大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2024年10月

邂逅 91

青白く透きとおる肌に長い睫毛が頬に影をつける。
目を閉じている母の顔を見て、どんな顔をしているのか、笑顔がどんなだったか記憶に無かった。
隣に座る弟は、幼いながらも落ち着いているのではなく、グッと涙を堪えているが、時々鼻を啜る音が聞こえた。

「こんな事前もあったの?」
「知らない。」
「知らないって、一緒に暮らしていたのはあなたしか宮殿にいないのだから、思い出しなさいよ。」
厳しく言う姉の言葉に、以前なら怒って手を挙げていたが、わずかな間に4歳の幼い子供でも自分の立場が理解できるようになったのか、落ち着いて母の姿を見つめていた。
「姉の言うことに無視するの?」
「師匠の教えを守っているだけです。」
「師匠って?」
スンはニコっと笑うだけで何も答えなかったが、思い起こせばスンが宮殿での生活に慣れてきた頃から、下着だけで裸足で庭園を走っている姿を見ることがなくなった。

東宮殿で両親と一緒に過ごしたのは一週間程。
その後、母の実家の遠縁にあたるソン・インが行動をともにするようになってからは、勉学にも熱心に取り組むようになったと女官の噂話を耳にした。
ソン・インとはどんな人なのか気になって東宮電の庭で遊ぶスンを見に来て、スンハはソン・インに心がときめいたのだ。

「スン?スンハもいたの?」
血色が戻った顔で、ハニは二人の子供に近くに寄るように頷いた。
「ごめんなさいね・・・驚かせて・・・」
「お・・・・驚かせないでください。お父様はいらっしゃらないし、御医は恵景妃の診察をしているからすぐに来られないと言うし・・・・独孤尚宮は薬も御医の指示通りに飲んでいると言っていたから、どうしてなのかわからないって・・・・」
スンハは少しずつソン・インに会いたくて東宮殿に来るようになってから、ハニに対しての気持ちが変わってきていた。
「ソン・インが母上を寝所まで連れてきてくれました。」
「ソン・イン・・・ありがとう。ただの貧血だから、この事は誰にも言わないでね。」
この一言が後に大変なことになるとは、誰も知らなかったが、恵景妃に出産の兆候が見られると連絡があったのはその日の夜だった。



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邂逅 90

しきりに遠慮しているソン・インに、何とかきっかけを作りたいスンハ。
まだ8歳で、恋愛にはならない想いかもしれないが、父と祖父以外は宮殿に務める人しか接触が無い生活。
自分も宮殿に父に連れられて来た時に、自分をかわいがってくれていた王妃にきっかけをいくつか作ってもらい、自然と話ができるようになり、無口で自分の気持ちを言うことのなかったスンジョに「妃を迎えるのならハニしかいない。ハニ以外は考えられない」とおう様に進言したのだった。

自分と違って生まれたときから宮殿で生活をし、親しくする友達も王や王妃が決めて、自分の意志で人と知り合いになることなど考えられない、そんな生活の中、実らない初恋かもしれないが、大人になる階段を登り始めた娘に母として何かしたくてハニは立ち上がった。

夏の暑さが苦手なハニは、貧血気味もあってゆっくりと立ち上がったが、ふわっと身体が宙を浮いた気がした。
フラフラとする身体を支えるように、何かに掴まりかけたが、そのまま意識が遠くに行った。
「媽媽!」
独孤尚宮の叫び声で、遊んでいたスンとスンハは母が倒れている姿を見て驚いて駆け寄った。

「母上・・・・・母上・・・」
驚いて泣きそうになっているスンをスンハは姉として、初めて安心させるように抱き寄せた。
独孤尚宮は、世子嬪付きの女官たちに御医を呼びに行かせたり指示を出していると、スンの相手をしているソン・インが倒れているハニを抱き上げた。

「独孤尚宮様、私が世子嬪様を部屋までお連れします。」
その立ち居振る舞いに、まだ15歳の少年とは思えず凛々しさを感じたのは、片思いをしているスンハだけではなく、年長者である独孤尚宮も頼もしく感じた。

「私・・・私は、お父様を呼んでまいります。」
震えているスンの手を引いて、父を呼びに行こうとしたスンハを、インは止めた。
「世子邸下は、今日は清国の使者の方と狩りに出かけられています。御医にまず診ていただいてからもでも大丈夫だと思います。とにかく今は部屋にお連れしたほうがいいと思います。」
無口な少年の素早い対応に、慌てている女官たちは、冷静さを取り戻した。




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邂逅 89

「独孤尚宮・・・文机の右側に入っている手巾を持ってきて。」
「もうお渡しされるのですか?」
「生誕の日には少し早いけど、あんなふうに恥ずかしそうにしているスンハを見ると、今の方がいいかと思うの。世子とは幼馴染でそのまま婚姻を結んだけど、私にもああいった時があったの。ソン・インはどこか世子と似ているし、スンハも私と似ているから、あの時に王妃様がしてくれたように、私もスンハにきっかけを作ってあげたいの。」
ハニがそう言うと、独孤尚宮は文机の引き出しに、ハニが大切にしまっている物を取りに行った。

幼い頃一緒にいてあげられなかった時間を戻すことはできないが、空白を埋めることはそれほど簡単なことではない。
あの騒動の時に、一時的にでも離れることを理解するには幼すぎた。
王だけを宮殿に残し、王妃と純夏、世子と世子妃が別の門から逃げることは、王家の血筋を途絶えさせてはいけないから。
二代続いて皇位継承者が自らの意思で妃を迎えた事が、家門から王族になる事を考えていた臣下たちには面白くなかった。

まさかそれが謀反を企てる事になるとは思いもよらなかった。
首謀者は北漢派に唆された王の遠縁にあたる、ほとんど皇位を継承する資格がない人物だった。

独狐尚宮が持って来た薄水色の手巾には藍の花が刺繍されていた。
初めてハニが娘に贈る自ら染めて刺しゅうを施した手巾を受け取ると、独狐尚宮にスンハに近くまで来るようにと伝えた。

まだ素直な気持ちで母の顔を見る事が出来ない娘の手を取り、薄水色の手巾を握らせた。
「スンハ、あなたの誕辰に渡そうと思っていたのだけど、今 渡す事にしたわ。」
華やかな色や柄が好きなスンハは、少し戸惑っていたが、絹の手巾を手にして少し自分が大人になったような気持になった。
「私が藍の花で染めたのよ。刺繍の花は藍の花・・・・夏に生まれたあなたにあげようと思って・・・ソン・インがスンの相手をして汗を流しているから使ってもらったらだめかしら?」
母に呼ばれてもソン・インが気になっていたスンハは、頬を染めて首を横に振った。

「恥ずかしいわ・・・それに邪魔だと言われたら・・・」
「群主の心遣いを断る人はいないわ。自信を持って行ってらっしゃい。」
自分もスンハくらいの時に、普通に話す事が出来たスンジョに話しかける事が出来なくなった。
気持ちを伝えるにはまだ幼い自分の背中を押してくれたのが、当時世子妃だった今の王妃だった。
頬を染めて俯きながら、スンハはソン・インの方に近づいて行った。



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邂逅 88

あの日以来、少しずつスンハはハニと過ごす時間が増えて来た。
まだぎこちなくても『お母様』と呼んでくれるのは嬉しかった。
最近は自分の部屋で眠る事が出来るようになったスンは、勉強が終わると東宮殿の庭に来ては、父から贈られた玩具の刀で遊んでいた。
その様子をスンハが見ていた。

「媽媽・・・お湯加減はいかがですか?」
「温かくて、眠くなってしまいそう。」
独孤尚宮は足と手を温めている湯の温度が下がる前に少しずつ熱い湯を足していた。
世子から王妃に伝えられ、世子妃の血の巡りが良くなるようにと、御医の指示で処方された煎じ薬とお湯で手足を一日三度を日課としていた。

恵景妃が懐妊したという知らせは、すぐに宮中に広がり、恵景妃の部屋にあまり行く事のなかった世子も、体調を伺うために短時間でも訪れていた。
夜は東宮殿で休んでいるが、体調が思わしくない王に変わって公務を行うため、ハニと共寝をする事がほとんどなくなっていた。
寂しい気持ちと、恵景妃に対する言葉にしてはいけない気持ちで眠れない日が続いていた。

「今年は実家の母も亡くなって、お父様はお兄様に家督を譲って別邸に行ってしまい・・・スンも一人で遊べるようになったから寂しいわ・・・・」
本当は一番寂しい理由は、スンジョと過ごす時間が短くなっているから。、
尚宮も本当のハニの気持ちを知っているが、立場上口にする事は出来ない。

「ねぇ・・・・スンハだけど、スンの遊びを見ていて楽しいのかしら・・・」
確かに誰の目から見ても、スンハがただスンの遊びを見ているだけではなさそうだった。
少し頬を染めて、スンの方を見ているが視線はそこからずれていた。
その視線をたどると、王様が就けてくれた両班の孫息子を見ていた。

「独狐尚宮、スンハはもしかしたらあのソン・インの事が気になるのかしら。」
「ご存知じゃなかったのですか?熱心に聞いておられましたよ。許嫁はいるかとか、好きな人がいるのかとか、スン様就きの内官に聞いておられましたよ。」
ソン・インはハニの兄の親友の息子だった。
スンの遊び友達としては年齢が離れているが、15歳ではあるが眉目秀麗で馬に乗る姿や弓を射る姿も美しく、剣さばきは稲妻のように鋭いとの噂だった。

嫁ぎ先は尹家の血筋との噂があったっが、まだ決まっていない。
母としては、宮殿から出て行くスンハには好きな人に嫁いでほしいと思っているが、まだ嫁ぐには幼いが叶なえればいいと密かに思った。




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邂逅 87

スンハは涙を堪えながらスンジョとハニの前に近づいた。
人払いをしていたのに、スンハが二人の前に近づいた事を、ハン尚宮は咎められるのではないかと思ったが、スンジョは『気にしなくていい』と手を挙げた。

「恵景妃の具合が悪いのか?」
スンハは俯いて首を横に振った。
その時に見た実母のハニの指先が、宮殿に来た時よりも少し綺麗になっていたが、恵景妃がはめている様な高価な指輪や腕輪を身につけていなかった。
スンハが指先を見ていると気づいたのか、ハニは袖に手をさり気なく隠した。
そのしぐさに、まだ子供のスンハでも心が痛んだ。
「御医を行かせる理由がなければ、スンハの願いでも聞く事は出来ない。恵景妃は本当に具合が悪いのか?」

少し前に聞いた、実母の話を聞かなければ声に出して話せたが、8歳の子供のスンハでも生母と継母の思いが理解できた。
そのスンハの気持ちが伝わったのか、実の親子の絆が心を読めたのか・・

「もしかしたら、懐妊の兆しがあるのかも。」
思わずスンハは顔を上げた。
自分を見る実母の表情に、今まで胸の奥深い所にあった説明が付かないものが弾けたようで、自然と涙が流れて頷いた。

「スンハは先程の話を聞いたのね。私は気にしていないわ。可愛いスンハとやんちゃなスンがいてくれるから。世子邸下、どうか御医を呼んでください。そして、恵景妃に付いていてあげてください。」
「わかった。」

スンジョはひとりの女官に、御医を恵景妃の部屋に向かわせるよう指示を出し、遊んでいるスンに一言二言声を掛けて、恵景妃の部屋に向かって行った。
ハニは笑顔ではあったが、内心は悲しくて涙が出そうだった。
子を宿せないかもしれないが、二度と子を宿さないわけでは無い。
お互いに愛し合って夫婦になったが、王族のそれも皇位継承者である世子の妃は、皇子を生まなければいけない。
自分が行方不明で生まれるはずの子が、おそらく皇子であろうというだけで、宮中にいなければ側室を迎えるのは仕方がないことだ。

戻って来て安心していても、恵景妃がもし皇子を出産したら、自分の居場所はきっとここにはなくなる。
スンは長子であっても、宮中で生まれていないから反対派の人からは皇位を継承する資格を問われるかもしれない。

「スンハ、私の部屋でお菓子を食べない?」
そう声をかけると、初めてスンハは首を縦に振り誘いを受け入れた。


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