ハニの声はまだ聞く事は出来ない。
心の問題だと分かっているから、ハニにこちらの心配を伝えるわけにはいかない。
「さて・・・このままでいいのかい?ペク先生。」
「あ・・・・はい。」
古いクリニックに新しい機材を設置するのに、どうしても壁を抜かなければいけない時もある。
出来るだけ元の古いクリニックの温かさを残し、改善しなければいけない。
「ワシが頑固すぎたな。」
「いえ、ペク先生は先代の先生の意思を大切になさっている事は、とても医療には必要だと思います。」
スンジョは『まったりクリニック』の院長のペク医師と並んで、改装工事をしている様子を並んで見ていた。
「スヨンと話し合いませんか?」
「あいつが何か言って来たのか?」
「いえ・・でも、自分が院長になってもいいのですか?」
「無理だと思ったら、ワシは頼まんよ。スヨンは院長になる器じゃない。それに、金儲けばかりを考えるヤツには、先代の・・アイツの祖父が願っていた症状をうまく伝えられないクリニックにはしたくないと言う思いでの診療を続けられない。」
スンジョは、この老医師は先代の意思を理由にして、息子にはもっと上を目指して欲しいのではないだろうかと思った。
ただ息子のスヨンの本心は、年老いた父の身体を思ってこの『まったりクリニック』で医師として引き継ぎたいと考えていたが、素直になれないのはこの老医師と同じ強がりだと知っていた。
そんなところは、スンジョ自身も同じだという事を知っている。
「ところで、ハニはどうだ?」
「熱は下がりましたが、まだ声は出ないです。明るくしていますが、もう少し仕事を休むよう連絡をしています。」
「せっかくペク先生の伝手でパラン大に行かせたけど、ハニには無理だったか・・・・」
ハニは人の何倍も努力をする。
努力をしても乗り越えられないのは、人間関係の問題かもしれない。
「ハニが心配なのは、ワシも同じ気持ちだ。ずっとここで看護師として仕事をさせたいとは思っていたが、あの子にもっといろいろな世界を見せたいと思った事がいけなかったかな。」
そうではない事はスンジョは分かっていた。
出身大学とのつながりの強いパランで、スンジョがもっと守れなかった事が一番の原因かもしれない。
「ペク先生や・・・ハニと結婚しないかい?あんたもハニが好きなのは知っているよ。あんたのお袋さんから聞いたからじゃなくても、ハニが倒れてからほとんど寝ずの看病をしていた。医師に疲労は禁物。疲労した身体で患者は診られない。ハニだって、お前さんと結婚したら声も出るようになるのじゃないか?」
いつものおどけた表情とは違うペク老医師の顔に、スンジョはどう応えたらいいのか迷っていた。

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心の問題だと分かっているから、ハニにこちらの心配を伝えるわけにはいかない。
「さて・・・このままでいいのかい?ペク先生。」
「あ・・・・はい。」
古いクリニックに新しい機材を設置するのに、どうしても壁を抜かなければいけない時もある。
出来るだけ元の古いクリニックの温かさを残し、改善しなければいけない。
「ワシが頑固すぎたな。」
「いえ、ペク先生は先代の先生の意思を大切になさっている事は、とても医療には必要だと思います。」
スンジョは『まったりクリニック』の院長のペク医師と並んで、改装工事をしている様子を並んで見ていた。
「スヨンと話し合いませんか?」
「あいつが何か言って来たのか?」
「いえ・・でも、自分が院長になってもいいのですか?」
「無理だと思ったら、ワシは頼まんよ。スヨンは院長になる器じゃない。それに、金儲けばかりを考えるヤツには、先代の・・アイツの祖父が願っていた症状をうまく伝えられないクリニックにはしたくないと言う思いでの診療を続けられない。」
スンジョは、この老医師は先代の意思を理由にして、息子にはもっと上を目指して欲しいのではないだろうかと思った。
ただ息子のスヨンの本心は、年老いた父の身体を思ってこの『まったりクリニック』で医師として引き継ぎたいと考えていたが、素直になれないのはこの老医師と同じ強がりだと知っていた。
そんなところは、スンジョ自身も同じだという事を知っている。
「ところで、ハニはどうだ?」
「熱は下がりましたが、まだ声は出ないです。明るくしていますが、もう少し仕事を休むよう連絡をしています。」
「せっかくペク先生の伝手でパラン大に行かせたけど、ハニには無理だったか・・・・」
ハニは人の何倍も努力をする。
努力をしても乗り越えられないのは、人間関係の問題かもしれない。
「ハニが心配なのは、ワシも同じ気持ちだ。ずっとここで看護師として仕事をさせたいとは思っていたが、あの子にもっといろいろな世界を見せたいと思った事がいけなかったかな。」
そうではない事はスンジョは分かっていた。
出身大学とのつながりの強いパランで、スンジョがもっと守れなかった事が一番の原因かもしれない。
「ペク先生や・・・ハニと結婚しないかい?あんたもハニが好きなのは知っているよ。あんたのお袋さんから聞いたからじゃなくても、ハニが倒れてからほとんど寝ずの看病をしていた。医師に疲労は禁物。疲労した身体で患者は診られない。ハニだって、お前さんと結婚したら声も出るようになるのじゃないか?」
いつものおどけた表情とは違うペク老医師の顔に、スンジョはどう応えたらいいのか迷っていた。

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