王妃になったが、今までと変わらずの生活を続けていた。
貧血も手足の冷たさも改善されてきたが、スンを出産した後懐妊する兆候はなかったが、恵景妃はスンエ翁主を出産した後一年おいて皇子と皇女を出産した。
子を授かることは難しい事はわかっていても、側室が懐妊することを羨ましく思うが,それを表に出すことはしないようにしていた。
可愛そうな運命のキョンは、成長するにつれて王の子供ではないとわかる顔になっていた。
だが、誰もそれを口にすることはない。
スンが弟をとても可愛がっている姿を見れば、大人が憶測や勝手な考えを言うわけにはいけない。
「今年の夏は暑いわね・・・・」
「農村では、日照りで作物が育たないと言われています。」
暑い夏になると、島にいた頃の生活を思い出す。
下着を着てスンが川の中で遊び、ハニは川辺の木の陰でぼんやりとし、ジュングが川底を泳いでいる魚を獲っていた。
「キョンは後数週間でヘイウォン寺に行くのね・・・・淋しくなるわ。」
「世子様もお淋しくなると思います・・・が仕方がありません。」
「そうね・・・仕方がないわね・・・」
明るい色の髪は撲巾で隠れているが、薄い色の瞳は隠しようがなかった。
スンはキョンの秘密を知っているのか知らないのか、スンジョもハニも聞くことはなかった。
「王妃様、そろそろお部屋に戻られたほうが・・・」
「そうね、長く外にいたら貧血気味の私には危険ね。」
危険なことはわかっていた。
確かに自分はあのとき、部屋に戻ろうとして動いたはずだった。

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