大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2022年03月

桜色の想い 72

ハニは休暇でジュングを帰って来るのを迎えるため、使用人たちに教えてもらいながら厨房で食器の準備をしていると、大きな声で話しながらジュングが顔を覗かせた。

「何か軽い食べ物とお茶を部屋まで持って来てくれないか?」
明らかにハニがそこにいる事を知っていたような、嬉しそうな様子にハニは緊張をした。
「ふたり分なふたり分・・・誰かに持って来させればいいから、ハニは私と一緒に部屋に行こう。」
早くこっちに来いというように手で招いていた。

「お嬢様・・・・」
行こうかどうしようか迷っていた。
ジュングはペク家にいた頃にもよく休暇になるとハニに会いに来てくれた。
人懐っこく笑う顔に悪い人ではない事が伝わり、大きな声は裏表がない性格だと分かる。
もしも、幼い時から知っている人なら、その気持ちを受け入れる事は出来たかもしれないが、ハニにはどうしてもスンジョ以外の人に、特別な感情が沸く事はなかった。

この人の妻になるのだと思うよりも、この人の妻にならなければいけないと言う思いの方が大きく、好きな人に嫁ぐという考えより、嫁いだら好きになるのかもしれないという考えに替えなければいけないという義務しか思いつかなかった。
早く早くとハニを手招いているジュングに、笑顔すら見せられないでいると、ミナがハニに近づいて小さな声で囁いた。

「お嬢様・・・行かれた方がいいと思います。私がそばにいますから・・・・・・」
気が進まないが、ここはポン家でペク家ではない。
「そばにいてね・・・」
手探りでミナの手を探して握ると、ゆっくりとハニはジュングの方まで歩いた。
「そんなに緊張をしなくてもいい。部屋の使い心地はどうだ?困った事はないか?」
「充分よくして頂いています。早く慣れるようにしようと思っています。」
「うんうん・・・生まれ育った家を出て日が経っていないから、寂しいと思うけどすぐに慣れるから。部屋は寝所を挟んで隣同士になっているけど、科挙の試験が合格するまでは祝言は挙げないし共寝もない。」
意外な言葉に驚いてジュングの顔を見ると、間近に顔があった事に顔が熱くなるように感じた。

「一目惚れをして、ずっとスンジョに妹が好きだと言い続けたけど無理強いはしたくないし、私を好きになってから夫婦になりたい。」
ホッとした半面、お互いの間に何も問題なければ婚約し結婚になる。
ハニの心の中の思いを知らないジュングな、ハニを喜ばせようと成均館での様子を話してくれた。


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桜色の想い 71

「ハナさんが長く生きられない事を強く感じたのは、いつものようにハニが生活をしていた離れに行った時『ハニの傍にずっといてね。私はもうすぐいなくなるのだけど、その時はハニを守ってね。独りぼっちになったら、ハニを守ってくれる人はいないの』その言葉はわずか5歳になるかならないかの子供にも理解できました。産まれた時からずっと一緒に育ち、生活する場所は違ってもハニは私を『お兄様』と呼び、私はハニを妹と思っていました。大切に守るのが兄の役目・・・・ハナさんが亡くなった時にハニは声が出なくなりました。声を出そうとして必死にしゃべろうとしていても伝わるのは心の声・・・・『私を一人にしないで』母親が亡くなれば、自分はこの屋敷で一人ぼっちになると思ったのでしょう。」


ギドンは目頭を押して泣きながら、黙ってスンジョの話を聞いていたが悔いの言葉をずっと呟いていた。
この人は随分と傷付いている。
祖母と両親は、この人にどんな言葉を言ったのか。
きっと、両親は祖母に従っただけだろう。
ハナさんへの想いは、きっと年数を経ても変わっていない。
あの話をして見よう。

「ユン妃をご存知ですね?」
急に話が変わった事に驚いた顔をした。
「ええ、私の作った料理をお気に召してくださいまして、時々菓子を作ってお届けしていますが・・・それが何か・・・」
「ユン妃から王様にあなたの作った菓子の話が伝わり、近々勅旨が来ると思います。」
ギドンは飛び上がって驚いた。

「滅相もない・・・私はそんな・・・何かの間違いでは・・・それに・・」
「ユン妃と繋がりのある方と縁がありまして。それを受けていただければ、私の祖母もあなたへの蟠りは残っていても、きっと認めてくれると思います。それも、あなたとハニの為なんです。」
この人は王からの勅旨に恐縮してしまうかもしれないが、王からの命なら断る事は出来ない。
ハニをギドンの娘となっても、王の後ろ盾があれば自分の考えている事に少し上手く進んでいく。
九に知った娘の存在に驚いていても、最愛の女性とよく似ているハニと暮らせば、この人の後悔はきっと消えるはずだ。


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桜色の想い 70

「私がどうすればよろしいのでしょうか。二度とお屋敷には近づかない約束をしました。」
ギドンは財産もなく何の力もない自分に、両班の息子の願いを助ける事など出来ないと思っていた。
一目見ただけで、その外見から漂う隙の無い優秀な両班の息子に何を助ければいいのか。

「妹を・・・ハニを娘として迎えてください。」

戸惑うギドンは、スンジョの力強い視線に合わせる事が出来ず膝の上の拳を見ていた。
「若様・・・私は小さな店で粥を作っている料理人です。娘の存在を知らなかったというのは、言い分けにすぎませんが、今まで両班の娘として何不自由なく暮らしていたのに、行き成り小さな店の料理人の娘として生活をするのは・・・・」

「ハニは確かに両班の娘として、不自由なく暮らしましたが、幼い頃の実の母を亡くした頃から以前の記憶がありません。病気の母から片時も離れず付き添っていました。物心ついた時に一度だけ『私にはお父様がいらっしゃらないの?』と聞いた事がありました。痩せた手で娘を抱きしめて泣く母を見てからは、父親の事を口にした事はありませんでした。私は記憶した事は忘れる事は出来ませんが、あの日のあの光景を見て、いつか妹の父親を捜すと決めていました。」

ギドンは泣いていた。
最愛の女性の最期も知らず、遠く離れた地でひっそりと暮らしていた時も、ハニと初めて対面した時に、漢陽を離れた時の最愛の女性ととても似ている事に、時の流れが止まっていたと思った。

「ずっと、ハナ様は両班の御子息に嫁ぎ幸せに暮らしていると思っていました。ハナ様の最期も若様はご存知ですか?」
「桜の花が散る日に、お気に入りの場所の桜の木の下で、最期を迎えました。看取ったのはたった一人・・・ハニだけでした。」
ギドンは嗚咽を漏らしていた。
そして、話しているスンジョも、あの日がついさっきのように覚えていて、泣いているハニが今目の前にいるような気がした。


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桜色の想い 69

初めて覚えた欲。
物欲は今までもなく、家族以外の人の事を気にした事も無く人生を過ごして来たが、初めて焦りと欲が自分も感じる事があるのだと知った。

最近になってやっと話をする事が出来たあの人は、自分の娘の存在を知らなかった。

「知らなかった・・・初めて店に現れた時、生涯忘れる事の出来なかった女性ととてもよく似ていると思った。年甲斐もなくお嬢様に会いたくて、漢陽の東の外れに住んでいるペク家としか聞かなかったのに、探してお屋敷に伺いました。まさかパルボク様の・・・息子様の屋敷とは知らず・・・」
最初に自分の素場をペク家から来たと話しただけで、ただひたすら謝罪の言葉を述べていた。
「知らなかったとはいえ・・・申し訳ございません・・・パルボク様との約束は守ります。もう二度とペク家の屋敷には近づきません。」

パルボクとどんな約束をしたのかスンジョは知らないが、この人のよさそうな男がハニの母をだましたとは思わなかったが、パルボクがどれほど姪のハナを可愛がっていたのかは、両親や祖母から話を聞いて知っていた。

「顔をあげてください。私はペク家の人間ですが、あなたに助けてもらいたくて来たのです。」
「なんと・・・」
ギドンは驚いたように顔をあげた。
「私はペク・スンジョ。パルボクの孫でペク家当主の長男のスンジョと申します。」
「パルボク様のお孫様・・・・若様を私が助けるとは・・・・」
こちらの様子を机を拭きながら窺っている手伝いのジュリを気になって見ると、ジュリは家に帰って休んで来ますと言って出て行った。

「妹と夫婦になりたいのです。」
「若様・・・そのようなお手伝いは・・・」
「妹・・・ハニはあなたの娘です。ハニも私を一途に想っているのですが、血の繋がりがないとはいえ兄妹なので、祖母の決めた相手に嫁ごうとしているのです。」
スンジョはあまり知らないギドンに、自分のハニへの想いを話す事にした。
こんな風に、自分の想いを叶えるために人に頼る事は考えた事はないが、そうでもしてハニを自分の元に戻るようにしたかった。


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桜色の想い 68

長期休暇で寮に残る学生は数人。
スンジョも休暇で家に帰る頃を決めた。
人づてに聞いたハニの実の父親について、それをハニよりも先に両親と祖母に伝えたかった。
ミナと一緒に始めて外出して屋敷に帰る途中に、路地を間違えて迷っていた時にハニの実の父親の店に行ってみようと思っていた。
まさかハニの方が先に会いに行くとは思っていなかった。
少しずつ分かって行く自分の出生について隠されていた事実に、きっとハニの性格を考えるとスンジョの考えている事がいい方向に進んで行く事は考えられなかった。

荷物をまとめて部屋を出た時に、ジュングがスンジョに声を掛けた。
「お前の妹のハニだけど。」
いつものようにハニに会いに行くというのだろうと思った。
「会いに行くのに私に言わなくてもいい。」
ジュングの口からハニの名前が出ると、自分の心を表しているのか少々ぶっきらぼうな言い方になる。
「そうか?まぁ、これからは帰ればいつも家で笑顔で迎えてくれるから、お前が会いたくなったらいつでも来てもいいぞ。」
「何だって?」
スンジョの驚いた様子にジュングは意外そうな顔をした。

「ポン家で生活をしているんだ。正式に妻になるのはまだ先だけど、名目は行儀見習いだ。科挙の試験を頑張れる気がするよ。じゃあ!」

待っていてくれると思っていた。
屋敷の外に出た事のないハニが、自分以外の男に嫁ぐ事はないと信じていた。
行儀見習いとして、他の両班の家に行く事は結婚を意味する事をハニは知らないのだろうか。
いや知っているはずだ。
知っていて行く事にしたのには、自分が思っている考えと同じだろうか。
懐に忍ばせていたハニから貰った手巾に手で探り取り出すと、それをきつく握りしめて屋敷に急いで帰り、両親にポン家に行ったハニの事で自分の考えを伝える事にした。


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