大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2023年04月

紅梅と白梅 47

父と娘、それに数人が住み込んでいるオ家の屋敷での生活の一日目。
父に一部屋ずつ案内してもらい、ハニが使う部屋は母の部屋だった。

「この部屋を覚えているかい?」
「はい、私が気分を悪くした時に休んだ部屋です。」
ギドンは庭に面している戸を開けると、ハニを手招きした。
「ハニの為に本来なら一部屋用意してあげたかったけど、両班として裕福ではないからすまない。」
「そんな・・私はこの部屋が好きです。」
大きな屋敷ではないが、庭の広さはおそらくかなりある。
母が使っていた部屋から見える所にある紅梅は、どこか芙蓉楼の紅梅と似ている気がした。

「オ家は紅梅、ペク家は白梅、ポン家は蝋梅・・・・・・梅が縁で学士の頃に友達になった。ペク家は名家で王族とのつながりもあるが、オ家とポン家は力のない両班。父が濡れ衣で流刑された時は、友達との縁も終わったと思ったが、ペク家が芙蓉楼に母を匿ってくれた。かなり援助もしてもらったのに、何も返すことはできないが身分が回復してくれたことを一番喜んでくれたよ。ポン家は、奥方が嫡子のジュングを産む時に亡くなり、芙蓉楼で妓生として働き始めた母を守るために後妻として迎えようとしてくれた。」
幼い頃だったが、母がどこかの両班の後添えになると聞いていたのはうっすらと覚えていた。

「その話は何となく覚えています。私も養女として迎えていただくことになっていました。」
「後妻と言っても形だけの後妻で、私の濡れ衣が晴れるまで・・・・その間にどこかの両班の妾になることを防ぐためだった。ハナの体の具合もよくないから、後妻として身請けして治療をするように手はずを整えていたけど・・・ハナが私に悪いからと中々受けてくれなかったんだよ。」
きっと母も父の親友たちと同じように、必ず父の濡れ衣が晴れると信じていたのだろう。
芙蓉楼とは違い人の話し声も笑い声もほとんど聞こえない静かな屋敷。
使用人が庭を掃除する箒を履く音と、馬小屋で馬が動いている音と、台所で食事の準備をしている音が心地よかった。

「ハニにこんなことを言っては傷つくかもしれない・・・・・」
何か申し訳なさそうにしている父の表情に、ハニは黙って微笑んだ。
「ハニと一緒に暮らすようになったけど、お前もどこかの両班の息子に嫁ぐ年齢が過ぎてしまって、この先のことを思うと申し訳なくてな・・・・本当に引き取ってよかったのか、妓生として過ごした方が本当は良かったのかと不安で仕方がないよ。」
15・6歳で大体の両班の娘は嫁いでいく。
ハニは18歳を過ぎ、もうすぐ19歳になる。
30を過ぎたら、両班の後添えになるか妾になるかしか嫁ぐことは難しいだろう。
だけど、ハニはどこかの両班に嫁ぐことは何も考えていない。

「お父様、私は生まれてからずっと妓楼で暮らしていました。どこかの両班の家に嫁ぐことは難しいでしょう。名家であればあるほど、そうではなければないで、どんな事情があっても妓楼で生活をしていた娘を嫁にすることはありません。私はお母様が愛したお父様と暮らせるだけで充分です。」
娘の言葉に父は涙をこらえることができなかった。



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紅梅と白梅 46

芙蓉楼の人に見送られ、ハニは用意された輿に乗って新しく父と過ごす屋敷に向かった。
生れてからずっと母との思い出のある芙蓉楼で過ごして来たハニは少し寂しい気持ちもあったが、新しく過ごす屋敷は自分の知らない母を知る事が出来る。

「ハニ、疲れていないいか?」
「お父様大丈夫です。私は幼い時は芙蓉楼の中を一日中走り回って手伝いをしていました。」
「聞いたよ。暇にしていると木に昇って、元気な娘だと・・・・お母様にそのたびに叱られていたそうだね。」
「女将さんは、そんな事までお父様に話したのですか・・・」

父は何も言わなかったが、輿に乗る前に見た父の表情は幸せそうな笑顔だったのを思い出すと、自分と同じ気持ちなのだろう。
これからの生活に不安はないとは言えないが、母がずっと心に秘めていた父との再開と家族揃っての生活ができる嬉しさのほうが大きかった。

芙蓉楼の周辺から聞こえる音とは違ってきた。
時々聞こえる人々のから、居住地に近くなってきたのだろう。
そっと輿の窓を開けると、その隙間から見えているのは土の壁だった。
ハニが窓を開けたのに気がついたギドンが、輿の動きを止めると少し屈んでハ二に話しかけた。

「ここがこれからハ二が住む屋敷だよ。庭にハ二のお母様が好きだった自慢の紅梅の木があるよ。入り口は目の前だけど少し歩いてみるかい?」
輿がゆっくりと降ろされると、簾が上がり付いていた人が真新しい靴を置くと、片方ずつ足を伸ばして履いた。

「さぁ・・・・」
父の伸ばした手を掴み輿から降りると、屋敷の入口からひとりの年老いた女性が微笑みながら近づいてきた。
「旦那様・・・ハナ・・・ハニ様?」
ハ二を見て驚いた顔をした女性は、涙をにじませたかと思うとその涙は頬を伝った。
「ハ二、お母様の乳母だったパルボクだよ。これからはハ二の身の回りの事をしてくれるよ。」
「パルボクさん・・・・」
「お嬢様、パルボクと呼んでください・・・・・ハナ様・・・お母様にとても良く似ておられ・・・・お世話ができなかった償いがやっとできます・・・」
パルボクはハ二を抱きしめて、声を押し殺して泣いていた。



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紅梅と白梅 45

何時過ぎたのだろう。
時々、芙蓉楼の使用人が様子を聞きに来ては食べる物や飲む物を置いて行ってくれた。
妻と娘がひっそりと暮らした部屋は、おそらくこの芙蓉楼で一番日当たりの良い部屋なのだろう。
部屋を案内してくれた女将に、妻と娘が長く世話になったことに礼を告げると、女将は特別なことをしたわけではなく、ギドンを信じていたから別れて暮らすことになったハナが安心して会える日を考えて暮らせる部屋を用意しただけだと言った。

目を閉じている娘の顔を見て、女将から聞いたハ二の幼い頃の話を思い出していた。
自分の知らない妻と娘が過ごした時間。
話を聞いた時は無関係の人の話のように感じたが、今目の前にいるハニの顔を見ると幼い頃はお転婆で庭を駆け回っていた姿が想像できないが、そんな大切な時間を共に過ごす事が出来なかった事を考えると、これからの生活で少しでも取り戻したいと思った。

「ぅん・・・」
「気が付いたか?」
「お父様・・・・ここは・・・・」
「芙蓉楼のハニが住んでいた部屋だよ。お客とちょっとした行き違いがあって倒れた拍子に家具で頭を打ったのは覚えているだろか。」
ハニはしばらく考えて、あまり関わりたくない客のシムがかなり酒に酔った状態で自分に絡んで来たのを思い出した。
「すぐに女将さんが懇意にしている医者を呼びに行ってくれて、心配ないけど暫く動かさない鴎外と言われて、客室で休んで明け方に手伝ってもらってここに連れて来た。動けるなら輿を用意してもらうけどどうする?」
ここを出たらもうこの部屋にも来る事は無い。
父親はいなと思おうとしていた。
本当は父親と会いたいし一緒に暮らしたいと思っていても、時々悲しそうな顔をする母を見ると、とても聞く事は出来なかった。

「女将さんがこの部屋にある机や鏡を後から屋敷に届けてくれるそうだ。ハナが・・・お母様も屋敷に帰りただろうから、思い入れのある物は纏めておけば届けると言ってくれたよ。」
思い入れのある物は一つや二つではない。
これから父と暮らす屋敷に持って行き、母との思い出も語りたかった。




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紅梅と白梅 44

スンジョはギドンに申し訳ない気持ちが強かった。
それほど親しくないシムとはいえ、酔っている彼がハ二を見る時の視線は真面ではなかったから、気をつけるべきだったと責任を感じていた。

「スンジョ・・・・もう屋敷に帰りなさい。」
「でも・・私に責任があります。」
「君には責任はない。先程女将がこっそりと伝えに来てくれた。ハニは妓生でも若い娘だ・・・その娘のために若い君に言うのは気が引けるが・・・・頭を打って入るが意識がないのは女性の・・・・女性特有の事情で心配ないそうだ。心配ないが、頭を打っているのは事実だから気をつけなければいけないが・・・ここは人でもあるし、君はここに来たのが気がすすまないのではないか?スチャンの息子だから。」
ギドンはいつもの顔に戻っていた。
それは皮肉で言ったのではなく、スチャンは妓楼のような場所が苦手だったから、その息子なら同じだろうと知っていた。
「君を非難する言い方をして本当に悪かったと思うけど、今は娘と二人きりにしてくれないか?ここでの生活も女将から聞いて、妻が亡くなってから妓生になると決めた時までの話を聞いて、どんなに淋しくても耐えた娘の為に目覚めるまで付いていた。屋敷に帰って落ち着いたらスチャンに会いに行くと伝えてくれないか?」
「分かりました。」

それでも・・・・と思ったが、辛く悔しい時間を一人で耐え、やっと会う事が出来た娘との大切な一日目の時間が壊れたのだから、他人の自分がいるべきではないと思った。
まだ父と娘として手を握って目を見て話せていないのなら、目を閉じている娘と声に出して会話をする事は出来なくても、心で会話をさせてあげたかった。

スンジョは軽く頭を下げて、父と娘が二人っきりになれるように部屋を出て行った。



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紅梅と白梅 43

芙蓉楼に出入りをしている医者が客のふりをして部屋野中に入ると、何も聞かず静かに目を閉じて脈を診ていた。

「そこの家具の角で頭を打ったのかな?」
「それほど強くは打っていませんが、気を失っているので少し心配ですが・・・」
スンジョはとっさに体が出てハニの体を守ろうとしたことは伝えなかった。
医師にそれを伝えなくても、出血はしていないから腕のある医者ならこう言うだろう。
「少し休ませれば気がつくはずだ。ハニは昔はよく木に登って落ちたけど、いつも大事に至らなかった。」

ハニの布団を肩まで上げると、助手に耳打ちをすると助手は籠の中から薬を出しておかみにそれをわたした。
薬の名前を言わなくても、何の薬か女将模様く分かっていたのか、受け取ると部屋を出て行った。
「娘は・・・娘は大丈夫でしょうか?」
「大丈夫じゃよ。一緒にこれから住まわれるなら、ハニの事を知っておいたほうが良いだろうな。そこの若君はハニの許嫁か何か関係があるのか?」
「許嫁では・・・・」
「まぁ、許嫁だろうとなかろうとどちらでも構わないが、頭の打ち身は心配ない。心配ないが今日明日は安静にしないといかん。幼い頃にも木登りをして落ちた事がある。何年も経っているが場合よっては血栓が動いている事もある。人の目が無くなったら、部屋を移ればよい。その時はそっと・・そぉっと出来るだけ身体が動かないように。女将が血栓を防ぐ漢方薬を煎じた物を持って来る。それを飲ませてやるように・・・・」

目を閉じているハニの顔色が少しずつ血色がよくなって来ていた。
ギドンは安心した笑みを浮かべていた。

「スンジョさん、さっきは取り乱してすまない。スチャンの息子が酒に酔って妓生に暴力を振るう人間ではない事は分かっていたのに・・・・」
スンジョは何も言わなかったが、その顔に誤解をされた事に怒りは見られなかった。



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