大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2022年07月

秋桜の丘で 19

昨夜のお誘いは楽しかったが半分とモヤモヤした気持ちが半分だった。
そのモヤモヤも二つのモヤモヤがあった。
ひとつは、あのかわいかったスンヨが憎たらしい嫌味な男に成長していた。
『仕返し』をするにはソウルの高校に行くしかないが、それを祖母にどう切り出していいのか迷っていた。
なぜなら、学校の勉強も熱心にしていなかった。
田舎の学校は普通に学校に通っているだけで成績になるのではないが、勉強を怠けているのに調子の良い事ばかりを口にする事は出来ない。

「ハニ、ボウッてしていないでテーブルを拭いて、ほら布巾を置いておくから急いでやるんだよ。」
店の手伝いをしていれば勉強をサボれるとは思っていないし、祖母も勉強をする時間を失くしても店を手伝わせる人ではない。
ソウルの高校に行くにも勉強をしなければ転入試験にも受からない。

「おばあちゃん・・・・」
「どうした?小遣いは決まった額しかやらないよ。」
「そうじゃないの。あのね・・・・三年生からソウルの高校に行ってもいい?」
祖母は驚いた顔をした。
「またお前の勘違いで何か仕出かしたのか?」
「違うよ。」
違うと言っても自分の学力はよく知っている。
田舎の高校で落第点が取れない成績でも、ソウルに行けば勉強に付いて行けるとは思えない。
「パラン大学に行きたいの。パラン高校からだったら推薦でいけるけど、受験をしてはとても行けそうにないでしょ・・・だから・・・」
田舎にいても仕事があるわけではない。
店を開いても儲かるほどの売り上げは無い。
この先この土地の発展は望めない事は充分に分かっている。
ハニの父も、将来を考えてソウルで店を続けているのだ。

「ねぇ、おばあちゃん・・・・転入試験を受けてもいい?」
祖母はハニが『仕返し』をするために転入したいと言っていると思っていない。
「ギドンに相談をしてから決めなさい。ばあちゃんはハニがソウルに行きたいというのは止めないよ。」


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秋桜の丘で 18

「ぶっ!」
「クスッ・・」
ハニはスンジョから一歩後退りした。
「何をするのよ。」
「豚まん・・・」
「豚まん?それはパンケーキじゃない。」
「お前がオレを笑わせようと、あの頃そうしたじゃないか。」
「え?あっ・・・・」

あの時に確かにパンケーキを口にペタッと当てて『豚まん』と言った記憶があった。
淋しそうにしていたスンジョを笑わせようと、頬を膨らませて焼き立てのパンケーキを当てた。
なぜ頬を膨らませる事で豚の真似をしていた。
そんな幼い頃の恥ずかしい思い出を、当人が忘れていたのにスンジョは覚えていたのだ。

「さっきのお前の顔・・・・豚よりもタコみたいだった。オレがキスするとでも思ったのか?」
「酷い・・・酷い・・・行き成り女の子の顔を覗き込んで、息を止めるしかなかっただけなのに・・よく笑ってそんなことが言えるわね。許せない・・・許せない・・・・」
「からかっただけでそんなに怒る事ないだろう。お袋や親父が懐かしんでお前たちを招いたんだ。オレにはあの頃の事は忘れたい事ばかりだから、のこのこやってくるお前に気分が悪いんだ。」
幼い頃のあの無口で寂しそうにしていたスンジョとはまるで別人のようだった。

「もう過去の楽しい思い出なんて消して、あんたに仕返ししてやるんだから。」
「できるのか?」
「できるわ。」
「オレはここでの静養期間が過ぎたらソウルに帰るんだ。その間に仕返しができなかったらどうする?」
こちらが言えばそれ以上に言葉に詰まるように聞いて来る。
この人はとても頭がいいのか、それとも心の奥から意地悪な人になったのか、口が達者なハニでも言い返す事がとてもできそうになかった。

「追いかけて行くから・・・」
笑いをこらえているスンジョの顔を見ると、憎しみよりもただの怒りだけが込み上げて来た。
「それならパラン高校に来るという事だな。」
「行くわ、絶対に転入試験を受けて三年生からパランに通うわ。」
ハニの声が大きかったのか、ウンジョがスンジョを呼ぶ声が聞こえると、そのままスンジョは笑いながら自分の部屋ではなくウンジョの部屋に入って行った。


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秋桜の丘で 17

穏やかなこの地も、薄暗くなると気温が下がってくる。
丘に咲いている秋桜も、長い期間咲いていてもあと数日もすると枯れていく。
別荘の持ち主のペク夫妻の希望で、種が落ちるまで刈り取られないから、毎年その種が目を出して花が咲いていた。
その年によって白が多かったり紫が多かったりしていても、ふもとから見上げる丘はとても綺麗な秋桜の絨毯だった。

なぜかハニが家の周りに出たくなったのか誰も知らないが、幼いころにこの別荘に泊まりに来た時に、ふっとスンジョがいなくなって探した時、裏手にある大木の下で膝を抱えて座っていた。
その位置は、スンジョの部屋の前。
出入りができるガラス窓ではなく、腰高の窓からスンジョが出ていたのか、薄暗くなるとその大木の陰に座っていると家の中から姿は見えない。

ハニだけが知るスンジョの秘密の場所だったのかもしれない。
そこに行くと、スンジョはいつも涙を浮かべていた。
『どうしたの?』と聞くと『ソウルに帰ったら、また一人ぼっちになる』と答え、顔をうつむいては二から隠していたが、膝を抱えている拳に涙が落ちていた。
『ハニがずっと付いているよ』と答えた気がした。
でもそれは幼い子供の言葉でしかなかった。

あった!あの頃より大木はどっしりとしていた。
近づく前に部屋から外をスンジョが見ていないかと確認しながら近づいた。
大丈夫・・・部屋から外を見ていない・・・
あの頃より背が高くなり、素敵な都会の男性になっていたスンジョに、ハニは一目惚れをしていた。
懐かしい大木の幹を触りながら、思い出に浸り大木の周りを回っていると、温かい物に触れた。

「えっ?」
視線を上にあげると、スンジョが少し意地悪な視線でハニを見ていた。
「どうして・・・」
「どうしてって、そっちが言うことか?小さい頃にオレの裸を見たし、成長したら体を触るのか?」
薄暗くてよかった。
顔が赤くなっていることに、ハニは気が付いたが、ここで言い負けているわけにはいかない。
「裸を見たって言ったって、お風呂に入っていた時でしょ?全部を見たわけじゃないし、私だって見られた。それに覚えていないからいいじゃない。」
大木の持たれていたスンジョが、幹から体を離してハニと向かい合わせに立った。
「残念ながら、お前はオレのすべてを見たし、オレはお前のお尻のほくろまで見た。一度記憶したら忘れることはないから、いまだに魘されるよ。」
ずいっとスンジョがさらに近づいてくると、恥ずかしさと逃げ出したい気持ちが表れていたが、動くことはできず体を後ろにそらした。

「それに・・・あの時のお返しをいつかしたいと思っていた。」
「お返しって?」
意地悪いスンジョの瞳が、さらに意地悪く光っていた。
いきなり顔が近づくとハニの唇に何かが触れた。



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秋桜の丘で 16

あの頃もここの別荘でたくさんの食事やお菓子を食べて一日を過ごした。
お母さんと一緒にお菓子を作る事は憧れていた。
おばさんは田舎に住む私たち子どもに、たくさんの楽しい事を教えてくれた。
「杏仁豆腐・・・美味しい・・・」
「あの時も杏仁豆腐が美味しいって言っていたわね。」
「おばさん、ここではこんなにおいしい物は食べられないです。ハニと一緒にソウルに行った時も食べたのですけど、それでもおばさんが作ってくれた杏仁豆腐が一番おいしいです。ねぇジュング・・・」

ジュングはジュリの話を聞いていなかった。
ハニは杏仁豆腐を愛しい物を見るような目で見ながら食べているが、時々その視線をスンジョの方に向けていた。
ジュングはそのハニを見ていて、ジュリの欠けた言葉に気づかなかったが、そんな事はいつもの事でジュリはまた杏仁豆腐を食べていた。

「ママ、退屈だから僕部屋に行ってゲームをするね。」
「いいけど、食べた食器は片付けて行ってよ。スンジョ部屋に行くの?」
スンジョは母の言葉に返事はしないで、弟と同じ方向に歩いて行った。
その姿を見て、ハニは幼いころのスンジョと変わらず何か寂しい気持ちがあることが伝わってきた。

「おばさん、スンジョ君って・・・・」
「ごめんなさいね不愛想な息子たちで・・・お客様がいらしているのにあんな不機嫌な態度を取るなんて本当に失礼な息子で・・・特にスンジョは・・・」
寂しそうなのはスンジョだけではなさそうだった。
母のグミも同じように笑顔の向こうに寂しさがあるように見えた。

リビングの大きなガラス窓の向こうに広がる秋桜は、風にゆらゆらと揺れていた。
暗い夜の背景に、その秋桜がリビングから漏れる光に照らされて、またそれも寂しそうに見えた。
ハニはスンジョの寂しそうな姿が気になり、スチャンやグミにジュリやジュングとの会話に気が向かなかった。

「どうしたの?」
それまで話の中心にいたハニが急に話さなくなったのをグミは心配して聞いてきた。
「何でもないです・・・家の周りも昔のままですか?」
「昔・・・って、ハニちゃんって面白いわね、十数年しかたっていないのに。」
「ママや・・・若い子たちにしたら、十数年でも昔になるよ。」
スンジョの両親はユーモアがあり、あの頃も確かこの二人の話に温かいものがあった。
自分には体験できない両親の愛情を、ここにいると感じられる。
「そうね、変わっていないわ。せっかくのココの景色と調和させたいから、多分ずっと変えないと思うわ。でも・・・どうしたの?」
「少し回ってきてもいいですか?」
「いいわよ。息子たちも部屋の電気を点けているし、ガーデンライトも点灯しているけど足元には気を付けてね。」



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秋桜の丘で 15

懐かしい話をグミから聞くと、思い出す事思い出せない事があっても楽しかった。
当時は幼心にも寂しくて誰かといつも一緒にいたかった。
長く病気で入退院を繰り返していた母は亡くなり、料理人だった父は休みの日には母の見舞いに連れて行ってくれ、毎日店の片隅で一人遊びをしていたハニにその埋め合わせに一日中そばにいてくれたが、寂しい気持ちには変わりはなかっ
母が亡くなってからは、幼い娘が一人で過ごすよりも、田舎の祖母の家でいつも誰かといられるようにと別々の生活を決めたが、祖母はずっと傍にいても寂しさは変わらなかった。
幼心に父に会いたい気持ち、母を亡くした孫を不憫に思う祖母に心配かけまいと、明るく過ごしていた。

田舎に来てすぐに同じ年齢のミナやジュリとジュングと友達になり、日中は楽しく過ごしていた。
秋桜の花が咲くころに、丘の別荘に来た家族は懐かしいソウルを思い出すからなのか、毎日遊びに来てはグミと一緒にいて母を思い出していたのか、自分と同じように心の寂しさを隠していたスンジョが気になっていたから別荘に頻繁に来ていたのかもしれない。


「このアイスクリーム、食べた事がないくらい美味しい!」
「そう?ジュリちゃん、まだあるから食べる?」
普段食べるアイスクリームとは違い、濃厚で上品な味だった。
ソウルに行きたい・・・・・
そんな風に思った時だった。
ジュングが話したのか、それとも美容師になりたいと言っていたジュリが話したのか聞いていなかった。

「ハニちゃんは、ソウルの大学に行きたいのね。」
「えぇ・・・でも、こっちの高校でもあまり成績がよくないから無理かも・・・無理だと思います。」
スンジョがクスッと笑ったのが聞こえた気がした。
「パラン高校に転校したら?パラン高校なら系列にパラン大学があるから、そのまま進めると思うわ。」
パラン高校は有名だった。
それ以上にパラン大学は学部学科が多く人気の大学。
憧れの大学に行けるのなら、とても嬉しい事だし、父と一緒の生活が始められる。



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