スンハ・・・・もっと早くブランコを点検しておけば、こんな目に遭う事はなかった。
目を開けてくれ・・・
アッパと大きな声で呼んでもいいから・・・
スンジョの心の声が聞こえたのか、それともハニの心の声が聞こえたのかスンハはゆっくりと目を開けた。
「スンハ!?」
「オ・・・・オン・・・・マ・・・・・ごめんなさい・・・・・オンマのブランコ・・・・壊しちゃった・・・・」
「オンマこそゴメンね・・・・ブランコが壊れそうなのに気が付いていなかったの・・・・スンハ・・・・」
「スンハ、判るかアッパだ。直ぐに良くなるからもう少し我慢をするんだよ。大きい病院に行って治してもらうから、それまで頑張るんだぞ。」
まだ小さなスンハは、スンジョとハニが揃って自分を心配してくれるのが嬉しいのか、にっこりと笑いスンジョの大きな手を、血と泥で汚れた小さな手で握った。
暫くすると、裏の勝手口に通じる扉が開いた音が聞こえた。
誰かに聞いたのか、ギミが息を切らして三人に走り寄った。
「ペク先生・・ハニ・・・いったいどうしたんだ?」
「ブランコの鎖が切れたんです。頭を少し切っただけで、傷は大したことがないと思いますが、全身を強く打撲し、頭も打った可能性があるので設備の整った病院で検査をして来ます。」
「ペク先生、ハニとスンハを頼みます。」
救急要請したヘリが到着すると、いつもの冷静なスンジョに戻っていた。
事故に遭った時の状況とスンハの様子を簡単に説明をした。
「ここから一番近くて設備のある病院へ。」
「ペク先生・・・・実はここから一番近い病院は、高速道路の事故で多数の負傷者を搬送して手一杯なんです。」
スンジョは医師としてスンハの父親として、頭を整理しながら携帯を手にした。
ハニの前では平気な顔をしているが、ハニが大切に育てた自分の娘が頭から血を流して、小さな顔にこびり付いた血が、心を穏やかにすることが出来なかった。
「ナ医師ですか?ペク・スンジョです。先生の今日の予定は・・・・・・・・そうですか。実は娘が・・・・オレの娘が怪我をして・・・・・・詳しい事はそちらに行ってから・・・・・・怪我の状態は、頭を投打・・・・全身打撲・・・・骨は折れていないです。出血も中量・・・・・・・お願いします先生・・・・今から直ぐにヘリで向かいます。」
電話を切ってスンジョはハニとスンハとヘリに乗り込むと、心配そうに見ているギミに留守にしている間の事を頼まなければいけない。
「ギミさん・・・オレはすぐに戻ります。ハニとスンハは多分暫く向こうにいることになります。オレが戻って来るまでの留守の間、代わりの医師がすぐに来れるように手配済みですから、急患が来た時に待ってもらう様にお願いします。」
急患は来ないとも言い切れない。
ここから一番近い島の病院から来られるのは内科の医師だが、診療所に医師が不在の時間を長くするわけにはいかない。
ヘリのプロペラの音で消えそうな声をギミは聞き取っていた。
「病院は・・・・パランです。ギドンさんに連絡をしてください。」
それだけ言うと、ヘリは上昇してパランに向かって飛んで行った。

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目を開けてくれ・・・
アッパと大きな声で呼んでもいいから・・・
スンジョの心の声が聞こえたのか、それともハニの心の声が聞こえたのかスンハはゆっくりと目を開けた。
「スンハ!?」
「オ・・・・オン・・・・マ・・・・・ごめんなさい・・・・・オンマのブランコ・・・・壊しちゃった・・・・」
「オンマこそゴメンね・・・・ブランコが壊れそうなのに気が付いていなかったの・・・・スンハ・・・・」
「スンハ、判るかアッパだ。直ぐに良くなるからもう少し我慢をするんだよ。大きい病院に行って治してもらうから、それまで頑張るんだぞ。」
まだ小さなスンハは、スンジョとハニが揃って自分を心配してくれるのが嬉しいのか、にっこりと笑いスンジョの大きな手を、血と泥で汚れた小さな手で握った。
暫くすると、裏の勝手口に通じる扉が開いた音が聞こえた。
誰かに聞いたのか、ギミが息を切らして三人に走り寄った。
「ペク先生・・ハニ・・・いったいどうしたんだ?」
「ブランコの鎖が切れたんです。頭を少し切っただけで、傷は大したことがないと思いますが、全身を強く打撲し、頭も打った可能性があるので設備の整った病院で検査をして来ます。」
「ペク先生、ハニとスンハを頼みます。」
救急要請したヘリが到着すると、いつもの冷静なスンジョに戻っていた。
事故に遭った時の状況とスンハの様子を簡単に説明をした。
「ここから一番近くて設備のある病院へ。」
「ペク先生・・・・実はここから一番近い病院は、高速道路の事故で多数の負傷者を搬送して手一杯なんです。」
スンジョは医師としてスンハの父親として、頭を整理しながら携帯を手にした。
ハニの前では平気な顔をしているが、ハニが大切に育てた自分の娘が頭から血を流して、小さな顔にこびり付いた血が、心を穏やかにすることが出来なかった。
「ナ医師ですか?ペク・スンジョです。先生の今日の予定は・・・・・・・・そうですか。実は娘が・・・・オレの娘が怪我をして・・・・・・詳しい事はそちらに行ってから・・・・・・怪我の状態は、頭を投打・・・・全身打撲・・・・骨は折れていないです。出血も中量・・・・・・・お願いします先生・・・・今から直ぐにヘリで向かいます。」
電話を切ってスンジョはハニとスンハとヘリに乗り込むと、心配そうに見ているギミに留守にしている間の事を頼まなければいけない。
「ギミさん・・・オレはすぐに戻ります。ハニとスンハは多分暫く向こうにいることになります。オレが戻って来るまでの留守の間、代わりの医師がすぐに来れるように手配済みですから、急患が来た時に待ってもらう様にお願いします。」
急患は来ないとも言い切れない。
ここから一番近い島の病院から来られるのは内科の医師だが、診療所に医師が不在の時間を長くするわけにはいかない。
ヘリのプロペラの音で消えそうな声をギミは聞き取っていた。
「病院は・・・・パランです。ギドンさんに連絡をしてください。」
それだけ言うと、ヘリは上昇してパランに向かって飛んで行った。

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