大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2020年07月

風のように 92

「そうですか・・・お母様の具合が良くないのですか。」
「心配で・・・漢陽に行くまでは、華やかな世界に憧れて母の手伝いもしないでいたので、少しでも楽をさせてあげたかったのに・・・」
「大丈夫ですよ。」
キョルとの普段の会話も最初の頃はぎこちなかったが、今では自然に会話が出来るようになっていた。
「旦那様とご実家のお母様のお見舞いに行かれたらいかがですか?明日にはジュリさんも戻って見えますし、店に出す小物はジュリさんがいれば、二人でいくつか作る事は出来ます。」
「そうね・・・私もそうしたいのですけど・・・スンジョさんも、まだ帰って来てからずっと仕事の話を毎日ヨンファとしているから・・・・」

本当はスンジョに言えばすぐにでも漢陽の実家に連れて行ってくれる。
漢陽に行けば嫁ぎ先の両親にも挨拶をしに行かなければならないが、その場にヘラがいたらと思うと彼女の逆上した時を忘れる事が出来ない。
最初は自分とヘラがいとこ同士になると知った時、先王の前でとても王族とは思えない言葉で罵り髪を掴まれて頬を何度も叩かれた。

「王様・・おじい様・・・いつもそばにいるこの娘は、随分と若いですけどおじい様の側室ですか?」
当時の世子と恵嬪、内官と女官の数人だけが、体調が優れない時に王の寝所に呼ばれた時だった。
ハニの両親が宮殿に来る事を伝えるために呼び集められた。
「ヘラや・・ハニはお前の従姉妹になる。産まれはヘラの方が半年ばかり早いから、ハニを可愛い妹と思って仲よくしてくれるか?」 
「嫌よ!お父様もお母様も、この卑しい女の両親と面識はあるのですか?」
「ヘラ・・・もう少し落ち着いて、王様はご病気なのだから少し声を抑えて・・・・」

恵嬪はヘラと顔は似ていたが、いつも厳しいが冷静で感情の起伏がなかった。
世子は王様と似ていて穏やかで無口な人だった。
その両親でどうしてヘラが、人を平気で罵る事が出来る人間になったのかは、それは他人が知る事ではないが、ただ言える事は世子の側室ら産まれる子供にいつも不安だった。
父の最初の子供が自分で、もし次に産まれる子供が男の子だったら、自分は誰からも注目を浴びる事が無くなると言う不安をいつも持っていた。
要するに、誰からもチヤホヤされ注目を浴びたがる性格だった。

「ヘラ・・・ハニの母親は私の母違いの妹だ。ある日突然王様の前から姿を消して・・・・」
ヘラは世子の話の途中で、座っているハニの所まで行き、行き成りか実を掴み頬を何度も叩いた。
「おじい様に近づいて、スンジョを私から奪うのでしょ?私の子供が産まれるまで静養していた時の宴の席にいきなりどこの馬の骨が分からない娘が来たのだって、私は嫌だったのに・・・」
とても群主としての品格がなかった。
あの時は、誰がヘラを止めたのか分からなかったが、寝込んでいた時に開放してくれた女官ウネからスンジョがヘラを私室まで連れて行った後に、王様の指示の通りではあったがずっと付き添ってくれていた。
その時のことは覚えていないが、優しくて大きな手が何度も顔に触れていた事だけは覚えていた。



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風のように 91

決して広くはない屋敷でも、商人として仕事をするに必要な部屋は、スンジョがヨンファと予定を立てるために用意された大きな机の上に買い付けた品物が積まれていた。
この部屋に入れるのはスンジョとヨンファだけ。
スンリを始め幼い子供たちはこの部屋が気になって、時々隙間から中を覗きたくて扉の前で顔を近づけている事があった。

「スンリの父様だから、僕たちにも何か手伝わさせてと言ってくれる?」
「だめだよ。とうさまが持って来た品物は、とても高価だから触ってはいけないと、かあさまが言っていた。」
「そういえばね・・・この間、私たちの母さんが作ったチュモニをたくさん買って行った両班がいたよ。」
「どんな人?」
「スンリに似ていた。」
その人が誰なのか子供たちは誰も知らないが、子供たちの話を聞いていたハニはキョルが言っていたスンリの父親だったのかもしれないと思った。

だが、漢陽から来た両班で、一時だけここにいるのならまた次に来る事はない。
「ほらみんな、キョルさんがおやつを用意してくれたから向こうで食べていらっしゃい。」
「はーい。」
どの子供たちも素直だ。
自分の所に来なければ、スンリも兄弟たちと平等でいられた。
捨てられてハニに拾われた子供だという事を知っているのは、大人たちと一番上のキョンだけ。
他の子供たちにその事情を知らせない方が、スンリにも兄妹たちにも今は知られるには幼過ぎる。

「スンジョさん・・・ヨンファさん・・・お茶を持って来ました。」
扉に顔を近づけて部屋の中にいる二人に声を掛けると、すぐに机の上を片付ける音が聞こえた。
「入ってください。」
机の上には色とりどりの絹の織物と、珍しい宝飾品が並んでいた。
「綺麗ね・・・でもこの町ではとてもこんなに綺麗で高価な品は売れないわ。」
「これはここに保管するだけ。でも・・・こちら側にある物はこの町でも売れるものだよ。」
絹の生地はまだそれほどたくさん見たことはないが、漢陽の屋敷で見たものよりも艶があり発色が良かった。

「質のいい絹です。キョンが目利きをしたのですよ。」
「キョンが?まだそれほど仕事をしていないのに、こんなにいい物を見つけたの?」
「一度に色々教えたから、心配したけど呑み込みが早い。とてもいい人材をうちで教える事が出来てよかったと父上が喜んでいたよ。」
その人の能力と言うのは、産まれた環境も影響があるが、その人の持った才能が何かのきっかけで目を出す事もある。
「スンジョさん・・・私は部屋に引き上げますから・・・」
まだ仕事の話はあるが、久しぶりにハニに会えたことでスンジョの表情が変わったのを見て、ヨンファは気を利かせてその部屋を二人だけにした。

「ハニの母上からの伝言があります。」
「母さんからの伝言?」
「あまり心配を掛けたくないようだったから、今までハニには伝えていなかったけど・・・・・体の具合が悪いそうです。ハニに会いに行く予定でいたけど、体調が良くなるまで漢陽の屋敷で静養しているそうです。」
「母さんの身体の具合が悪い・・・・・」
生まれ育った家から出てから、ハニは母とあまり話す事が出来なかった。
スンジョと結婚をする事が決まった時は、妻として嫁として母が教えなければいけない事を伝えただけだった。
この町に来てから落ち付いたら来てくれる事を楽しみにしていたハニには、いつも元気だった母が体の具合が悪いと言っている事が心配になって来た。


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風のように 90

馬の蹄の音が遠くから近づいてくると、庭先で遊んでいたスンリはすっと顔を上げて、音がする方を見ると顔がパットルク明るくなった。
「とうさま!」
「スンリ、ただいま。」
スンジョと一緒に帰って来たヨンファのを方を見て、誰かを探しているのか背伸びをしてピョンピョンと飛んだ。
「キョンねえさまは?」
「漢陽でウンジョおじさんと一緒に修行中だよ。ほら・・・おばあ様からの贈り物だよ。」
ヨンファは懐から、小さな包みをいくつか出した。

「おかし?」
「シンたちの分もあるから持って行ってあげなさい。」
腕を伸ばしてヨンファから包みを受け取ると、裏庭の方の勝手口にいるシンたちの方に走って行った。
「私は荷物を片付けます。」
「お願いします。」
ふたりは馬から降りて馬を小屋に入れると、ヨンファはスンジョの荷物を受け取り自分の者と一緒に倉の方に歩いて行った。
スンリがシンたちに菓子の包みを渡しているのか、喜んでいる声が聞こえた。
同じ母から産まれた兄妹なのに、決して仲が悪いわけでもなくても、別々に育った子供たちには経った数年が距離を作っていた。

馬小屋から母屋に入ると、スンジョは早くハニに会いたかった。
そんな思いが通じたのか、廊下を急ぎ足で歩いてハニが笑顔でスンジョを迎えた。
「お帰りなさいませ。」
「ただいま・・・」
近くに誰もいないからなのか、スンジョは思わずハニの手を引き胸に抱きしめた。

「スンジョさん・・・子供たちが来るかもしれない・・・」
「来たってかまわない・・・ハニに会いたかった・・」
スンジョの正直な気持ちだった。
前回の長い旅に出ていた時は災難が続いた。
その時に気持ちを強くしてくれていたのは、ハニの子供のように純粋な笑顔。
宮殿で初めてハニを見かけた時から、ハニへの想いが強くなる一方だった。

「少し顔色が悪いようですけど・・・」
「ずっと薬湯を飲んでいなかったからで・・・あっ!でもキョルさんが買って来てくれて、それからは毎日欠かさず飲んでいます。」
「私がたくさん用意していなかったから、申し訳ありません・・」
「スンジョさん、私に敬語は使わないで。」
いつまでもハニを胸に抱いて言いたかったが、家の中に入ると台所から顔を覗かせたキョルに軽く挨拶をした。



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風のように 89

平気じゃない。
私はこの家で夫の留守を守る妻で、小さいけれど自分で開いた店の責任者。
家と店と子供と雇い人を守るのが私の務め。
私の幸せは、昔から家族が幸せで笑っている事。
先王の悲しくて苦しい顔が、私といるだけで日々幸せな笑顔になって行くのは嬉しかった。
顔も見た事のないおばあちゃんの話を、遠くを見ながら小さな事も頬を染めて話してくれた先王。
おじい様と呼ぶ事はなかったけど、そう呼ばなかったのが私の心残りだ。
あの最期の時に、ヘラ様のように『おじい様』と呼べたのならどんなによかったか。
名ばかりの王族なんて、私には必要がない。
でも、人を助けるのに私には心の中におじい様とおばあさんがいると思うと、不安で平気じゃなくても二人が風のようになって私を守ってくれているように力が沸いて来る。

「かあさま・・・おきゃくさんです・・・」
「はい、いらっしゃいませ。何をお探しですか?」
「素敵なチュモニとノリゲがありますね。」
「ありがとうございます。私がほとんど作った物なのですが・・・こちらの落ち着いた色調のチュモニは最近作り始めたばかりの人ですが、とても起用で優しい方なのでそのまま品物に表れています。」
「素朴でいい・・・私は漢陽から来たのですが、こういった女性が持つ品は全く疎くて・・・土産に妻に買おうかと・・・・」

ハニはこの人が誰なのか知らないが、漢陽から訪れる両班がそれほどこの町では見ないから珍しかった。
「奥様はどんな方でいらっしゃいますか?」
「年の頃は・・・ちょうど奥様くらいの年齢で・・・色白で目鼻立ちがはっきりとした美しい妻です。気位が高いのですが、本当は不安で仕方がないのですが・・・人にそう思われるのがとても好きじゃない人です。」
どこかハニの知っているヘラと似ていた。

「これはいかがですか?私が作ったのですけど、結構自信作なんです。生地は清国の絹を使い、刺繍糸の染もとてもいい色に出来ていると思います。」
「じゃあ・・・・これと・・こちらの可愛らしいのも。」
この客がキョルの過去に面識のあったで、スンリの父親だとは気が付かなかった。
ただハニの横でその客を見ているスンリが、どことなくその両班と似ているが、それに気が付く人はそこには誰もいなかった。

自分を見ているスンリにその客は悲しそうな顔をした。
「私にも息子がいたのですよ。」
「そうなんですか。」
「でも・・・この子くらいの年齢で病に罹って亡くなってしまいました。妻も精神的に病んで、まだ幼い娘の世話も出来なくなって・・・息子を亡くしたのも、妻が病んでいるのも私の責任なんですが、妻をとても愛しているのです。その思いをどう伝えたらいいのか・・・父親よりも年が上の男との妻になってくれたので・・・・・」
「いつか伝わりますよ、お客さんの想いが。」
スンリの頭を愛おしそうになぜて、その客は店を出て行った。



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風のように 88

「ハァハァハァ・・・ハッ・・・・」
胸に手を当て荒い呼吸を整えながら、乱れた髪を撫でつけて玄関に入る前に、辺りを診まわり後を付けられていないか確認をすると、キョルは一つ大きく息を吐いた。
「・・良かった・・・・」
辛い過去はもう忘れたかった。
あのまま後を付けられていたら、この家に自分が住んでいる事を知られてしまい、スンリが産まれている事も知られてしまう。
たった数日の関係でも、スンリの父親には違いないが決して相手が認知をするとは思えない。

自分は卑しい身分の卑しい女・・・・
スンリがあの男性の子供であっても、スンリの地位が認めてもらえるはずはない。
母としてスンリを捨てたから何もしてあげられることはないが、育ててくれているハニやスンジョともしかしたらどこかであの男性と面識がある人だったらどうしたらいいのだろうか・・・とそんな思いが頭の中で過った。

「キョルさん・・どうしたの?顔色が悪い・・・それに汗を掻いて・・・」
まだ少女のようなハニは、とても純粋できれいな顔をしていた。
この人には嘘や隠し事をしたくない。
この人からスンリがいなくなったら、きっと倒れてしまうのではないかと思うくらいに母として大切にスンリを育ててくれている。
「?どうしたの?とても怖い顔をしているわ。スンリがキョルさんを待っていたのよ。」
「あ・・あ・・・会ったのです・・」
「会ったって・・どなたと?」
「スンリの・・・父親・・・血の繋がりのある父親と・・・」
ハッとしてスンリが近くにいないかハニはキョロキョロとして、場所を作業部屋にキョルと移動した。

戸を閉める時も廊下をスンリが歩いてこないか確認をし、静かに音を立てないように閉めた。
「スンリの事を何か言っていました?」
キョルは首を横に振った。
「いえ・・・子供が出来た事は話していないので知りません。私の手にお金を握らせて、また私に・・・でも、夫が無理強いした事なのでお断りしましたが・・・しばらくこちらにいると・・・」
「そう・・・私はあまり頭が良くないので、いい方法は浮かばないですっが、キョルさんはしばらく外に出ないで家の中の事をお願いしてもいいですか?」
「でも・・・食事の買い物とか・・奥様にしていただくのは・・」
「大丈夫。私はスンジョさんの妻になる前は、峠を越えて買い物に行っていたのよ。荷物を背負っていたから、物を持つことだって平気だし、それにすぐにスンジョさんもヨンファさんもジュリも帰って来るから何も困らないわ。ここに住む事になったのだから、もう昔のような事はないから。」

子供たちが庭で遊んでいる声が聞こえる。
スンリは勿論、シンもミンもリンも、母がしていた事を何も知らない。
今はスンリの父親と会わないで過ごせても、いつかはまた同じことがあるかもしれない。
その時には、何が何でもスンリとハニを守らなければと考えていた。


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