大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2021年08月

逢いたくて 17

ハニを見失った時に、すべての音がスンジョから消えた気がした。

どこにいるんだ・・・ハニ・・・

そう声に出して呼んだが、人が多くて声がかき消された。
見失ったハニをやっと見つけた時、スンジョが辿り着いたホームは、ハニの乗る電車の反対側のホーム。
一瞬、ハニの目と合い見つめ合ったが、ホームに入って来た電車にハニはそのまま乗ってしまった。
電車の停車時間は僅か5分。
急いで反対側のホームにスンジョは行くが、行った頃には電車は走り出していた。
ハニが乗った辺りの車両を必死に探しても、焦るだけで姿を見つからない。
声に出してハニを呼んでも、ハニがどこにいるのか判らない。

動き始めた電車のスピードが上がった時に、やっとハニを見つける事が出来てその顔を見る事が出来た。
ハニは目にいっぱい涙をためていたが、必死に堪えて笑顔でスンジョに別れの言葉を言っているのが読み取れた。
「ハニ・・・・・・・・」
「スンジョ君・・・ありがとう・・・・・」

行ってしまった。
スンジョの人生で初めて感じた絶望感だった。
生涯を共にしたいと約束をした大切なハニを失った。
諦めたくないと言う気持ちが、その時初めて感じたが手掛かりはゼロに近い。
父とハニの父が共に過ごした場所は分かっていても、ギドンの母でハニの祖母がいるのはその場所ではなく、ハニの祖母が移り住んだ場所。
親しくても知らない事はあって当たり前。
ギドンにハニの行った先を教えてもらいたいが、きっと教えてくれないだろう。

でも必ず探し出そうと決めたが、絶望感の方が強かった。


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逢いたくて 16

一人でポツンと取り残されたのは人生で二度目かもしれない。
幼稚園時代に女の子の格好をしていた事でからかわれ気持ちがられ、友達なんていらない、誰にも自分の本当の心を見せないと思ったわずか5歳のあの頃とは違う淋しさがあった。

ハニを失いたくない
聞きたい事や話したいことがある
それよりも確認したい事が・・・・
間に合っても間に合わなくても、ハニに言いたい事がある

昨日、これが最後かもしれないと思って抱きしめた時のハニの様子が気になっていた。
今ここを出て行けば、ハニが乗るはずの電車の自国に十分間に合う。
思い立つとスンジョは立ち上がり、店の外に飛び出した。
さっきまで振っていた雨よりも振り方が強かったが、傘がなくても服が濡れようとも気にならなかった。
雨で濡れた服は体に纏わりついたが、ただひたすらにスンジョは駅に向かう道を走った。
その姿をヘラが見ていた事はスンジョは知らなかった。

「間に合うといいわね・・・恋愛偏差値の低いペク・スンジョ。」
ヘラもスンジョの気持ちには最初から気づいていた。
好きだと言う気持ちは本当でも、他の女性(ひと)を思っている男性(ひと)と、政略結婚でもする気持ちはなかったが、せめてハニがソウルを去って行くギリギリまでスンジョを独り占めしていたかった。

微妙な所でなんとか動いているようだが、今にも完全に外れてしまいそうだ。
ヘラに言われて、ようやく自分の気持ちに気付いた。
オレは今まで完璧だと思っていたことが、本当はそうじゃなかった。
ハニと出会って、磁石のように引かれて欠けていた事が何かやっと知る事が出来た。
人として一番必要な事で、普通の人にはそれほど難しい事でもない、相手や人を思いやり感謝をする事。
ハニの中でそれは、99%も占めていない。

雨に服が濡れて、いい大人のオレがみすぼらしく見えても、それを見ている人の視線など気にしていられないし、気にもならない。
ハニが、自分を捨てたオレを許してくれなくても、自分にはハニ以外は考えられないし、ハニ以外愛することは出来ない。
人混みでごった返している駅の構内に、ハニの姿を一瞬見つける事が出来た。
それでも夕方の駅は週末の夕方で混雑していて、あっという間に、小柄なハニを見失ってしまうと探し出せない。
ごった返す人の流れに逆らうように、人の間を縫うようにハニの見えなくなった姿を追うようにホームに向かう。
ヘラから聞いた、ハニの乗るはずの電車の発車の時間まであとわずかだ。
雨で濡れた服が重く冷たく感じ、すれ違う人の傘で足をすくわれてバランスを崩して転びそうになる。


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逢いたくて 15

今日はハニがソウルを発つ日。

それが気になり、ヘラと婚約や結婚に向けての話も頭に入らない。
ヘラはそんなスンジョに、ため息を吐きながら聞いた。
「指輪の話より、何か気になることでもあるの?」
「あ・・・・ゴメン・・・雨が降ってきたなぁと思っていただけだ。」
雨などもうずっと前、この店に入ってからずっと降っていた。
ヘラはそんなスンジョにフッと笑って、何かスンジョの心を見透かしてでもいるかのように見えた。

「違うわよね・・・・・・」
「えっ?」
「ハニでしょ・・・・・学校にいるときに聞いたのよ。大学を辞めて、今日田舎のおばあさんの所に行くとみんなが話しているのを聞いたわ。」
心を閉ざして、誰にも見せない様にしていても、ヘラには見透かされてしまう。
自分と考えが似ているから分かるのか、それとも心に隙があるのを見つけたのか。
「私・・・・知っていたわよ。あなた達が付き合っていたのを・・・・・あなたはハニを鬱陶しがっていたけど、結構そうして振り払うようにしていても楽しそうだったし、隙だらけだったわ。完璧なあなたは本当に理想的で好きだけど、一番魅力を感じたのは隙だらけのペク・スンジョよ。」
ヘラはそう言いながらテーブルの上のスンジョの手に触れようとしたが、スンジョは手をスッと引いた。

いつもそうだった。
ヘラが近づくと離れたいと無意識に思っている行動だ。
「隙があったペク・スンジョは人間味があってよかったわ。そんなあなたをハニから奪い取りたかった・・・・・・・今までは欲しい物は望まなくても簡単に手中に来たけど、奪いたいと思ったのは初めて。でもそれは間違いだって判っているのよね。あなたとハニは二人揃って完璧だったのよ。お互いを必要として欠けている部分を補いあっているのよ。落ち着いていて思慮深く見えても、ただの抜け殻のような今のあなたには、私には全く魅力を感じないわ。」

「ヘラ・・・・・」
「さあ・・・・・行きなさいよ、ハニの所へ。多分彼女の乗る電車はあと30分後に出発するはずよ。」
席を立ち上がろうとしない、項垂れているスンジョ。
「オレはハニを傷付けたし、捨てた男だ・・・・・」
ヘラはイライラするように飲んでいたカップを、大きな音を立てて置いて立ち上がる。
「あー!わかんない男ね。自分をさらけ出せる人の所に行って!私はあなたに興味がなくなったの。それにハニはあなたに捨てられたなんて思ってないと思うわ。太陽の周りを周る地球はずっと離れないもの・・・・・・・それじゃあ、さようなら。おじい様には私から断りを入れるわね。」
ヘラはそう言って店を出て行った。


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逢いたくて 14

父に頼まれた書類を持って行くために久しぶりに実家に戻ると、珍しく明るいグミの声が聞こえた。
盗み聞きをするつもりはなかったが、家の中に入るには気が重かった。

「ギドンさんの田舎って遠いのかしら?」
「んー、ワシがよくギドンの家に世話になった頃は、まだギドンの親父さんが生きていたからなぁ・・・・・ワシがテハン大に入った頃にギドンの親父さんが亡くなったとお袋から聞いたんだ。ギドンはソウルに仕事に出てきて、おばさんは伯父さんが亡くなった後に自分の田舎に行ったと聞いただけだから。のどかな漁師が暮らす島じゃなかったかな。」

「スンジョがハニちゃんにしたことは親として情けなくて・・・・・・だから、ハニちゃんには幸せになって欲しいの・・・・・・」
グミのその言葉を発した声だけが大きく耳に残った。

「今日、ハニちゃんが来ていたの。私がお買い物から帰ってきた時に、薄手のコートを着て門の所に立っていたから・・・・・声を掛けたの・・・・・・ハニちゃんったら、私に丁寧にお辞儀をして行っちゃったわ。最後だからおいしいお菓子を出してあげたかったのに・・・・・・スンジョがいけないのよ・・・・・・・だから絶対にハニちゃん以外の女の子を、この家には入れないわ・・・ああ・・・・・ハニちゃん・・・・」
実の息子よりもかわいがっていたハニを諦めきれないグミは、まだヘラを認めたくない事は分かっていた。
一度は結婚する事をグミに話したのだから仕方がない。

「お兄ちゃん?入らないの?」
二階から降りてきたウンジョが、リビングの入り口に立っているスンジョに声を掛けると、少し前までのグミと表情が変わった。

「あら、帰って来たの?」
と明らかに嫌味と分かる言い方にもスンジョは何も言い返せなかった。
父に頼まれた書類を手渡すと、すぐに二階の部屋に行こうと階段に向かった。
居心地悪く感じるが、グミにもスンジョの気持ちは伝わっているから、口とは反対にいつもと変わらない家族の会話がまた始まっていた。
スチャンもグミも、スンジョの気持ちがわかるだけに、融資先の孫娘との婚約を取りやめると言われたら、いつでもそれを受け入れるつもりでいた。



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逢いたくて 13

ハニを行かせたくない
自分の身勝手でわがままだと分かっていても、ハニが行ってしまう事がまだ先の事だと思っていた

スンジョは自分の目から涙がこぼれている事に気が付いていなかった。
明日には行ってしまうハニを引き止める術を知らず、ただこうする事しか出来なかった。
自分の思う時に思うように抱きしめていたその身体は、手を伸ばせばすぐにそこにいるのに手を伸ばそうとしても遠く感じた。

「私・・・・・・もう帰るね・・・・・・・・」
淋しそうにそう言ったハニの身体が玄関の方に向きを変えようとした時に、スンジョの腕が素早く伸びた。

ハニを行かせたくない
許されるのは短い時間でも、ハニの温もりをもう一度体に感じたかった。

「スンジョ君・・・・ダメだよ、そんな事をしたら・・・ヘラに悪いよ・・・・」
震えるハニのその声にスンジョは自分が何をしたのか知ったが、もう少しだけもう少しだけこうして痛いと思った。
「前のように言ってよ。<オレの平穏な生活を乱すな>って・・・・」
スンジョは、自分がしたことを悔やんでいた。一度知ってしまったハニとの、甘くて幸せだった日々。
お互いに素肌をふれあって、愛を確かめあって過ごした親には内緒の付き合い。
何度も同じベッドで過ごしたから、忘れようと思っても温もりと香りを忘れることなど出来るはずがない。

「私・・・・帰らないと・・・病院に行かないといけないの。」
「まだ、調子が悪いのか?」
「・・・・ううん・・・おばあちゃんの所は田舎だから、今日が最後の診察で、設備の整ったソウルの病院でキチンと診察してもらって、その診断状況を向こうの病院に送らないといけなくて・・・」
「病院まで送るよ・・・・最後だから。」
スンジョは、自分の心を振り払うようにして、ハニから離れて上着を取った。

ハニはスンジョの婚約者であるヘラに申し訳ないと思っているが、これが二人でいられる最後の時間と思ったのか迷っているようだったが、スンジョの後ろを付いて駐車場に向かった。
スンジョが助手席のドアを開けると、ハニはいつも座っていた助手席ではなく、シートを倒して後部座席に座ろうとした。
「ハニ、助手席に座れよ。」
「・・・・・そこは、私の場所じゃないから。」
ハニがヘラを気にして後部座席に座る後姿を、スンジョはただ黙って見ていた。


病室までハニを送って行くつもりでいたが、入口でいいと言って車から降りようとするオレを止めて車寄せで別れた。
バックミラーで見るハニは、オレの車をいつまでも見送って泣いている。
何度もからかったり意地悪を言ってハニを泣かせたスンジョだが、今日ほど悲しそうなハニを忘れることは一生出来ないだろう。
自分が簡単に決めてしまったことが、自分自身をも苦しめた。
自業自得だ。
いつしか、スンジョの目から涙が流れていた。



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