大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2024年02月

邂逅 54

ハニは生まれ育った屋敷に向かって歩きながら、宮殿に入れなかった時のことを思い出し涙が出そういなっていた。
実家に戻ってももしかしたら門を入ることだ出来なかったらどうしよう。
仕えていた使用人も知っている人はいないかもしれない。
10歳で入宮するまで、お父様が帰ってくるのを一緒に待ってくれていた乳母は今もいるのだろうか。

滅多に弱音を口にすることのないスンが、半泣き顔でしゃがんでしまい本当に歩けないようだった。
「媽媽・・・食事をして少し休まれていますが、島を出てから長い時間体を休ませていないので、幼いスン様は疲れていらっしゃると・・・・」
もう少しなのに・・・もう少しで体を休めることができる場所に変える事ができるのに・・・

「スン様・・・私が背負っていきます。」
ジュングが屈むとスンは慣れたようにその背中にヒョイッと乗った。
生まれてからずっと父と慕ってきた人だ。
島で薬草を取りに行くときも手をつなぎ、疲れて帰ってくる時には背負われていた。
記憶を無くしていたこととはいえ二人には申し訳ない気持ちで、父親である世子に会えなかったことと合わせて悲しくて苦しくて、この先の人生を諦めなければいけないのかという気持ちもあった。

「この屋敷よ。」
変わっていなかった。
嫁いでからも時々帰ってきたのに、今ほど懐かしく暖かく思える時はなかった。
「スン・・・・お祖父様とお祖母様のお屋敷よ。」
ジュングの背中から降りると、ニコッと笑った。
その時、庭に出てきた一人の使用人が、ハ二立ちに気づき近づいた。

「お嬢様・・・・」
「ばあや・・・」
その人はハ二の乳母だった。
「生きていらしたのですね・・・・・この子は・・・」
「私の子供です・・・スン、ご挨拶なさい・・・母の乳母よ。」
スンは緊張しながら、丁寧に頭を下げてお辞儀をした。
「初めまして、スンです。」
「頭をお上げください。私等に頭を下げたら勿体のうございます。」

「お父様とお母様は・・・・」
乳母は涙を拭って頷くと、屋敷の中に入るようにハ二の背中に手を当てると、後ろにいたジュングにも一緒に来るように声をかけた。
「貴方もどうぞ一緒に入ってください。」
「ジュング、両親に紹介したいので一緒に・・・・」
「あ・・・ぁあ・・・」
もう自分の思いは叶わないが、どんな顔をしてハ二の両親に会えばいいのかわからなかった。
この三年、どう過ごしていたのか説明をうまく出来なければ、どんな罪に問われるのか見当もつかなかった。


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邂逅 53

王妃の部屋には郡主のスンハが来ていた。
母と会わなくなってから三年は過ぎているが、その間に一度も母を恋しがることはなかった。
祖母である王妃が溺愛していたのもあるが、側室として入宮した恵景妃を母の代わりにしていたから。
郡主として宮殿で生活をしていれば、母と娘であっても常に一緒にいることはなかったが、あの騒動が起きる時まではハニはできる限りスンハと過ごすようにしていた。

郡主だから一緒にいられる期間は短い

それが、スンジョとハ二の考えだった。

「父上、もう少しお祖母様の傍にいてもいいですか?」
「郡主にも聞いてもらいたいことがあるからいても構わない。」
自分を見上げる娘の表情は、まだ将来のことなど考えてもいなかった幼い頃のハ二と面差しがよく似ていた。
「いい話かしら?」
「母上は、私が何を言おうとしているのかご存知のようですね。」
「この三年間で初めて見る貴方の安心した表情で分かるわ。世子嬪が見つかったの?」
「母上が見つかったの?」
驚いた顔をして自分の方を見た娘は、母が見つかったことを喜んでいると信じていた。
「見つかったよ。あの時、母上のお腹にいた子供も無事に生まれていた。」

世子のその言葉を聞いた郡主は複雑な顔をしたが、それ以上に王妃は生まれていた孫のことが気になっていた。
皇子ならいずれは王になる長子であるが、郡主なら皇位継承に関わらないが、王妃としては複雑な覆いがあった。

「ギョンスが聞いたギテからの報告では、皇子だということです。ただ、残念なことで、門衛の不手際で身分を証明する品だけを受け取って二人を追い返してしまったようです。」
「何ということを・・・・三年もの間、辛い生活を強いられていた妃を追い返してしまうなんて・・」
宰相の娘として何不自由なく暮らし、若くして世子に嫁いできた妃を思って涙を流した王妃とは対象的に、まだ六歳の郡主は悲しむどころか不機嫌な顔をしていた。
それは、母にやっと会うことが出来たのにという思いだとスンジョは思っていた。

「大丈夫だよ郡主。今度こそすぐに母上を見つけることができるから。」
「見つからなければいいのに・・・」
その言葉にスンジョも王妃も驚いた。
「見つかったらキョンは世孫になれないし、恵景妃は側室のまま・・・・私を大切にしてくれた母上は血の繋がりはなくても、私の母上として色々なことを教えてくださったわ・・・」
まだ幼い娘は実の母と離れたときは、幼すぎて側室で迎えられた恵景妃に甘えていた。
仕方がない事だとはいえ、まさか実の母親を受け入れないとは思えなかった。



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邂逅 52

「ギテはいつ戻るのか連絡はなかったか?」
スンジョは控えている内官にハ二を探しに行っているはずのギテからの連絡も気になっていた。
ギョンスからの急ぎの連絡が来たのなら、ギテとハ二の侍女のミナも戻って来るはずだ。
三年も行方不明になっている間に、ハニに仕えていた女官や内官は異動になった。
ミナだけでも先に宮殿に戻って、使われていなかった部屋を整えれば、ハ二も当分は体を休めることもできる。

「ホン内官、陛下に会えないだろうか・・・」
「陛下は外国の特使の方と謁見中でございます。世子嬪様のことは王妃様に先にお伝えになったほうがよろしいかと・・・・その時に、世子嬪様が皇子様をご出産されていたことをお伝えされると喜ばれると思います。」

親子であっても父王と話したのはいつなのか。
王妃である母は、群主の婚姻について話をする事もあり、その都度行方不明の世子嬪を気遣う言葉を口にしていた。
世話になったから尹家から恵景妃を迎えたが気に入っていない事も知っている。
だが、郡主は実の母代わりに接してくれている恵景妃をとても尊敬している。
当然、母の代わりとしてこの三年間衣や宝飾品は、恵景妃に見立てて貰っているから、つましく教えていたハニの教えから離れてしまい、我儘な郡主として成長した。

それを王妃が嗜めても、納得しない為仕えている女官に当たり散らしている光景を目にする事もあった。

王妃の部屋の戸が開けられ、中に入るとスンジョの報告が良い事だと気がついたのか、王妃は笑顔で世子を迎えた。



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邂逅 51

運ばれて来た食事はここ数年の生活の中では贅沢な食事だ。
宮殿に帰ればこの机の上に乗らないほどの料理が並ぶが、全部を食べることはなかった。
豪華な食事ではないが、心まで温かくなる食事に見えた。

「こんな食事しか用意ができない・・・」
申し訳無さそうに熱い汁物が入った器が転がらないようにジュングはスンの前に置いた。
「お腹が空いていたよ、父さん食べてもいい?」
スンはジュングをまだ父さんと呼んでいる。
ジュングにしては、自分の子供としてずっと過ごすことは出来ないかもしれないが、もう少し一緒にいられると思っていた。

「スン様、もう父さんとお呼びにならないように・・・・」
「分かった・・・・」
少しむくれたが、スンは眼の前の暖かい汁物を美味しそうに飲んでいた。
ハニはジュングになにか話をしたかったが、言葉を発することが出来なかった。

「世子は側室を正妻にするという話があるが・・・」
その言葉が耳に聞こえると、ハ二は箸の動きが止まった。
ジュングは慌てて立ち上がり、話をしている人たちに会話を止めようとしたが、ハニはそれを遮った。

「ハ二様・・・・これから・・・・」
「実家に帰るしかないのかもしれないわ・・・・」
世子が本当に正妻を迎えなくても、宮殿に入ることが出来なければ実家に帰るしかない。
自分が行ける場所はそこしかないのだから。
「ジュング・・・今までありがとう。あとはスンと二人で実家に行きます。」
「私はお二人が無事にご実家の門を潜るのを見届けます。ご両親にお会いできればきっと解決することができるはずです。」
噂話がどうであれ、本当にハ二が帰る場所は実家でもなく夫である世子が住む宮殿。
報われない恋であっても、ハ二が夫に微笑むのを見るのは辛いが、ジュングは幸せでいてほしいと願っていた。



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邂逅 50

ヘラは苛ついていた。
恵景妃としては平静を装うことはできても、ヘラとしてはその苛立ちを抑えることはできなかった。
私室に入る前から、お付き者たちはその感情が伝わっているのか、ただ黙って下を向いていた。
部屋に入ると尚宮以外は神妙な面持ちで控えていた。

「キョンを誰かに寝かしつけさせて!」
尚宮は控えている教育係にキョンを預けると、恵景妃の手を取って座らせた。
「ギョンスは何を世子に伝えに来たの?」
「事実は存じかねますが、ギョンス様と門衛が話していた様子を見ていた者からは、世子嬪様がいらしたとのことで・・・・世子の長子と思われる三歳くらいの男の子を連れていたと・・・・」
恵景妃は持っていた茶碗を尚宮めがけて投げつけた。
当たらないように投げたのであろうが、いくら身分が下の物であっても許されない行為だが、誰も恵景妃どころか尹家の人間には嗜めることは今の宮殿内ではできる人はいなかった。

「もう少しでキョンが大君になれたかもしれないのに。世子が私のところにお渡りになられたのは入宮したその夜だけ・・・私に愛情はないと分かっていても、政略結婚だからと思って耐えてきたのに、両班で宰相の娘と言うだけしかないハニがどうしていいのかしら・・・・私は両班ではないかもしれないけど、王族の危機を救うことができる地位もある家柄よ。キョンだって・・・本当は・・・」
いくら尚宮の前でもヘラはキョンの秘密を言うことを控えた。
入宮することになった時、父と母とそして祖父からどんなことがあっても弱みになることは人前で言わない、宮殿には見えない所に危険が潜んでいると教えられていた。

「カン尚宮、ギョンスを呼んで・・・・ギョンスが来るときには人払いをさせておいて。」
尚宮に尋ねても本当のことがわからないのなら、ギョンスに直接聞くことにした。


一方ジュングは小さな店で、元気のないスンとハニに食事をさせていた。
「綺麗な店ではありませんが、料理人の腕は確かです。今後のことを考えるのは、食事が済んだ後でも・・・・」
「そうね・・・何かを口にしないと、考えも良くない方に向かうわね・・・・・」
机の上に置いたハニの手は震えていた。
寒い季節ではないが、悲しさと今後の生活に不安を感じているのだろう。
ハニの身分を知らない時なら、ジュングはハニのその華奢な手を握っていたが、今はそんなことをすることはできなかった。


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