大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2020年08月

風のように ~光~ 6

「今日は少し配合を変えてみました。」
「苦いのか?苦くないのか?」
「病気のための薬湯で嗜好品ではございませんから。」
「スンジョは本当に気真面目過ぎる。少しくらい苦味のない物にしてくれればよいのに。」
王は器を口元に近づかせながら、その味が苦手なのか眉間に皺を寄せながら飲むのをためらっていた。
『公務でお忙しくて決められた時間に飲んでいただけないので、配合を変えているためどうしても苦味が強く出てしまいます。」
「分かった・・分かったよ。本当は私が飲みたくないのを知っているからだろ?公務を理由に何度か飲まなかった・・・御医を困らせていた。」
覚悟を決めたように王は一気に薬湯を飲んだ。

空になった器をスンジョは受け取ると、記録簿に印を付けていた。
「今朝お前の父が来て、私が探していたパルボクの娘と孫娘の居所が間違いないと分かった。ヘラの静養先に行って、そこからパルボクの娘・・・いや・・・私の娘を見に行こうと思っているが・・お前も一緒に行かないか?」
懐妊中のヘラの静養先に選んだ地は、パルボクの娘と孫娘が住む村の近くだった。
スンジョの父スチャンがパルボクの娘らしい女性が夫と娘と暮らしている村を見つけ、その近くの静かな村をヘラの静養先に決めたのだった。

「私は行かない方が・・・・ヘラ様が穏やかなお気持ちでご出産に備えた方がよろしいかと思います。」
「それもそうだな・・・・お目付け役のお前が行かないのなら、御医に薬を配合して渡しておいてくれるか?」
「はい、畏まりました。」

スンジョはヘラから少し距離を置きたかった。
幼い頃からいつも自分の近くにいたのが普通だった。
自分はヘラに対して特別な感情はなくても、ヘラにとってスンジョは特別な人間だった。
いくら王の孫でも自由な結婚が出来るわけでもなく、ましてや大きな商団の後継者であってもスンジョの身分は低い。
いやいや嫁いだ先ではあっても、もうすぐ母になるヘラのためには、自分の気持ちをはっきりと言わなくても距離を置きたいと思っていた。

王が静養先に行っている間、スンジョは留守の父の仕事を後継者として熱心に進めていた。
王が宮殿に戻って来たら、また家の仕事は出来なくなる。
父から聞いた話では、パルボクの孫娘をもしかしたら王は宮殿に呼び寄せるかもしれないと聞いていた。
それくらい王の病状はよくないのだった。



人気ブログランキング

風のように ~光~ 5

「もし自分に何か遭っても、決してスンジョに責任を負わせることはない。それとは別に、私はスンジョを育てたいと思っている。」
「育てる・・・とは・・・」
体調が思わしくない王が、宮殿に出入りしている商人の息子を育てる余裕があるのだろうか。
もしかして何か別の理由があるのかもしれないが、王から出た言葉に反対などする事は出来ない。
「スンジョは私によく似ている。自分の心の中の思いや考えを伝える事が苦手じゃないか?」
「はい・・・・」
「私はそれで大切な人を失った。スンジョがいつか、自分の大切な人だと思う女性と出会う事があった時、私の用に後悔をして欲しくない。そのために、パルボクとの思い出の一つ一つで後悔した事を、話して行きたい。」

王の想いは誰かに一人の男としての想いをスンジョに伝えて、パルボクの孫のハニがもし近くに来る事があったら、報われなかった思いを叶えたいと思った。
そう思っていても、自分の考えや想いを押し付けてはいけない事も分かっていた。

その後スンジョは家の仕事を手伝いながら、宮殿に出向いては御医に付いて、日々の体調の様子や薬の配合を細かく記録をしていた。
スンジョへの特別な想いがあるヘラは、いやいやではあったが年の離れたギョンスに嫁いだ。
ギョンスは地方にあるワン家の領土を度々視察に行くため、ヘラはそのたびに宮殿に来てはスンジョの行く所に付いて回っていた。
そんな生活から一年が過ぎた頃に、それまでのスンジョとヘラの関係も変わり始めていた。

「王様・・・世子様がいらっしゃいました。」
女官がそう告げると、スンジョは王が飲み終わった薬湯の器を持ち、その場から離れて行こうとしていた。
「どうした?この時間にお前が来るのは珍しいな。」
世子は何かめでたい事でもあったのか、嬉しそうな表情で部屋に入って来た。
「ワン家から使者が先ほど来ました。」
「ワン家から使者が来た?」
世子が嬉しそうな表情で『ワン家から使者が来た』と言えばおおよそ何も話さなくても分かる。

「ヘラが懐妊いたしました。」
「ヘラが懐妊した?それはめでたい事だ。」
ギョンスの妻になっても、スンジョへの思いが強く夫を受け入れようとしなかった。
スンジョの一言で、いやいやではあったがやっと受け入れる事が出来たと喜んで数か月の事だった。



人気ブログランキング

風のように ~光~ 4

「私は・・・・」
スンジョは言葉を選んでいた。
口数は少なく、いつも自分から何かを発する事は滅多になかった。
漢方薬に幼い頃から興味はあり、父が旅に出る時には付いて行き、立ち寄る場所で漢方薬を買い付ける仕事が一番好きだった。
「王様・・・スンジョはただ知識があるだけで医者ではありません。よく書物を読んでいますので、多少の知識はありますが、それはただ興味があるだけで・・・」
王はスンジョが自分の申し出を断る事はないと思っているような表情をしていた。

「身体を診てもらうのは御医がいるから、そんなに大袈裟に考えなくてもいい。スンジョの漢方薬の知識を、御医と一緒に私のそばにいて欲しい。」
いつになく熱心にスンジョに話している様子に、王の体調があまり良くない状況なのではないかとスチャンとスンジョは感じた。
「よくないのでございますか?」
「あと2年・・・らしい・・・それまでにハナに謝りたい。知らなかった事とはいえ、パルボクに何もしてあげられなかった事、女手ひとつで子供を育てた苦労は謝っても許されることはないかもしれないが・・・・2年しか生きていられないのなら、無駄になるかもしれないが御医の指示通りに薬を飲んで少しでも長く生きたい。そのためにスンジョにそばにいて欲しい。」

「それだけでスンジョをそばに置いていただいてもよろしいのでしょうか?」
「はは・・・・」
王は少し前までの真に迫った話し方から、いつもの穏やかな表情に変わった。

「子供の頃から薬は嫌いだった。飲まずにそのままにしてはカン内官や女官たちを困らせていた。私に薬は決められた時間決められたとおりに飲まないといけないと言えたのはパルボクだけだった。パルボクのいない今は、スンジョにその役目をして欲しい。スンジョは生真面目だから・・・」
王にそこまで言われたら断る理由はなかった。
スンジョがいつも王様の近くにいる事になった理由は、本当にたったそれだけの事だったのだろうか。


人気ブログランキング

風のように ~光~ 3

「ヘラや、お前は幼い時からスンジョと仲が良かった。」
ヘラの手を握り静かに話す王に、取り乱していたヘラは次第に落ち着き始めた。
自分と入れ違いに部屋を出て行った御医の表情と、常にそばにいるカン内官の表情と、静かに話を始めた王の様子がどこか違い具合が悪いのだとヘラなりに感じていた。

「おじい様、お体の具合が悪いのですか?」
「少し公務を頑張りすぎたようだよ。でも、ヘラがこうしてここに来てくれたら元気になって来た。」
「本当ですか?」
「本当だよ。でも、私もいつまでも元気でいられないから、元気な今の時期にヘラが嫁ぐ姿を見たいと思っている。ヘラも分かっていると思う・・・スンジョの事がいくら好きでも、王族のお前が商人のスンジョと添い遂げる事は出来ない。ワン家は代々王を支えていた将軍の家だ。両班に嫁がせるのなら、ワン家ほどの家柄はない。ギョンスは先妻が早くに亡くしたが、お前を大切にしてくれるよ。」
「でも・・・」

「好きな人と添い遂げたいかもしれないが、王族や両班に産まれたらそれなりの家柄の人と結婚をしなければいけない事もある。私だって、お前の父だって自分で選んだ相手と結婚したわけではない。年数が経てばお互いにこの人で良かったと思うよ。」
「思わなかったら?それでも嫌だったら?」
「それでも嫌でも、子供が産まれて親になれば気持ちは変わるよ。私はいつまで経ってもお前の祖父なのだから、辛い時はいつでもここに来なさい。」

可愛い孫が悲しむ姿を見るのは辛いが、自分が妃を娶った時のことを思い出すと、妃に対して自分は随分と冷たい態度を取っていたと思った。
自由になりたい、宮殿を出たいと思いながら、世子を産んだ日に対しても優しい言葉を掛けた事はなかった。
心が落ち着いたヘラが部屋を出てしばらくすると、待っていたスチャンが息子と一緒に部屋に入って来た。

「先日戻ってまいりました。」
「で・・どうだった?みつかったのか?」
「おそらくあの方だろうと思いますが・・・・本人には確認を取る事が出来ませんでした。王様によく似た娘でした。」
「そうか・・それから?」
「パルボク様によく似ていらっしゃる『ハニ』と言う一人娘もいました。年の頃は12~3歳で恐らくヘラ様と同じ年齢かと思います。」
それだけでも十分だった。
忽然と消えたパルボクの事を思うと、きっとその娘も自分の事を良くは思っていないだろう。

「スンジョ・・・・王様にお話なさい。」
「はい・・・あの・・・清国で良質の漢方薬を手に入れたので、先ほど御医に渡して来ました。」
「スンジョの選んだ漢方薬は、とても身体が楽になるよ。」
幼い頃からスンジョは父に付いて清国に行っては、良質の漢方薬を持って帰って来る。
特に医学を勉強したわけではないが、漢方薬の効能は宮殿の御医よりも知識が豊富だった。


人気ブログランキング

風のように ~光~ 2

遠くに聞こえるかわいい孫の声を聞きながら、御医の診察を王は受けていた。
脈を取りながら、時折厳しい表情を浮かべていた。
「王様・・・」
「正直に話してくれ。」
「あまりよろしい状況ではありません。今のままでは、あと数年・・・・・」
「数年とはどれくらいだ?何を言われても、私はそれを運命と受け止める事が出来る。」
「正直に申しまして、今の公務の量では2年・・・・」
「2年・・・か・・・」
運命と言って受け止めると口に出しても、聞かされた余命が思ったよりも短いと、さすがに動揺を隠せなかった。

「あとから薬を調合して、薬湯を用意させます。」
「余命を知ったら、飲む気持ちも薄れそうだ・・・・母は・・カン内官も御医もそんな顔で睨まなくても良い。ちゃんと飲むから・・・」
薬湯を飲む気持ちが薄れたと言った王に、カン内官と御医は無意識に王の顔を凝視していた。
「まだ死ぬわけにはいかないから、カン内官や御医の考えは尊重するよ。」
まだ王はこの世に心残りがあった。
宮殿に出入りしている商人に、ある人を探して欲しいと依頼をしていた。
王の力を使えば、すぐに見つける事が出来ると思っていても、私情で人探しをするわけにもいかなかった。

御医と入れ替わりに、孫のヘラが女官を伴って王の私室に入って来た。
「おじい様!」
「ヘラ・・・どうしたのだ?そんなに怒って・・・」
まだ幼さが残っているが、最近大人びてきたかわいい孫はやっと13歳になったばかりだった。
「お父様から聞いた事は本当ですか?」
「本当だよ。」
「嫌です!私はスンジョのお嫁さんになるのに、ギョンス様と祝言を挙げるのは嫌です。」
「ギョンスは妻が亡くなってからずっと後添いを貰っていないし子供もいない。年齢は離れているが、地位も高く財産もある。ヘラが苦労をする事はないよ。」
「嫌よ!だってお父様よりも年が上よ。」

この時代年の離れた若い後添いを貰う事はよくある事だった。
子供がいない貴族が後継ぎのために、後添いを娶る事や側室を持つことも普通の事だった。
ただ、ヘラは幼い頃から身近にいたスンジョを特別な想いで慕っていた。
「お母様が、おじい様も許してくれたからすぐに祝言を上げると言っていたけど、まだ私は13歳になったばかり。どうかこのお話を断ってください。」
気性の激しいヘラを説得できるのは、スンジョしかいないが、スンジョは王族の娘の結婚に決して何かを言う性格ではなかった。



人気ブログランキング
ギャラリー
  • お知らせ
アーカイブ
美容室美容院レーシックfx 口座開設美容整形キャッシング
デリヘルデリヘル 求人里親 募集求人情報美容室裏dvd保険出会い出会いエステ美容整形クレジットカード消費者金融
アクセスカウンター
キャッシング社長ブログseothink tank医薬品 買取ブログパーツお見合い結婚相談住宅ローン
アルバイト情報海外サーバー海外サーバーアクセスカウンター無料ブログカウンターオンラインカウンター借金時計ページランクアダルト動画
アダルト動画 比較裏dvd裏dvddvdレンタル 比較有料アダルト動画 比較月額アダルト動画 比較出会い系サイト 比較ライブチャット 比較裏dvd
ブログカウンター無修正dvdフェラチオキャバクラデリヘル風俗
無料カウンターデリヘル 求人高級 デリヘルキャバクラ 求人借金時計プロバイダ 比較ウォーターサーバー 比較レンタルサーバー 比較クレジットカード 比較生命保険 比較
etcカードエステ脱毛インプラントホームページ製作ドメイン取得化粧品 サンプル自動車保険 比較学資保険 比較おまとめローン 比較キャッシング 比較証券会社 比較fx 比較fx口座開設 比較
無料アクセスカウンターフレッツ光 auひかり 比較fx 初心者誕生日 プレゼント
東京 デートスポット消費者金融 一覧銀行 口座開設アクセスカウンター無料カウンターページランククレジットカード ランキング生命保険 ランキング自動車保険 ランキング学資保険 ランキング育毛剤 ランキング証券会社 ランキングプレゼント ランキングクレジットカード おすすめ
bto パソコンエアコン 工事エアコン クリーニング給湯器 交換犬 里親猫 里親エアコン 取り付けエアコン 取り外しガス給湯器 交換ホストクラブ新宿 デリヘル新宿 デリヘル歌舞伎町 キャバクラ渋谷 デリヘル


バラが降るオルゴール


  • ライブドアブログ