大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2022年10月

秋桜の丘で 84

少し言い過ぎたかと、一瞬心が痛んだ。
悲しい表情のハニを見るのは、楽しくはなかった。

「そうね・・・同居人よね・・・・大学に入るまでは・・・・」
「・・・・」
差し出していた弁当の入っていた袋を、ハニは元気なく降ろしてスンジョの先を歩き出した。
両親はいつまで同じ家に住んでもらうとは、一度も行った事はなかった。
父親が親友と一緒に暮らせることを喜んでいたのだから、期限を付けないでの同居なのだろう。
他人と一緒に生活をする事は、スンジョには少し落ち着かない事だったが、あの両親はそんな事も知らないはずだ。

喜怒哀楽がはっきりとしているハニは、後ろ姿にも心の中の感情が現れていた。
急いで歩いているようでもないハニに追い着くと、スンジョの弁当の袋を掴んだ。
「スンジョ君・・・・」
「オレの冗談にイチイチ反応するな。お前が1クラスに来ると面倒だから、自分で弁当は持って行くよ。」

もう少し優しい言い方ができればよかったのに・・・・・とその後ずっと思っていたが、スンジョには優しい言葉を掛ける事が出来ない。
まだ幼い時に出会った自分なら言えたかもしれない。
心の中の寂しさを誰にも言えなくても、あの時の自分ならきっともう少し優しかった気がする。
誰のせいでも誰が悪いわけでもないが、人に優しい言葉を掛ける事が出来なくなったのは、人に対して心を開く事が出来なくなったからなのかもしれないが・・・・・

登校する時のハニに対しての態度に、少し良心が咎めていたが、クラスメートとの会話の後に起きたことでその気持ちが変わった。

「スンジョ、昼食を食べに行くぞ。」
「今日は、弁当を持って来たから・・・」
「弁当?今日のメニューはお前の嫌いな物だったな・・・・・?手紙が落ちたぞ。」
秋桜の花柄の封筒が床に落ちた。
「またラブレターか・・・・・弁当・・・今日のはオ・ハニが作ったのか?オムライスにハートが・・・・」
スンジョは、オムライスの弁当をハニが作ったのではないが、グミが何かを企んでいるのだと思い、一緒に入っていた手紙をハニに書かせて持たせたのだと思った。



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秋桜の丘で 83

「スンジョ、お弁当は・・・・・」
グミの呼びかけを聞こえていないのか、それとも無視をしたのか何も言わずに出て行った。
「聞こえなかったみたいだね。」
ウンジョがすました顔で朝食を食べながらそう言うと、グミは溜息を吐いてスンジョが持っていかなかった弁当の方を見ていた。

「今日のスクールランチのメニューは、スンジョの嫌いな物だから作ってあげたのに。」
高校のスクールランチのメニューまで把握しているグミに、ハニはスンジョとウンジョがうらやましく思えた。

そうだ!

「おばさん、私が持って行きます。どうせ、学校中に同居していることを知られたのだから、スンジョ君のクラスまでお弁当を持って行っても嫌がられないと思います。」
「そう?お願いね。それと・・・こっちのはハニちゃんのよ。」
二つの大きさの違うお弁当。
お弁当を包んでいるハンカチは偶然なのか、それとも何かの企みなのかわからないが色違いの物だった。


スンジョは少しいつもより早く起きたが、それでも家を出る時間はいつも通りでも十分にゼロ授業には間に合うが、昨夜は二の部屋から聞こえてきた独り言に、一緒に家を出ない方がいいと思ったのだった。
遅くまでハニは昨日起きていたのは知っているが、いつも起床する時間とは違い寝不足なのに、何か達成したような表情で降りてきたハニの顔が、脳裏から消えそうになかった。
あの清々しい朝の表情は、自分の心の中の見えない部分を動かしたと、ハニは気づいていないしスンジョさえも気づいていなかった。
遠くから聞こえてきた忙しそうに走ってくるハニの足音に気づくと、それまでとは反対に急ぎ足に変えた。

待って、待ってと言っている声も聞こえるが、聞こえないふりをしてハニの変わっていく表情を思い浮かべた。
小さい頃と変わらない表情に、頬の柔らかさ。
実際にハニの頬に手を触れたのは、小さい頃に秋桜の花の中で泣いているハニを可哀想に思って涙を拭いた時だった。

「ママに会いたい・・・・スンヨちゃんはママがいるけど、ハニのママはお空にいるから会えない・・・・」
「お空・・・・亡くなったの?」
「うん・・・・ずっと病気だったから・・・ママと一緒に外で遊んだこともないの・・・・」
白桃のような頬に涙が伝うと、そっと不備で拭った。
秋桜の花の中にいたのに、ハニの頬は白桃に見えた。
だから今でもスンジョは、白桃を見るとハニの涙を思い出し、秋桜の思い出はあの別荘での数日だった。

「やっと追いついた・・・はい、お弁当!おばさんが呼んでいたのに気づかなかったの?」
「どうせお前が持ってくると思っていたから。」
「私はスンジョ君の荷物持ちなの?」
「同居人だからな・・・・」
ハニにそう言えば怒ることは分かっていたし、怒らせたり泣かせたりするのが、なぜか楽しくて気持ちが軽くなった。
でも、いじわるするつもりは全くなかった。




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秋桜の丘で 82

就寝した時間が遅く寝不足なはずなのに、すっきりとした気分で目が覚めた。
自分の想いを全て書いた告白の手紙。
返事をまだ聞いていないどころか、その手紙をスンジョにも渡していなくても、それだけでも想いが伝わったような達成感があった。

制服に着替えて鏡を見ながら三つ編みを編みながら、寝不足によるクマができていないか確認をして、ニッコリと笑って部屋を出た。
きっとスンジョよりも早く起きたはずだと、つまらない優越感でスンジョの部屋を通り過ぎて階段を降りて朝食をするダイニングに向かった。

「おばさん、おみuはようございます。」
「ハニちゃん、おはよう・・・・ハニちゃんも今日は早いのね。」
ハニちゃんも?
朝食の場所にはグミとハニがいるだけだ。

背後から近づいてハニの横を通り過ぎると、スンジョは自分の席に着いた。
「スンジョ君・・・まだ眠っていると思ってた。」
「今日は木曜日だ。」
木曜日・・・・木曜日?木曜日って・・・・
「ゼロ時間授業の日だ。」
ゼロ時間って・・・・1クラスと2クラスの三年生だけが、通常授業の前に特別な授業を行っていた。
成績優秀者のいる1クラスと2クラスだけのこの授業は、7クラスのハニたちが、その授業を受ける権利はなかった。

「おばさん・・・私は・・・」
「7クラスのハニには無関係だ。」
「そうなの・・・」
ハニの存在など認めないように、スンジョは朝食を食べ始めた。
7クラスのハニには無関係な総長授業なら、木曜日に速い時間に登校する事は知らなくても当たり前だった。
いつも通りのメニューの朝食を摂って、一緒に登校したくないというスンジョは、ササっと朝食を終えると、玄関のドアを開けた。




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秋桜の丘で 81

「ん~納得は行かないけど、自分の思いは充分書けていると思う。」
ハニは丁寧に書き終わった手紙を折りたたみ、便せんと同じ封筒に入れた。
机の上の時計は日付が変わっている時間だった。
わずか一枚半の手紙を書くのに、随分と時間が掛かっていた。
国語の作文やレポートを書くのは苦手で、いつも学校に提出する時は期限ギリギリか過ぎていた。
それに比べれば、初めて書くスンジョへの手紙は早く書けたのかもしれない。

明日は学校。
学校で渡すのは、家以外で私がそばにいるのを嫌がるから学校では渡せない。
同居しているから渡すタイミングは、スンジョ君に片想いをしている女の子の中では一番多い。
私は学校のみんなが言うように、スンジョ君が好きになるタイプの女の子ではない。
どうせ片想いで終わるのなら、少しでも長く片想いでいたい。
同じ家に暮らしているから、スンジョ君が私の想いに応えてくれない事は分かっているけど、オ・ハニがペク・スンジョにどういう気持ちでいるのかだけでも知ってもらいたい。
いつまでもペク家にお世話になるわけにはいかないから、いつかあの時に気持ちを告白した人がいたなと思い出すだけでもいい・・・・

ハニはスンジョへの手紙を書きあげた事だけで満足する気分になっていた。
手紙を渡しても受け取るとも分からず、返事は貰えないかもしれなくても、ハニの寝顔は幸せな笑みを浮かべていた。

夢の中のスンジョは、数え切れないほどの秋桜が、鮮やかに咲いて秋の静かな風に身を任せるように揺れている中を歩いていた。
数日前に行った時のスンジョの表情だった。
家でも学校でも見せない、心を開いて穏やかな表情で話していた。
何を話しているのか、あの時何を話したのかさえ思い出せないが、夢の中でハニは幸せな時間を過ごしていた。



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秋桜の丘で 80

ハニは急いで部屋に入ると、机の引き出しを開けた。
この家にいて告白が出来るタイミングなんてあるわけがない。
それなら手紙を書いて・・・書いていつ手紙を書いても渡す事なんて出来るはずがない。
コッソリとスンジョ君がいない時に置いておくのなら、家の人に見つかる事も無いかもしれない。
取りあえず便せんでも見つけないと、手紙を渡すことも出来ないし、その手紙で私の気持ちを伝えることも出来ない。

メールで済ませるこの時代、手紙を書くための便せんなんて、いつ買ったのかさえ記憶が無い。
便せんが無いのなら、レポート用紙でもプリンターの用紙でも・・・・
課題のレポートを提出するために買ったレポート用紙はあったが、告白の手紙を書くにはつまらない。
それなら白いプリンターの用紙にイラストを描いて、告白をする文面を書いてもいい加減に思われてしまう。

女の子らしい物で何かないかと必死になって探すと、何年か前に父にあてた手紙を書こうと思って便せんを買った事を思い出した。
どこにそれをしまったのか・・・・・
ひとつだけ梱包を開けていない箱があった。

「会った・・・・・秋桜の花の絵が付いた便せんと封筒が、折れジワもなく買った時のままだわ。」
便せんのイラストが、別荘の秋桜と似ていたから、父に手紙を書こうと買った物だった。
机の上を奇麗に整えて、便せんが汚れないようにウエットティッシュで拭いて、そっと置くと深呼吸をした。

書き出しはどんな言葉にしようか。
どんなふうに気持ちを伝えようかと、ハニは目を瞑って天井を見上げたり、机の上に頭を置いてブツブツと独り言を言ったりしながら、勉強をする時間よりも長く、机に向かって手紙を書いていた。
手紙で相手に気持ちを伝え、それに応えてくれるとは思わないが、フラれるのならフラれるで諦める事が出来ると思っていた。



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