小さなスンハの手は温かく、言葉では言い表せないほど大切な存在だと思った。
ギュッとつないだ小さな手は、スンジョのすべてを信じている気持ちが伝わっていた。
「ママ!パパが来たよ。」
店のドアを開けるとペク家に持って行くと思われる箱やカバンなどが積まれていた。
スンハと一緒に店内に入って来たスンジョを見るとパッと顔が明るくなり、三年前のあの日まで見ていたハニの笑顔だった。
「こんなに持って行くのか?」
「多いかなぁ・・・お義母さんがスンハのためにと言って持ってきた物ばかりだけど。」
お義母さんという言葉が少しずつ自然に出るようになってきていた。
「まぁ・・いいけど・・・」
ダメだとは言えなかった。
グミが買った物もあるだろうが、スンジョがグミに頼んで持っていた物もその中にはあるのだから。
「スンハ、その写真は箱の中に入っていたでしょ?いつの間に出していたの?」
大切層にスンハが胸に抱いている写真にハニは気が付き、スンジョはハニの視線の先にあるその写真の方を見た。
「昨日の夜だよ。この写真がないとママが悲しい顔をするから、スンハが大切に持って行くの。」
絶対にハニから取られないようにしているその写真が、どんな写真なのかスンジョは気になった。
「どんな写真なんだ?パパにも見せてくれる?」
「いいけど・・・・」
チラッとハニの方を見ているその顔は、スンジョの好きなハニの表情と似ていた。
「この写真ね・・ママが悲しい時に見せると、すごく元気になるんだよ。」
はいと言ってスンジョの前に出すと、まだこの写真が残っていたのだと思った。
「それね、パパの小さい時の写真。スンハがパパに会いたいと言った時、ママがこれがパパだよと教えてくれたの。」
その写真を見て、初めてスンハと会った時に『パパ』と呼んだ理由が分かった。
今のスンハと小さい頃のスンジョはそっくりだった。
それでもその写真から20年以上経っているのに、すぐに父親だと分かったのは親子の縁なのだろうかと、めったにそう思うことのないスンジョは心の中で呟いた。
「ここの木で写真をこうして撮るんだよね?」
幼稚園時代のスンジョと同じように左右の手の指を頬に当てて、ニッコリと笑うと隠したい過去の作品なのに、残してあって逆にそれはそれでよかったのかもしれない。
幼稚園の制服の胸についているネームプレートを指でなぞりながら『ペク・スンジョ』と言っている娘をスンジョは愛おしく思い、無意識に抱きしめていた。
その父と娘の姿に、ハニの中でじわじわと温かなものが流れ始めていた。

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ギュッとつないだ小さな手は、スンジョのすべてを信じている気持ちが伝わっていた。
「ママ!パパが来たよ。」
店のドアを開けるとペク家に持って行くと思われる箱やカバンなどが積まれていた。
スンハと一緒に店内に入って来たスンジョを見るとパッと顔が明るくなり、三年前のあの日まで見ていたハニの笑顔だった。
「こんなに持って行くのか?」
「多いかなぁ・・・お義母さんがスンハのためにと言って持ってきた物ばかりだけど。」
お義母さんという言葉が少しずつ自然に出るようになってきていた。
「まぁ・・いいけど・・・」
ダメだとは言えなかった。
グミが買った物もあるだろうが、スンジョがグミに頼んで持っていた物もその中にはあるのだから。
「スンハ、その写真は箱の中に入っていたでしょ?いつの間に出していたの?」
大切層にスンハが胸に抱いている写真にハニは気が付き、スンジョはハニの視線の先にあるその写真の方を見た。
「昨日の夜だよ。この写真がないとママが悲しい顔をするから、スンハが大切に持って行くの。」
絶対にハニから取られないようにしているその写真が、どんな写真なのかスンジョは気になった。
「どんな写真なんだ?パパにも見せてくれる?」
「いいけど・・・・」
チラッとハニの方を見ているその顔は、スンジョの好きなハニの表情と似ていた。
「この写真ね・・ママが悲しい時に見せると、すごく元気になるんだよ。」
はいと言ってスンジョの前に出すと、まだこの写真が残っていたのだと思った。
「それね、パパの小さい時の写真。スンハがパパに会いたいと言った時、ママがこれがパパだよと教えてくれたの。」
その写真を見て、初めてスンハと会った時に『パパ』と呼んだ理由が分かった。
今のスンハと小さい頃のスンジョはそっくりだった。
それでもその写真から20年以上経っているのに、すぐに父親だと分かったのは親子の縁なのだろうかと、めったにそう思うことのないスンジョは心の中で呟いた。
「ここの木で写真をこうして撮るんだよね?」
幼稚園時代のスンジョと同じように左右の手の指を頬に当てて、ニッコリと笑うと隠したい過去の作品なのに、残してあって逆にそれはそれでよかったのかもしれない。
幼稚園の制服の胸についているネームプレートを指でなぞりながら『ペク・スンジョ』と言っている娘をスンジョは愛おしく思い、無意識に抱きしめていた。
その父と娘の姿に、ハニの中でじわじわと温かなものが流れ始めていた。

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