「どうした?」
「またいつもの『私は世子の正妻』という女だよ。ノリゲと懐刀を証拠に持ってきたよ。」
門衛は持ち場に戻ると、もう一人の門衛にハ二が持ってきたノリゲと懐刀を見せた。
「これは本物じゃないか?世子が世子嬪に贈られた物の絵をギテ様から見せていただいたことがあるけど同じだよ。」
「まさか・・・本物ならあの女が盗んだ物か、盗まれた物が売られていたのかもしれない。」
二人が話をしていると、急を知らせる早馬が門の前に止まった。
「急ぎの知らせだ、門を開けて欲しい。」
戸牌を見せると、門番は驚いて門を開けた。
馬に乗ってきたその人は、門衛の持っている物に視線を移した。
「それは・・・・」
「またいつもの勘違い女ですよ。どうせ何処かで盗まれた物が売られていたのを手に入れたのだと思います。」
門衛は馬上から手を伸ばしてきたその男にノリゲと懐刀を渡した。
しばらくそのふたつの品を見ると、門の外を振り返った。
「これを持っていた方はどちらに・・・」
「男と子供を連れて何処かに行きました。証拠だと行って持ってきても、あの女は日々の生活で手は荒れて、爪は色が変わっていました。」
「子供・・・子供はいくつくらいの子供だ。」
「3歳くらいの男の子でした。西の方に歩いて行きましたよ。」
開いた門から見える街は賑わう人々の往来で、ハニとスンとジュングの姿は見つけることは出来ない。
「この品をもらっていく。」
「わかりました。」
「このノリゲと懐刀の状態を見て、売られた品だと思うのか?大切にしまわれておられれたのか、汚れも傷も見られない。それさえもお前は気づかなかったのか?」
わけがわからないという表情で馬上の人の顔をそっと見上げた。
「ギョンス様、怪しい女でしたから・・・・」
「これを持ってこられた方は世子嬪かもしれないし、一緒にいた男の子は世子の長子かもしれない。ミナ様から、世子嬪とお子様らしい人が都に入っていると連絡があったのだ。今までと違って証拠の品を持ってこられた方を帰すとは・・・・・とにかくすぐに世子に知らせるから、その時の状況はまた後で訊ねる。」
ギョンスは馬を降りて、近づいてきた男に手綱を渡し、東宮殿の方に向かって歩いていった。

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「またいつもの『私は世子の正妻』という女だよ。ノリゲと懐刀を証拠に持ってきたよ。」
門衛は持ち場に戻ると、もう一人の門衛にハ二が持ってきたノリゲと懐刀を見せた。
「これは本物じゃないか?世子が世子嬪に贈られた物の絵をギテ様から見せていただいたことがあるけど同じだよ。」
「まさか・・・本物ならあの女が盗んだ物か、盗まれた物が売られていたのかもしれない。」
二人が話をしていると、急を知らせる早馬が門の前に止まった。
「急ぎの知らせだ、門を開けて欲しい。」
戸牌を見せると、門番は驚いて門を開けた。
馬に乗ってきたその人は、門衛の持っている物に視線を移した。
「それは・・・・」
「またいつもの勘違い女ですよ。どうせ何処かで盗まれた物が売られていたのを手に入れたのだと思います。」
門衛は馬上から手を伸ばしてきたその男にノリゲと懐刀を渡した。
しばらくそのふたつの品を見ると、門の外を振り返った。
「これを持っていた方はどちらに・・・」
「男と子供を連れて何処かに行きました。証拠だと行って持ってきても、あの女は日々の生活で手は荒れて、爪は色が変わっていました。」
「子供・・・子供はいくつくらいの子供だ。」
「3歳くらいの男の子でした。西の方に歩いて行きましたよ。」
開いた門から見える街は賑わう人々の往来で、ハニとスンとジュングの姿は見つけることは出来ない。
「この品をもらっていく。」
「わかりました。」
「このノリゲと懐刀の状態を見て、売られた品だと思うのか?大切にしまわれておられれたのか、汚れも傷も見られない。それさえもお前は気づかなかったのか?」
わけがわからないという表情で馬上の人の顔をそっと見上げた。
「ギョンス様、怪しい女でしたから・・・・」
「これを持ってこられた方は世子嬪かもしれないし、一緒にいた男の子は世子の長子かもしれない。ミナ様から、世子嬪とお子様らしい人が都に入っていると連絡があったのだ。今までと違って証拠の品を持ってこられた方を帰すとは・・・・・とにかくすぐに世子に知らせるから、その時の状況はまた後で訊ねる。」
ギョンスは馬を降りて、近づいてきた男に手綱を渡し、東宮殿の方に向かって歩いていった。

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