大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2021年12月

逢いたくて 88

スンハ・・・・もっと早くブランコを点検しておけば、こんな目に遭う事はなかった。
目を開けてくれ・・・
アッパと大きな声で呼んでもいいから・・・

スンジョの心の声が聞こえたのか、それともハニの心の声が聞こえたのかスンハはゆっくりと目を開けた。
「スンハ!?」
「オ・・・・オン・・・・マ・・・・・ごめんなさい・・・・・オンマのブランコ・・・・壊しちゃった・・・・」
「オンマこそゴメンね・・・・ブランコが壊れそうなのに気が付いていなかったの・・・・スンハ・・・・」
「スンハ、判るかアッパだ。直ぐに良くなるからもう少し我慢をするんだよ。大きい病院に行って治してもらうから、それまで頑張るんだぞ。」
まだ小さなスンハは、スンジョとハニが揃って自分を心配してくれるのが嬉しいのか、にっこりと笑いスンジョの大きな手を、血と泥で汚れた小さな手で握った。

暫くすると、裏の勝手口に通じる扉が開いた音が聞こえた。
誰かに聞いたのか、ギミが息を切らして三人に走り寄った。
「ペク先生・・ハニ・・・いったいどうしたんだ?」
「ブランコの鎖が切れたんです。頭を少し切っただけで、傷は大したことがないと思いますが、全身を強く打撲し、頭も打った可能性があるので設備の整った病院で検査をして来ます。」
「ペク先生、ハニとスンハを頼みます。」

救急要請したヘリが到着すると、いつもの冷静なスンジョに戻っていた。
事故に遭った時の状況とスンハの様子を簡単に説明をした。
「ここから一番近くて設備のある病院へ。」
「ペク先生・・・・実はここから一番近い病院は、高速道路の事故で多数の負傷者を搬送して手一杯なんです。」
スンジョは医師としてスンハの父親として、頭を整理しながら携帯を手にした。
ハニの前では平気な顔をしているが、ハニが大切に育てた自分の娘が頭から血を流して、小さな顔にこびり付いた血が、心を穏やかにすることが出来なかった。

「ナ医師ですか?ペク・スンジョです。先生の今日の予定は・・・・・・・・そうですか。実は娘が・・・・オレの娘が怪我をして・・・・・・詳しい事はそちらに行ってから・・・・・・怪我の状態は、頭を投打・・・・全身打撲・・・・骨は折れていないです。出血も中量・・・・・・・お願いします先生・・・・今から直ぐにヘリで向かいます。」
電話を切ってスンジョはハニとスンハとヘリに乗り込むと、心配そうに見ているギミに留守にしている間の事を頼まなければいけない。

「ギミさん・・・オレはすぐに戻ります。ハニとスンハは多分暫く向こうにいることになります。オレが戻って来るまでの留守の間、代わりの医師がすぐに来れるように手配済みですから、急患が来た時に待ってもらう様にお願いします。」
急患は来ないとも言い切れない。
ここから一番近い島の病院から来られるのは内科の医師だが、診療所に医師が不在の時間を長くするわけにはいかない。
ヘリのプロペラの音で消えそうな声をギミは聞き取っていた。
「病院は・・・・パランです。ギドンさんに連絡をしてください。」
それだけ言うと、ヘリは上昇してパランに向かって飛んで行った。


人気ブログランキング

逢いたくて 87

前日までと違うのは、ハニと自分の距離感だけじゃなくスンハが以前に増して明るくその場にいない誰かと話している会話が楽しそうになった事。
スンジョはそのスンハを見ながら、ハニにもう一度確認をするように結婚の意思を聞いた。

「きちんと結婚をして、スンハをオレの籍に入れてオ・スンハとしてではなくペク・スンハとして生活をさせてあげたいと思わないか?本来なら幼稚園に行って元気に友達と遊ぶのが普通だろ?週に何度か半島の幼稚園に行くのではなくて、毎日ペク・スンハとして育ててあげたらどうだ?」
一人遊びをしているスンハを見ているスンジョの後姿に、まだ決心が付かないハニが口を開こうとした時に、いつもよりもブランコの軋む(きしむ)音が大きく嫌な音とともに、スンハの大きな泣き声が診療所の診察室の中まで響いた。

スンジョは声が出なかった。
揺れながらガクンとしたブランコは、高い位置からスンハが地面にたたき落とした。
どこから庭に出たのかスンジョは恐らく覚えていないくらいに、真っ青な顔をして地面に横たわっている幼いスンハを見た。

「スンハ・・・・」
そっと身体を起こすと、今朝一緒に風呂に入った時のスンハの体がズッシリと重く感じた。
怪我をした幼い子供に触れた事はあったが、今の自分は医師としての感情よりも冷静でいられない親の気持ちが理解できた。
「ハニ・・すぐに救急ヘリを呼んで、診療所にある生理食塩水の用意を・・・・」
駆け寄って来たハニにそう叫んだが、これまでスンハの成長だけを糧に過ごして来たハニが冷静でいられるはずはなかった。
スンジョに抱かれているスンハの顔に震える手で触れようとしているハニは何も聞こえていなかった。

「スンハ?・・・・・スンハ!!」
「揺するな!頭を打ったかもしれない・・・・止血用のガーゼと包帯に診療所にある生理食塩水を全部と、救急ヘリを要請するんだ!!・・・・ハニ・・ハニ?」
ダメだ・・・ハニのやつ頭が真っ白になっている。
ギミさんは、さっきスエさんと近くの店に買い物に出て行ったか・・・・

思わずオレはガタガタ震えているハニの頬を叩いた。
「しっかりしろ!!!お前は看護師でスンハの母親だろ!!!オレのズボンのポケットから、携帯を出して救急ヘリを呼べ!それから生理食塩水を診療所に有るだけ全部持って来て、泥が付いている傷口を洗って、まずは止血だ。」
ハニに言った言葉はオレ自身にも言った言葉だ。
この島に来てから一緒に過ごしている時間しかなくても、我が子がぐったりしている姿を見るとこれほど動揺するとは思いもしなかった。
診察室にふら付きながら走って行くハニの後姿を見ながら、時間が止まってしまうくらいに動いていないように思えた。


人気ブログランキング

逢いたくて 86

ずっとお互いの肌のぬくもりを感じながら、子供みたいに笑いながら一晩中話をしているうちに、どちらが先か知らないうちに眠っていた。
振っている音も気にならなかったのは、心の隔たりが無くなったのもあったが雨が次第に止み始めていたからだろう。
日付が変わり朝陽が小屋の隙間から入る頃には、あの雨が嘘のように爽やか天気だった。
キスをしただけなのに、初恋を実らせた高校生のような気恥しさがあったが、診療所に帰る道はずっと手を繋いで歩いた。
島の誰かに会うのじゃないかと思わなかったわけではないが、五年ぶりに繋いだ手をもうお互いに話したくなかった。

帰る事が出来なかった二人の為に遅くまで起きていたギミが、雨で濡れた身体で帰って来る二人の為に部屋の中を温かくしてくれていた。

「おばあちゃん?おばあちゃん・・・・・・ただいま。今、帰って来ました。」
ハニが声を掛けると、台所から熱いお茶を運んできた。
「お帰り、ペク先生・ハニ。熱いゆず茶を入れたから飲みなさい温まるから。お風呂も沸いているからお茶を飲んだら入るといい。」
「ありがとうございます。ハニ・・・・・先に入って来いよ。」
スンジョのその言葉にハニは嬉しそうな顔をした。
「ううん・・・スンジョ君が入って来て。診療時間前に患者さんが来るかもしれないから。」
スンジョ君・・・・・・・ハニがそう呼んだ時、ギミは二人の隔たりが無くなったことに気が付いた。

ギミがハニに何かを言って、ハニは恥ずかしそうにそれに応えていた。
その光景がスンジョに、心の安らぎが訪れて来たと思うと共に、ハニの深い悲しみが消え始めている表れだった。
温かい湯がたっぷりと入っているバスタブに浸かっていると、浴室のドアが少しだけ開きスンハが顔を覗かせた。
「アッパ・・・オンマを守ってくれてありがとう。」
「どういたしまして。」
嬉しそうなスンハのその表情に、スンジョは『これで良かった』と思った。
「スンハもアッパと一緒にお風呂に入っていい?」
「いいよ。」
応えるが早いかスンハは急いでパジャマを脱ぐと、飛び込んでくるようにスンジョが入っているバスタブの中に入ると細い腕をスンジョの首に巻き付けるようにして耳元で囁いた。

「スンハ・・・・お姉ちゃんになれる?」
「あぁ・・・なれるよ。」
「いつ?来月?」
「そんなに早くは・・・・でも、スンハが小学校に入るまでには・・・なれるといいね。」
スンハの望みが出来る限り早く叶えてあげるためには、休暇がとれるようになったらハニとスンハと一緒にソウルに行ってギドンに認めてもらわなければならない。




人気ブログランキング

逢いたくて 85

スンハが産まれた時のことを知りたかった。
自分はあの頃は心が荒んでいた。
おじさんに何度もハニがいる場所を聞きに行っても、雑談には変わらず応えてくれたのに教えてくれなかった。

スンジョの胸に抱かれているハニは、スンハを産んだ時のことを話し始めると少しずつ身体の緊張が解けて行った。
その時の様子は想像したくても傍にいなかったから見当もつかないが、ハニが細かく話してくれるからきっとそのままなのだろう。
五年前なだけなのに、思い出が多すぎるのか、時々話が前後して混在している事もあったが、それはそれでハニらしくて、次から次に出て来る言葉よりもその唇がスンジョには魅力的に写っていた。
そのハニの唇に触れたくて、スンジョは言葉を遮るようにまたキスをした。

「私・・・・本当は、スンジョ君に逢いたくて・・・・離れたくなくて、最後に会ったパランで、そのままスンジョ君と、どこかに逃げて行きたかった・・・・でも・・でもその時、スンハが私を呼んだ気がしたの・・・私は、お母さんなのに自分の子供の事を忘れて・・・」
ハニも逢いたかったと知る事が出来て、ハニとスンハの三人で人生を過ごす決意が固まった。
オレだってどれだけハニに逢いたくて仕方がなかったか、その想いのすべてをこれからの生活に浸かって行きたい。

「なぜ、妊娠が判った時にオレに言わなかったんだ?オレが見合いをして、ヘラと婚約していたからか?それとも、オレと別れたのだから子供を諦めろと言うと思ったのか?」
「ううん・・違う・・・・だって、スンジョ君はヘラと婚約したんだもの・・・・婚約者以外の女性が、妊娠したら・・・・・・・」
思った通りだった。
ハニはどんな時もオレに迷惑を掛けたくないと思っていた。
ヘラと婚約をしていても、オレがせっかく宿った命を堕ろせと言うと思ったのだろうか。
医学を志す人間がそんなことを言うはずはないのに・・・・・

「バカだな・・・・・本当にお前はバカだな・・・・・・・」
「私は・・バカだもの・・・・・」
違うよ、オレがバカなんだよ。
ハニの事が大切で、ずっと一緒にいたいと思っていたのに何も考えていなかった。

オレの胸に頭を預けているハニが愛しくて愛しくて、自分の本当の心が戻って来たようでずっしりと重かった心が軽くなって来た。
「ちゃんと今度は本当の結婚しようか?親父とお袋とウンジョとおじさんだけの参列者でもいいから、スンハが誰の目も気にしないで、オレの事を気兼ねをしないでアッパと言えるように。」
「私がスンジョ君と結婚したら、迷惑になるよ。スンジョ君は、立派なお医者様になる人だから・・・・・・ううん、ならないといけないの。」
「ハニが、オレの隣にいてこそ一人前の人間になれるんだ。立派な医者にならなくても、ハニが認めてくれるだけでいい。スンハとハニと三人で・・・・いや、結婚したらスンハの兄弟だって出来る。オレ達の家族が幸せに暮らせれば、それだけでいいのじゃないかな。オレがオレらしくいられるように・・・そして、ハニがハニらしくいられるように・・・・・・ん?ダメか?」

考え込んでいるハニを覗き込むようにハニの目を見つめる。
「でも・・・・・・・・・・」
「ハニはオレ以外の男は好きになれないだろ?それとも、ハニを好きでいてくれた、キム・ジョンスと結婚するのか?」
恥かしそうに首を横に振ったハニは、オレと付き合い始めた頃のハニのままだった。


人気ブログランキング

逢いたくて 84

寒い・・・このままじゃいけない

濡れた身体はドンドンと体温が奪われ、我慢できなくなり始めていた。
隣にいるハニは歯をガチガチとさせ、焚いている火の明るさでも分かるくらいに顔色が悪くなっていた。

「バレンタインの雨の日の時を思い出すね・・・・・・・」
「・・・・・・・ハニ・・・・・・肌を合わせて温まろう。」
「・・・・・・・・・・」
「何もしないから・・・ただ温まるだけ・・」

ハニが唾をごくりと飲む音が聞こえた。
バレンタインの雨の日を思い出したのはスンジョも同じだった。
でも今はその時以上に、ハニもスンジョも緊張をしていた。
同じことを思い出していたのがお互いに伝わったのか、顔を見合わせて噴き出して笑った。
「一緒だ・・・・・・でも、あの時と状況も違うし、このままでは体温が下がって二人とも肺炎になる。」
コクリと頷いてハニはスンジョが開いた毛布の中に入って来ると、すっぽりとその場所がハニの居場所の様に納まり、二人の毛布を二重に掛け合わせて包まった。
「温かい(あったかい)・・・・・さすがスンジョ君・・・・・もう、温かくなって来たね。」
お互いの速く打っている鼓動が伝わって来る。
何年かぶりに合わせた肌と肌、ハニだけではなくスンジョも緊張していた。

ダメだ・・・・ハニと愛を確かめ合っていたあの時を思い出してしまう。ハニの肌がオレの押さえている理性を狂わせそうだ。
炎を見ているハニの顔はほんのりと赤みがさして来ていた。
間近で見るハニの顔にそっとスンジョは顔を近づけて、ふっくらした唇に五年ぶりに触れた。

身体は冷えているはずなのに、じわじわと暖かく感じた。
そっと目を開けるとハニの目尻から涙が流れて来ていた。
唇をそっと離すと、ハニは流れている涙を拭った。
今までとは違うハニの表情に、もしかしたらハニが心を開き始めたのかもしれない。

「どうかしたのか?」
「スンハを産むときの事を思い出したの。」
「オレとキスをしている時に?」
心が深く傷つき不安な状態で、オレにも告げずにスンハを産んだ時の事を聞きたかった。
聞いてもその時に戻れることはないが、オレの知らない時間を知りたい。
スンジョは思い切って聞く事にした。
「教えて、スンハが産まれた時の事。」

人気ブログランキング
ギャラリー
  • お知らせ
アーカイブ
美容室美容院レーシックfx 口座開設美容整形キャッシング
デリヘルデリヘル 求人里親 募集求人情報美容室裏dvd保険出会い出会いエステ美容整形クレジットカード消費者金融
アクセスカウンター
キャッシング社長ブログseothink tank医薬品 買取ブログパーツお見合い結婚相談住宅ローン
アルバイト情報海外サーバー海外サーバーアクセスカウンター無料ブログカウンターオンラインカウンター借金時計ページランクアダルト動画
アダルト動画 比較裏dvd裏dvddvdレンタル 比較有料アダルト動画 比較月額アダルト動画 比較出会い系サイト 比較ライブチャット 比較裏dvd
ブログカウンター無修正dvdフェラチオキャバクラデリヘル風俗
無料カウンターデリヘル 求人高級 デリヘルキャバクラ 求人借金時計プロバイダ 比較ウォーターサーバー 比較レンタルサーバー 比較クレジットカード 比較生命保険 比較
etcカードエステ脱毛インプラントホームページ製作ドメイン取得化粧品 サンプル自動車保険 比較学資保険 比較おまとめローン 比較キャッシング 比較証券会社 比較fx 比較fx口座開設 比較
無料アクセスカウンターフレッツ光 auひかり 比較fx 初心者誕生日 プレゼント
東京 デートスポット消費者金融 一覧銀行 口座開設アクセスカウンター無料カウンターページランククレジットカード ランキング生命保険 ランキング自動車保険 ランキング学資保険 ランキング育毛剤 ランキング証券会社 ランキングプレゼント ランキングクレジットカード おすすめ
bto パソコンエアコン 工事エアコン クリーニング給湯器 交換犬 里親猫 里親エアコン 取り付けエアコン 取り外しガス給湯器 交換ホストクラブ新宿 デリヘル新宿 デリヘル歌舞伎町 キャバクラ渋谷 デリヘル


バラが降るオルゴール


  • ライブドアブログ