大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2024年04月

邂逅 62

「話は聞きました。娘が行方不明になっても表立って探すこともできず、皇室から時々報告はあって創作の状況は分かっていても、行方不明だった時に懐妊中でも娘は県主しか生んでおらず、皇位継承者である皇子のために側室を迎えることになった時に、それはもう生存を諦めよと思っていた・・・」
身分の上下をわきまえている宰相が、世子嬪を救った礼ではなく、娘を救ってくれた礼を親の気持ちを言葉にしていた。

「ヒュルさん・・」
ギドンは使用人を呼ぶと、盆をジュングの前に置いた。
「ジュングさんは行商人をされているとお聞きしました。」
「はい。」
「礼の品にこんな物は失礼かと思いますが、行商をされているあなたの目から見ると価値がわかるかと思います。」

ジュングは、一目見ただけで木綿のその生地の価値がわかった。
漢陽でしか見ることはなく、ましてや自分たちが使うことのない上質な木綿の生地だった。

「絹よりも木綿の方が服を仕立てるにも都合の良いだろう。それを自分の住む地に持ち帰っても良い値で売れる。」
ゴワゴワとした木綿の生地で作った服を母は着ていた。
破れたら何度も直していた。
もうあれ以上は直しようがないくらいに生地は古びれていた。
だが・・・・自分にもらう価値があるのだろうか。

「旦那様、これは頂けません。頂くことはできません。」
「そうだな・・・・世子嬪様とスン様を無事にここまで連れてきてくださったのだから・・・木綿の生地と僅かばかりだが銀子も用意させていただいた。」
ギドンは小さな包をジュングの前に置いて、ゆっくりと開いた。
「こんなに・・・・頂けないです。自分のせいで世子嬪様は苦労をなさって・・・貧しい家で満足な食事も摂れず・・・スン様も・・・」
ギドンは感謝の気持の表した笑みをジュングに向けた。

「スン様が申しておられた。『父さんは、海で泳ぐことも木に登ることも、狩りをすることも教えてくれた。いつも怪我をしないように注意をしないといけないと教えてくれた。僕が大人になったら母さんを守れる男になるように』と・・・宮殿で育っていたら知ることがないことを教えてくださったことは世子邸下にお伝えします。自然の中で覚えたことはいつかはスン様にも役立つことでしょう。」
いつも一緒にいて、遊んでほしいとせがんでいたスンが可愛くて離れがたいが、いるべき場所に帰っていくのを見るのは自分のこれからの生活の励みになる。

「受け取ってくれないか?」
この人は貧しい人だからと木綿の生地を用意したのではないし、銀子も受け取る側が困らない程度の数を用意してくれた。
身分の低い自分が絹を貰っても使うことはもちろん、売ることもできないから使いやすい木綿の生地を用意してくれた。

「ありがとうございます。」
ジュングはこれ以上拒んではいけないと思い手をついて、額を床に付けて礼の言葉を述べた。



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邂逅 61

気持ちは急いていた。
生き別れた時は、姿がない事を受け入れられず、闇雲にハニの姿を探していた。
ハニの行き先はそれ程多くないから、今回は闇雲に探す事はしない。
世子は護衛をギョンスだけ連れてハニがいる場所に向かった。
 

一方呉(オ)家では久しぶりに使用人たちが忙しく動いていた。
そのうちの一人の使用人が屋敷の主人のギドンから手紙を渡されていた。
「これを世子邸下に届けてくれないか?私は世子嬪とスン様をもてなしているからとも伝えて欲しい。」
「分かりました。」
「できるだけ早く知らせてくれよ。明日には私はハナの静養の地に向かうから。」

使用人は手紙を懐に納めると、主人に一礼をして宮殿に向かって馬を走らせた。
娘は宮殿に帰るよりもう都に帰ってくる事が出来ない病身の母に付いて行くだろう。
実の娘なら嫁ぎ先に事情を伝えて許してもらうが、ハニが嫁いだ先は両班ではなく王室だ。
苦労知らずの娘が、宮中に嫁いでから幸せだったのは、あの逃亡の直前まで。
傷ひとつついていなかった娘の白い手が、薬草や生活であれているのを見るのは辛かった。
辛い生活でも無事に子供を生み、その子供は幼くても皇子としての風格が現れていたのは、ハニ自身が身に付いていた王族の一員と言う日々の行いを教えていたのだろう。

ギドンはハニとスンの世話をし、ここまで何事にも遭わないで付いて来てくれたジュングがいる部屋の戸を開けた。
ジュングは戸が開いた瞬間、緊張していたのか立ち上がった時に足元がふらついて尻餅をついた。

「大丈夫か?」
「だ・・大丈夫です。」
「緊張しないで座りなさい。」
ギドンが座ると、ジュングも背筋を伸ばし緊張した様子で座った。
商売をしていたから両班と話をした事はあったが、両班の屋敷で向かい合って座った事がなかったから、緊張しないでと言われても緊張をしてしまう。
それと合わせて、自分がハニに結婚をして欲しいといった言ったを後悔していた。




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邂逅 60

「宮殿に迎えるのなら急いで!」

王妃としてではなく、ひとりの女性ファン・グミの表情だった。
そのグミと対照的な表情の恵景妃は、腕の中で眠っているキョンをしっかりと抱きしめていた。
正室になる話が日増しに実現しそうになって来ていた時期に、宰相の娘というだけで何の努力もなく世子に嫁いだ自分より教養も美貌も落ちるハニが公に戻ってくるのを受け入れられなかった。
好きではないハニの娘の純夏県主を自分に近づけたのも、嫁ぎ先を探したのも、正室となりキョンを皇位継承者としての地位を確実にするためでもあった。
そうでもしなければキョンは皇位継承者としてだけではなく王族の一員にもならないのだから。

恵景妃は焦る気持ちを抑え、気の利く正室の代わりをしている側室として、できる限り心の中を見せないように皇族らしい笑顔を見せた。
「純夏県主のあの言葉も、どう伝えたらいいのか戸惑っていたのだと思います。実の母が目の前に姿を見せれば、きっと今までの寂しさも改善されるのではないでしょうか。」
内心穏やかではない心を隠して恵景妃は言葉にしたが世子は彼女の考えがわかっていた。

「恵景妃、世子嬪と一緒にいた子供はこの三年間宮殿での生活から離れていたから、慣れるまで相談に乗ってほしい。キョンの教育尚宮はもう少し待って欲しい。」
その言葉が恵景妃の計画を変えなければいけない事を言っているように聞こえた。
「世・・・・」
王妃の部屋から出ようとしているスンジョに声を掛けたが、チラッと振り向いただけで話を聞くつもりはなかった。

「世子嬪と子供をいるべき場所に戻す事は当たり前の事で、急がなければ危険な事に遭遇して、三年間見つける事が出来なかった事の後悔を大きくしたくない。キョンの立場は守るから安心して欲しい。」冷たい言葉だが、スンジョの精一杯の気持ちだ。
恵景妃は自分との距離と同じように離れて行く世子を見送る事だけしか出来なかった。




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邂逅 59

普段冷静なスンジョも、今は冷静ではいられなかった。
あの日、身重のハニと一緒に逃げたのが最後で、その日依頼公務に没頭することが多かった。
ハ二が王族の一員となる前から可愛がっていた王妃に、行方不明だったハ二が見つかったことを伝え、自分の立場を忘れてお互いに喜びたい。
その気持が一気に沈んだのは、王妃の部屋の前に待機していた女官たちを見た時だ。
側室である恵景妃に仕える女官がいたのだった。

「世子邸下、出直しましょうか。」
スンジョに仕えている内官は気持ちを察していた。
「ここまで来たのに引き返すのは妃が知ったら良い気持ちはしないだろう。母上に挨拶をしよう、しばらく会っていなかったから。」
内官は中宮殿付きの女官に目通りを告げてもらった。
王妃は恵景妃と談笑していたが、世子が訪問してくれた事を待っていたようだった。

「母上、急なお願いがあります。」
「世子が私にお願いをしたのは、世子嬪を選ぶ時以来ね。キョンの教育尚宮の条件のお願いとスンハの服と装飾品の新調のお願いを今聞いたばかりなので、あなたのお願いもあるのは珍しく忙しくなりそうね。」

言葉は恵景妃とキョンを歓迎しているようだったが、王妃は恵景妃をあまり気にいっていなかった。
キョンも皇位継承者の一人と思ってはいるが、恵景妃が帰った後に側仕えの尚宮にだけボソッと心の内を呟いていた。

「この件は父親でもある世子にも話した方がいいわね。実はね・・・・スンハの嫁ぎ先が決まりそうなの・・・今朝王様からいくつかのお話を教えていただいたのよ。それを恵景妃に今伝えた所なの。それに間に合うように恵景妃の身分とキョンの今後の事も決めた方がいいと話していたのよ。」
何も知らない王妃が、スンハの母親代わりの恵景妃に伝えたことは問題ないが、三歳になったばかりの頃に実の母のハニと離れてしまった娘の縁談も知らず宮殿に戻って来る事を思うと、この縁談を先延ばしにしてでも離れた時間を一緒に過ごさせたい。
恵景妃の身分を今より上にするという事は、ハニが正室であることも過去になってしまう。

「母上・・・・直ぐに迎えに行くので部屋を整えるよう女官に指示を出して頂けますか?ハニは実家よりも先に宮殿に戻ったので、自分が私の正室である証拠も渡してしまい、実家に一度は訪れるかもしれないですが、それよりも父の顔すら知らない我が子は、長子でありながら陰に隠れて成長することになります。ハニの身の回りの世話をする女官は直ぐに集めることは出来ませんが、ミナがもう直ぐ戻ると思います。」



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邂逅 58

スンジョは王妃の部屋へ向かった。
側室の恵景妃がギョンスからの急ぎの取り次ぎに、行方不明になっていた正妻のハ二が戻ってきたことに気づいていなければと思っていた。
恵景妃はいつもどんなことが起きても動じることはないが、感の鋭さは王妃に次いでいる。

ギョンスが世子と話をしている時に、惠景妃は自分に伝えたくないことを人払いをして話していることに疑問を持っていた。
公務に関することなら、惠景妃が部屋を退室しても急いで戸を閉めることはしない。
「全尚宮、世子が私に聞かれたくないことは何だと思います?」
「それは・・・・」
尚宮であっても憶測や不確かなことで、自分の考えていることを言うことはできない。
恵景妃が一番気に病んでいることは、世子との縁組は強い愛情で結ばれている正室とはちがい、政略結婚で側室になった自分の立場。
正室の世子嬪が行方不明に立った時に身籠っていた子供の性別が男の子であったら、自分の生んだ皇子は皇位を継げない。

世子嬪が見つからないまま三年が経過し、側室の恵景妃が生んだ子供が皇子とわかった時に、新たに正妻を迎えるよりも側室から正妻にするという話が出ていたのだから、世子の寵愛を受けることがないのなら、自分の子供を世孫にしたかった。

世子の愛を少しでも得るために郡主のスンハを実母の代わりに何かと面倒を見ていた。
六歳になった郡主は、まだ幼いながらも気高く賢い娘に育っている。
実母が目の前に現れれば、愛情もない郡主も自分が面倒を見たことなどありがたいとも思わなくなるかもしれない。

正室のハ二より、側室の自分のほうが劣っていることを認めたくない。
実家が官史ではないことは仕方がないが、皇室の危機のときには尹家の人脈だけではなく財力も使って救ったのも、世子を慕っていることを知っている父の想いだった。

「全尚宮・・・・王妃様に会いに行くわ。」
「かしこまりました。」
恵景妃は、世子よりも先に王妃に目通りして自分の立場を守ることにした。
それが短い期間でも、自分と同じように愛情を受けられていないキョンのためでもあった。


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