大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2019年12月

あれから20年が過ぎて 101

「すみません・・・コーヒーをお願いします。」
若い青年はカフェに来ているのに、コーヒーを味わって飲んでいる風でもなく、何か思いつめているように見えた。
「もう10杯もコーヒーを飲んでいるけど、お腹に良くないよ。」
「それほど軟じゃないので・・・」
「お昼少しすぎからいるけど、何も食べていないでしょ?軽食はオープンサンドしかないけど、たくさんコーヒーを飲んでくれたからサービスよ。」
青年は、ぺこりと頭を下げて小さな声で礼を言った。

「とっても言い難いのだけど、閉店時間が過ぎたの。」
「あ・・・すみません・・すぐに食べます。」
「ごめんなさいね、田舎の町だから夕方にはお客さんも来ないし、まだ小さい息子もいて夕飯を作らないといけないの。それにソウルに行っていた子供が今帰って来ているから、たくさん家の事もやらなくちゃいけなくて・・・」
青年は自分がどれくらいハニの店に居座っているのか気が付いていなかったのか、ハニに言われてから慌てて辺りを見回した。」
「すみません・・・」
閉店までいて謝ってすぐに立ち上がるかと思ったが、青年は立ち上がろうとするどころかまだ何か用事があるのか、空になったコーヒーカップを手に持っていた。

「もしかして・・・・」
ハニが行き成りそう言うと、その青年はビクッとして顔を上げた。
「旅行に来て泊まる所が見つからないとか?」
「え・・・」
「私の親戚に民泊をしている人がいるのだけど、部屋は開いていると思うから電話をしてあげようか?寒いからうちに泊めてもいいけど、客間はあるけど帰省している子供の体調もあまりいわけでもなくて・・・」
「娘さん・・・具合が悪いのですか?寝込んでいるのですか?」

「寝込んではいないけど、ちょっとね・・・ソウルの大学に行っていたのだけど、なんだか精神的に辛い事があったみたいで・・・」
ハニは一度も『娘』と言っていないのに、青年が『娘さん』と言った事に何も気が付いていなかった。
「じゃあ・・・民泊を紹介してもらえますか?」
ハニが電話をしている間もその青年は、家の中の方を気にしながらそわそわとしていた。
そわそわとしている様子に不審な気がしたが、ただ単純に閉店までいたから申し訳なく思っているのだろうと思っていた。

「なにしてるの?」
「お客さんが泊まる所がないって・・・・」
ハニが電話をしている時に、奥からスンハが出て来たがその視線はハニではなく青年の方を見ていた。
「スンハ?」
「なにしに来たのよ!」
「迎えに来たんだ。」
「逃げたくせに!妊娠したって言ったら逃げたくせに!」
いつもと違う娘の様子に、お腹の中の子供の父親がこの青年だと気が付いた。



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あれから20年が過ぎて 100

スンリは一時もスンハから離れなかった。
話をしたくても、スンリのいるところではスンハの恋愛の話を聞くことができない。
カフェの営業時間になると、スンハはハニの手伝いをするが、妊娠の事を聞いているから体調の事やお腹のあたりが気になって仕方が無い。
はっきりと膨らみは分からないが、ゆったりした服を着るわけでもなく細身のスラックスをはいてお腹が隠れる服は着ている。
スンハのただの勘違いかもしれないという思いもあるが、最後に家に来たときは高校生で細身の娘でも幼さが残りそれなりにふっくらとしていた。

「スンハちゃん、しばらく見ない間にパパと似て随分と美人になったな。恋人ができたのか?」
「パパに似たら、美人じゃなくハンサムじゃない?」
「そうやって言うところはママにだね。」
「おじさん、私は彼氏なんていないよ。パパが一番好きだから要らないの。」
昔と変わらないように話すスンハが、自分の知らないところで大人な恋愛をしていたのだと考えると、色々なことがハニの頭に浮かんでいた。

「ママ・・・」
「なに?」
「妊娠したからって、ジロジロと見ないでよ。私だってもう大人だから、どうしたら妊娠することくらいわかっていての妊娠だから。ママだってどうしたら妊娠するのか知っていて、パパと付き合っていたのでしょ?」
「パパとは・・・」
付き合っていたことなどなかった。
ただずっと一緒にいたくて、この先もスンジョ以外の人のことが考えられなかっただけで、あの時は朝までよく一緒に過ごしていた。
特別にハニが好きだからとあの時は言われたことはなかったが、家族にも誰にも内緒で過ごしていたあの時はスンジョが五日は結婚しようと言ってくれると思っていた。

「疲れたから部屋で休むね。スンリにも、お姉ちゃんは疲れて眠くなったから部屋にいるから起こさないでって言っておいて。」
「妊婦は眠くなるからね。体調が悪かったらパパに連絡してね。」
今のスンハの頃にあの忌まわしい出来事があった。
今のこの町はハニやスンジョたち家族を知らない人はいない。
あの忌まわしい出来事を繰り返すことは絶対にないと信じていた。

常連ばかりのハニのカフェに、見慣れない若い青年が緊張しながら入って来た。
「いらっしゃいませ、どうぞお好きな席にお座りください。」
客席がたくさんあるわけではないが、その青年は何かを探しながら一番奥で、ハニたち家族が生活をしている部屋に通じるドアの一番近い場所に座った。



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あれから20年が過ぎて 99

普通に・・・普通に・・・・慌てないで、叫ばないで・・驚かないで、怒らないで・・・・

ぶつぶつと心の中で呟きながら、リビングにいるスンジョの所に向かった。
リビングと言っても、元々が古い診療所をリフォームした家で、カフェを併設しているからそれほど家の中もリビングも広くはない。
この町で再会してから結婚するまで少しの時間はあったが、子供たちが寝てからはリビングで二人で時間を過ごしてから寝室に移って眠るのは決まった行動だった。
だから、スンハからの報告を聞いて叫びながら廊下を走れば、部屋にいるスンハに聞こえるどころか眠っているスンリを起こしてしまう。

「聞いてきた・・・・」
「なんだった?」
スンジョはグミからの話で大体の想像はついたが、それはグミも自分も憶測に違いなく、年頃の娘を持ったことのないグミでも、若い女の子の恋愛の話には入り込めなかった。
「あのね・・・」
ソファーのスンジョの横の自分の指定場所に座ると、言い出しにくそうにしながらスンジョの方にもたれかかった。
「スンハ・・お腹に赤ちゃんがいるんだって。」
「そうか・・・」
「5月に産まれるって・・・産むしかない時期だって・・で、ママと一緒になっちゃったって。」

どうハニに言い出したらいいのか考えたが、遠回しな言い方はハニに伝わらないし、スンハにも違う風に伝えるだろう。
「ハニの時は、お義父さんに話す前にハニはオレに話したよな?」
「うん。でもスンハは、おなかの子供の父親がだれか・・・私聞いていなかった。」
「高校からの友達で、大学に入ってから付き合い始めたらしいよ。」
「えっ!スンジョ君、知っていたの?」
「声が大きい。」
自分が知らなかったスンハの付き合っていた人の事を、スンジョが知っていて驚き思わず大きな声が出てしまうと、ハニは両手で口をふさいだ。

「お袋からもしかしたらで聞いたから、確かな情報ではない。もちろん、お袋はスンハが妊娠したことは知らない。大学に入ってから日曜日も出かけていて、帰宅が遅くなる時は家まで車で誰かが送っていたようだよ。去年一年帰って来なかったし、今年の夏休みも帰って来なかった。夏休みは大学の友達と旅行に行くって言っていたから、その時にその付き合っていた人と一緒に旅行に行ったのじゃないかって・・・スンハがこっちに帰るために家を出た後に、若い男が家に来てお袋にスンハがどこにいるのか聞いたから、両親のいる街に冬の間は帰っていると言ったらしい。」

ハニの時とは違う。
オレは自分の元から去ったハニを探そうとしなかった。
スンハが付き合っていた男がここに来るのかどうかは知らないが、お袋はスンハの親であるオレたちの許可がないと教えることはできないと言った。
どんな事情でスンハが傷つきここに帰ってきたのかは、スンハが話さないと分からないが、傷ついたスンハがこれ以上傷つくようなことだけは避けたい。




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あれから20年が過ぎて 98

窓ガラス越しに黒い夜空をスンハは眺めていた。
久しぶりに実家で過ごしたクリスマスの時間は、彼女にとってはそれなりにリラックスできたが、親元を離れた5年前とは雰囲気もずいぶんと変わっていた。

「スンハ・・入ってもいい?」
「いいよ。」
誰かからの電話でも待っていたのか、手にしていた携帯を机の上に置くと、本を広げて読んでいる風を装った。
「ジョンオンおじさんが、スンハが帰って来るなら食べさせてやってくれと言って、今朝持って来てくれたんだよ。」
籐籠にたくさんの小さめのみかんが入っていた。
「おじさんの家の庭でなっていたの。小さい頃からスンハはこのみかんが好きだったよね。」
籠の中から一つ取り出してスンハの掌に乗せると、ハニは緊張した面持ちでスンハと向かい合った。
ただどう切り出していいのか、どのタイミングで話し出したらいいのか考え込んでいると、スンハの方から話し出した。

「何か話がしたいのよね?」
「元気にしていてって・・言うか・・・」
面と向かってしっかりと話をした事がないほど、スンハは自分の気持ちをハニに伝えたり表現をする事を今までした事がなかった。
「そうそう・・・・これ・・・・。」
スンハが家族が揃っている夕食の時に、りょうしんにわたしたふうとうをうけとった」
「これ・・・スンハが行くつもりで買ったのじゃない?スンハの事だから『ちがうよって言うかもしれないけど・・・・実はね、パパのクリニックにおばあちゃんから『スンハが悩んでいるみたいだから、相談言があるみたいだよ』って電話があったの。」

他人事を聞いているように、無関心な顔をしてみかんを一つ二つとスンハは食べていた。
鈍感なハニでも、スンハが何かに悩んでいるのはさすがに分かっていた。

どんな態度をとっても決して声を荒げたり、問い詰めるようなことは絶対にするなよ。

スンジョに何度もそう約束された。
一緒に遊んだり買い物をしたり、スイーツを食べるだけが母親ではない事は分かっていたが、スンハがソウルに行く頃はスンリが産まれたばかりで、話し相手にもなってあげられなかった。

「ママと一緒になっちゃった・・・・・」
「え?」
「ママがこっちに来た時と同じになっちゃった・・・・って事。」
「同じ・・・・!・・」
「5月に赤ちゃんが産まれるの・・・」
そう言うとスンハは大きな瞳から大粒の涙を流した。
母親がいなかった自分と同じ思いをした娘に、どう声を掛けたらいいのか情けないが分からなかった。
「そうだったの・・・・ママに言うのもスンハは勇気がいったよね・・・ママからパパに話すから、スンハは何も言わなくてもいいよ。」
あの時の自分の気持ちを思い出すと、あの時はギドンにどう伝えたらいいのか、伝えたらどれくらい驚くのか考えがまとまらなかった。



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あれから20年が過ぎて 97

数時間前までは家族だけのクリスマスパーティでにぎわっていたダイニングは、今はひっそりとしてハニが食器を片付けている音が響くだけだった。
二年ぶりに帰って来た娘は少し大人びた表情になり、母として嬉しいような少し寂しいような複雑な思いだった。

「スンリは眠ったよ。」
「寝かしつけてくれてありがとう。スンハが帰って来てくれてうれしくて興奮していたね。」
「そんなところがハニと似ているよな。」
「どういう意味よ!」
「自分の気持ちを素直に表せる事が出来る所だよ。スンハはオレに似て、伝えた方がいい思いを隠してしまうところがある。幼い時にハニと二人で暮らしていたから、ハニを困らせまいとしていたからなのだろうけど、オレがそうさせてしまって悪かったと思うよ。」

いつまでもスンジョが20年前の事を気にしていた事は知らなかった。
「スンジョ君のせいでもないよ。私がただ逃げ出しただけ。あの事が遭ってもスンジョ君は私と結婚してくれた。むしろ、感謝しているくらい。警察の人にはちゃんと話したけど、パパに本当の事を言えなかった。」
「もう、その話はやめよう。妊婦に自分の思いをぶつけるヤツは、最低だし人として許す事は出来ない。スンハが産まれた後も、どれだけハニが苦しんだのか・・・・」
子供たちにはあの忌まわしい事を知られたくない気持ちは、いつまで経っても二人は変わらなかった。
部屋にいると分かっていても、スンハがいつこの場に来るのか分からい。

「お袋から電話があったんだ。」
「お義母さんから?いつ?」
「クリニックで片付けをしている時に・・・スンハの様子が変だから、オレからハニに伝えて欲しいって。自分で言えばいいのに、スンリの世話でお前が大変だからオレに掛けてみタイだよ。」
「確かに様子が変だよね・・・あのチケットだって、若いカップルが行くものだし非売品じゃなくて買ったものだったよね?」
コトンと熱いコーヒーの入ったマグカップを、スンジョの目の前に置くとハニは向かい側に座った。

「去年大学に入ってから帰って来なかっただろ?」
「うん、長期休暇には帰って来るって自分で言っていたのに、勉強が忙しいだとか言って帰って来なかったよね。スンリがすごく寂しがってたわ。」
「付き合っている人がいたみたいで、帰らなかったという事だけど、ここ最近何かあったのか週末に出かけないで部屋に閉じこもって悩んでいるから心配だって。スンハが何でもオレに話していたのは、こっちで暮していた中学生までで、こういった事は母親のハニが聞くのがいいと思う。来年からは勉強も忙しくなるから、精神的に悩んでいるのなら長期休暇で帰って来ている時に少しでも楽にさせてやろうと思わないか?」
そうだ。
自分はスンハくらいの時に妊娠して、母親がいないからその相談をする事が出来ず、5ケ月に入っていたから産むしかなかった。
妊娠に気づかなかった事を、父は気にしていたと言ったのはハニとしても自分を責めていた。

「明日、スンジョ君スンリを見ていてくれる?一緒に買い物に行って、なんとなく聞いてみる。」
「今夜でも聞いた方がいいよ。スンハの事だから、外では普通にしているだろうから。」
母として娘の悩み事を聞くのが、普通の人なら早退した事じゃないかもしれないが、ハニには緊張して手に汗を掻くくらい重大事項だった。



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