『パパ!』
電話の向こうから聞こえた最愛の娘のスンハの声。
一週間会えなかっただけなのに、随分と長い間会っていないように思え、胸の奥から熱い物が込み上げて来た。
「スンハ、元気にしているか?」
『うん!ママとギイじいちゃんと一緒にいるよ。』
(会いたい・・・スンハとハニに会いたい)その言葉が声としてスンハに聞こえたのだろうか。
そのスンジョの心の声に応えるように小さなまるで誰かに聞こえないように、だけれどもスンジョには聞いて欲しいと伝わる声で聞こえて来た。
『パパに会いたい・・・ママが泣いているの・・・・』
「もう少し待っていて。スンハはいい子だから、パパが行くまで待てるよね。」
『うん・・・いい子にしているよ。』
わずか数分の間の会話だったが、スンハが生まれた時のことを思い出した。
予定日にはまだ早かったが、出張前日にその兆しがあった。
ハニは大丈夫だと言っていたが、オレの直感で早く生まれると思った。
不思議だった。
不確かな直感は信じないが、あの時はかなり確かな気がした。
「スンジョ君、迎えのタクシーが来たわよ。」
「あぁ・・・・じゃあ、行って来るよ。がまんするなよ。」
「がまん?」
「オレが出張だから、帰って来るまでがまんをするってお前なら言うだろう。」
「何を心配しているの。私が付いているから何かあったら連絡するわ。」
「分かった。これが連絡先だ。ホテルの電話番号を書いたから・・・」
電車の時間に遅れるわけにはいかなかったから、スンジョはメモをグミに渡して、迎えに来たタクシーに急いで乗った。
初めての子供の誕生に、時計が気になったのは初めての事だった。
あの時のように、オレはハニの電話を待っている。
かかって来たのはスンハからの電話だったが、『ママが泣いている』と言う言葉に、スンハがオレの背中を押してくれた。

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電話の向こうから聞こえた最愛の娘のスンハの声。
一週間会えなかっただけなのに、随分と長い間会っていないように思え、胸の奥から熱い物が込み上げて来た。
「スンハ、元気にしているか?」
『うん!ママとギイじいちゃんと一緒にいるよ。』
(会いたい・・・スンハとハニに会いたい)その言葉が声としてスンハに聞こえたのだろうか。
そのスンジョの心の声に応えるように小さなまるで誰かに聞こえないように、だけれどもスンジョには聞いて欲しいと伝わる声で聞こえて来た。
『パパに会いたい・・・ママが泣いているの・・・・』
「もう少し待っていて。スンハはいい子だから、パパが行くまで待てるよね。」
『うん・・・いい子にしているよ。』
わずか数分の間の会話だったが、スンハが生まれた時のことを思い出した。
予定日にはまだ早かったが、出張前日にその兆しがあった。
ハニは大丈夫だと言っていたが、オレの直感で早く生まれると思った。
不思議だった。
不確かな直感は信じないが、あの時はかなり確かな気がした。
「スンジョ君、迎えのタクシーが来たわよ。」
「あぁ・・・・じゃあ、行って来るよ。がまんするなよ。」
「がまん?」
「オレが出張だから、帰って来るまでがまんをするってお前なら言うだろう。」
「何を心配しているの。私が付いているから何かあったら連絡するわ。」
「分かった。これが連絡先だ。ホテルの電話番号を書いたから・・・」
電車の時間に遅れるわけにはいかなかったから、スンジョはメモをグミに渡して、迎えに来たタクシーに急いで乗った。
初めての子供の誕生に、時計が気になったのは初めての事だった。
あの時のように、オレはハニの電話を待っている。
かかって来たのはスンハからの電話だったが、『ママが泣いている』と言う言葉に、スンハがオレの背中を押してくれた。

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