大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2022年01月

桜色の想い 18

スンジョが成均館の寮に入ってから幾日経ったのだろうか。
旅立ちの日は家族そろって見送ったが、ハニはスンジョの足元だけを見ていた。
スンジョが自分をどんな目で見ていたのか知らない。
知らなくても、いつも何も言わずに優しい眼差しで見守って来た時と同じ視線。
歩き出していく瞬間、懐からハニが黙ってスンジョのふみ机の上に置いた手巾が挟まれていた。
一人でスンジョの部屋を訪れて、ふみ机の引き出しを開けると許嫁から送られた手巾が残っていた。
兄の想いが急に桜の花の想いのような気がした。

報われる事はなくても、スンジョの想いが桜の花のように淡い。
ふとハニは遠い昔、たぶん物心つくかつかないかで記憶が無い時に、誰かが言っていたような気がした。
『多くを望んではいけない。その人が幸せなら、それは私の幸せなのだから』
それを自分に言われていたのではないと思うが、その言葉は何か特別に大切な人が言った言葉のような気がした。

「お嬢様・・・もうすぐ大奥様がいらっしゃいます。」
「そう・・・・」
初めての長期休暇でスンジョが帰って来るのに合わせて、祖母も屋敷に招いて食事をする事になっていた。
嬉しい反面、最近は少し優しくなった祖母に会うのが不安だった。
スンジョが成均館の寮に入り、ペク家の屋敷はウンジョとハニの二人の子供だけで、弟tのウンジョの世話をしているハニに何かを言う事はなかった。

屋敷に仕えている人たちの緊張した空気で、祖母が到着したのだろう。
急いで玄関まで行くと、母と父がウンジョを伴って迎えていた。

怒られる・・・・

「ハニ・・・・」
「はい・・」
「スンジョから手紙が来て、今日成均館の寮で一緒の人を連れて来るから、失礼がないようにしなさい。」
「はい・・・」
スンジョ以外の同年齢の人が訪ねて来る事はなかった。

「ご実家のお母様が赤ちゃんを出産されたばかりで、落ち着かないから数日泊まる事になっているの。」
何も聞かなくても分かっている。
表向きは実家に帰れないお兄様の友達をうちに泊めるのは、お兄様の友人なら問題ないからおばあ様がその人を見て、私の嫁ぐ相手に決めるのだ。
どんな人であっても、私の心はずっとお兄様に向いているのだけど、おばあ様には逆らえない。


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桜色の想い 17

なぜハニは離れで暮していたのかは、わずか3歳のスンジョには分からなかった。
生まれた時から一緒にいる妹だと、父と母からそう教わっていた。
双子の意味は物心ついた頃は知らなかったが、寝食以外はいつも一緒にいた。
一緒に遊ぶ時は、離れからハニが桜の木の下まで行き、先にいつも待っていた。
自分から離れに行ったのは、祖母のいない日の数回だけ。

離れは母屋と変わらないくらい陽当りはよかったが、自分と違いハニは誰かと一緒の部屋だった。
その人はいつも寝具に横たわり、何かの病気なのかいつも青白い顔をしていた。
どこかその人の顔はハニとよく似ていた気がした。
スンジョの事を『若様』と呼んでいたが、ハニの事は名前で呼んでいた。
ハニはその人を『お母様』と呼んで甘えていたが、あの頃は自分の母ファン・グミを『お母様』と呼ぶ事はなかった。

疑問に思っていたが、漢陽の中心から離れていたから、同年齢の子供との交流はほとんどなく、ハニと一緒にいる事が普通の事だった。
13歳になった今なら、あの時の疑問の答えははっきりと分かる。
ハニとは双子じゃない。
同じ日に生まれたのは事実かもしれないが、ハニと自分の母親は別の人だ。
それなら、父親は誰だろう。
あの離れの部屋で父親らしき人は一度も見た事がない。 おばあさまは

おばあ様は、あの頃はハニにも優しくしていた。
あのハニと一緒の部屋にいた人は、おばあ様にとってどういう方なのか、いつか知らなければいけないが、今の自分にはそれを知る事どころか、ハニを一生守る事など出来ない。
あの日父に言った時の気持ちは、今も変わらず本心から。
ユン家のヘラと許嫁になったのは、兄妹では結婚できないのならハニが嫁ぐ相手がいい人であるようにと願うしかない。

まだ13歳で何もできないけれど、他の方法がある事もよく知っている。
ハニの本当の両親がどういう人なのか、いつか必ずそれを聞かなければいけない。
桜の花は自分にとってハニを表す。
最近は近くで話をする事も無くなり、笑顔も見せなくなってしまったけれど、成均館に入りしばらく会う事は出来ないが、必ずハニがあの頃のように幸せな笑顔で自分を見てくれる日があるはずだ。


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桜色の想い 16

「お嬢様・・・湯からもう出られた方が・・・・・」
ハニは気持ちが沈んでいた。
「お母様に伝えたのよね・・・・きっとすぐにおばあ様にも知られてしまうわね。」
「おめでたい事ですから。」
ミナは私の心を知らない。
お兄様に許嫁がいる事だけでも、一生悲しい思いを抱えて行かなければいけないのに、両班の家に嫁ぐか宮殿に上がるか決めなければいけないなんて・・・・

「お嬢様・・・あまり長く入っているとのぼせてしまいます。」
「分かったわ・・・」
10歳になるまでは大人になるのが待ち遠しかった。
10歳になってしばらくした時に、大人になりたくないと思った。
「お嬢様、分かっています。でも、ご兄妹ではどうにもならないです。」
ミナに言われなくても分かっているけど、どうしても諦めがつかない。

「ミナ・・・私決めた・・・」
「決めたって・・・・」
「両班の家に嫁ぐか、宮殿に上がって女官になるか・・・」
兄との未来が叶う事がないのなら、こうする方が私は耐えられる。

身体を拭いて新しい衣に着替え、髪を奇麗に整えると、ハニは決心したように顔の表情を変えた。
庭の桜の木の下でスンジョがたたずんでいる事など、ハニ気が付く事なく決心が揺らがないうちに両親に自分の決心を伝えに行った。



桜の木の下のスンジョは、手巾を持ってそれを眺めていた。
明日はこの屋敷を出て行く。
ハニの為に今まで自分の気持ちを押さえてきたが、ミナが母に伝えた事を聞いて冷静ではいられなかった。
あの時、両親の前で挨拶をしていなければ、科拳に受かったら自分の考えを伝えるつもりだった。
祖母がハニと自分がいつも一緒にいる事を心配していた。
ハニに辛く接している理由もスンジョは知っていた。
10年前のあの時はまだ3歳だったが、ハニのあの泣いている顔は忘れる事はなかった。
あの日も今日のように桜が満開で、枝の間から温かな陽が差し込んでいた。

「お母様・・・お母様・・・・ハニの方を見て・・・お母様・・・・」
涙で汚れた顔で、スンジョを見つけると大きな声で泣きだした。
生まれた時から一緒に過ごしていた。
母屋で過ごす自分と、離れで過ごすハニは、同じ日に生まれた時から一緒に育って来た。
だからあの日のハニの泣いている顔を見たら、一生守って行こうと決めていた。

「父上、ハニは僕が一生守りますから、母屋の僕の部屋の隣に移してください。」
父は迷っていたが、反対する祖母を説得してくれた。
一生守りたいハニの為にハニだけを見て来たが、ペク家を継いでいくためには乗り越えなければいけない思いもあった。

ハニは知っているだろうか、自分の桜色も想いを・・・・

手巾の桜の刺繍を指でなぞりながら、スンジョはハニを思っていた。


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桜色の想い 15

手巾は金糸銀糸がふんだんに使われ刺繍が施されていた。
「お兄様は鷹ではないわ。」
金糸銀糸の鷹は今にも獲物に飛び掛かり仕留めようとしている姿だった。
「何も知らないのに・・・・」
ハニの大きな目から涙がポタリと落ちた。
手巾をミナが手に取り、丁寧に畳むと引き出しに納めた。

「高価な糸でも、気持ちが入っていなければ意味はないです。お嬢様などなたに差し上げる物でも、人張り人張り思いを込めていらっしゃるので、こう言った物とは比べようがありません。」
「ありがとう・・・・」
ミナの言った言葉は、お世辞でもなく本心だ。
ハニが刺繍をした物は、あの気難しい祖母でも認めていた。
自分で刺繍をした手巾を踏み机の上に文を添えて置いた。
「お兄様・・・・もう私はここには来ません。いくら双子の兄妹でも、許嫁に申し訳がないから・・・」

兄と妹でなければよかったのに・・・・と何度も布団に横になるとそう思い涙を流した。
似ていない双子、似ていないから本当は双子ではないのかと人から聞かされることはなかったが、スンジョの優秀な頭脳や武術に、お稽古事が苦手なハニはよく思っていた。

ハニがスンジョの部屋を訪 れてから、ペク家では双子が並んでいる姿を誰も見る事は無くなった。
成均館に入るためにスンジョは日々熱心に勉強や武道で忙しく、ほとんど屋敷にいる事がなかった。
ハニは一人で桜の木の下で過ごす事が多く、いつも遠くを見て涙を流していた。

明日の朝にはお兄様は行ってしまう。
きっと私は、お兄様がいない間にどこかに嫁いで行くのね。

「お嬢様・・・・もうすぐ大奥様がいらっしゃいますので、ここに居られたら叱られてしまいます。」
「そうね・・・・」
土の上に直に座っているのを祖母が見たら、今度は部屋から出してもらえない。
急いでハニは立ち上がると、チマに付いている土を払い落した。
「お嬢様・・・具合は悪くないですか?」
「悪くないわ・・・おばあ様がいらっしゃるから少し緊張しているだけ。」
ミナは満面な笑みでハニの両手を握った。
「おめでとうございます。」
「え?」
「お部屋に行って着替えなければ・・・・」
何がどうなったのかよくわからず、ただミナに手を引かれて連れて行かれるのに従った。


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桜色の想い 14

母の温かい温もりは、この数年よりもこの数日が寒かったハニの心を温かくしてくれた。
わずか10歳の双子が負った運命は、あまりにも重い物かもしれない。

「桜の花ですか?」
「桜って分かるの?」
淡い桜色の糸は、光の加減で白くキラキラと輝いていた。
「お嬢様の刺繍は、あの大奥様もお褒めでしたよ。」
「ミナ、あの大奥様もって・・おばあ様の耳に入ったら私が叱られるわ。」
「大丈夫です。大奥様は今日はいらしていませんから。」

ハニの母のグミは刺繍はしない。
誰に似たのか、ハニは刺繍の手ほどきを受けてからひと月も経つと、簡単な図案も奇麗に仕上げていた。
桜の花はハニにとって特別な花だった。
悲しい事があればいつも桜の木の下にいた。
そこにいれば大好きな兄が励ましに来てくれる。

ヒラヒラと舞う桜の花びらの下で、本を読んでいる兄の傍にいるのは好きだった。
10歳の春の日は兄と過ごした最後の季節になったのかもしれない。

「お嬢様、若様は部屋に居られないようですよ。」
「分かっているわ、さっき馬の練習に言ったのを知っていて来たのだから。」
スンジョは私物を自分で管理している。
誰かがそれに触れれば気が付いてしまうから、両親でさえスンジョの部屋の物に触れたことはなかった。
当たり前のように以前は入っていた部屋が、今は入る事を拒まれているようにさえ思った。

「何を探してられるのですか?」
「あの手巾よ。」
「手巾を探されてどうするのですか?」
探してどうするのか考えた事がなかった。
私が作ったものとどちらが綺麗に出来ているのか知りたいだけ。
勝手に捨てたりしたらお兄様に嫌われてしまう。
手巾は割とすぐに見つかり、文た机の上に乗せると丁寧に畳まれていた物を広げてみた。



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