大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2020年10月

あの日の思い出 34

夕方になり仕事から帰宅をすると聞こえる子供たちの笑い声。
ドラマや映画で見るようなごく普通の家庭の様子の一つがこれなのだろう。
玄関のドアを開けて靴を脱ぎ、スリッパに履き替えてリビングの入り口のドアノブに手をかけると、ガラス越しに見える楽しそうに笑っている幼いわが子たち。
その傍らにいるのは子供たちの母親ではなく、その子供たちの父親が仕事に行く日に世話をするために着ている祖母。

「ただいま。」
「おかえりなさい。パパが帰ってきたから、お夕食にしましょうね。」
グミは膝の上にのせていたヘスをソファーに下ろし、その華奢な体を安定させるとキッチンに向かった。
少しずつ明るい顔になっているスウォンとヘス。
何も罪がない子供たちに、早く母親と一緒に過ごす時間が来るといいと思っていた。

「ヘラは?」
「起きていると思うわ・・・今日は少しだけ4人でマンション近くの公園に出掛けたの。疲れたみたいだからスンジョが帰ってくるまで部屋で休んでもらっているの。」
スンジョのジャケットの裾を引っ張るヘスも、最近は顔色もよく笑顔があるようになったが、まだ話すことも普通に歩くこともできない。

『ママと公園に行ったのか?」
スンジョの言う言葉がわかるのか、ニコッと笑ったかわいらしい口元からよだれが流れた。
言葉を発しないヘスの、精いっぱいの気持ちの伝わりが、自分たち家族がいい方向に向かっていると感じていた。
「ぼくね・・ママにお勉強を見てもらったよ。」
「そうか・・・」
その声が聞こえたのか、グミが食器に夕食を盛りつけながらスウォンの幼稚園での話をした。

「スウォンはさすがにあなたたちの子供ね。絵本を読むのがとても上手で、クラスで一人だけすらすらと読めたのですって。」
嬉しそうに笑っている息子の頭をなぜると、自分が幼いころも笑ったらこんな顔をしたのだと分かるくらいに、自分と最近は似てきていると思った。

「部屋に行って着替えてくる。」
「じゃあ、ヘラと一緒に来てね・・・」
寝室のドアを開けると、窓側のカーテンは閉められ、ベッドのサイドテーブルのスタンドだけを付けた暗い部屋でヘラはこちらを見ていた。
「ごめんなさい、疲れて横になっていたの・・・」
起きようとするヘラの背中を支え、スンジョは妻を抱きカーディガンを羽織らせた。

「私ね・・・・公園に行ったのはいったいいつ以来だろうと思ったの。」
「オレと見合いをしたあの時以来だろ?」
「そう・・・今まで自然に触れる機会もなく、子供たちにも愛情を持っていなかった・・・あなたのことがだれにも負けないくらい愛しているのに、どうして子供を好きになれなかったのかわかったの・・・」
「いいよ言わなくても。みんなオレが悪いのだから。」
「違うわ・・・私が悪いの・・」
自分の非を口にすることがなかったヘラが、どうしてそう認めることができるようになったのかは、当人だけしかわからない。

 
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あの日の思い出 33

可愛い子供と年の離れた夫との幸せな生活。
夢見た生活は、何事もなく過ぎて行って欲しい。
時々思い出すスンジョ君の事。
先生は優しくて頼りになる夫で、人生で今が一番幸せだと思う。
だから、心にゆとりがあるのか、スンジョ君がヘラと幸せに暮らしているのだろうかと・・

人は自分が幸せだと、思い出の人を思い出す事はないけど、自分が不幸だと思い出の日との事が不幸だと思いたい事があると誰かが言っていた。
私は違う。
自分が幸せなら、スンジョ君も幸せだと思いたい。

「そうだ・・・ハニにこの手紙が来ていたよ。」
ユンヒョンは手にしている何通かの郵便物の中から白い封筒を一通ハニに渡した。
「私に手紙って・・・パラン高校・・同窓会・・・」
同窓会の幹事の名前を見て、懐かしい思いがした。
最初の同窓会は出席したが、二回目の同窓会は出席しなかった。
仲の良かったミナやジュリから、同総会での様子を聞くと残念な気持ちがしていた。

「行ってくるといい。前の時は流産したばかりで行けなかっただろ?」
「いいの?行って・・・」
「いいよ。」
ユンヒョンはハニが行くのを戸惑っているのは、自分に遠慮しているからだと分かっていた。
「例の彼・・・まだ会うのが辛い?」
「ううん・・」
スンジョと同級生だったという事を知っているから、ユンヒョンに対して後ろめたい気持ちはあるが、こっちに来て一度もスンジョに会っていないから、どんな顔をして会ったら良いのか分からないのが正直な気持ちだった。

「懐かしい友達と高校時代の思い出話をして来るといい。それと、お義父さんもインヒョンと会いたがっているだろうから、数日向こうにいたら週末になる。その頃に迎えに行くよ。懐かしい人たちと会って、楽しんでくるといい。毎日ハニは家の事や診療所の仕事に頑張っているのだから、気晴らしをしておいで。」
「先生・・・ありがとう・・・ユヒも連れて行っていい?」
「いいよ・・・数日、寂しいが・・・・」
弟の世話をしているユヒは、成長するにつれて亡き妻と似て来た。
ハニは自分の子供と同じように・・もしかしたらそれ以上にユヒに愛情を掛けている。
この先もずっとこの家族で過ごして行く事が、ユンヒョンの今の思いだった。

 
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あの日の思い出 32

ユンヒョンはどんなに忙しくても、昼の休憩になると自宅に戻っていた。
我が家で寛ぐ時間がたとえ短くても心も身体も安らぐ事が出来た。
家の中の甘い香りが五年前とは違う思いで、家の中に広がっていた。

「インヒョン!インヒョンって・・・」
自分を追い掛けている母をからかうようにして、歩き始め最近は走ることも出来るようになったインヒョンが家の中に入って来たユンヒョンは目を細めて見ていた。
「インヒョン、ママをまた困らせているのか?」
「パァパ・・・・」
ムクムクとした手でユンヒョンに抱き付くと、受け止めるようにして抱き抱えた。
「先生、インヒョンを何とかしてください。」
「何とかって?何をしたの?」
「ユヒのおやつを食べちゃったんです。食べる事が大好き過ぎて・・・健診で『もう少し痩せた方がいい』って言われたばかりなんですよ。」

「インヒョンは誰に似たのだろうねぇ・・・インヒョンのママも食べる事が好きで、この間の健康診断であまり増えないようにって言われたのはパパも知っているのだけどね。」
「先生!育児はお腹が空くんですよ!最近は太らないように食べる物を気を付けています。」
ユンヒョンが行った健康診断で、食欲旺盛なハニの身体のためを思って言った言葉だった。
「標準よりもインヒョンは太っていないだろ?」
「そんなに太ってはいないけど・・・・」
「大丈夫だよ。動きは同年齢の子供よりも活発だし、元気なんだから・・・パパもママもユヒもインヒョンくらいの時はぷくぷくとしていたよ。」
父が帰って来た事に気が付いたユヒが、口をモゴモゴトさせながら歩いて来た。

一度も実の母親に抱いてもらう事のなかったユヒは、ハニを実の母親ではないと知っていてもとても懐いていた。
血の繋がりがない母と娘でも、仲が良ければ顔も似て来るのだろうかと思うくらい、最近のユヒはハニとよく似ていた。

「パパ、お帰りなさい・・・・ママが作ったおやつ美味しいの・・・インヒョンが欲しいと言ったからあげたらママがユヒに弟を甘やかせてはいけないって。」
「ユヒはインヒョンが好きなんだよね。」
母親が違う姉と弟。
ユンヒョンは時々ハニがどうして実の娘でもないユヒを可愛がるのだろうと、不思議に思っていた。
母親を幼い頃に亡くしたハニだから、ユヒが不憫に思っているだけではない気がした。

片想いだった人の事を、とても大切に話すハニがユンヒョンは好きだった。
不思議と片想いだった人の話を聞いても、嫉妬をする事はなかった。
可愛い子供と前妻とは違って健康で明るいハニとの生活が、永遠に続く事が出来る事を常に願っていた。


 
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あの日の思い出 31

ヘラの精神的に不安定な状況は、簡単に改善されることはない。
しかし、不思議なことに比較的ここ数日は安定していた。
お袋は自宅とこっちの家を行ったり来たりしているが、よく体力が有るものだと感心する。

「抱っこしようか?」スウォンが妹のヘスを抱いて陽当たりのよいベランダ側に移動しようとすると、ガウンを羽織ったヘラが寝室から出てきた。
「いつもスウォンが、ヘスを陽当たりのよい場所に連れて行ってくれたのよ。」
グミが不安そうにしているスウォンに微笑み掛けて、ヘラに優しい口調で話した。
自分の息子が一歳になった妹を抱いて、日当たりの良い場所に連れて行っていると聞いても、まだ息子は四歳になったばかり。
見ていなかったわけではない。
自分がイライラとしている時に、ヘスが泣きそうになるとその小さな口を手で押さえて泣き声を聞かせないようにしているのを視界の端で見ていていた。

ヘスはヘラに抱かれると身体を緊張していたが、この年齢の子供がどれくらいの大きさなのか今さら知らなかった気がした。
スウォンを抱いた事があるのだろうか・・・・・
そう考えた時、スウォンを抱いた事も記憶になかった。
結婚した時に一緒に来た家政婦が、考えてみるといつも子供の世話をしていた。
「重いね・・・・・」
「重くないよ。」

ヘラにとって『重い』と言う言葉は命の重さで、スウォンの言う『重い』とは違う。
何もかも計画通りに、自分の思う通りの道を歩かないと気が済まなかった。
人に対して思いやると言う気持ちがなかった分けではない。
小さな小さなヘスの手が震えていた。
そっとヘスをソファーに降ろすと、その小さな手がヘラのガウンの端を掴んだ。
「抱いた事がなかったわね・・・・スウォンもおいで・・・ママが抱いてあげる。」
「ぼく・・・もうお兄ちゃんだから・・・・」

スンジョがスウォンを抱いていると『甘やかすから』と言っていたのを知っている。
スンジョがなぜスウォンが言わなくて抱いてあやしていたのか、分かるようで分からない。
近づき自分を見ている息子の目がハニと似ていると思ったのはどうしてだろうか。
今こうして見ると、不安そうに揺れている瞳は自分と似ていた。
右手でヘスを支え、左手でスウォンを抱き寄せた。
温かい子供たちの温もりで、見えていなかったものがやっと見えたような気がした。

 
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あの日の思い出 30

嫁が休んでいる部屋の前でグミはすぐにノックが出来なかった。
毎日来ている息子夫婦の家でも、慣れる事もなく居心地がいいとは思えなかった。
息子の母親として、この空気を居心地よくしなければいけないと考えていたが、嫁のヘラから発せられる【拒否】と言う空気が薄くならなかった。
その原因は自分が一番大きい。

「ヘラ・・・入るわよ。」
声を掛けても返事で返してくれる事はない。
黙ってドアを開け部屋に入ると、グミが来る事が分かっていたのか少し前に背中を向ける形になっていた。
「起きているのよね・・・いいわ起きなくても。スウォンもヘスもおやつを食べているわ・・・私が言ってもあなたは返事をしないわよね。ホットヨーグルトを持って来たわ。ショウガパウダーも入っているから、温かいうちに飲んで。」
ミニテーブルの上に静かに部屋を出て行こうとすると、いつもならグミと顔を合わせないようにしているヘラが、背中を向けたままだが体を起こした。

「ヘスが歩けないのは私のせいかしら・・・・・」
「ヘラ?」
「スウォンは私を見ていつも怯えた目で見るの。あの目が嫌なの・・・ハニとソックリで。」
「何を言うのよ。ヘスが歩けないのはあなたのせいじゃないし、それにスウォンはあなたが生んだ子供でしょう。」
「分かっているの・・分かっているのだけど、私がハニをいじめていた時の目とソックリで・・・・」
このままヘラの話を聞いてしまうと、落ち着いていたヘラがまた不安定になって行く。
仕事をする事で自分らしくいられると思っているヘラが、自分らしくいるために自分を追い込んでいる。

「温かいうちに飲んで・・・・体が温まったら眠れるから。スンジョがヘラが夜中もよく眠れていないからって言っていたから、買い物に行って急いで作ったのよ。」
「お義母様・・・私を嫌っているのじゃ・・・」
「嫌ってなどいないわ。」
嫌っていないと言うのは本心だ。
スンジョがヘラと見合いをした時は、スンジョにはハニと結婚して欲しいと願っていたから、嫁として受け入れる気持ちにはなれなかった。
自分が意地を張っていつまでもヘラと距離を取っていてはいけないと思っていても、自分を避けているヘラに近づけなかった。

「あの日、あなたが言った事を私はが素直に受け入れなかったから、あなたが辛い思いをしているのね・・とにかく今は身体を休ませて。」
グミは入って来た時と同じように静かに部屋を出て行った。


 
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