大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2020年02月

春の訪れは遠く 34

小さなスンハの手は温かく、言葉では言い表せないほど大切な存在だと思った。
ギュッとつないだ小さな手は、スンジョのすべてを信じている気持ちが伝わっていた。

「ママ!パパが来たよ。」
店のドアを開けるとペク家に持って行くと思われる箱やカバンなどが積まれていた。
スンハと一緒に店内に入って来たスンジョを見るとパッと顔が明るくなり、三年前のあの日まで見ていたハニの笑顔だった。
「こんなに持って行くのか?」
「多いかなぁ・・・お義母さんがスンハのためにと言って持ってきた物ばかりだけど。」
お義母さんという言葉が少しずつ自然に出るようになってきていた。
「まぁ・・いいけど・・・」
ダメだとは言えなかった。
グミが買った物もあるだろうが、スンジョがグミに頼んで持っていた物もその中にはあるのだから。

「スンハ、その写真は箱の中に入っていたでしょ?いつの間に出していたの?」
大切層にスンハが胸に抱いている写真にハニは気が付き、スンジョはハニの視線の先にあるその写真の方を見た。
「昨日の夜だよ。この写真がないとママが悲しい顔をするから、スンハが大切に持って行くの。」
絶対にハニから取られないようにしているその写真が、どんな写真なのかスンジョは気になった。

「どんな写真なんだ?パパにも見せてくれる?」
「いいけど・・・・」
チラッとハニの方を見ているその顔は、スンジョの好きなハニの表情と似ていた。
「この写真ね・・ママが悲しい時に見せると、すごく元気になるんだよ。」
はいと言ってスンジョの前に出すと、まだこの写真が残っていたのだと思った。

「それね、パパの小さい時の写真。スンハがパパに会いたいと言った時、ママがこれがパパだよと教えてくれたの。」
その写真を見て、初めてスンハと会った時に『パパ』と呼んだ理由が分かった。
今のスンハと小さい頃のスンジョはそっくりだった。
それでもその写真から20年以上経っているのに、すぐに父親だと分かったのは親子の縁なのだろうかと、めったにそう思うことのないスンジョは心の中で呟いた。

「ここの木で写真をこうして撮るんだよね?」
幼稚園時代のスンジョと同じように左右の手の指を頬に当てて、ニッコリと笑うと隠したい過去の作品なのに、残してあって逆にそれはそれでよかったのかもしれない。
幼稚園の制服の胸についているネームプレートを指でなぞりながら『ペク・スンジョ』と言っている娘をスンジョは愛おしく思い、無意識に抱きしめていた。
その父と娘の姿に、ハニの中でじわじわと温かなものが流れ始めていた。



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春の訪れは遠く 33

妙に朝から緊張をしている。
一週間前にハニに『一緒に暮らさないか』と言ってから数日後にハニから返事が来るまで、YESかNOの短い言葉がどれほど過敏になっていたのか、自分自身想像もつかなかった。
きっとよく考えていたのだろうと思うほど、ハニからくる返事が来るまでに三日も待つとは思わなかった。

「私も付いて行ってはダメ?」
「大袈裟にしないで、家で待っていて欲しい。」
がっかりしたグミの気持ちも分からないわけではなかった。
義理の母だと名乗らずに、ハニとスンハと会っていたのだから、やっと堂々と義理の母でスンハの祖母だと、そう名乗れるようになったのだから。
「ギドンさんも一緒に暮らしたらいいのに・・・・」
「ママ・・ギドンは遠慮しているのもあるけど、最近店も忙しくなっているから通うのは大変だって言っていただろ?」
「分かっているけどね・・・ハニちゃんが戻って来て、またあの頃と同じ生活が出来るようになれたらって・・・」

グミの気持ちも分からないわけではなかった。
スチャンにしても親友との生活がまた始まってくれた方が、楽しいしお互いの予定が合えば長い時間話も出来るのだから。
「時々、ギドンの仕事が休める時に、家族で旅行に行く計画でもそのうち立てておこう。それよりも早く迎えに行かないと、スンハちゃんが待っているのじゃないか?」
「そうだな・・・昼頃には帰って来られると思うから、スンハを待たせないようにすぐに食事ができる用意をしていて欲しい。」
「大丈夫よ。スンハちゃんが好きな物も私は知っているから、完璧に二人を迎えれるわ。」

やっと家族がペク家に揃って生活が出来る日が来た。
まだハニの記憶は戻っていないが、一緒に暮らす事を話してそれを決めたのだから、オレとハニは気持ちも新しく切り替えて一からやり直す事は出来る。

やっと恋人と巡り会えたようなそんな気分で運転をしていると、それほど自宅から離れていない≪ソ・パルボクククス≫に到着した。
こんなに近い距離にハニがいたのに、三年間も会いに来なかった。
会えばいつでも会える、思い出してくれたラドンナ時間でも迎えに来られると思っていたのに、ここまで来るのに随分と時間が掛かった。
スンジョが迎えに来るのを待っていたのか、スンハが店先に出てしゃがんで車がどっちが来るのかとキョロキョロと見ていた。
店の駐車場に止まった車がスンジョが乗っているのだと気が付くと、立ち上がって駆け寄って来た。
スンジョは車から降りると、駆け寄って来たスンハの視線に合わせるようにしゃがんだ。
「動いている車に近づいたら危ないだろ?」
「ごめんなさい・・パパが迎えに来るのを待っていたから嬉しかったの。」
素直に謝るかわいい娘は、最愛の妻が教えたのだと思うと、スンジョの人として親としての感情も、少しずつまた歩み始めたのかもしれない。




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春の訪れは遠く 32

本当はスンジョ君と少し前から一緒に暮らしたいと思っていた。
思っていたけど、どう表現したらいいのか分からないほど不安だった。
昔の自分は勉強もできる方でもなく、料理だってまともに作れないし、ドジで失敗ばかりをしていたと分かっていた。
パパの店の手伝いは、小さい頃からの動きが身体に沁みついていたから自然とできたのかもしれない。
なぜ・・・・きっと大好きだったはずのスンジョ君の事を、何一つ思い出せないのだろう。

「ママ・・・」
「どうしたの?」
「スンハも行きたかった・・パパの家に・・・」
不思議な事にスンハがどうしてスンジョ君をパパと知っていたのだろう。
私が『この人がパパだよ』と教えたのは、たった一枚の写真で、それも今のスンジョ君とは年齢も顔も違っている。
「スンハは、どうしてパパの顔を知っていたの?」
「写真だよ。ママがスンハのパパだよって教えてくれたから知っていたの。」
親と子とのつながりで、スンハはスンジョ君が父親だと知ったのなら、私は早く決断をしなければいけないのかもしれない。

「ほら、温かいお茶だよ。スンハは少し冷ましたからすぐに飲んでもいいよ。」
ギドンは休憩時間にいつも決まって三人でお茶を飲むのを楽しみにしていた。
最近のハニがいつも何かを考え込んでいるのも、お茶を飲んでいる時の表情で気が付いていた。
「何か考えている事でもあるのか?」
「う・・・ん・・・」
「今日、家に帰って来てから珍しくずっと考えているようだったから、悩んでいるようだったらパパに話してみないか?」
一人では決めかねている事を、記憶がなくしてからはよくギドンに相談をしていた。
今までは、記憶が戻らないままだったらどうしようとか、いつまでも夫の事を思い出せなかったら離婚しなければいけないだろうかなど、戻らない記憶の事で不安になるとギドンに相談をしていた。

「スンジョ君がね・・・一緒に暮らそうって・・記憶がないママの私でもいいって・・・」
「ハニはどうしたい?」
大人たちの会話の意味が、幼いスンハニも分かるのか、それともただ父親と一緒に暮らしたいからなのか、ハニが何を答えるのか気にしていた。
「今はあまり思い出してはいないけど、思い出せそうなときもあるのは事実。スンジョ君の事が前はすごく好きだったと思えるほど、今は昔とは違うかもしれないけどスンジョ君の優しい気持ちと温かい心が好きになったの。だから・・・まだまだ乗り越えないといけない事はあるかもしれないけど・・・・一緒に暮らしたい。」
ギドンはハニの決心に、ただ嬉しそうに笑っただけだった。



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春の訪れは遠く 31

「一緒に暮らそう・・・・スンハとハニと離れて暮らしていたこの三年間、いろいろ言われたよ。オレは口数が多い方じゃないから、よく知らない人から『記憶を失くしたら、自分の方を向かないから捨てた』とかとにかく口に出すのも嫌な事を言われた。自分で決めた事だけど、ハニの手を離すつもりもなかったのに、もしかしたら話してしまったのではないのだろうかと、いつも後悔していた。ハニが記憶を失った理由を知った時、ハニの記憶が戻った時がオレが息を吹き返す時だと思って、ずっとその時を待っていた。」

ハニは何も言わず、スンジョの胸に抱かれたまま話を聞いていた。
よく分からない話し方をすると昔はそう言って、スンジョの胸に抱かれるとその腕の中から抜け出ようとしていた。
今は昔のハニとは違って抜け出さないのもスンジョを呼ぶ時に少し戸惑っているように言うのも、それはどうしてなのか分かっていた。
覚えていない事は不安だけど、スンジョの事を一途に好きだという気持ちだけは、記憶の中から消えている事はなかったからだ。

「一緒に暮らすのは嫌か?」
「嫌じゃないけど、思い出せなくて迷惑をかける事もあるかもしれないから。」
「ハニは少しずつ思い出していると思うよ。こうして抱いていてもハニの身体から力は抜けているし、細かな仕草や小くじの好みに動きなど体に沁み込んだものは、思い出せないと思っていた中から自然と思い出されて出来ている事だ。どこかに病巣があるわけでもない、だけど思い出す時に精神面が不安定になるかもしれない。それがいつなのかどの場所で起きるのかは、誰も分からないしハニ自身も分からない。それなら、この家で暮してその時が来たらオレが受け止めようと思っている。」

腕を緩めるとハニはそこから抜け出して、何かを思い出すように家具や布団などに触れていた。
「スンハは何て言うかな?」
「なんて言うのだろう。」
「嫌だと言わなければだけど・・・」
「事故に遭うまでの記憶がなくても、ハニと再会してからそれほど経っていないのに、オレはハニと新たな気持ちで好きになっているよ。」
胸の前でハニは両手を組んだ。
何か考えている時にするハニの死草だ。

「無の状態からじゃない。ただオレの事を思い出せないだけだ。それなら、もう一度オレを好きになった所から初めて、結婚してからの生活を始めればいい。だから、この家に一緒に暮らすようになっても、最初から同じ部屋にするのじゃなくて部屋は別々にすればいい。」
「部屋が別・・・・」
「最初からハニが同じ部屋でもいいのなら、それにしてもいい。」
スンジョはハニが別々の部屋にしたいと言うと思っていた。
まだそこまでハニが自分を受け入れていないと考えていた。
「スンジョ君と・・・同じ部屋でもいいから、スンハとこの家で暮らす・・・」
スンジョに抱きしめられた時、胸のときめきと一緒に足元が宙に浮くくらいに幸せな気分になったのを、言葉にして言いたかったがそれを言葉にする勇気がなかった。



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春の訪れは遠く 30

「ハニちゃん、お帰りなさい。」
「お義母さん、今まで気付かなくてごめんなさい。」
車が停まると待ちきれなかったグミが助手席のドアを開けた。
挨拶よりも今まで気が付かないで、父の親友の妻として接していた事をハニは最初に詫びたかった。
「いいのよ、あの時は混乱していたもの仕方のないことだわ。さぁ、家の中に入りましょ?」
ハニの手を引いて家の中に入って行くふたりを見ながら、これからがハニにとって大変な日々が続くのなら、グミが今以上に協力してくれると信じていた。


「スンハちゃんにも会いたかったけど、そんな事情なら仕方がないわね。」
少し早めのランチは、特別な物ではなくいつも用意していた日曜日のランチメニューだった。
スンジョの横にハニが座り、斜め向かい側にはウンジョが座り、キッチンに一番近い所がグミの場所でその正面にスチャンが座った。
「スンハちゃんの席も用意したのよ。」
ウンジョが『ここだよ』と自分の横でハニの正面の席に子供用の新しい椅子が用意されていた。
「ハニちゃん、ギドンの席も用意しているからいつでも一緒に食事ができるよ。」
「すみません・・・」
出来るだけ普通にしていようとしているのは分かるが、それぞれが緊張をしているのも伝わって来た。

「僕さ・・・大学生になったんだ。親父の母校のテハン大の経済学部。」
「すごいね・・頭がいいんだ。」
「お兄ちゃんほどじゃないけどね。僕は親父の会社の跡を継ぐ事を決めたからだけど、お兄ちゃんの高校の成績はまだ誰も抜いていないよ。」
何を話したらいいのか、どんなふうにしていたら良いのかと迷っている両親たちよりも先にウンジョが口を開いた。
かえって年が若いウンジョが先に話してくれたおかげで、ハニの緊張も解けていた。
グミから聞いていたスンハの話をスチャンもウンジョも勿論スンジョも知っていたが、ハニから聞く今日起きる事が出来なかったスンハの昨日の様子を聞きながら、家族そろってのランチの時間を楽しく過ごした。


「ここが私たちの寝室・・・・」
「なに一つ変えていないけど、このゆりかごはもう使えないから片付けようと思っている。」
「勿体無いね・・・本当ならスンハが使っていたのに・・・」
『いらない』と言ったスンジョに、『どうしても欲しい』と店頭で粘った時のハニの様子は今のスンジョには昨日のことのように残っていた。
指でゆりかごに触れているハニは、何かを思い出したのではなく何顔をもい出そうとしている風でもなかった。
穏やかなその表情にスンジョは自然と近づくと、肩に手を触れよとした瞬間にハニが振り向いた。
「あっ・・・」
明らかにいつもと違う表情に、スンジョはハニを抱きしめた。
「この家で一緒に暮らそう・・・」



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