大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2023年10月

はちみつレモン 44

「ジュング、悪いなスンハの相手をしてもらって・・・ハニは部屋で休んでいるから、あとはワシがスンハの面倒をみる・・・・・」
ギドンはテーブルを拭いていた手を止めて、店の入り口に立っていたスンジョに一瞬驚いたが、少し緊張した笑顔で迎えた。

「お義父さん、ご迷惑をおかけします。」
「迷惑だなんて、こっちこそわがままで頑固な娘で本当に申し訳なく思っているよ。」
重苦しい空気にこそならないが、スンジョがギドンの店に入ると、ジュングは部外者の自分がこの場にいてはいけないと思った。
「おじさん、オレは帰ります。」
「すまんな・・・また今度ゆっくりと食べに来いよ。」
片手を上げて店を出よとするジュングに、スンジョは軽く会釈をした。
お互い初対面だが、ジュングは『この男ならハニが思っている事にはならないだろう』と思い、スンジョは『この男はハニがここにいた時に親しくしていたのだから、きっと事情は理解しているのではないか』と思った。

ハニは部屋で休んでいるけど、眠っていないと思う。少し前に過呼吸で倒れたから休ませているだけだ。暫くしたらハニもここに来ると思うから。」
風が開いている窓から入り心地よくても、夏が近づいたこの時期は汗がにじんでくる。
スンハが嬉しそうにスン所の顔を見つめているのを、ギドンは安心したような顔になった。
氷の入った冷たい飲み物を置くと、スンハはゴクゴクと飲んだ。

「パパも飲んで。」
久しぶりに聞くスンハが自分に話した声を聞いて、スンジョはギドンに話す気持ちになった。
「お義父さん・・・ハニは何て言っていましたか?別れると言っていましたよね・・・・」
「言っていたけど本心じゃない。一人娘で母親を早くに亡くしたから甘やかしすぎたよ。」
「いえ・・自分が仕事を理由に話を聞かなかったので・・・・」
「気にしなくていいよ・・・・それよりも・・・」
スンハは遊び疲れたのか、大きなあくびをしたかと思うと、スンジョの膝の上に頭を乗せるとすぐに寝息が聞こえて来た。

「あの・・・電話で話していた事は決まったのか?」
「ええ・・・決心はつきました。ハニに話を聞いて、それを先方にも伝えます。お義父さんの考えをお聞きしてもいいですか?」
ギドンはスンジョの問いに首を横に振った。

「ワシの考えは気にせんでいいよ。お互い二人は大人で親なのだから二人で決めなさい。」
奥の方で床のきしむ音がわずかに聞こえた。






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はちみつレモン 43

この小さな町では見られない新型の高級車は、スピードを緩めないで土埃をあげて坂道を登って近づいていた。
「ママに知らせてもいいのかなぁ・・・・」
車を見つけた時の笑顔から、スンハは急に苦しんでいた母のことを気にかけた。
「本当にスンハちゃんのパパなら、車が停まるまで待っていよう。」
ジュングは当たり前だが、自分の報われない恋心に終止符を打つことにした。
子供のころからの淡い恋で、既婚のハニが夫と別れるといっても相手が迎えに来たのなら、自分の想いは表に表してはいけないのだから。
本当にハニが言うように、悪い夫なら子供が父親を見つけた時にこれほど喜ばないし、母親を気遣う言葉を言うはずがないのだから。



スンジョは久しぶりに来るハニの故郷の景色に全く気にすることはなかったが、田舎道の上の方に見える小さな陰に気が付いた。
表情どころか何もそれが可愛い娘がいると分からなくても、自分の方に向かって飛び跳ねて手を振っているのが、迎えに来る父親を待っていてくれていたのだと思った。
だが、そのそばに立っている背の高い男性と思われる人の存在に、あまりいい気持ちはしていなかった。
ハニは自分以外の男性に好意を持つことはないと分かっていても、すれ違った心のままで家を出て行った時から、自分自身に愛する妻と娘との信頼に自信を失っていたのだ。

義理の父の店の前に車を停めると、会いたかったスンハが運転席のドアの近くまで走ってきた。
「パパ・・・来てくれた・・・・」
よほど我慢をしていたのか、ハニとよく似たスンハの大きな瞳から大粒の涙が流れた。
きっと、どれだけこの幼い娘は父に会いたい気持ちを抑えていたのか・・・・ジュングはその様子に目頭が熱くなっていた。
「遅くなってごめんね・・・・スンハとママを迎えに来たよ。」
優しい笑顔で娘に微笑みかけるスンジョの顔は、スンハが初めて見たくらいに暖かだった。
スンジョはスンハを抱き上げて立ち上がると、少し離れたところに立っているジュングの方を見た。
ジュングは初めて見るスンジョに、自分ではハニを幸せにできないとその瞬間に感じた。

「ジュングおじちゃん、スンハのパパだよ。」
「ジュング?」
「お・・・オレを知っているのか?」
ジュングはスンジョの顔を知っていたが、それは新聞や雑誌で度々取材を受けていた写真を目にしたから。

この人がハニが好きになった人だ。

「あぁ・・・ハニから時々名前を聞いていた。こっちにいる時に君と君のおばあさんにずいぶんと世話になったと・・・」
「まぁ・・・この辺りはそれほど人口も多くないし、隣の人の家とも離れているけど誰がどこに住んでどんな人かみんな知っているから。」
自分の日に焼けた肌と違い、白くて陶磁器のように滑らかな肌に小さな劣等感を覚えた。

「おじさんに伝えてくるよ。ハニ・・・・奥さん、さっき過呼吸で倒れたんだ。」
「倒れた・・・・」
「ママ、死んじゃうかと思った。でも、お話しできるようになったよ。」
「いや・・・お義父さんに伝えなくてもいい。一緒に入っていくよ。」
スンジョは運転席から紙袋を取り出すと、首に細い腕を巻き付けているスンハを抱きなおして、先を歩いているジュングの後に続いて店の中に入った。



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はちみつレモン 42

スンハはジュングになついていた。
警戒心のない幼いスンハは、父と同じ年くらいのジュングに違和感がなかった。
大人の事情は分からなくても、ジュングがハニに向けている視線に悪い人と思えなかったのだから。

「このブランコは、ママも乗ったの?」
「スンハちゃんのママは乗ったと言うより・・・・・・」
ジュングは遠い昔にハニと一緒にここで遊んだ頃を思い出して、思わず笑いだしていた。
大きな声で笑うことはなかったが、スンハは不思議そうにジュングの顔を眺めていた。
「おじさん、何が面白いの?」
「スンハちゃんのママは、ブランコのロープが切れるほど高いところまで漕いだんだ。テレビで見る都会に憧れて、高いところまでブランコを漕いだら見られるのかって・・・・」
その言葉にスンハはなにかお思い、ジュングの腕をつついた。

「高いところまでブランコを漕いで・・・・パパがいるソウルを見たいの。」
いくら高いところまでブランコを漕いでも、ソウルが見えるどころか麓までも見えないが、父親と離れて寂しい思いをしているスンハにそんな事はとても言えない。
「しっかりロープを掴んでいるんだよ。」
スンハが怖がらない程度に、ジュングはブランコを漕いだ。
ハ二がソウルで傷ついた理由もわかるようでわからないし、子供が慕っている父親が悪い人ではない。
ハニに片思いをしている気持ちにはかわりはないが、ハニは自分と話をしてくれても見てはいない。
口で言うほど夫であるスンハの父親に対して離れたい気持ちはないのだろう。

「あっ!パパの車だ!」
ソウルにいる人の車が見えるはずない。
きっと、よく似ている車を父親の車だと思っているのだろうと思っていたが、スンハは本当に見えているように大きく手を降っていた。

「あの車はパパの車だよ!」
たしかに車が一台坂道を上がってくる。
遠目ではよく見えないが、このあたりの人達が乗っているトラックではなさそうだ。
「おじさん、ブランコからおろして・・・ねえ、おろして・・・・」
ジュングはブランコを止めると、スンハを抱いて地面におろした。

スンハは車が走ってくる方に向かって、ぴょんぴょんと飛びながら手を大きく降っていた。



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はちみつレモン 41

車を路肩に停めて、冷めた缶コーヒーを一口飲むと右手を眺めた。
人に暴力を振るったこともなければ、手を上げたことも今までなかった。
右手を握ると下唇をかみしめた、苦しそうな表情をした。

自分らしくない行動に、後悔ばかりだった。
病院で来客との話が長引き帰宅したのは夕食が終わった後だった。
グミからハ二がスンハを連れて家を出ていったと聞かされたときは、ハ二の精神状態が限界を超えていたことに今更ながら気がついた。
ソウルにハニは知り合いはそれほどいない。
高校時代からの友達のミナは、結婚しているからその家に行くことはない。
同じ病院の仲の良い仕事仲間はいても、プライベートでの付き合いはしていないのだから、行く場所としてはふるさとの父親のところしかない。
それとなく電話をかけて聞き出すにも、グミがいる時に電話をかけなければ面倒になる。

『ハニちゃんは妊婦だからすぐに探して』と言ったグミの言葉にもスンジョは何も応えなかった。
翌日になってから仕事に行くと言って家を出て、公衆電話からハ二の父親のところに電話をかけて嘘をつかず正直に伝えた。

『お義父さん、ハニと喧嘩をして手を上げてしまいました。申し訳ありません。ハ二の心が落ち着く頃に迎えに行きますので、スンハとハ二をよろしくお願いします。』
その言葉にハ二の父ギドンは事情をまるで知っているような言葉で返してくれた。
『ハニは一度決めたらなかなか考えを変えない。手を上げたことは良くないが、君を信じて待っているから、君の都合がついたときに軽い気持ちで来るといい。』

その後は電話をかけなかった。
もちろん、今日迎えに行くことは伝えていないが、ギドンならきっとスンジョが迎えに来る日が五七日忌がつくはずだ。

残っている缶コーヒーを飲み干すと、また車を走らせた。




ハニは店の窓から外を眺め、ジュングと遊んでいるスンハを見ていた。
自分と顔は似ている娘も、角度を変えるとスンジョとよく似ていた。
いつ頃からなのか、スンハの表情一つ一つがスンジョに似ていたことに気がついていなかった。

「ハ二、今日は具合が悪くなったのだから、部屋で休んでいなさい。スンハは賢い子供だし、ジュングが見ているから大丈夫だよ。」
ハニはうなずくと、窓を締めて体を休めるために、自分のベッドがある部屋に行った。



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はちみつレモン 40

スンジョの熱は翌日には下がっていたが、家族との時間が取れなかったことを思いしばらく仕事を休むことにしていた。
ぎこちないハニとの時間も、一緒にいれば自然と解決すると思っていた。

「スンジョ君、病院から電話・・・・・」
ハニは病院からかかってきた電話に対して、明らかに不満そうだった。
リビングのソファーから少し体を起こして、ハニから電話の子機を受け取ると、一言二言何かを話してハニから顔が見えないように背中を向けた。
スンジョはそれに意味はなかったが、ハニには自分に何かを隠しているように感じた。

「わかりました、すぐに行きます。」
そう答えて電話を切ると、子機をハニに渡さないで自分で戻した。

「仕事・・・休むのじゃなかったの?」
「仕事ではない。来客があるから・・・病院に行かなくてはいけなくなった。」
「また・・・仕事じゃないといって病院に行くのね。どうせ・・・」
「仕事ではないから話が済んだらすぐに戻ってくる。」
(ヘラに会うのね・・・・)
声に出してはいないが、ハニの心の声がスンジョに伝わったのか、ハニに対して少しあきれたような表情を見せた。

「お前の考えていることは誤解だ。」
「私の考えていることが誤解なら、今までも私が誤解していたっていうの?ヘラとは気安く話ができるのに、私には何も・・・・」
初めてだった。
スンジョが感情を抑えることができず、誰にでもわかるくらいに起こった表情でハニの頬を叩いた。

「スンジョ!おなかの大きいハニちゃんに何ということを!」
頬を打った音に気が付いたグミが、キッチンからリビングに飛び出しハ二の体をかばうように抱き寄せた。
「毎回毎回何かあると『ヘラ』の名前を出して。誰だってうんざりする。オレを信じられないのなら、好きなようにしろ!」
スンジョが自分の感情を露にしたのは、人生で恐らく初めてのことだ。
ソファーの背にかけてあった上着をつかむと、そのまま車のカギを持って家を出て行った。



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