大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2023年02月

紅梅と白梅 10

離れていくハ二の後ろ姿をスンジョは、賀美に刺している簪が目に入った。
あの年齢の娘が挿すには年相応ではないが、華やかでもないのにとても高価な品物に見えた。

「若様・・・どうかなされましたか?」
「・・ぁあ・・あのハ二の挿している簪は、彼女が挿すには年相応に見えないですが・・・」
「ハ二の母親の形見ですよ。」
形見・・・
「お披露目をきっと母が見たいと思って挿しているのです。お客の前に出る前の時間で、墓に眠っている母親に見せに行ったのですよ。」
「父親は・・・・・」
女将はクスッと笑った。
そしてスンジョはなぜ女将が笑ったのか分からず、その顔をしばらく眺めていた。

「若様・・・ハニは妓楼で生まれ育った娘です。父親とは一度もあったことはないのですよ。」
同じくらいの年頃なのに、ハニと自分が随分と環境が違うのだと知った。
妓楼で生まれ育ち、妓生になるしか無いハニと、両班の嫡子でいずれは官吏になり将来は安定している自分。
妓楼に来たことはなくても、妓楼にいる妓生は身請けをされない限り外に出ることもできないが、年齢を重ねれば居場所も無くなる。
華やかに着飾っても、将来が安定している自分とは全く違う環境だ。
身寄りがないハニの将来はどうなるのだろう。

人混みで隠れていくハ二の後ろ姿を探さずにはいられなくなり、スンジョはその後を付いて行った。

女将はあとをついていくスンジョに、なにか意味ありげな表情をしてみていたが、誰かに呼ばれて店の中に入っていった。


人混みから抜け出たハニは、誰かに付けられていることに気が付き、どこかに隠れようかと目で探しながら歩いた。
今までも母の墓に行く道だから、隠れる場所がどこにあるのかわかっているが、初めて感じるその視線に戸惑っていた。
妓生としてきれいに化粧をして結い上げた髪は、今までは人に見られることはなかったが、初めて感じるその視線に、緊張と恐怖で身体に力が入ってきた。



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紅梅と白梅 9

まだ自分がここに来る身分ではない。

紅梅の匂いに引き寄せられたが、妓楼の入り口で歩む方向を変えた。
歩いていく方向を見ていなかったわけではないが、急に向きを変えたからお互いに気が付かなかった。
『キャッ』と小さな悲鳴が、妓楼に勤めている人たちの声の間から聞こえた。
その人はあの紅梅と同じ匂いがした。

「ごめんなさい・・・」
「こちらも気づかず申し訳ありません。」
大きな瞳が幼なさを残したその女性は綺麗に化粧をしていたが、トゥレモリに結った髪を気にしている様子からすると妓生なのだろう。
まだ少女のような女の子も妓生になるのが、この世界の普通なのだろう。

「若様、どなたかをお探しですか?」
その若い妓生の後ろから堂々した、おそらくこの妓楼の女将と思われる人が姿を見せた。
「いえ・・・自宅の紅梅と同じ匂いがしたので、気づいたらここまで来ていました。この辺りは紅梅が他に咲いているところはありますか?」
「紅梅を植えている妓楼は、この芙蓉楼だけでございます。」

芙蓉楼・・・
時々両親が会話をしている時に耳にしている
この芙蓉楼と両親はなにか関わりがあるのだろうか

あの紅梅の枝を落としていったあの女の子は、着ていた物は庶民が着る物ではなかったが、一人で侍女もつけずに来たのだから両班の娘ではない。
あれからの年数を考えれば、この娘があの時の?

女将と思われる人はその若い妓生に一言二言伝えると、その若い妓生はうなずいた。
「若様、無礼を働いたこの娘を行かせてもよろしいでしょうか?急ぎの使いがあるので。」
「あぁ・・」
若い妓生が頭を下げてスンジョの横を通り過ぎると、紅梅の甘い香りが漂った。
通り過ぎていくその人の後ろ姿を見ていたスンジョに、女将は小さな声で囁いた。

「あの娘は今日お披露目なんです。若様はまだここに来る方ではございませんが、若様が来られるようになりました時になられましたら『芙蓉楼』にお越しくださいませ。

「あの娘の名前は・・・」
「ハ二・・・ハニと申します。」


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紅梅と白梅 8

ユン家のヘラは慣れた様子で部屋に案内されると、窓を開けて庭の景色を眺めると、毎年見ているような口ぶりで侍女に庭の白い梅の木の話をした。

「毎年見事に咲いているわね。梅の花の香りはここまでは漂ってこないけど、丁寧に手入れをされているからなのね・・・・それとは対象的にあの紅梅は何なのかしら・・・貧相で・・・植えるのならもう少し枝ぶりを見たほうが良かったのに。」
「あの紅梅は、若様がまだ幼い頃に、あの白梅の下に落ちていた枝を愛でて根が付いたので、あと数年もすればもう少し枝ぶりも良くなり花も咲きますよ。」
ヘラはお茶を運んできたペク家の使用人の言葉にムッとした。
この屋敷の女主人のグミを始め使用人たちにも好かれていないことはわかっていたが、好意を寄せているスンジョの妻になるためにはそれまで我慢をするつもりでいた。

「枝を愛でて根が付くのかしら・・・・」
使用人に言われたことへの返しの言葉だったが、その言葉を発した時にグミがニコリともしないで部屋に入ってきた。
「植物も生きているから花が咲いて伸びていくのよ。うちの白梅が見事なのは、家族が毎日・・いいえ、一日になんども話しかけているからなのよ。頻繁にうちに来るのなら、それくらいわかっていてもいいはずよ。それと、うちの使用人に見下したように話さないで。あなたは客人であって家族ではないのですから。」

ヘラの目がキュッと吊り上がったのを見て、グミの口元がニヤリと笑っていた。

「スンジョは出かけたわ。会いに来たのに残念ね・・・・ゆっくりと白梅でも見ていてもよろしいわよ。」
どこまでこの人は私を受け入れてくれないのだろう。
家柄同士の古い付き合いでも、子供の頃には感じなかった相手の気持も、15歳になれば分かるようになる。

「絶対私はあの方の妻になるわ。」
ヘラは侍女に合図をした。
「スンジョ様が出かけられたのなら帰るわよ・・・・・梅の木になんて私は話しかけたりしないわ。馬鹿馬鹿しい・・・・」
相手にされないままスンジョが帰ってくるのを待つ気持ちにはなれない。
面白くない気持ちでヘラは足早に部屋を出る時にチマの裾が茶器に当たり机の上に倒れ、滴り落ちるお茶が涙を見せないヘラの心の涙のようだった。



スンジョは久しぶりの休暇を屋敷でのんびりと過ごしたかった。
ヘラの次から次へと止まらない会話の相手をするのは苦手で、いずれは妻として迎えることになるのなら今は離れていたかった。
のんびりと過ごしたいと思っていても、無意識にあの紅梅と同じ木をあの枝を拾った時から探していたが、どこにも見つけることはできなかった。

あの時の女の子はどこから来たのだろうか。
誰かの使いで来たと聞いていたが・・・・『女将さんから預かった』と確か言っていた。
女将さんというのなら、どこかの店に仕えている人の娘だろうか。
時々父上に届け物が来ていたが、母上はその届け物について特別に気にすることもなく、黙っているのが不思議だった。

いつの間にか店が立ち並ぶ場所に来ていたことに気がついた。
賑やかで華やかな場所に来た時、あの紅梅と同じ匂いがスンジョの記憶に入ってきた。



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紅梅と白梅 7

本を読んでいた視線を不意に上げて、開いているその本に栞を挟むと、両手を机について立ち上がった。
物静かな表情その少年は、何かを思うように静かに戸を開けて庭の梅の木を見た。
その少年と同じように静かに部屋に入ってきた使用人が、文机のそこが指定席なのか器を置くと少年のそばに近づいた。

「若様、お茶をお持ちしました。」
少年は言葉ではなく、視線は梅の木を見たまま顔を使用人の方に向けてコクリと頭を下げた。
「今年はあの紅梅も咲きましたね。一輪だけですが若様が熱心に育てたので、この部屋までその香りが漂ってきそうです。」
庭の白い梅の陰に寄り添うように一輪だけ咲いている紅梅。
10年前に、そこがその紅梅の場所に残されていた時から、ずっと少年が大切に育てていた。
庭師から『根を張らせるのは無理でしょう』と言われていたが、何かその紅梅を捨ててしまう気持ちにはならなかった。

「父上は?」
「旦那様は弟君様をお連れになって馬に乗って出かけられました。」
年の離れた弟は、あの紅梅の枝を手にした時の自分と同じ年齢になっていた。
「ヨンインさん、聞いてもいいですか?」
「はい、何でございましょう。」
古くからこの屋敷に仕えているこの人は、この屋敷のことは末端の使用人のことまですべて把握していた。

「10年前に父に妓楼からの荷物を届けた少女・・・・あれからは来ていないのですか?」
「そうですね・・・私はお会いしていませんし、あの時対応した者もその後は何も言っていませんが、なにやら巷の噂では近々妓生としてご披露されるそうでございます。」
「そんなに幼い頃に妓生になるのですか?私と左程変わらない年齢だと思っていましたが。」
「年齢ではないのですよ妓生になるのは。大人の女性になられたら皆様の前にご披露されるのです。若様も再来年には士官なされるのですから、その時に旦那様にその妓楼に連れて行っていただいてみるのもよろしいかと。」
さすがに父が芙蓉楼の女将と知り合いでも、少年は妓楼に行く気持ちは全くなかった。

「ヨンインさん、客間に来客の準備をなさってくださらない。」
「奥様・・・かしこまりました。」
「ユン家のヘラが来るのよ。あの娘は好きではないわ。冷たくて鼻持ちならない・・・うちの嫁として嫁いでくるつもりなのかしら。」
「私は存じませんので・・・・」
ヨンインはこの屋敷の女主人に頭を下げて部屋を出て行った。

「スンジョ、少し話が聞こえたのだけど、官職に就いたら妓楼を利用することになるのだから、機会があったら父上に連れて行ってもらうといいわ。あなたは本ばかり読んでいるから、少しは女性と話す機会をもつのもいいわ。」
スンジョは母の言葉を聞き流しながら、もう少し来るユン家のヘラから避けるために出かける準備を始めた。
「出かけるの?」
「行きたいところがあるから。」
スンジョがそう言った時に、ヘラの輿が到着したことが伝えられた。




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紅梅と白梅 6 

母の死から10年が過ぎた。
身受けされる前に突然母が亡くなり、ポン家の娘として受け入れてもらえなくなったハ二は、天涯孤独になってしまったが、芙蓉楼で今まで通り生活することで母がいないだめで変わらずに過ごした。
舞の稽古で褒められても、文字の練習を頑張っても優しい眼差しを向けて褒めてくれる母はいなかった。
芙蓉楼の使い走りをして過ごし、見習いとして成長したハニも数日後には新人妓生として客の前に出る。

部屋の片隅に置かれている行李の蓋を開けると、何度も眺めていた母の簪と装束が収められていた。
まだハニが気に入っていた紅梅の簪は付けられない
紅梅の簪は華やかではないが、高価な素材を使っているから、まだそれを使うには早かった。
その行李の横の盆の上に新しい装束と髪飾りが入っていた。
女将さんや姉さん妓生から妓生になるハ二に贈られた品だった。

何も不安はなかったが、急に白い梅を見たくなったのは、季母の亡くなった季節になったからなのかもしれない。
文字の練習に使っていた文机の上の小さな花瓶に紅い梅の枝が挿してあった。
毎年紅い梅が咲くと、一輪枝を折ってもらい入れていた。
「お母さん、私は明日妓生としてお客さんの前に出ます。お母さんが叶えられなかったことを私は叶えるよう努力します。」
母が叶えられなかったことは、本当はハニは知らないが、どこかの両班に身受けしてもらうことができなければ、一生妓楼から出られない。
ずっとここで育ったから、外の世界がどんなところなのか知らないが、母が妓楼に来た理由もハニは知らなかった。

「ハ二・・・・少し話をしてもいい?」
「女将さん・・・・」
母が亡くなってからは、母の代わりにハ二の世話をしてくれた。
女将さんがいなければ、母の薬も買うことができなかった。
厳しく叱る人ではないが、この人を困らせては生きていけないことも幼い頃から知っていた。

「話ってなんですか?」
「妓生として客の前に出ることになったハ二に伝えたいことがあるんだよ。」
「伝えたいこと?」
女将さんはハ二に書簡を見せた。
「お前の母ハナが、ハニが客の前に出る時に渡してほしいと託していたんだよ。ハナがどうしてここに来たのか、いつか迎えに来てくれる人を待っていたこと・・・・」
その書簡の宛名に書いてある字は確かに母の字だった。
「私もハナの事情を知っているが、まずはハナの手紙を読んでほしい。」




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