目を閉じて風と花の香りに浸ると、遠い日の王様とパルボクが過ごした時間と同じ空間にいるような気持になった。
『おばあちゃん・・・幸せだった?』
「もうよろしいでしょうか・・・・」
「あ・・・」
スンジョのその声がハニを現実に戻した。
「ウネ様に町に出かける事を伝えてお着換えにならないといけないでしょう。」
着替えるのも自分一人で着替えないで、ウネが着替えの準備から着替えや髪を整える所までしてくれる。
何もかもが自分で出来ない生活に慣れ始めていたが、供を連れないで一人で出かける事にはなれなかった。
「スンジョさんと二人で出掛けたい・・・」
勇気を振り絞ると言うのはこう言う事なのかもしれない。
スンジョと話をした事もなければ、二人でいた事もないからどんな人物かもよく分からない。
「何を見ていらっしゃるのですか?」
「スンジョさんの顔を見ています・・・スンジョさんは、王族の方なのですか?」
「どうしてそう思われるのですか?」
「王様に似ていらっしゃるから・・・・」
スンジョはハニの顔から視線を外し、東屋から出て歩き始めた。
「母が、大妃様の遠縁にあたります。それでよろしいですか?」
「あ・・あと一つ・・・」
「あと一つだけですよ。ウネ様が、ハニ様を探してこちらにみえます。」
「スンジョさんの父親って・・・」
「ハニさんもお会いされたでしょう・・商人のスチャンですよ。商人の息子が医官としてどうして宮殿にいるのかとお聞きになりたいでしょうから、聞かれる前にお話します・・・宮殿に遊びに来ていた母と、清国からの品物を持って来ていた父が出会って夫婦になりました。」
王族の血を引く人間と商人が縁を持つことが、この時代はあり得ない事だった。
なぜだろうと思わなくても、分かるような気がする。
王様は実らなかった恋を、自分が知っている人にはそんな思いをさせたくないと思っていたのだろう。
東屋に近づいたウネに、スンジョは王様に頼まれてハニに町を案内する事を告げているのをハニは黙って見ていた。

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『おばあちゃん・・・幸せだった?』
「もうよろしいでしょうか・・・・」
「あ・・・」
スンジョのその声がハニを現実に戻した。
「ウネ様に町に出かける事を伝えてお着換えにならないといけないでしょう。」
着替えるのも自分一人で着替えないで、ウネが着替えの準備から着替えや髪を整える所までしてくれる。
何もかもが自分で出来ない生活に慣れ始めていたが、供を連れないで一人で出かける事にはなれなかった。
「スンジョさんと二人で出掛けたい・・・」
勇気を振り絞ると言うのはこう言う事なのかもしれない。
スンジョと話をした事もなければ、二人でいた事もないからどんな人物かもよく分からない。
「何を見ていらっしゃるのですか?」
「スンジョさんの顔を見ています・・・スンジョさんは、王族の方なのですか?」
「どうしてそう思われるのですか?」
「王様に似ていらっしゃるから・・・・」
スンジョはハニの顔から視線を外し、東屋から出て歩き始めた。
「母が、大妃様の遠縁にあたります。それでよろしいですか?」
「あ・・あと一つ・・・」
「あと一つだけですよ。ウネ様が、ハニ様を探してこちらにみえます。」
「スンジョさんの父親って・・・」
「ハニさんもお会いされたでしょう・・商人のスチャンですよ。商人の息子が医官としてどうして宮殿にいるのかとお聞きになりたいでしょうから、聞かれる前にお話します・・・宮殿に遊びに来ていた母と、清国からの品物を持って来ていた父が出会って夫婦になりました。」
王族の血を引く人間と商人が縁を持つことが、この時代はあり得ない事だった。
なぜだろうと思わなくても、分かるような気がする。
王様は実らなかった恋を、自分が知っている人にはそんな思いをさせたくないと思っていたのだろう。
東屋に近づいたウネに、スンジョは王様に頼まれてハニに町を案内する事を告げているのをハニは黙って見ていた。

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