「母はどちらかというと世間を知らず、人の考えも知らず自分勝手なところもあります。ははがよういしたあの部屋を見られたと思いますが気にされないでください。」
今日に至るまでスンジョとは数回会っただけだが、母と楽しく過ごしていた時や、父と一緒に暮らし始めた時のその思いとは違う思いが芽生えていることにハニは気づいていた。
ペク・スンジョという若い両班に、初めて会った時から好意を抱いていた。
当時は妓生になったばかりで、特別な感情を一人の人に懐いてはいけない。
母のような誰にでも別け隔てなく笑顔で話を聞ける妓生になろう、まだあの頃は幼すぎてそんな言葉で思っていたわけでもなかったけど、今はそう思っていたのだと言えるようになっていた。
「ハニさん、庭を案内します。」
「そんな、ご迷惑ですから。」
「宴は好きではなくて・・・慣れなければいけないのですけど、不機嫌な顔をしていたら場の空気を悪くしてしまいますから・・・」
親しい人たちだけの宴でも好きではないというのは本当なのだと思う。
芙蓉楼に知り合いの方といらした時、本当は来たくなかったのかもしれないけど、あの時はとてもご迷惑をかけたのに、私はまだ助けていただいたのにお礼さえも言えない。
「ハニさん?」
「あの・・・私・・まだお礼を・・・」
「お礼?」
「芙蓉楼でスンジョ様のお知り合いの方といらした時にご迷惑を・・・・」
スンジョは両班の娘らしくない表情のハ二に心が揺れた。
「それなら、私に庭を案内させてください。元々は父が作った庭ですが、少しずつですが私に任せてくださるようになったので・・・意外でしょうが自慢の庭なんですよ。」
寡黙な人だと思っていた。
こんなに雄弁に話せる人とは思わなかった。
庭を案内して、植栽の説明を丁寧に話してくれるスンジョに、憧れ以上の気持ちがどんどんと大きくなっていった。

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今日に至るまでスンジョとは数回会っただけだが、母と楽しく過ごしていた時や、父と一緒に暮らし始めた時のその思いとは違う思いが芽生えていることにハニは気づいていた。
ペク・スンジョという若い両班に、初めて会った時から好意を抱いていた。
当時は妓生になったばかりで、特別な感情を一人の人に懐いてはいけない。
母のような誰にでも別け隔てなく笑顔で話を聞ける妓生になろう、まだあの頃は幼すぎてそんな言葉で思っていたわけでもなかったけど、今はそう思っていたのだと言えるようになっていた。
「ハニさん、庭を案内します。」
「そんな、ご迷惑ですから。」
「宴は好きではなくて・・・慣れなければいけないのですけど、不機嫌な顔をしていたら場の空気を悪くしてしまいますから・・・」
親しい人たちだけの宴でも好きではないというのは本当なのだと思う。
芙蓉楼に知り合いの方といらした時、本当は来たくなかったのかもしれないけど、あの時はとてもご迷惑をかけたのに、私はまだ助けていただいたのにお礼さえも言えない。
「ハニさん?」
「あの・・・私・・まだお礼を・・・」
「お礼?」
「芙蓉楼でスンジョ様のお知り合いの方といらした時にご迷惑を・・・・」
スンジョは両班の娘らしくない表情のハ二に心が揺れた。
「それなら、私に庭を案内させてください。元々は父が作った庭ですが、少しずつですが私に任せてくださるようになったので・・・意外でしょうが自慢の庭なんですよ。」
寡黙な人だと思っていた。
こんなに雄弁に話せる人とは思わなかった。
庭を案内して、植栽の説明を丁寧に話してくれるスンジョに、憧れ以上の気持ちがどんどんと大きくなっていった。

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