大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2023年03月

紅梅と白梅 32

オ家の屋敷は10数年ぶりに人の気配があった。
当時の使用人の数ほどではないが、 オ・ギドンの濡れ衣が晴れて復職の話が進んでいると人づてに聞いた使用人が戻り始めていた。

「旦那様、奥様の部屋も以前のままになりました。」
「ご苦労様・・・・」
妻のハナが自分の部屋に戻ることはないと分かっていても、使用人が整えてくれたのはそれだけハナが使用人にも慕われていたことを証明していた。

この屋敷でたくさんの子供と暮らしたい・・・・

それがハナと婚礼を挙げた日の夜に二人で誓った言葉だった。
ギドンは戦や病で3歳年上の兄と年の離れた弟と妹を亡くしたが、ハナの姉は異国の地に嫁いで行き両親もハナが嫁いで数年で相次いで亡くなり天涯孤独の身になった。
お互い両班でもつましく暮らすことを好んでいたから、オ家の屋敷もあまり華やかな暮らしではないが、庭の紅梅と白梅にはとても手をかけていた。

病弱なうえなかなか子宝に恵まれないからと、ハナはこの紅梅と白梅をとても大切にしていた。
ペク家の白梅ほどではないが、立派な白梅の木は親友の証として科挙の試験に仲の良い3人が一緒に合格したことを記念に枝をもらい受けて、紅梅はハナが実家の庭から移植してきたのだった。

「旦那様・・・紅梅と白梅は、奥様の乳母のパルボクさんが手入れを欠かさなかったのですよ。」
「そうですか。毎年花はどんな様子に咲いていたのですか?」
「それはそれはとても見事に咲き、この屋敷だけではなくご近所の方の家にも香りが届くようでしたよ。」
「パルボクさんも呼んだら戻ってきてくださるでしょうか。」
「きっと、戻ってきてくださいますよ。奥様の忘れ形見の娘様のお嬢様に会えるのを楽しみにしていましたから。」

パルボクにはハナが生んだ娘と再会したことを伝えていた。
パルボクは乳母としてハナを自分の家に連れてこなかったことを、とても悔やんでいたがそれはハナが望んだことだった。
たとえ濡れ衣でも、罪を犯した者の妻を匿うわけにはいかない。
いつかそれが晴れた日に、必ずパルボクの元に訪れるとハナがパルボクを説得したのだった。

庭を見ていたギドンが、部屋の方に体の向きを変えたとき、慌ただしく門から入ってくる人の気配を感じた。
「オさん、オ・ギドンさん・・・・お見えでしょうか!」
「あの声は、ポン様のご子息さんの声ですね。慌てているようですよ。」
ギドンは急いで玄関に行くと、ポン家のジュングと気を失っている妓生を抱いたペク家のスンジョが立っていた。
スンジョの胸に抱かれているのは、ハナの忘れ形見のハニだとはっきりと分かった。



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紅梅と白梅 31

倒れそうになるハ二の体をスンジョが支えた瞬間、梅の花の季節ではないのに辺りに梅の花の香りが漂った。
「梅の花の匂い?」
ジュングがそうつぶやくと、ハ二の体を抱き上げたスンジョが表情を変えずに呟いた。
「梅の花が咲いていないのに香るはずがないだろう。この女性(ひと)から香るのだろう。」
ジュングはハ二が被っているチョンモを外して、ニヤニヤとしながら匂いを嗅いだ。
「本当だ、スンジョの言う通りこの妓生の匂いだ。」
スンジョはジュングの話の相手をしているようでしていないような表情で歩き出した。

「おい、どこに連れて行くんだよ。」
スンジョとは明らかに正反対に見えるジュングは、ハニが被っていたチョンモを胸に抱きかかえながら、白いハ二の顔を覗き込んでいた。
「可愛い顔をしておるなぁ。俺達と同じ歳だろうか。」
「一緒の歳だ。」
「知っているのか?この妓生のこと。」

スンジョはジュングの話を聞きながら、目をつむっているハ二の顔を見た。
初めて会ったのはまだ幼い子供だった。
細いタウンモリに紅いトトゥラクテンギとペシテンギが目立っていた。
あの日はほとんど後ろ姿だけしか見ることができなかったが、大人になった葉にはあの頃と変わらないくらいに純粋な目で自分を見たのは、妓生としてお披露目をする日だった。

「おい、本当にどこに連れて行くんだよ。妓生なら妓楼に連れていかなければいけないのじゃないか。」
「オさんの屋敷に連れて行く。」
「オさんの屋敷?あそこはまだ使用人もいないし、連れ去ったことが妓楼に分かったら、俺達は芙蓉楼に一度も出入りをすることなく禁じられることになる。」
スンジョの思いつきのような行動に、慌てているジュングは先程までのニヤニヤとした表情から厳しい表情に変わった。
「ポンさんも知っている妓生だ。」
「父上も知っているのか?こんな若い妓生に会っているのか?」
ハニがオ・ギドンの娘ということはジュングは勿論スンジョもまだ知らない。




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紅梅と白梅 30

ハニは久しぶりに母の墓に行くために芙蓉楼を出た。
季節は初夏にはまだ遠いが、湿気があり気温が高かった。
幼い頃から湿気があり気温が高いこの季節が苦手で、下着姿で庭を駆け回って涼しい場所を探して母に叱られていた。

『女の子がいくら妓生の住む場所でも、下着姿で走り回るものではない』と、滅多に起こることがなかった母に叱られたのはつい最近のことのように覚えていた。
今思えば、あの時の母の言い方は両班として育ち嫁いだ女性のように厳しい口調だった。
それ以外にも、書や芸事や行儀作法にも厳しかった。
いつか、夫が迎えに来てくれると信じ、迎えに来た時にすぐに両班の暮らしに馴染むように育てたかったのだ。

暑い・・・・・

額の汗を拭いながら、チョンモを少しずらして空を見上げると頭がクラっとした。
フラフラとしながら陽陰を探して脇道にあと少しで入れると思ったが、目の前が真っ暗になって立っていることもままならなくなった。
意識が遠のくような気がしていたが、道で倒れるわけにもいかない。
心とは反対に次第に目の前が真っ暗になっていった。


「スンジョ・・あそこを歩いているのは妓生じゃないか?」
スンジョは一緒に歩いている親友のジュングの指差す方を見た。
「なんか、さっきからフラフラとして歩いて、昼間っから酒でも飲んでふらついているのだろうか。」
スンジョは歩いている妓生がハ二だとすぐに気づいた。
「いや・・そうではないようだ。この暑さと湿気で気分が悪くなったのじゃないだろうか・・・」
そう言うとスンジョはフラフラとしているハニの方に走り出した。




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紅梅と白梅 29

「ハナさんの生んだ子供がもうこんなに大きくなっていたとは・・・・ワシも年を取ったなぁ・・・・」
ユンは大商人とは思えないくらいに温かい表情をしていた。
目頭がキラリと光ったのは気のせいなのだろうか。
「ユン様はまだお忙しく買付の旅に出ていかれているとお聞きしましたよ。こちらに戻ってきては、すぐにまた旅に出られているそうで、今回はいつまでこちらにいらしているのですか?」
ユンは少しなにか迷うように、話す言葉を考えていた。

「屋敷を買い戻した両班がいてな・・・長い間住んでいなかったから色々と用意をしなくてはいけなくて。落ち着いて食べられるのはここしかないから・・・・・」
ユンはハ二の顔をじっと見ていた。
その瞳は心の中を見透かすようで怖かったが、威圧的ではなくただハ二が何を考えているのか見ているようでもあった。
「ハ二・・ユン様にお酒を注いで・・・」
「あ・・・はい・・」
手が震えてカチャカチャと音がして、盃に注がれる酒が盃から溢れるのではないかと思うくらいだった。

「す・・・すみません・・・」
「母は・・・緊張しなくてもよいよい。ファヨンが初めて私に酌をした時は、盃に酒が入らなかったからな。」
「すっかり忘れてしまうくらい年月が過ぎましたわ。」

注がれた酒をグイッと飲むと、ユンはまたハニの方を見た。
「いつもはただ酒を飲んで腹を満たして帰っていくが、今日は話がしたくなったよ。」
「ここには私とハ二の二人だけです。他言はいたしませんわ。」
しなやかにファヨンはユンの空になった盃に酒を注いだ。

「ハナさんを・・・ハニさんのお母さんをここに連れてきたのはワシだよ。両班の妻として幸せに暮らしていたのに、身を隠さなくてはいけなくなったが身重の身体で遠くまで行けず、ハニさんの父上に頼まれて、両班の奥方を連れて行く場所ではないが芙蓉楼なら役人も押し入ることはないことは分かっていたから女将に任せたんだよ。無事に女の子を出産したと聞いたが、いつの間にか年月が過ぎてこんなにきれいな娘に成長していたから、会うことができて今日は気分がいい。」

私のお父さんはどこに・・・・
私は両班の娘なの?

「いかんいかん、今日は気分がいいから酒の回りが早い、そろそろ帰るかな・・・・」
ユンは笠を手に取ると立ち上がった。
「また次に来た時もハニさんも一緒に相手をしてくださるとワシは嬉しい。」
ハ二の父のことは何も話さないで部屋から出ていった。
きっと次に来た時も話してはくれないだろう。
父が生きているのなら、きっと迎えに来てくれる。
その人があのオ・ギドンだったらいいとハ二は思っていた。




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紅梅と白梅 28

今までより華やかに結い上げられたトゥレモリを鏡で見ると、この一年で大人になったように見えた。
ファヨン姉さんが挿した簪で一気に華やいだ。

「ファヨンさん、お願いします。」
客の接待はずっとしてこなかったが、ファヨンや他の妓生の行いを見ていたが、流石にお披露目依頼の咳では緊張した。

「大丈夫よ、今から行く人達はあまり飲まれる方じゃないから。召し上がられたい物を最初はお聞きしながら取り分けてあげて。食事をされながらお話をされるけど、私達じゃ分かる話じゃないし、分からなくてもそれについての答えを求めない方々だから緊張することはないわよ。」

その言葉は女将さんも違う言い方で言っていたことがあった。
『妓生はお客様の話をただ聞くだけで、答えを言ったり助言したりしない。知っていることがあるとつい話したくなるかもしれないけど、お客様がご家族にも話せないことをただ黙って聞いているだけでいいのよ』と教えられた。
幼い頃に母を亡くして、何も知らないハニが成長していくために一人の女性として必要な所作から、教養や芸を教えてくれた。
妓生として生きていくには必要がないほどたくさんのことを教えてくれた。
いつまでも守られているままではなく、自分から前に進んでいくのが恩返しなら、今日から私は少しずつ返していこう。

「ハ二・・・」
賑やかな声が聞こえる部屋から離れた所にある部屋の前で止まると、ファヨンがハ二に声をかけた。
「身分は高くはない方だけど、様々な方面にお顔が効く方なの。緊張をするかもしれないけど、決して怖い方ではないから安心して・・・」
ファヨンはそう言うと、背筋をぴんと伸ばして開けられた扉から静かな部屋に入った。
ハにもそれに続いて入ると、両班ではないが裕福そうな年配の客だった。

「ユン様、今日は私の大切な人のと関わりのある人の娘を紹介しますわ。」
「大切な人・・・・」
ユンはしばらく考えていたが、思い出すと少し驚いた顔をした。
「ハナさんの娘さんか?」
お母さんを知っているの?と聞きたかったが、初めて会った方にこちらから聞いてはいけない。
「名前は?」
「あ・・・ハニと申します。」
「芙蓉楼に連れてきた時のハナさんによく似ている。亡くなったことは風の便りで聞いていたけど、ハナさんが生んだ娘さんと会うことができるとは思いもよらなかった。」
お母さんをここに連れてきた・・・・
ハニは自分の知らない母のことを、芙蓉楼やペク家の人達以外に知っている人がまだいたのだと知ると、母がどんな身分の女性だったのか気になった。



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