大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2020年06月

風のように 61

大丈夫
スンジョさんは大丈夫
まだ結婚して一月も一緒にいた時間はないよ

気を失っていたのはわずかな時間。
『大丈夫』と自分に言い聞かせた時に目を開けると、ジュリがハニの体を起こそうとしていた。
「若奥様・・・・良かった気が付かれて。」
「ジュリ、大丈夫。スンジョさんは戻って来てくれるから。」
「そうですよ。若奥様の所に戻っていらっしゃいます。こちらに住まいを移しているとお知らせは届いているのですから、遠回りをしてもどれだけ時間を掛けても戻っていらっしゃいます。」
送り出す時は体調を崩して見送りも出来なかった。

今は、幼いヘジュンが天に召されてから、ヘラがペク家に頻繁に訪れてはペク家の嫁のように使用人たちに命令をしていた。
特に、ハニが漢陽を離れて静かで小さな町で過ごしてからは、自宅に戻ろうともしなかった。
体調を崩していたハニが、回復を待つことなく自宅を出る事になった時は、義理の母のグミから『我が子を亡くした母親が精神状態が不安定になっている』と言われた。

宮殿にいる頃に、スンジョと一緒に漢陽の街を歩いていた時にされた事を思い出せば、それは間違っていない事だった。
ジュリと数人の使用人とだけの静かな生活。
商団の若奥様として、静かな環境で教えてもらうためにはその方がよかった。
日課となっている散歩は、使用人の誰かが必ず付いて行くが、方向音痴のハニには仕方のない事だった。




漢陽での生活から離れて、小さな町で生活を始めてからいつの間にか三年が過ぎた。
時々、漢陽からスチャンやグミ、ギドンとハナがハニから頼まれた品を届け、それを使って女性向けの小物を売る商売を始めた。
仕立て屋だった祖母のパルボクの地を受け継いだのか、唯一人に自慢が出来る事が小物作りだった。
小さな町に住む人たちは、ハニが作ったチュモニ(巾着)を皆持ち歩いていた。
見慣れない人が数人、町に住んでいる人たちが持っているチュモニに目を止めた。

「何でしょうね・・・老若男女、チュモニを見に着けている人がこの小さな町のほとんどでというのも・・ちょっと聞いてみましょうか?」
「いや、人の持ち物に特別興味がないですが、漢陽では着衣に付けている人はまずいないです。すりやひったくりに遭わないくらいここは安心して住めるところだという事でしょう・・・」
「そうですね・・・それでは参りましょうか。この先の小さな家に住んで見えます。」
背の高いその人は笠を下げて、自分に付いている人に軽く頭を下げると歩き始めた。



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風のように 60

幼いへジョン様が亡くなり、母親のヘラは精神状態が不安定になった。
皇位継承順位の事はあまりこだわっていなかったが、子を亡くした母としてショックが大きかった。
夫であるギョンスとは、政略結婚で愛情はなかった。
子を亡くした事で、ヘラはスンジョへの想いだけが大きくなり、頻繁にペク家に表れてはハニに辛くあたっていた。
このままではハニのためにはよくないと思い、スチャンとグミとハニの両親のギドンとハナと話し合って、グミの遠縁の両班が着任している村にハニはジュリと数人の使用人と移り住む事になった。

悪い事は続き、村に移り住み落ち着き始めた頃、漢陽のペク家の屋敷から伝令が来た。

「ジュリ・・・これを若奥様に・・・」
「何かあったのですか?」
「詳しくは、旦那様の手紙の中に書いてあるが、国境付近で小さな戦があって、漢陽に通じる道が封鎖されてしまった。スンジョ様は迂回して他の道を通って帰ってくるはずが・・・・連絡が途絶えて・・・・」
「行方・・不明・・という事ですか?」
ハニが近くにいない事を確認し、さらに聞こえないように小さな声でジュリは聞いた。
「そう言う事になるのか・・・連絡を取る方法が途絶えてしまい・・・旦那様も奥様も、スンジョ様がご結婚され少しずつ商談の仕事を任せようとされていた時なだけに、お二人とも憔悴されています。ジュリ・・・若奥様が衝撃を受けないようになんとか上手くお願いします。」

そんな事は無理だとジュリは言いたかった。
自分の役目は確かに付き人だけではなく、年齢も上で相談相手にもなっていたが、自分の子供とそれほど年が変わらないハニに、どんなふうに伝えたらいいのかなど考えられなかった。
だからと言って、漢陽から届いた手紙を渡さないわけにはいかなかった。

「ジュリ・・・どうしたの?天気もいいから少し散歩がしたいなって思って・・・・」
まだ少女のような顔のハニが、ジュリの暗い表情を見て、よくない事でもあったのではと直感すると、笑顔から青い顔に変わっていた。
「漢陽から伝達の者が来まして・・・スンジョ様と連絡が取れなくなり・・・・・」
手紙をハニに渡すと、ハニは急いで開いた。
大きな瞳がさらに大きくなり、その大きな瞳から大粒の涙が流れ、膝がカクンと折れるとそのまま意識を失ってしまった。



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風のように 59

スンジョがハニを置いて旅に出てから、毎日が覚えることがいっぱいで寂しささえあまり感じなかった。
それでも、二人が夜を過ごす部屋に入ると、急に寂しさが訪れて涙が流れて止まらなかった。
今日もいつものように夜着に着替えようと準備をしているときに、門の扉が軋んで開く音が聞こえた。

「こんな時間に誰が来たのだろう・・・・」
頬を流れる涙をぬぐって、部屋の戸を開けると正面玄関で誰かが話しているのが聞こえた。
きっと、まだ店で片づけをしていた使用人が対応をしているのだろうと思い、部屋の戸を閉めかけると桶に湯を入れに行っていたジュリが戻ってきた。

「何かあったの?」
「それが・・・・」
旅に出ているスンジョが率いる商団に何かあったのかと不安になってきた。
「宮殿からジュング様がいらして・・・・」
「宮殿から?」
「今、旦那様と奥様がお話をされているのですけど、ヘラ様がお産みになられたヘジョン様に何かあったみたいです。」
何があったのか気にはなったが、ジュリに体を拭いてもらうために着ている物を脱ごうとしたが、ジュリの視線が今日は特に気になった。

「なに?」
「いえ・・・・」
人に体を拭いてもらうことになれたハニは、いつもは背中から体を拭くジュリが、いつまで経ってもハニの正面から動かなかった。
「どうしたの?」
「少し痩せられましたね。」
「痩せた?」
「16歳を過ぎれば、少しずつ大人の身体になりますが、ハニ様は子供っぽい体系でしたからね。」
「どういう意味?胸が小さいって言う事?」
「小さくても大丈夫ですよ。ご懐妊されましたら、奥様とよく父の出る乳母を探しますから。」

「ご懐妊って・・・まだ心の準備ができていないから・・・」
「その・・・・実は・・・ちらっと聞こえたのですけど、皇位継承順位2番目のヘジョン様が、重い病気になられて・・・助からないかもしれないようです。ヘラ様の二人目のお子様は女の子なので、万が一へジョン様に何かあったら・・・」
「よくない事は言わないで!へジョン様は、まだ1歳になられたばかりよ。」

「皇位継承者は直系と決まっていますが、途絶えさせてはいけないから王族の血が濃いハニ様のお子様が男の子でしたら・・・スンジョ様も遠縁ではありますが・・・」
そんな事は今まで考えた事もなかった。
ジュリが言う事も分からないわけではないが、もし自分の子供が産まれたらそんな大役を担う事など出来るはずがない。
「で・・・・ヘラ様は、今でもスンジョ様がお好きで、若奥様に対してあまりよろしい感情がなくて、もし若奥様がご懐妊されていたら、何かされるかもしれないと・・なので、ぶしつけにもお体に変化がないだろうかと見てしまいました。」
咄嗟にハニは両手で胸を隠したが、ジュリの役目はハニの付き人だけではなく体調管理も仕事になっているのだと思った。
「私もお隣のお部屋で休んでいますが、さすがに耳を澄ませてお二人の行っていることまで聞いておりませんので・・・」
聞くジュリも、聞かれるハニも秘め事について他人に話すことには抵抗があったが、ハニは先王の孫でありスンジョの母は先王の遠縁。
二人が婚姻を結び子供が産まれ、その子供の性別によっては事情が変わる。
恥ずかしくても自分の勝手な考えで、時によっては秘密にしておくこともできない。

「結婚して初めての夜だけで・・その後は旅の準備でスンジョさんが遅くまで起きていて、私は先に眠ってしまったので・・・たぶん懐妊はしていないと思います。」
「そうですか・・・それでは、明朝になったら奥様から聞かれるかもしれませんが、正直にお話しください。」
ジュリは湯で濡らした手ぬぐいを持って、ハニの背中に回った。
ヘラの話を聞いて、何か急にスンジョに会えない寂しさよりも不安がじわじわと湧き上がってきた。



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風のように 58

今日はここで夜を明かすか・・・・・
ハニにここの満天の星空を見せてあげたかった

「天気が良かったから星が綺麗ですね。」
スンジョと年齢の近い雑用係りのヨンホは、人懐っこい笑顔で近づくとスンジョが座っている隣に腰を下ろした。
「ここを通る時はいつも天気が悪くて、テントの中で眠ったけど、今日は外で眠っても危険はなさそうですね。」
「そうしたいが、明け方にグンと気温が下がるからそれは無理ですね。」
運が良くなければこの星空を見る事は出来ない。
私自身、これほど奇麗な星空をここで見たことはなかった。

「ハニ様がいらしていたら、スンジョさんはここでどんな話をなさいますか?」
「どんな話をするのだろうか・・・私は口下手だから気の利いた事は言えない。」
「旦那様は奥様とご結婚された時、ここにお二人で並んで座られ・・・奥様に『この星空のように奇麗な瞳をしている』と言われてましたよ。」
自分と同じように口下手な父が、そんな事をあの母に言ったのかと考えると、澄んだ空に輝く星はそれくらいの力があるのかもしれない。

「スンジョさんは、ハニ様がもし一緒にいらしていたら、どんな言葉を伝えられますか?」
「父と同じことを言ったかもしれない。」
人と話す事も人に関心を持つこともなかった自分が、宮殿の庭で咲いている花を一輪一輪に話しかけている姿、柔らかな風を受けながら自然が豊富な生まれ育った村を思い出しているような表情を見て、胸が熱くなる思いを感じた。
振り返ったその顔は太陽のように明るく、自分ではなく王様に向けていた時は淋しさを感じていたが、いつごろからか自分を見て、白桃のような頬を染めていたハニが愛おしいと思うようになっていた。

ヘラ様と同じ地位でなければ、自分の想いをもっと早く伝えていたかもしれなかった。
あの日、王様に呼ばれた時、ジュングか自分のどちらかを選ぶのならきっと自分ではないと思っていた。
自分と同じようにハニ様に対してジュングは特別な想いがある事は知っていた。
ハニは、ジュングには親しく話していたが、自分とは会話すらした事がなかった。
自身がないと思ったのはあの時が初めてだった。
まだ16にもならないハニが、勇気を振り絞って言ったあの言葉で、自分の想いを伝える事が出来たのかもしれない。

『ハニ様、私の妻になってください。私はハニ様以外の女性にはどんな感情も芽生えません』


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風のように 57

「あっ!奥様・・私が持って行きます。」
「いいわ、ジュリはずっとハニを看病して疲れているでしょ?私が後は看るから、久しぶりに家にお帰りなさい。スンジョが帰って来るまで、休暇と思ってご主人と子供さんとゆっくりなさい。」
「奥様は店の方が忙しいし・・・・」
「大丈夫よ。ウンジョが最近は結構役に立っているから。」
若く美しいペク家の奥様は、忙しくても忙しいという顔をした事がない。
女性であっても、男性並みに市の日には、露店を廻り露天商に取引に出ていた。
とても王族の血を引く女性とは思えないくらいに度胸があった。

「ハニ・・・・薬湯の時間よ。」
眠っているハニの額に手を当て、かわいい嫁に優しい眼差しを向けて声を掛けた。
振れた手に気が付いたのか、ハニはゆっくりと瞼を開けた。
「お義母さん・・・」
「少し熱は下がって来たわね。慣れない土地、慣れない宮殿での生活、王様が亡くなって数日後にペク家の嫁になって・・・・生活する場所が変わるだけでも大変なのに、半年も経っていないのに環境が変わったから疲れたのね。飲みにくいけど、薬湯だけはちゃんと飲まないと良くならないから・・・」
スンジョの母のグミに身体を支えられて、薬湯の入った椀をハニの口元に持って行った。
「急いで飲まなくてもいいわよ。」

一口薬湯を含むと、ハニは眉をしかめた。
「に・・苦い・・・・」
「味覚が出て来たのね・・・良かった。苦いと分かるようになったのなら、よくなってきた証拠よ。スンジョはね、薬草の効能をすべて把握しているから、どれとどれを組み合わせたらどう効くのか全部分かっているの。それを知った先王が、自分の体調管理のために医官としてそばに置いたの。」
「そうなんですか・・・・」
「御医はいるのだけど、スンジョの薬草の知識と、漢方薬の調合が体に合ったから医官にしていたの。商人の息子に産まれなかったら、きっと医者になっていたと思うわ。主人も、スンジョを薬草や漢方薬の取引を任せているのよ。ハニは性格も良くて笑顔がとっても素敵だから、気難しいスンジョをもっと柔らかくしてくれるだけでいいわよ。」
回復してきているハニでも、まだグミの話を聞いて頷く事も答える事もまだできなかった。
薬湯を飲み終わると、またハニはウトウトと眠り始めた。
嫁として頑張っているハニのその顔を見ながら、まだ幼さが残っているハニを愛おしそうに一度抱きしめてから布団に寝かせた。




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