大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2024年06月

邂逅 73

慣れていたはずの宮中での生活。
寂しさを感じるのは、人の往来で聞こえる音が無いからではなく、いつも側にスンが遊び、ジュングの母が薬草の話や染物の話をして聞いていたからなのかもしれない。

「独狐尚宮、スンはどうしていますか?」
「まだ宮中での生活に慣れておられないようで・・」
「慣れていないと言っても、ここでの生活にならなければいけないのに。」
スンはまだ冊封されていないため、大君ではないままだった。
「詳しく様子を教えて。」
独狐尚宮は言いにくそうだ。
ハニの耳にはスンの様子は伝わっていた。

勉強はするにはするが、休憩がしたいからひとりにして欲しいと言っては、自分に付いている女官が離れている隙に、部屋から出て宮廷内ではあるが庭の隅で空を見ていたり、部屋の戸を外から開けない様にしたりと、島にいた頃とは違う行動をしていた。
女官たちにしてみれば、子供とはいえ身分が高い人に怒ることもできず、怪我をさせては行けないと心配ばかりの日々だった。

それもあって、スンに就くことを嫌がる女官や宦官たちさえもいた。

「実は、木に登られて降りていらっしゃらなくて・・・」
「木登りはスンは慣れているから大丈夫よ。」
「それが・・郡主様のお部屋の前の宮殿の中でいちばん高い木なんです。」
木登りに慣れているスンでも、あの高さは初めてかもしれない。

「困ったわね。あの高さは初めてかもしれないわ、誰か登れる人がいればいいけれど。」
「私が行こう。」
その声はスンジョだった。
「いきなり慣れない環境で過ごすことになり、ずっと一緒にいた母とも別の離れた部屋で過ごし、寂しいのだと思う。」
「でも世子邸下が木に登られるのは・・・」
「登らないよ。」
木に登らないのならどうするのかは伝えてくれなくても、何か考えがあるのなら世子の言うことに従う事か正しいとハニは知っていた。


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邂逅  72

恵景妃が自分を見る目に、ハニは冷たさを感じた。
表情は笑顔でも、目の奥は笑より不快を表していた。

「王妃様、それでは私は下がらさせていただきます。」
「そう?またキョンを連れてきてね。来年にはきっとスンと仲良く遊べる姿を見ることができるわね。」
王妃のその言葉に、恵景妃は口元に笑みを見せただけだった。
恵景妃が部屋を出ると、無の時間が少しあったが、王妃はハニに近くに来て座るように促した。

「苦労をしたのでしょ?元々細かったのに痩せてしまったわね。手も荒れて白くて細かった指、桜貝のような爪も変わってしまったわね。」
「でも、とてもよくしてくれました。スンが無事に生むことができるように大切にしてくださいました。」
「王様もその方に褒美を与えると言っていたわ。」
王妃は部屋の外を確認して、尚宮だけを残して人払いをすると、ハニに顔を近づけるように伝えると小さな声で驚く事を口にした。

「側室の恵景妃が生んだキョン、早産だったの・・・」
それだけなら何も人払いするほどでもない。
「それなのに生まれた時、早産と思えなかったの。わかる?大きかったの。それどころか、髪の色も肌の色も私たちと違い、目を開けるようになったら目の色も違うの。もちろんまだ変わるかもしれないけど・・・人を使って調べさせたら、親しくしていた男性がいたようよ。それも異国の方・・・・」

まさか!婚礼の夜の初めての床入りの様子は尚宮や、内官に女官も控えているから、人が入れ替わるはずはない。

「世子に聞いたら、床入りは何事もなく終えたと言ったわよ。でもね、スンの存在を確認する前は庶子であっても長子だからから皇位継承者としてスンジョの次にと決めることに反対をしたの。口にしなくてもスンジョは自分の子供ではないことを知っていたのよ。」
あまりの内容に、ハニは頭の中が混乱していた。


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邂逅  71

中殿前に立つと慣れている場所でも緊張をした。
『ご無沙汰しています』では、いくら親しくしていた間でも許される挨拶ではない。
女官が世子嬪の取次を伝えると直ぐに返事が聞こえた。
静かに開けられ頭を下げて挨拶をすると、衣擦れの音が近づき抱きしめられた。

「良かった、生きていてくれて。」
「王妃様・・・・生存を早く伝えなければいけなかったのに申し訳ありません・・・・」
「いいのよ、元気な姿を見せてくれたのだから・・・スンハ・・・母上が戻って来たのよ。」
別れた時は三歳でチョンジョンモリやパドゥクモリもやっと出来るくらいのまだ幼い娘が、鮮やかなテンギとペッシテンギを使う年齢の少女に成長していた。
まだ幼さの残るその顔は、凛としていて父親である世子とよく似ていた。

「スンとよく似ている・・・・」
ハ二がスンハの頬に手を伸ばすと、スンハはその手を拒むように叩いた。
「いや!触らないで!」
「スンハ、あなたの母上ですよ。」
「私の母上は恵景妃です。その汚れた手で私に触らないで!」
ハニは自分の指先をスンハは見たのだと気がついた。
薬草と染料に使う草のせいで付いた色は簡単には取れない。
幼い頃のスンハは、人を差別することのない心優しい女の子だったが、一緒にいることがなかった間に変わってしまったのだろう。

「郡主、母上ですよ。母上はこの三年間とても苦労されたとお聞きしました。そのため、手指が荒れているのだけですよ。」
プイッと横を向いてしまい、その後スンハはハニの方を見ようとしなかった。
恵景妃は側室にしておくには勿体ないくらいの美貌と、見るだけでわかる知性を持ち合わせている人だった。

「初めまして恵景妃・・・郡主に私がいない間ずっと傍にいてくださったと聞きました。」
感謝の気持を伝えたつもりだったが、恵景妃は身分が上のハ二に対しても引かない様子で堂々としていた。
「世子嬪様がいらっしゃらない間は、世子邸下と郡主のお世話をするのが、側室である私の役目です。これからは、私は側室として世子嬪様のお助けをいたします。そして、まだ乳飲み子ですがキョンもスン様をお助けすることができるようしつけていきます。」
スンの弟になるキョンは、なにか違和感をハニは感じた。


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お詫び

申し訳ありません
【邂逅71】を下書き保存にしなければいけないのに、病院の会計待ちにスマホで書いていたので、間違えて公開してしまいました。
いったん、下書き保存にさせていただき、書き終えましたら公開します。

邂逅 70

久しぶりの宮中の景色は変わっていなかった。
変わった事があるとすれば、自分に付いていた尚宮がいない事と女官の顔ぶれが全て変わっていた事。
着替えが終わりひとり部屋で過ごしていても何故か落ち着かない。
スンと常に一緒にいたから、いつの間にかひとりで過ごす時間が長く感じた。

「誰かいないですか?」
すぐに聞き慣れた声で返ってきた。
「はい。」
静かに戸が開くと、ミナが尚宮の衣を着て入ってきた。
「ミナ、尚宮になったのね。」
「はい左様でございます。世子嬪様を三年の間探していた褒美にと、王様が上げてくださいました。」
「そう、よかったわ。私に仕える人が全員変わってしまったらどうしようかと思っていたの。尚宮になったのなら呼び方を変えなければ・・・独孤尚宮、あなたがまた私に仕えてくれるなんてとても嬉しいわ。」
ハニは不安だった。
宮中での生活の方が長いのに、記憶を失くしたせいなのか、あの島での生活が染みついているかのようだった。
目に涙が滲んでいた。

「媽媽・・・・どうかなさいましたか?」
「ううん・・・そう言えば今朝スンがここに来たのだけれど、どうかしたのかしら。」
「書の先生がいらして手本を書かれている時に、木に登りたい、山に行きたい、海を見たいと言われ走り出され・・・・・・」
「急には宮中での生活は慣れないと思っていたけど、あの子も分かっているけど今までが自由にさせていたから・・・・・いつも朝起きて夜めむってもずっと一緒だったから寂しいのかも・・・」
傍に行って話をすればわかる子供だが、今日はスンと一緒にいるわけにはいかなかった。
王妃に挨拶をしてから王様に戻ったことを報告に行かなければいけない。
まだ幼い頃に別れたスンハにも会う事になっていた。
自由に出来ない生活の中で、スンが速く馴染んでくれることが、この先のスンの運命が決まる。
当然調子であるスンよりも、側室の生んだ皇子の方が、今の宮中での信頼は世子嬪よりも側室の方があるのは、女官たちの様子で気が付いていた。

ハニはこの三年の生活の証のような指先を見て、それを隠すように袖の中に入れた。



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