大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2024年01月

邂逅 47

「どうした?」
「またいつもの『私は世子の正妻』という女だよ。ノリゲと懐刀を証拠に持ってきたよ。」
門衛は持ち場に戻ると、もう一人の門衛にハ二が持ってきたノリゲと懐刀を見せた。
「これは本物じゃないか?世子が世子嬪に贈られた物の絵をギテ様から見せていただいたことがあるけど同じだよ。」
「まさか・・・本物ならあの女が盗んだ物か、盗まれた物が売られていたのかもしれない。」
二人が話をしていると、急を知らせる早馬が門の前に止まった。

「急ぎの知らせだ、門を開けて欲しい。」
戸牌を見せると、門番は驚いて門を開けた。
馬に乗ってきたその人は、門衛の持っている物に視線を移した。
「それは・・・・」
「またいつもの勘違い女ですよ。どうせ何処かで盗まれた物が売られていたのを手に入れたのだと思います。」
門衛は馬上から手を伸ばしてきたその男にノリゲと懐刀を渡した。
しばらくそのふたつの品を見ると、門の外を振り返った。

「これを持っていた方はどちらに・・・」
「男と子供を連れて何処かに行きました。証拠だと行って持ってきても、あの女は日々の生活で手は荒れて、爪は色が変わっていました。」
「子供・・・子供はいくつくらいの子供だ。」
「3歳くらいの男の子でした。西の方に歩いて行きましたよ。」

開いた門から見える街は賑わう人々の往来で、ハニとスンとジュングの姿は見つけることは出来ない。
「この品をもらっていく。」
「わかりました。」
「このノリゲと懐刀の状態を見て、売られた品だと思うのか?大切にしまわれておられれたのか、汚れも傷も見られない。それさえもお前は気づかなかったのか?」
わけがわからないという表情で馬上の人の顔をそっと見上げた。

「ギョンス様、怪しい女でしたから・・・・」
「これを持ってこられた方は世子嬪かもしれないし、一緒にいた男の子は世子の長子かもしれない。ミナ様から、世子嬪とお子様らしい人が都に入っていると連絡があったのだ。今までと違って証拠の品を持ってこられた方を帰すとは・・・・・とにかくすぐに世子に知らせるから、その時の状況はまた後で訊ねる。」
ギョンスは馬を降りて、近づいてきた男に手綱を渡し、東宮殿の方に向かって歩いていった。


人気ブログランキング
人気ブログランキング 

邂逅 46

「母さん・・・・」
スンは門衛が自分たちの存在に気づいてくれたことで、そのまま宮殿に入れると一瞬思ったが、その表情を見て笑顔が消えて怯えた表情になった。
「そんな所で話していたら邪魔だ。さっさと向こうに行かないと捕盗庁に連れて行くぞ!」
強い口調でそう言うと、剣を抜こうと手を伸ばした。
ジュングは咄嗟にハニとスンの前に立って守ろうとしたが、ハニはジュングに大丈夫だからと頷いた。

「世子にハ二が帰って来ましたと、このノリゲと懐刀を渡して取り次いでください。」
門衛は警戒するようにハニとスンの頭から足の先までを何度も見て、少し小馬鹿にしたように鼻で笑った。
「『行方不明の世子嬪』は自分だ・・・・身分を示す品としてノリゲとそれらしい懐刀を持ってきました・・・今まで何人そうやってどこかの捨て子と一緒に来たか数え切れない。今は世子邸下はお忙しくてお前などにかまってはおれん。」
「わかっています。世子はいつも熱心に公務をされる方・・・・王妃様でも郡主でもいいので・・・」
門衛はハ二たちのことを鬱陶しそうに適当に話を聞いていた。

「王妃様も、側室の恵景妃様が皇子をお生みになられたから色々な行事で忙しい。郡主様は継母である恵景妃様がご出産後に体調を悪くしているから、傍に付いておいでだ・・・」
「郡主はどんな娘になりましたか?」
「頭のおかしな女に、郡主様のご様子を伝えるわけには行かない。捕盗庁に連れて行かれたくなかったらさっさとこの場から離れるんだ。皇子を出産された恵景妃様はいずれ正妃になられるから、ここに尋ねてきても無駄だぞ。」

門衛の言葉にハニは自分の人生が終わったと思った。
世子と一緒に過ごすことはもう叶わない。
世子が望んでいた皇子を生むことが出来たのに、父と息子の対面も叶わず生涯を終えるのかと思うとひきさがりたくなかった。

「呉宰相は・・私の父です・・父に会わせてください・・・」
「呉宰相はいない。」
「いないとは・・・どういうことですか?」
門衛は引き下がらないハニに、面倒くさそうに舌打ちをした。
「しつこいなぁ・・・宰相はを辞退されたんだ。」
たった数年なのにすべてが変わってしまった。
生涯、王の傍で宰相として支えると温かい笑顔で話していた父の顔が好きだった。
入宮してからはそれまで以上に会うことは出来なかったが、時々尋ねてきた母から父の預かった手紙を受け取っていた。

「ハ二様・・・スン様が怯えておられます、この場所から離れましょう・・・」
ジュングは動けなくなっているスンを抱いて、ハ二の身体を支えてその場所から動き出した。


人気ブログランキング
人気ブログランキング 

邂逅 45

幼い息子と手をつないで歩くハニの後姿を、ジュングは悲しい思いで見ていた。
本来なら上等な絹の衣を着て豪華な輿に乗って宮殿に向かう身分である二人が、洗いざらした面の衣を着てコッシンではなく藁で編んだ草履を履いて歩いている。
身分を示すノリゲと懐刀を持っていても、顔に隠し切れない高貴な表情が読み取れても、数年記憶をなくして生活していた時の名残は簡単には消えることはない。
行商で家を空けるジュングに世話になっている手前、申し訳ないからと、次の行商に行く時に持って行くために、ハニはジュングの母と一緒に薬草を乾燥させて細かくしていたため、綺麗だった手は荒れていた。

「スン、ここが宮殿よ。」
少し屈んでスンに視線を合わせて話している姿を、何度も見てきていた。
この姿は今日で最後かと思うと、目頭が熱くなってきた。
「ジュング・・・ここまでついてきてくれてありがとう・・・・あとは二人で入って行きます。」
「中に入るまで見送るよ。」
幼いスンの目に涙がにじんでいた。
我が子のように慈しんで今日まで育ててきた。
高貴な身分の子供だから頭も良かった。
計算も早く、物を覚えるのも早く、いずれは行商人ではなく、大きな商団を持つこともできると信じていた。

スンはハニの手から離れて、ジュングのところまで駆け寄ると体に細い腕を巻き付けてきた。
「スン・・・スン様・・・」
もう呼び捨てはできない。
何度も呼んだ『スン』も、きっと宮殿の中に入れば名前も呼び方も変わる。
抱きしめてスンの香りを記憶したかったが、体に巻き付かれた腕を静かに離した。
「父さん・・・父さんも一緒に・・・・」
「スン様、それは・・・・今日から私はスン様の『父』ではなく、ただの行商人です。宮殿に入ったら・・」
声にならなかった。

そんな三人の様子に何かを感じたのか、門衛の一人が厳めしい顔をして近づいてきた。

人気ブログランキング
人気ブログランキング 

邂逅 44

恐らく今日がジュングとジンジュの最後の朝になるのかもしれない。
問題なく宮殿に入るためには、証拠となるノリゲと懐刀がきっと必要になる。
だが、決してそれが大切な品であっても、門衛に信じてもらえる可能性があるわけでもない。

「ジンジュ・・・・ハ二様・・・もう起きておられたのですか?」
記憶を取り戻したハニとは同室は出来ないと、ジュングは大部屋で休んだ。
洗面をする水が入った桶を持って来たジュングは、顔を見ないように視線を合わせないようにずっと下を向いていた。
「今まで通りにしてください。」
「そういうわけには・・・今までのことを考えたら、死罪に値することを私はしました。スンにも声を荒げて怒ったこともあるので・・・・」
「ジュング様は、とても良くしてくださいました。私とスンが今日という日を迎えることが出来たのは、お義母様とジュング様のおかげです。それに、スンを叱ってくださったのは、元気すぎて木に登ったり高いところから飛び降りたりと、危ないことをしていたからです。」

ハニはノリゲと懐刀を丁寧に布で包むと、今までと変わりのない笑顔でジュングに微笑んだ。
「スンには、都に行くという時に本当の身分を話しました。スンは父さんが自分を大切にしてくれていたことは忘れないし、父さんは永遠にスンの父さんでいて欲しい・・・・と・・・」
まだ三歳なのに、年齢にそぐわないほど大きな考えを持っている。
ジュングは生まれた時から自分の子供のように接していたのは、このままハ二の記憶が戻らなければ我が子として成長をしていくのを見るのが楽しみだった。

眠っているスンの髪をそっとなぜるのが、生まれた時からの習慣だった。
「スンを起こしてください。朝食を食べたら宮殿に行こうと思います。」
世子嬪なのに、着ている物は綿の服。
それも新しい物ではなくいつも着ていた服だ。

「どこかで新しい服を買ってくる・・・参ります・・綿の服じゃ・・・」
「大丈夫です。このノリゲと懐刀を見せれば私が誰なのかきっと分かるはずですから。」
は似の持っているノリゲを見せて、何度もお忍びで市を見に行っていた。
やっと愛する夫のスンジョと可愛い娘と会えるという気持ちで、ハニはこれから起きることの不安は考えられなかった。

人気ブログランキング
人気ブログランキング 

邂逅 43

ミナは見慣れた衣を持って戻ってきたジュングの母の姿を見て、両手で顔を覆った。
自分が世子嬪に貸した衣だった。

「ノリゲと懐刀は都に行く時に持って行ったのかありませんでした。この衣だけは残っていたので、ジンジュは記憶が戻ったのかもしれないです。」
「記憶はどの程度無くしていたのでしょか?」
「自分の名前も住んでいた家も親の名前も全て忘れていました。」
それを聞いた時、ミナは感情を抑えきれず声を上げて泣き出した。

「ミナ様・・・」
「名前も住んでいる場所も何もかもあの時は捨てて逃げておられたから・・・平穏な生活を送られていたから、それが心の負担になられて・・」

ジュングの母はミナと護衛と役人のチョンの顔の様子を見て、ジンジュは何か罪を犯した人ではない、両班ではなくそれ以上の地位の女性だと察した。

「ジンジュの本当の名前は聞いてはいけない方・・ですよね?」
泣いているミナの代わりに護衛が応えた。
「世子嬪です。お生まれになられた方は世子邸下の御長子です。」
ずっと両班の奥方で、探しに来ない夫はジンジュに愛情はない。きっと後妻を貰っているからジュングと夫婦になれ。
スンは頭がいいから、時期が来たら科挙を受ければいい、とずっと何も考えずに言っていた。

私達親子は知らせずに匿っていたから、死罪でしょうか、それとも毒酒を賜るのでしょうか・・・」
「今はわかりませんが、後ほど通達があるかと・・とにかく直ぐに私達は都に帰らねば・・・」



人気ブログランキング
人気ブログランキング 
ギャラリー
  • お知らせ
アーカイブ
美容室美容院レーシックfx 口座開設美容整形キャッシング
デリヘルデリヘル 求人里親 募集求人情報美容室裏dvd保険出会い出会いエステ美容整形クレジットカード消費者金融
アクセスカウンター
キャッシング社長ブログseothink tank医薬品 買取ブログパーツお見合い結婚相談住宅ローン
アルバイト情報海外サーバー海外サーバーアクセスカウンター無料ブログカウンターオンラインカウンター借金時計ページランクアダルト動画
アダルト動画 比較裏dvd裏dvddvdレンタル 比較有料アダルト動画 比較月額アダルト動画 比較出会い系サイト 比較ライブチャット 比較裏dvd
ブログカウンター無修正dvdフェラチオキャバクラデリヘル風俗
無料カウンターデリヘル 求人高級 デリヘルキャバクラ 求人借金時計プロバイダ 比較ウォーターサーバー 比較レンタルサーバー 比較クレジットカード 比較生命保険 比較
etcカードエステ脱毛インプラントホームページ製作ドメイン取得化粧品 サンプル自動車保険 比較学資保険 比較おまとめローン 比較キャッシング 比較証券会社 比較fx 比較fx口座開設 比較
無料アクセスカウンターフレッツ光 auひかり 比較fx 初心者誕生日 プレゼント
東京 デートスポット消費者金融 一覧銀行 口座開設アクセスカウンター無料カウンターページランククレジットカード ランキング生命保険 ランキング自動車保険 ランキング学資保険 ランキング育毛剤 ランキング証券会社 ランキングプレゼント ランキングクレジットカード おすすめ
bto パソコンエアコン 工事エアコン クリーニング給湯器 交換犬 里親猫 里親エアコン 取り付けエアコン 取り外しガス給湯器 交換ホストクラブ新宿 デリヘル新宿 デリヘル歌舞伎町 キャバクラ渋谷 デリヘル


バラが降るオルゴール


  • ライブドアブログ