「今日は少し配合を変えてみました。」
「苦いのか?苦くないのか?」
「病気のための薬湯で嗜好品ではございませんから。」
「スンジョは本当に気真面目過ぎる。少しくらい苦味のない物にしてくれればよいのに。」
王は器を口元に近づかせながら、その味が苦手なのか眉間に皺を寄せながら飲むのをためらっていた。
『公務でお忙しくて決められた時間に飲んでいただけないので、配合を変えているためどうしても苦味が強く出てしまいます。」
「分かった・・分かったよ。本当は私が飲みたくないのを知っているからだろ?公務を理由に何度か飲まなかった・・・御医を困らせていた。」
覚悟を決めたように王は一気に薬湯を飲んだ。
空になった器をスンジョは受け取ると、記録簿に印を付けていた。
「今朝お前の父が来て、私が探していたパルボクの娘と孫娘の居所が間違いないと分かった。ヘラの静養先に行って、そこからパルボクの娘・・・いや・・・私の娘を見に行こうと思っているが・・お前も一緒に行かないか?」
懐妊中のヘラの静養先に選んだ地は、パルボクの娘と孫娘が住む村の近くだった。
スンジョの父スチャンがパルボクの娘らしい女性が夫と娘と暮らしている村を見つけ、その近くの静かな村をヘラの静養先に決めたのだった。
「私は行かない方が・・・・ヘラ様が穏やかなお気持ちでご出産に備えた方がよろしいかと思います。」
「それもそうだな・・・・お目付け役のお前が行かないのなら、御医に薬を配合して渡しておいてくれるか?」
「はい、畏まりました。」
スンジョはヘラから少し距離を置きたかった。
幼い頃からいつも自分の近くにいたのが普通だった。
自分はヘラに対して特別な感情はなくても、ヘラにとってスンジョは特別な人間だった。
いくら王の孫でも自由な結婚が出来るわけでもなく、ましてや大きな商団の後継者であってもスンジョの身分は低い。
いやいや嫁いだ先ではあっても、もうすぐ母になるヘラのためには、自分の気持ちをはっきりと言わなくても距離を置きたいと思っていた。
王が静養先に行っている間、スンジョは留守の父の仕事を後継者として熱心に進めていた。
王が宮殿に戻って来たら、また家の仕事は出来なくなる。
父から聞いた話では、パルボクの孫娘をもしかしたら王は宮殿に呼び寄せるかもしれないと聞いていた。
それくらい王の病状はよくないのだった。

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「苦いのか?苦くないのか?」
「病気のための薬湯で嗜好品ではございませんから。」
「スンジョは本当に気真面目過ぎる。少しくらい苦味のない物にしてくれればよいのに。」
王は器を口元に近づかせながら、その味が苦手なのか眉間に皺を寄せながら飲むのをためらっていた。
『公務でお忙しくて決められた時間に飲んでいただけないので、配合を変えているためどうしても苦味が強く出てしまいます。」
「分かった・・分かったよ。本当は私が飲みたくないのを知っているからだろ?公務を理由に何度か飲まなかった・・・御医を困らせていた。」
覚悟を決めたように王は一気に薬湯を飲んだ。
空になった器をスンジョは受け取ると、記録簿に印を付けていた。
「今朝お前の父が来て、私が探していたパルボクの娘と孫娘の居所が間違いないと分かった。ヘラの静養先に行って、そこからパルボクの娘・・・いや・・・私の娘を見に行こうと思っているが・・お前も一緒に行かないか?」
懐妊中のヘラの静養先に選んだ地は、パルボクの娘と孫娘が住む村の近くだった。
スンジョの父スチャンがパルボクの娘らしい女性が夫と娘と暮らしている村を見つけ、その近くの静かな村をヘラの静養先に決めたのだった。
「私は行かない方が・・・・ヘラ様が穏やかなお気持ちでご出産に備えた方がよろしいかと思います。」
「それもそうだな・・・・お目付け役のお前が行かないのなら、御医に薬を配合して渡しておいてくれるか?」
「はい、畏まりました。」
スンジョはヘラから少し距離を置きたかった。
幼い頃からいつも自分の近くにいたのが普通だった。
自分はヘラに対して特別な感情はなくても、ヘラにとってスンジョは特別な人間だった。
いくら王の孫でも自由な結婚が出来るわけでもなく、ましてや大きな商団の後継者であってもスンジョの身分は低い。
いやいや嫁いだ先ではあっても、もうすぐ母になるヘラのためには、自分の気持ちをはっきりと言わなくても距離を置きたいと思っていた。
王が静養先に行っている間、スンジョは留守の父の仕事を後継者として熱心に進めていた。
王が宮殿に戻って来たら、また家の仕事は出来なくなる。
父から聞いた話では、パルボクの孫娘をもしかしたら王は宮殿に呼び寄せるかもしれないと聞いていた。
それくらい王の病状はよくないのだった。

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